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公共交通・観光振興に資する諸施策の推進に関する提言 公共交通・観光振興特別委員会(平成31年3月7日)

 公共交通・観光振興特別委員会は、幅広く公共交通に関する施策、本県への観光誘客に関する施策に焦点をあて、様々な観点から、活発に議論を行ってきた。
 現在県では、「群馬県交通まちづくり戦略」を策定し、今年度をスタートとしておおむね20年後を見通した施策の推進に努めている。今後人口減少が進んでいく中で、県民の移動手段をいかに確保しながらまちづくりを進めていくかが大きな課題となっている。
 現在、AIやIoTが発達する中で、公共交通に対しても自動運転技術など新しい視点からの再構築が模索されている。今後は限定的な範囲内を移動する自動運転車を活用した枠組みや、それらを広域的につなぐ公共交通など、その役割に変化が生じる時代になってくる。そういった将来を見据えて、施策運営を行っていくことが求められている。
 次に観光振興であるが、2020年は群馬県にとって非常に大きなチャンスである。新たな群馬県のシンボルとなるGメッセ群馬の開業、群馬デスティネーションキャンペーンの開催、その後は東京オリンピック・パラリンピックの開催が控えている。
 さらに、八ッ場ダムの完成も予定されており、観光立県をかかげる本県への大きな後押しとなる。
 この好機を逃すことなく着実に施策を進めることが大事であり、観光振興のみならず、関係人口を拡大し、さらには移住にまでつなげる視点も持つ必要がある。
 公共交通の充実や観光資源の魅力は、そこに暮らす県民の生活の向上のみならず、誇りや愛着の醸成にもつながり、県外から人を呼び込むことができる魅力にもなる。
 これからの人口減少社会に立ち向かうには、ぐんまの魅力を高め、地域に愛着を持ち、安心して暮らせる環境を整えることが不可欠であると考える。
 ついては、県当局には、公共交通・観光振興に資する次の事項に積極的に取り組まれるよう強く要望する。

公共交通に関すること

  • 公共交通に対して、高齢者等の移動手段や将来を担う子どもたちの移動手段の確保など世代間をつなぐ認識を持つことが大切であり、公共交通を守り育てていく意識への転換を促す取組を行うこと。
  • 車以外の移動手段の確保の観点から、県において都市間を広域的につなぐ、新たな交通システム(BRTなど)の東毛広域幹線道路への導入の検討を進め、更に沿線自治体と連携し、域内交通の利便性向上を目指すこと。
  • 公共交通の利便性向上のため、交通系ICカードの導入やより利用しやすい公共交通の環境の充実に向けて、バス会社や地域住民をはじめ関係者が一堂に会し意見交換できる「場」の創設に努め、その「場」において意見等をまとめることのできるようイニシアティブをとって進めること。
  • 高齢化の進展や免許返納の社会的な流れの中で、ドアtoドアのデマンド交通が必要な地域が急増すると思われる。県内外の先進例を参考にしつつ、地域の特性を活かして関係業者や自治体、住民との話し合いや組織の立ち上げをコーディネートできる人材育成を図るとともに、県としての財政支援を検討すること。
  • JRに比べて運賃が割高となっている私鉄3社について、県民は、居住地を走る鉄道事業者の選択しかない状態である。通学定期代については、一番高い事業者とJRでは、倍以上の開きがあることから、この改善を行うよう事業者と協議を進めること。また、バスの通学定期券についても、運賃の改善を行うよう事業者と協議を進めること。
  • 自転車の活用については、走行空間の整備とともに、安全運転やマナー向上、自転車保険加入促進やヘルメットの着用などの普及啓発も行うこと。
  • 東武桐生線において実施された利用促進にかかる社会実験について、検証を進めるとともに、通年運行に向けた取組を進めること。

観光振興に関すること

  • 観光地づくりは、草津の湯畑や伊香保の石段街のように、地域をイメージできる場所を中心に据え、長期の視点を持って計画的にまちづくりを進めていく必要がある。世界遺産の富岡製糸場においても、長期的な視点に立って、富岡製糸場を中心に据えた、地域をイメージできるようなまちづくりを支援すること。
  • 本県の重要な観光資源である温泉について、更に一歩進んで温泉文化という概念を構築し発信することにより、さらに温泉の価値を高めること。また、温泉文化がユネスコ無形文化遺産登録となるような研究を行うとともに、その研究成果を観光振興に活かすこと。
  • 群馬DC、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、多くの外国人や国内の観光客の増加が見込まれるが、この好機に向け、群馬県のイメージやコンセプト、テーマを明確に磨き上げ誘客を推進すること。
  • 群馬県を訪れた人が交流人口から関係人口、ひいては移住に結びつけられるような、イメージづくりも同時に進めること。
  • ぐんま県境稜線トレイルについては、引き続き安全対策などの整備を行うとともに、女性やビギナー向けの取組を推し進めること。
  • 観光地への二次交通の整備については、インバウンド等にも大変有効であることから、市町村と協力しながら持続性のある実現可能な方策を検討し推進すること。

 以上、提言する。

 平成31年3月7日

群馬県議会公共交通・観光振興特別委員会

 群馬県知事 大澤 正明 様


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