「ぐんまの未来創生予算」 7,246億円
人づくりや仕事づくりをはじめとした未来への投資を着実に進め、群馬らしさを活かした豊かな社会を実現するため「ぐんまの未来創生予算」としました。
当初予算の編成に当たっては、総合計画の三つの基本目標である「地域を支え、経済・社会活動を支える人づくり」「誰もが安全で安心できる暮らしづくり」「恵まれた立地条件を活かした産業活力の向上・社会基盤づくり」の実現に向け、政策を着実に推進することを基本方針としました。
主な財源として、県税収入は、企業の所得に対する税負担の軽減などを行う税制改正の影響などから、28年度当初予算に比べ140億円の減となる2,350億円と見込んでいます。また地方交付税も、前年度の好調な県税収入を基に算出されるため、28年度当初予算に比べ106億円減少し、1,150億円にとどまる見込みであり、増額が見込まれる臨時財政対策債と合わせても、県税収入の減額に見合った額が確保できない状況となりました。そのため、財政調整基金や減債基金を可能な限り取り崩すとともに、実際の県税収入額が、地方交付税を算出する上で見込んだ県税の額を下回る場合に発行できる減収補てん債を、当初予算の段階から計上することで、県民生活に支障が生じないよう必要な財源を確保しました。
一方で、臨時財政対策債を除く実質的なプライマリーバランスは、17年連続で黒字を維持し、財政の健全性にも配慮しました。
県民の安全・安心を確保しつつ、群馬らしさを活かしながら、人づくりや仕事づくりをはじめとする本県の未来を見据えた施策を盛り込んだ「ぐんまの未来創生予算」を効果的に執行することで、県民の皆さんが豊かさを実感し、暮らし始め、住み続け、家族を増やしたくなるような「魅力あふれる群馬」の実現に向け、引き続き全力で取り組んでまいります。
(第1回定例県議会知事発言から)
予算の提案説明をする大澤正明知事
重点施策
1 次代を担う子どもたちのための施策の充実
県の未来を支える子どもたちのための施策を充実させます。
【主な取り組み】
- ぐんま少人数クラスプロジェクト 一部新規 14億1,625万円
本県独自の少人数学級編制を継続するとともに、32年度から始まる小学校の英語教科化に向け、県独自に英語教育アドバイザー教員を配置します。
- スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー配置 一部新規 2億8,686万円
いじめや不登校などの未然防止、早期発見・早期対応のため、小・中学校や高等学校などへの全校配置を継続します。さらに高等学校の定時制・通信制課程へのスクールカウンセラーの配置を拡充します。
少人数学級編制の授業風景
2 障害のある子どもたちの教育環境の整備
身近な地域で安心して教育を受けられる環境を整備します。
【主な取り組み】
- 伊勢崎特別支援学校での重複障害児の受け入れ 206万円
4月から重複障害児を受け入れられるよう、伊勢崎特別支援学校に看護師を配置します。また30年4月から、太田・伊勢崎高等特別支援学校でも重複障害のある生徒を受け入れられるよう準備を進めます。
- 沼田特別支援学校整備 3億2,889万円
沼田地域において小中高一体の特別支援学校の新校舎建設事業を進めます。また高等部が未整備の藤岡・富岡・吾妻地域でも、30年4月から生徒を受け入れられるよう準備を進めます。
27年に開校した吾妻特別支援学校(中之条町)
3 群馬の魅力を活かしたイメージアップと誘客促進
山や温泉、東国文化など群馬の魅力を活かした取り組みを推進します。
【主な取り組み】
- 稜線トレイル関連事業 一部新規 8,460万円
本県の豊かな自然環境を活かしたアウトドアスポーツによる地域活性化を図るため、稜線では国内最長となる上信越県境の登山道の整備やPRを行います。またルート上にある既設の県管理登山道の施設改修などにより、安全で快適に利用できるようにします。
- 上野三碑世界記憶遺産登録推進・発信事業 一部新規 1,164万円
今夏にユネスコ「世界の記憶」への登録を目指す上野三碑(山上碑、多胡碑、金井沢碑)について、関係機関と連携して機運醸成のためのPR活動や登録記念イベントなどを実施します。
みなかみ町と新潟県の境にあるオジカ沢ノ頭
4 群馬の強みを活かした仕事づくりと就労支援
誰もが活躍できるよう、雇用の場の確保や就労支援に取り組みます。
【主な取り組み】
- コンベンション施設関連事業 一部新規 13億8,678万円
本県の優れた拠点性を活かして、県内産業のさらなる発展や新たな産業の創出、若者や女性の雇用創出を図るため、コンベンション施設の本体工事に着手します。また施設の愛称募集やコンベンション関連産業への参入支援などを行います。
- 障害者雇用促進強化対策 一部新規 4,294万円
関係機関と連携して、特例子会社設立の推進や障害者就労サポートセンターによる実習・就職先の開拓などを行い、特別支援学校の生徒や就労支援機関の利用者などの就労を支援します。
32年春に開所予定のコンベンション施設完成予想図
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