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文教警察常任委員会(令和6年3月18日)
文教警察常任委員会委員長報告
委員長 高井 俊一郎
文教警察常任委員会に付託されました案件の審査経過と結果について、ご報告申し上げます。
はじめに付託議案についてであります。第1号議案「令和6年度群馬県一般会計予算」に関して、まず、教育委員会関係では、スクールソーシャルワーカーの拡充内容や、活動状況について質疑されました。
次に、スクールサポートスタッフの活用と障がい者雇用の促進に関して、配置人数の実績や今回の配置数の根拠について、雇用する障がい者の勤務形態や支援体制について、障がい者雇用に変更してからの教職員の業務軽減の状況等について質疑され、教職員の多忙化解消を実現するためのスクールサポートスタッフであり、障がい者の雇用促進や一校一人配置へと繋がるように努めて欲しい旨要望されました。
また、教育委員会における障がい者雇用の現状と来年度の見込みや、定着支援の状況が質され、定着支援をしっかり実施して欲しい旨要望されました。
次に、特別支援学校のスクールバス運行に係る予算の債務負担行為の内容や、運行を委託する業者との契約状況について質されました。
次に、来年度の強度行動障がいの研究内容が質され、研修を受けた教員がいろいろな学校へ在籍し、理解が広がるよう要望されました。
次に、障がいや病気の有無等多様な子どもたちが共に学ぶインクルーシブ教育に関して、モデル校選定の考え方やモデル校設置に向けた取組について、合理的配慮への理解促進のための具体的なイベントの実施について質疑され、通常学級を希望する生徒が多い学校をモデル校に指定することも考えて欲しい旨要望されました。
次に、心と学びのサポートセンター「つなぐん」に関して、児童生徒の相談以外に教職員のための相談窓口を置く意図や、相談対象者を限定している理由について、フリースクールへの今後の支援についての考えについて、「つなサポ」の定員増の計画やメタバース空間の借用方法について質疑され、フリースクールと学校との連携や情報共有の強化にも配慮して欲しい旨要望されました。
次に、部活動の地域移行について、コーディネーターの経費の内訳や、地域移行した際の現職教員や退職した教員の活用について質疑され、総合型地域スポーツクラブの研究者や現職教員、退職教員の活用が求められました。
次に、文化部の地域移行等に向けた実証事業について、事業の進捗や来年度に実施する市町村の見通し、生じる課題による生徒の部活動選択肢が狭まらない体制の整備について質疑されました。
次に、ぐんまDXハイスクールについて、事業内容、参加する学校数、県の取組や学校への支援が質されました。
次に、高等学校Web出願システムについて、事業内容、開始時期、今後の所要経費の見通し、教職員の負担軽減、県立高校以外への本システム利用の考えが質疑され、業務縮減量を時給換算する等データ化することで、予算の妥当性が分かり易くなるとの意見がなされるとともに、本システムについて、市立高校とも情報共有して取り組むよう要望されました。
次に、学校非公式サイト等調査・監視事業の実施内容や、問題が表面化しないことが考えられる中での今後の対応について質されました。
次に、学校運営協議会を設置した「コミュニティスクール」を県立学校へ導入した経緯、モデル校の選定理由や、地域に親しまれる高校づくりを推進する「ぐんまコミュニティハイスクール」の成果の活用について質されました。
次に、教員不足解消のため、教職員の処遇改善や人員確保について、教育委員会の考えが質されました。
次に、公立小学校の校庭芝生化プロジェクトの取組実績、過去の芝生化事業の検証内容、維持管理に障がい者を活用することの効果について質されました。
続いて、警察本部関係では、警察業務の迅速化・効率化のための電算関係経費の内容、配備予定の端末台数の根拠、セキュリティ対策について質疑され、業務を効率化する上で、早期の一人一台端末の整備が要望されました。
次に、交通安全施設整備費に関して、信号灯のLED化の効果と進捗状況や、道路標示や横断歩道予算執行に係る新たな契約方法の執行実績、次年度以降の見込みについて質疑され、新たな契約方法による迅速な対応が要望されました。
次に、谷川岳遭難対策経費について、この数年間変化がないことが質され、現場でより安全に活動するためにも高性能な装備品の導入が求められました。
次に、報酬が増額された会計年度任用職員の配置状況や、交番相談員の被服について質疑され、安全性の高い装備品の配備が求められました。
次に、サイバー犯罪捜査用ツールの内容や、ソフトウェアライセンスのバージョンアップ等による価格高騰への対応、使用する職員の能力向上への取組が質疑され、ソフトウェアや人材育成については、常にブラッシュアップを図るよう要望されました。
第58号議案「第4期群馬県教育振興基本計画の策定」につきましては、計画へ寄せられたパブリックコメントの件数が質され、分かり易く読みやすい内容となったこと、若者からの意見が採用され新しい計画となったことが評価されました。
以上の点を踏まえ採決した結果、本委員会に付託されました各議案は、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
引き続き行いました請願の審査結果につきましては、お手元に配付の報告書のとおりであります。
続いて、決議案ですが、不登校児童生徒等への支援の充実を求める「誰ひとり取り残すことなく学びの場を確保する取組の充実を求める決議」を、本委員会で全会一致をもって決定し、別途発議することといたしました。
この他、委員会の所管事項についての議論が行われましたので、以下、その主な項目について申し上げます。
はじめに、教育委員会関係については、
- 高校入学者選抜における合否判定誤り事案の原因や影響の有無、原因が判明した際の公表及び議会への情報提供について
- いじめ再調査委員会の調査結果を踏まえた教育委員会の受け止めと取組について
- 小・中・高校で発生した児童生徒の死亡事故報告に関する国への報告に対する本県の状況について
- チーム担任制に対する見解やデメリット、教員の多忙化解消への効果、県内での導入状況について
- 県立高校の再編整備の今後の方向性や、地元との意見交換の状況、男女共学化の推進について
- スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの活動状況や人員の確保について
- 栄養教諭の活動状況と課題について
続いて、警察本部関係でありますが、
- 飲酒運転の検挙状況や検挙者のデータベース化について
- 交通携帯端末「TAP(タップ)」の導入について
- 交番と駐在所の数、それぞれの活動内容及び交番等に勤務する警察職員の安全対策について
- 警察施設、特に駐在所への太陽光発電設備の導入状況について
- 定年引上げとなる警察官の対象者数、配置状況について
- 休職者の定員外措置について
- 女性留置者の服装に関する対応状況について
- 児童や障がいを有する被害者等から代表者聴取などの事情聴取をする際の留意事項について
- 国際捜査支援分析課の新設の成果及び今後の課題について
- 子どもが犯罪に巻き込まれないための情報リテラシー教育について
- ヤードの現状と対策について
これらの事項につきましても、活発な議論が行われました。
以上、申し上げまして委員長報告といたします。