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災害対応力強化に関する特別委員会が県外調査を実施しました(令和6年9月3日~5日)
1 調査目的
閉会中の委員会活動として、災害時の対応強化(医療・福祉含む)、防災・減災、災害レジリエンスの強化、県土強靱化について調査を実施し、今後の本県施策の進展に役立てます。
2 調査期日
令和6年9月3日(火曜日)~5日(木曜日)
3 調査項目
(1)国土交通省北陸地方整備局富山防災センター(富山県富山市)
富山防災センターは、国土交通省北陸地方整備局における北陸技術事務所・富山出張所にあたり、日本海に沿った広域的なエリアにおいて迅速な災害対応ができるよう北陸地方整備局管内の新潟・上越・富山に置かれた3つの防災拠点連携ネットワークの一つです。北陸地方整備局管内の西部地区における広域防災活動の拠点であり、様々な災害対策用機械・電気通信機器等を配備し、地震や水害・土砂災害・雪害・波浪などの災害発生時には迅速に復旧活動を行うための災害対策用機械等の出動及び資機材の備蓄基地として、情報の収集及び発信の基地として、また地方自治体との連携による相互支援基地として機能しています。防災に関する研修等も行っており、センター内にある防災ナビルームでは災害の歴史や自然・防災情報に関する写真・パネル・模型等を展示しています。
ついては、広域防災活動拠点機能、災害発生時の資機材の備蓄基地及び情報収集・発信基地としての機能、災害対策研修などを、群馬県の災害対応力強化に役立てるため、国土交通省北陸地方整備局富山防災センターにおける取組内容について調査を行いました。
排水ポンプ車の説明を受ける様子
(2)富山県立山カルデラ砂防博物館(富山県中新川郡立山町)
富山県立山カルデラ砂防博物館は、立山や立山カルデラの自然と歴史およびそこで行われている砂防事業を紹介することにより、広く人々に大自然の魅力と驚異、立山砂防についての理解を深めてもらうため、平成10年6月に県立総合博物館として開館しました。
立山は、地質、地形、気象、雪氷、生物等の自然に大きな特色を持つ名山であり、その中でも立山カルデラは、火山活動と侵食作用で形成された日本有数の大規模崩壊地で、立山の自然史を解くために重要な地域です。立山カルデラには多量の崩壊土砂が堆積し、常願寺川流域に度重なる土砂災害をもたらしてきました。下流の富山平野には土石流などによる大きな被害が出たため、富山県は富山平野の安全を願い明治39年から立山砂防の事業を始め、その後は国の直轄事業として今日まで営々と工事が続けられています。
富山県立山カルデラ砂防博物館では、これらの特色ある自然と歴史について、また100余年に渡り続けられている日本屈指の砂防事業について、常設・企画などの屋内展示や大型映像等を用いて紹介しています。そのほか野外ゾーンとして立山カルデラ地域での体験学習等も行っています。
ついては、土砂災害による被害とその対策を知ることで群馬県の災害対策に活かすため、富山県立山カルデラ砂防博物館における取組内容について調査を行いました。
立山砂防の歴史について説明を受ける様子
(3)富山県広域消防防災センター・四季防災館(富山県富山市)
富山県広域消防防災センターは、富山県危機管理局に所属する施設であり、県民の安全・安心な暮らしの確保をめざし、多様化・大規模化している火災・事故・災害等に的確に対応できる消防職員及び消防団員の育成を図っています。また、災害発生時には被災地への支援拠点となるとともに、平常時には県民の防災知識の普及啓発等を行っています。
センター内には、消防学校として各種訓練施設・訓練場や耐震性貯水槽・備蓄倉庫などが備えられており、センター本館は内部各室を転用することで災害時の防災サブ拠点として機能できます。また、四季防災館は、富山の春夏秋冬の災害や自然の特性を体験できる機能を活用し、自然災害の歴史とその克服に向けた先人たちの努力についても学べる体験学習施設となっています。
ついては、災害発生時の被災地への支援拠点機能、平常時の県民の防災知識の普及啓発などの参考とするため、富山県広域消防防災センター・四季防災館における取組内容について調査を行いました。
暴風雨を体験する様子
(4)石川県土木部水道企業課・送水管耐震化推進室(石川県金沢市)
石川県庁の水道企業課では水道用水供給事業及び手取川工業用水道事業を管理しており、また同課送水管耐震化推進室では送水管の耐震化に関する業務を実施しています。水道用水供給事業は、手取川ダムに一日最大44万立方メートルの給水が可能な水源を確保するとともに、現在、一日最大24万4千立方メートルを給水することができる施設を持ち、北は七尾市から南は加賀市までのうち一部を除く県内9市4町を対象に水道用水を供給しています。また、県民生活の安全・安心を確保するため、送水管の二系統化事業を推進しており、地下に埋設されている送水管について既設の送水管を補完する別ルートの耐震管を設置する二系統化により水道用水の安定供給を図るとともに、災害に強いライフラインの構築を目指しています。
本年1月1日に発生した能登半島地震による水道用水供給への被災についても、同課室で七尾市までの送水管の復旧対応を行ったところであり、能登半島地震による水道施設の被災状況や災害対応状況等を調査することで、群馬県での災害対応の検討に役立つと考えられます。
ついては、水道用水供給事業に関する災害対応などの参考とするため、石川県土木部水道企業課・送水管耐震化推進室における取組内容について調査を行いました。
石川県議会議事堂前にて
4 出席委員
委員長:井田 泉、副委員長:森 昌彦
委員:伊藤 清、委員:加賀谷 富士子、委員:松本 基志、委員:金沢 充隆、委員:追川 徳信、委員:須永 聡、委員:水野 喜徳