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「県子どもの生活実態調査」から見えてきたもの
現状分析のため、現場で子ども・家庭の支援に携わっている人から聞き取りをした結果、次のような意見がありました。
現状を分析した結果、次の課題があることが分かりました。
調査の結果を受けて、三つの視点を持ちながら、さらなる支援体制の充実を図る必要があると考察しました。
子どもの居場所づくりに関する県の取り組みや今後の方向性について、県庁子育て・青少年課の久保子育て支援係長にお聞きしました。
久保直孝さん
「県では実態調査を踏まえ、子どもが信頼できる大人との温かなつながりの中で学力や生活力を身に付け、自立する力を養う場所が重要と考え、子どもの居場所の充実に取り組んでいます。
今年度は地域全体で機運を高め、関係者同士の連携を促進するため『子どもの居場所づくりフォーラム』を7月に開催しました。また民間団体などが子どもの居場所を開設するための経費を補助しています。
今後は、子どもの居場所づくりを担う人が親からの相談を受けた場合に、支援機関につないでくれることも期待しています。そのための人材育成研修や地域のネットワークづくりに取り組みたいと考えています。
県内ではさまざまな形で子どもの居場所が運営されています。このような場所は、子どもや保護者が地域で暮らす上でとても重要な存在です。
県としても、子どもが安心して将来に夢を抱けるよう、市町村や民間団体などと協力しながら、子どもの居場所が当たり前にある地域社会の実現を目指して支援していきます」
放課後子ども教室は市町村が実施主体となり、地域の協力を得ながら学校の空き教室などを活用して放課後に行う活動です。
学習支援やスポーツ・文化活動、地域住民との交流活動など、さまざまな活動が行われています。
中之条小学校放課後子ども教室で教育活動推進員を務める癸生川(けぶかわ)さんにお聞きしました。
癸生川久世さん
「中之条小学校放課後子ども教室は、19年4月に始まりました。対象は小学1~3年生で、現在142人の児童が登録しています。
教室の運営は、行政・学校の支援やボランティア・地域の人などの協力で成り立っています。開設当初から携わっている私の役割は、リーダーとして年間計画を作成したり、活動を統括したりすることです。
教室では、毎週火曜日に運動やゲーム、工作、中之条かるたを中心とした活動を、また土曜日には、月に1回ずつ上毛かるたとスポーツチャンバラの活動をしています。
中之条かるたは、子どもたちに自分の住んでいる地域をよく知ってもらい、親しんでもらいたいという思いから、当初から取り入れています。
またかるた取りだけでなく、短冊と一緒にかるたの札を付けた大きな七夕飾りを作り、毎年中之条駅に飾ってもらったりもしているんですよ。
これらの活動が認められ、昨年、文部科学大臣から表彰されたことはメンバーの励みになっています」
「子ども教室では、家庭ではなかなか体験できない事をたくさんする工夫をしています。例えば、毎年1年生がする板にくぎを打つ体験です。出来上がった板は、くぎに輪ゴムを掛けて迷路にしたり、立て掛けて上からビー玉を落としたりして遊びます。
子どもたちには、教室で覚えたことだけでなく、自分たちで発想を膨らませていろいろな遊びを作り出すことを身に付け、大人になっても何かを創造する楽しさを持ち続けてほしいです。
これからも子どもたちが放課後を楽しく過ごせる場所を目指していきたいと考えています。そして、教室に来ていた子どもたちが、何年たっても楽しかった場所として思い出してくれるとうれしいですね」
中之条かるたで遊ぶ子どもたち