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7つの交通軸構想
東毛広域幹線道路
東毛軸の主軸である東毛広域幹線道路は、高崎駅東口を起点に、伊勢崎市、太田市などを経て板倉町に至る延長約59キロの道路です。この道路の完成で、高崎駅と関越自動車道、上武道路、東北自動車道がつながりました。
開通前に比べ、周辺道路の渋滞緩和や沿線への工場立地の増加、物流の効率化などの効果が出ています。
東毛広域幹線道路の沿線にある伊勢崎宮郷工業団地に3月に第三工場を建設した、白十字の天田社長にお聞きしました。
天田泰正さん
「当社は大人用の紙おむつや、ガーゼ・脱脂綿などを製造しています。県内の三つの工場で製造した製品を太田市の物流センターに集め、そこから全国に出荷します。
新しい工場を建設したのは、大人用の紙おむつの需要が高まっていることや、集中豪雨・大地震などの天災が生産体制に及ぼすリスクを分散する必要があったからです。
建設地をここに決めたのは、東毛広域幹線道路の開通による物流面での時間短縮と利便性の向上が大きな理由です。道路の開通により、三つの工場と物流センターがそれぞれ約20分で行き来できるようになり、出荷がスムーズになりました。関越自動車道のインターチェンジ(IC)にも近く、東京の本社へも行きやすいです。また従業員の通勤時間短縮により、ワークライフバランスのさらなる充実につながると考えています。
道路などのインフラ整備が進み、企業がさらに発展しやすい環境になることを期待しています」
西毛広域幹線道路(高崎市棟高町の一部開通区間)
西毛軸の主軸である西毛広域幹線道路は、前橋市千代田町を起点に、高崎市、安中市、富岡市を結ぶ延長約28キロの道路です。
全線開通すると、前橋から富岡までの所要時間が24分短縮される見込みです。その結果、富岡製糸場や周辺の観光地へのアクセスがスムーズになり、周遊観光客の増加などが期待できます。
西毛広域幹線道路が全線開通することで観光客の増加が見込まれる富岡製糸場。今後の期待について、富岡製糸場解説員の桐生さんにお聞きしました。
桐生勇さん(富岡市)
「解説員を始めて8年になります。来場者の多くは首都圏から来る人で、全体の約7割を占めています。車で来る人もたくさんいるのですが、富岡製糸場を見学してから軽井沢など県外の観光地に行ってしまう場合が多いです。
西毛広域幹線道路が全線開通すると県内の他の観光地とのアクセスが良くなるので、富岡にゆっくり滞在して街歩きなども楽しんでもらえると思います。周辺の観光地に足を延ばして宿泊してもらうなど周遊型の観光も期待できます。30年度には『世界遺産センター(仮称)』が開所するそうなので、より多くの人に富岡製糸場を訪れてもらいたいです。
23年に北関東自動車道が全線開通してからは、東北地方や茨城からの来場者が急激に増えました。高速道路で人を呼び込み、西毛広域幹線道路などを使って県内を周遊してもらうことで、地域がもっとにぎわうといいですね」