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県では、今年度から里親や施設での生活を終えた若者の自立を支援する事業を行っています。受託している「ヤング・アシスト」の山岸さんにお話を伺いました。
山岸有香さん
「当法人では、生活相談、就労相談、社会的自立に向けた継続支援計画の策定の3本柱で支援しています。相談者は20歳前後の若者が多く、1日に2、3人が来所します。
相談内容は、料理や掃除、ごみの出し方、就職や職場での悩み、子育てに関することなどです。
社会的養護の元で育った若者たちは、困ったときにどこに相談し、誰に助けを求めたら良いのか分からないことがあります。彼らが育った施設でも懸命に自立のための支援をしていますが、施設だけで対応するのは大変なことです。
私たちへの相談だけで解決できない専門的なことでも、一緒に考え、サポートを受けられる場所へ相談に行けるよう助けています。今後も彼らと社会とをつなぐ窓口として支えていきたいと思っています」
「施設や里親宅を出た後、頼れる大人が見つからなかった若者たちが自立するためには、地域の皆さんの支援が必要です。事前に就労体験をさせたり、保証人がおらず賃貸契約が結べない子には住む場所を提供したりしてもらえると、彼らも安心して働くことができると思います。他にも、ボランティアで自立後の生活に必要な料理の作り方を教えてくれる人など、社会的養護に関心がある人に手助けをお願いしたいです。
今後は今まで以上に児童養護施設や里親宅へ出向いたり、積極的にイベントを行ったりして、私たちの取り組みをより多くの人に知ってもらいたいですね」
児童養護施設などを退所した若者たちが、安心して社会生活を過ごせるようお手伝いをしています。
児童養護施設では、子どもたちをできるだけ家庭的な環境で育てるため、少人数単位での養育を進めています。例えば一つのグループを施設の職員と6~8人の子どもで構成し、独立した居住空間で衣食住を共にします。
これにより、子どもが特定の大人との信頼関係を結ぶことができ、他人と適切な距離を取ることができるようになります。また職員は、それぞれの子どもたちに合った支援を行うことができ、心に傷を負っている子どものケアをすることができます。
県では、これらの施設整備に対して補助金を交付したり、職員を増やす場合に人件費を加算したりして、児童養護施設の整備を推進しています。
職員と本を読む子どもたち
県内各地で、児童相談所職員への相談や現役の里親と交流ができる相談会を開催しています。
県庁児童福祉課 電話 027-226-2628 ファクス 027-223-6526