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公共交通・観光振興特別委員会(3月12日)
公共交通・観光振興特別委員会 委員長 南波 和憲
委員長 南波 和憲
公共交通・観光振興特別委員会における審査経過と結果について、ご報告申し上げます。
本委員会は、公共交通及び観光振興について、一体的、横断的、集中的に審査を行うことを目的として、昨年5月に設置されました。
以来、委員会においては、これらの付議事件に関し、活発な議論を行ってきました。
また、長野県において、美術・芸術の取組、産業観光の取組、官民協働のまちづくりの取組、スキー場のインバウンドの取組、公共交通を維持する鉄道会社の取組について調査を行い、今後の本県における取組への参考にすべく認識を深めてまいりました。
これまでの調査や審査の結果、今定例会をもって、本委員会における付議事件の審査を終了するとともに、知事あてに提言を提出することを確認いたしました。
提言書は、全13項目からなる「公共交通・観光振興に資する諸施策の推進に関する提言」とし、これを全会一致をもって決定したところであります。
なお、新町駅付近連続立体交差事業による駅利便性向上や、地下鉄半蔵門線の館林駅までの延伸促進の提案もありましたが、個別駅の提案となるため、提言には入れてありませんが、委員会での議論を踏まえて着実に推進していただくことを希望するものです。
それでは、提言項目を以下申し述べます。
まず、公共交通に関することでは、
- 公共交通に対して、高齢者等の移動手段や将来を担う子どもたちの移動手段の確保など世代間をつなぐ認識を持つことが大切であり、公共交通を守り育てていく意識への転換を促す取組を行うこと。
- 車以外の移動手段の確保の観点から、県において都市間を広域的につなぐ、新たな交通システム(BRTなど)の東毛広域幹線道路への導入の検討を進め、更に沿線自治体と連携し、域内交通の利便性向上を目指すこと。
- 公共交通の利便性向上のため、交通系ICカードの導入や、より利用しやすい公共交通の環境の充実に向けて、バス会社や地域住民をはじめ関係者が一堂に会し意見交換できる「場」の創設に努め、その「場」において意見等をまとめることのできるようイニシアティブをとって進めること。
- 高齢化の進展や免許返納の社会的な流れの中で、ドアtoドアのデマンド交通が必要な地域が急増すると思われる。県内外の先進例を参考にしつつ、地域の特性を活かして関係業者や自治体、住民との話し合いや組織の立ち上げをコーディネートできる人材育成を図るとともに、県としての財政支援を検討すること。
- JRに比べて運賃が割高となっている私鉄3社について、県民は、居住地を走る鉄道事業者の選択しかない状態である。通学定期代については、一番高い事業者とJRでは、倍以上の開きがあることから、この改善を行うよう事業者と協議を進めること。また、バスの通学定期券についても、運賃の改善を行うよう事業者と協議を進めること。
- 自転車の活用については、走行空間の整備とともに、安全運転やマナー向上、自転車保険加入促進やヘルメットの着用などの普及啓発も行うこと。
- 東武桐生線において実施された利用促進にかかる社会実験について、検証を進めるとともに、通年運行に向けた取組を進めること。
次に、観光振興に関することでは、
- 観光地づくりは、草津の湯畑や伊香保の石段街のように、地域をイメージできる場所を中心に据え、長期の視点を持って計画的にまちづくりを進めていく必要がある。世界遺産の富岡製糸場においても、長期的な視点に立って、富岡製糸場を中心に据えた、地域をイメージできるようなまちづくりを支援すること。
- 本県の重要な観光資源である温泉について、更に一歩進んで温泉文化という概念を構築し発信することにより、さらに温泉の価値を高めること。また、温泉文化がユネスコ無形文化遺産登録となるような研究を行うとともに、その研究成果を観光振興に活かすこと。
- 群馬DC、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、多くの外国人や国内の観光客の増加が見込まれるが、この好機に向け、群馬県のイメージやコンセプト、テーマを明確に磨き上げ誘客を推進すること。
- 群馬県を訪れた人が交流人口から関係人口、ひいては移住に結びつけられるような、イメージづくりも同時に進めること。
- ぐんま県境稜線トレイルについては、引き続き安全対策などの整備を行うとともに、女性やビギナー向けの取組を推し進めること。
- 観光地への二次交通の整備については、インバウンド等にも大変有効であることから、市町村と協力しながら持続性のある実現可能な方策を検討し推進すること。
以上のとおりであります。
なお、同日、審査終了に伴う委員会報告書につきましても、内容審査を行い、全会一致をもって決定し、過日、議長あてに提出いたしました。
以上、申し上げまして、委員長報告といたします。