本文
ぐんまの暮らしづくりに関する特別委員会(3月20日)
ぐんまの暮らしづくりに関する特別委員会 委員長 久保田 順一郎
委員長 久保田 順一郎
ぐんまの暮らしづくりに関する特別委員会における審査経過と結果について、ご報告申し上げます。
本委員会は、地方創生を踏まえた中山間地域や限界集落の再生施策、当該地域を含む交通面でのセーフティネット施策等、貧困家庭等の支援及び在住外国人との共生等について、一体的、横断的、集中的に審査を行うことを目的として、昨年5月に設置されました。
以来、委員会においては、これらの付議事件に関し、公共交通の再生、高齢者の運転免許返納支援、貧困家庭及び貧困児童生徒への支援(福祉及び教育)、移住定住促進、県内在住外国人との共生及び支援等の観点から、多くの活発な議論を行ってきました。
また、昨年8月には、三重県菰野町の公共交通空白地有償運送の取組、京都府での貧困家庭、貧困児童生徒への支援施策、京都市での「ひとり親家庭支援センター」の取組、三重県でのグリーン・ツーリズムを始めとする農山漁村振興の取組について調査を実施するとともに、本年2月には、群馬大学における「路線バスの自動運転実証実験」の調査を行い、今後の本県における取組への参考にすべく認識を深めて参りました。
また、今定例会中、3月6日に開催された委員会におきましても、
- 交通まちづくり戦略の目標について
- 東毛広域幹線道路におけるBRT構想調査について
- 高齢者の免許返納に関する取組について
- 山村振興に関する支援について
- 多文化共生推進指針の取組について
- 多文化共生推進士の状況について
- 買い物弱者対策について
- 児童養護施設退所者への支援について
- ぐんま暮らし支援事業について
- 公立高校入学者選抜における海外帰国者等入学者選抜について
- 外国人児童生徒への支援について
など、付議事件に関する各般の議論が行われたところであります。
なお、3月6日の委員会におきまして、今定例会をもって、本委員会における付議事件の審査を終了するとともに、3月15日の委員会において、知事あてに提言を提出することを確認いたしました。
提言書については、これまでの審議や調査などにおける議論を踏まえ、全11項目からなる「ぐんまの暮らしづくりに資する諸施策の推進に関する提言」を取りまとめ、これを全会一致をもって決定したところであります。
なお、その項目として、公共交通の再生、交通弱者対策に関することでは、
- 移動手段が自動車中心の生活スタイルでは、公共交通が衰退し高齢者や学生など「自動車を使えない県民」の移動手段がなくなっていく。そのため、「自動車以外の移動手段」も選択できる社会への転換が課題となっており、既存の公共交通の利便性向上を図るとともに地域特性を踏まえた新たな移動手段の導入に向けた検討を行うこと。
- パーソントリップ調査を踏まえ、戦略的かつ効果的に施策を実施するための計画である「群馬県交通まちづくり戦略」に則った着実な施策展開を行うとともに、県民の公共交通の必要性に対する意識の変化や機運を高める取組を行うことで、施策を前進させ、暮らし やすい環境づくりにつなげること。
- 学生や高齢者など生活者が移動手段として公共交通を有効に活用できるように、公共交通間の接続や運行時間等の乗換抵抗を改善するよう、公共交通機関の連携についてイニシアティブを取って進めること。
次に、中山間地域及び限界集落の再生に関することでは、
- 主体である市町村と協働して、県外から人を呼び込むことを強化することで、都市農村間の交流を図り、観光との連携や移住・定住の促進などにつなげること。
- グリーン・ツーリズムを始めとする地域の魅力的な空間を活用した体験や交流など中山間地域にある様々な魅力を発掘し、磨き上げ、広く周知することで、地域の活性化や交流に結びつくよう、効果的な情報発信を積極的に行うこと。
- 中山間地域の地域特性を活かした創業等の支援も実施するなど、中山間地域及び限界集落の再生への効果的な取組を講じること。
- 移住促進や過疎対策については、全国の自治体の成功例や先進的な手法などを研究し、コミュニティーの主体性を活かして、地域の実情に合った取組を推し進めること。
次に、貧困家庭及び貧困児童生徒への支援に関することでは、
- 子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、群馬県子どもの貧困対策推進計画に基づき着実に事業を進めること。
- ひとり親家庭等の自立を支援するための各種施策について、様々な機会を通じて、事業の周知広報に努め、福祉支援が必要な子どもや家庭に必要な支援が届くよう、学校現場や関係団体、関係部局との連携を一層深めて取り組むこと。
最後に県内在住外国人との共生及び支援に関することでは、
- 県内在住の外国人人口は平成29年末で過去最多となった。かつての短期的な滞在から、永住権を持つ外国人が増えてきており、日本人同様の定住者意識を持ちつつある。そのため、外国人住民を日本人と同様に県民の一人として見ていく視点への転換が必要であり、多文化共生に対する県民意識の醸成を更に進める取組を実施すること。
- また、多文化共生が避けて通れない社会に向かっていることから、これまでよりも一歩進んだ国際化社会を形成していくために、外国人住民が持つ多様性を活かしながら、誰もが参加・協働し安心して暮らせる、活力あるぐんまの暮らしの実現に取り組むこと。
以上のとおりであります。
なお、同日、審査終了に伴う委員会報告書につきましても、内容審査を行い、全会一致をもって決定し、過日、議長あてに提出いたしました。
以上、申し上げまして、委員長報告といたします。