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スポーツ振興に関する提言 スポーツ振興に関する特別委員会(平成29年3月16日)

 昨年開催されたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでは、日本人選手の活躍が日本中に感動と活力を与えた。3年後の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定しており、スポーツへの関心が高まるとともに、全国各地でキャンプ地の誘致活動が行われるなど、スポーツに関する新たな動きが始まっている。

 本県に目を向けると、昭和58年にあかぎ国体が開催され、選手・指導者の養成や競技施設の整備により、本県のスポーツ環境は飛躍的に発展した。
 昭和63年からは、本県において全国実業団対抗駅伝競走大会が開催され、元日の恒例行事として定着しているほか、県内では「ぐんまマラソン」をはじめとした多くのスポーツイベントが開催され、県民は広くスポーツに親しんでいる。
 また、スキー・スノーボード、ラフティング、稜線トレイルなど、群馬県の自然を活かしたアウトドアスポーツが観光資源として大きな役割を果たしつつある。
 しかし、あかぎ国体の開催から30年以上が経過し、当時整備した施設の老朽化や指導者の高齢化が進むとともに、競技力の低下により、国体の総合順位も低下傾向がみられるなど、施設の整備や選手・指導者の養成が大きな課題である。
 さらに、スポーツイベントの開催やキャンプ地誘致などは、一過性で終わらせるのではなく、継続的にスポーツ産業や地域活性化などに繋げることが重要である。
 今後、高齢化の進展などにより、県民の医療費は増加し続けることが予想されることから、県民が健康で豊かな生活を送ることができるよう、スポーツの持つ力を健康増進・介護予防の分野で活用することが求められている。
 こうした中、知事は今定例会本会議において、11年後の平成40年に国体を本県に招致することを明らかにした。11年という期間は、決して長いものではなく、国体の開催に向けて、指導者・選手の養成や施設の整備などの準備を計画的かつ早急に進めていかなくてはならない。
 また、地域活性化や健康増進などにスポーツの持つ力を活用することについても、国体開催を大きなチャンスとして取り組んでいかなくてはならない。

 ついては、県当局におかれては、次の事項に留意され、群馬県が大きくはばたくため、さらなるスポーツの振興に取り組まれるよう、強く要望する。

1 競技スポーツに関すること

  1. 子どもたちが、より多くの競技種目を体験することにより、自己の優れた才能に目覚めさせ、本県の未来を担うジュニア選手の発掘を行う方法を検討すること。
  2. スポーツ推進計画に掲げた目標「国体総合成績15位以内(平成32年)」を達成するため、県スポーツ協会・各競技団体と連携し、競技力の向上を図る様々な施策を戦略的に実施すること。
  3. 群馬県で全国規模の大会を開催する場合は、成績優秀者にぐんまちゃんのぬいぐるみを贈呈し、ぐんまのイメージアップを図ること。

2 スポーツ環境の整備(指導者及び審判員の育成等を含む)に関すること

  1. アスリートを目指す競技者育成を行うため、指導者の確保を図るとともに、子どもたちが、将来にわたって群馬で競技を続けることができる環境整備に努めること。
  2. 大会の審判員や記録員の不足を補うために、機器の購入を行う競技団体を支援するなど、記録の電子化の推進を図ること。
  3. 冬季国体が数年に一度の間隔で開催されるなど、冬季競技に対する群馬県の役割は大きいことから、冬季競技の施設整備、活用を図ること。
  4. 季節スポーツについては、シーズンオフの間の練習が重要であることから、競技環境の通年化を図ること。

3 生涯スポーツに関すること

  1. スポーツは健康を増進させ、人生に生きがいを与える力にもなることから、スポーツを通じて、健康寿命の延伸を図る施策をスポーツ振興、健康福祉、生涯学習など様々な部局で連携して総合的に実施すること。
  2. 地域の絆を深め、活力のある地域社会創造に向け、スポーツの持つ力を活用した施策を実施すること。
  3. 県有スポーツ施設については、指定管理者が管理を行っているが、高齢者からの利用料徴収など、適切な運営を図るためにも、利用料金については、見直しを行うこと。

4 学校体育に関すること

  1. 運動部活動の指導者確保のため、教員採用において、スポーツ選考をさらに充実させるとともに、専門性を考慮した適材適所の配置を行うこと。
  2. 運動部活動の指導に外部指導者の積極的な活用を図ること。
  3. 学校の運動部活動において、少子化の進展等を踏まえた適切な大会運営の在り方について検討するよう、関係団体に働きかけること。

5 障害者スポーツに関すること

  1. スポーツ協会・障害者スポーツ協会・競技団体・関係団体(機関)との連携のもと、各競技の組織化を進め、障害者スポーツの裾野拡大を図ること。
  2. 障害者対応への各スポーツ施設の改修・充実及びパラリンピック競技等、各種目の用具の拡充を図ること。
  3. 障害者スポーツへの理解促進を図るとともに、支える人材(指導者、審判員、ボランティア等)の育成を図ること。
  4. 障害者スポーツの競技力向上を図るため、各種大会・記録会の拡充を図ること。
  5. 充実した障害者スポーツ施策を推進するため、障害者スポーツ施策を担当する部署の一元化を図ること。

6 国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の招致に関すること

  1. 第83回(平成40年)国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の開催に向けて、組織体制を整備するとともに、財源の確保を図ること。
  2. 第83回(平成40年)国民体育大会については、同時に冬季国体を開催し、完全国体として開催すること。
  3. 群馬県では数年に一度の間隔で冬季国体が開催されていることを踏まえ、競技団体等と調整の上、平成40年までの間に、冬季国体を計画的に招致すること。
  4. 各競技団体と意見交換をしながら、国民体育大会・全国障害者スポーツ大会の正式開催地決定までの間に各競技別にタイムスケジュールを作成し、施設整備及び指導者の養成やジュニア選手の育成を計画的に進めること。
  5. 県において整備する施設を明確に定めるとともに、市町村の施設整備については、県としてできる限りの支援を行うこと。また、開催会場は、各市町村において開催ができるよう配慮すること。

以上、提言する。

平成29年3月16日

群馬県議会スポーツ振興に関する特別委員会

群馬県知事 大澤 正明 様


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