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厚生文化常任委員会(生活文化スポーツ部関係)平成28年12月7日(水曜日)
1.開催日時
平成28年12月7日(水曜日)10時01分開始 12時01分終了
2.開催場所
402委員会室
3.出席委員
委員長:原和隆、副委員長:川野辺達也
委員:橋爪洋介、委員:須藤和臣、委員:中島篤、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:小川晶、委員:本間惠治、委員:穂積昌信
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)第196号議案「指定管理者の指定について」について
橋爪委員
指定管理者の選定について、いずれも応募団体が1団体であるが、その点についての見解はどうか。
佐藤生活文化スポーツ部長
総合スポーツセンターについては非公募で、県立自然史博物館附帯ホール及び群馬県ライフル射撃場については公募であるが、今回応募した団体は、それぞれ専門性が高く、地域に密着し、地域の活性化と結びついている団体である。応募については、民間のノウハウを活用するため広く公告をしているが、結果的に1団体であった。指定管理者の更新の際には広く民間に対して周知を図っていきたい。
橋爪委員
非公募にする基準は何か。
佐藤生活文化スポーツ部長
総合スポーツセンターは、県のスポーツの中心的な拠点として、競技力の向上を担っている。スポーツ振興施策の中軸となっているスポーツ協会が運営をしていくことが適切だと考え、非公募としている。
橋爪委員
指定管理者制度の目的は何か。
佐藤生活文化スポーツ部長
民間のノウハウを活用し、県で行うことができないような民間による自主事業や、利用料金制度を採用し、施設を活用することである。
橋爪委員
選定結果の「サービスの提供内容」の点数を見ると県民満足度が足りないように感じるがどうか。
佐藤生活文化スポーツ部長
施設を十分に活かしきっていない点もあると考える。毎年評価委員会による評価をしており、より効果的な運営や県民サービスの向上が図れるよう、県としても検討していきたい。
橋爪委員
県民はもっとサービスの改善を求めていると考えるがどうか。
加藤文化振興課長
指定管理者と相談して、より良いサービスを提供していきたい。
(2)県立美術館・博物館における防水予防対策について
橋爪委員
近代美術館の漏水については、Y型ストレーナーの不具合が原因との説明があったが、収蔵庫の上に空調機械室があるのだから、2階床への防水処理や漏水検知器の設置などの対策を行うべきで、そこが根本的な原因であると思うがどうか。
加藤文化振興課長
県立の美術館・博物館の5館については、改めて総点検を行い、このようなことが二度と起こらないよう万全を期したい。
橋爪委員
県立美術館・博物館の5館の総点検は終わっているか。
加藤文化振興課長
各館の総点検は終了し、毎日の巡視も始めている。防水予防対策工事も、早急に対応したい。
橋爪委員
漏水だけでなく火災も意識し、例えば、スプリンクラーなどの設置は基準を満たしているか。
加藤文化振興課長
消防設備についても防水対策と同様に万全を期している。
橋爪委員
機械室については、保守点検契約はこれまでなされていたのか。
加藤文化振興課長
その通りである。
橋爪議員
保守点検は、数か月に1度、定期的に行われるのだと思うが、日常の点検については、これまで職員は行っていたのか。
加藤文化振興課長
これまで、収蔵庫は、学芸員による点検を週1回、機械室は、技師による点検を月1回実施しているほか、業者が定期点検を行っている。今後は、収蔵庫、機械室を毎日巡視するほか、業者の総点検を3か月ごとに行っていく。
橋爪委員
毎日の巡視は、かなりの労力が必要になると思うが、点検はどのように実施するのか。
加藤文化振興課長
漏水があったので、隅々までよく見たいと考えている。
須藤(和)委員
歴史博物館がリニューアルした原因は何か。
加藤文化振興課長
空調機器から水滴が落下し、資料を毀損したことが原因である。全館を改修して、24時間体制で空調を管理している。
須藤(和)委員
24時間体制で監視しているとのことだが、空調設備の保守点検の契約はどうなっているのか。
加藤文化振興課長
空調設備の保守点検については、運転している24時間、空調設備全体をカバーしている。また、機器によって異なるが、年1、2回業者が点検し、点検の不備によって損害が生じた場合は、業者が補償する契約となっている。
須藤(和)委員
文化振興課の所管施設はどこか。
加藤文化振興課長
近代美術館、館林美術館、歴史博物館、自然史博物館、土屋文明記念文学館の5館である。
須藤(和)委員
5館の空調設備はどのように点検、巡視が行われていたのか。
加藤文化振興課長
職員による収蔵庫の巡視を週1回、技師がいる館では技師による機械室の点検を月1回、業者による定期点検を行っていた。
須藤(和)委員
近代美術館だけでなく、他の館も同様の点検、巡視ということだが、生活文化スポーツ部から指示していたということか。
加藤文化振興課長
週1回の点検を以前に取り決めたものと考えられる。
須藤(和)委員
今回の近代美術館漏水事故の責任はどこにあるのか。
加藤文化振興課長
今回の漏水事故の原因はY型ストレーナーの施工ミスである。施工業者が第一義的に責任を負うことになる。県も寄託作品を預かっている立場であるので、責任を感じている。
須藤(和)委員
施工業者名は公表したのか。
加藤文化振興課長
業者は前橋市の金井興業(株)で、記者会見で公表した。
須藤(和)委員
その会社が館全体の空調設備の取り付けを行ったのか。
加藤文化振興課長
今回の改修工事において、施工・管理は金井興業(株)で行っている。
須藤(和)委員
金井興業(株)は、責任をどのように取ったのか。
加藤文化振興課長
寄託作品の修復に一番多く費用を要したが、この費用は全て金井興業(株)が負担した。
須藤(和)委員
作品に被害が及んだ場合や水漏れの場合などについて、契約に明記されているのか。
加藤文化振興課長
契約上、業者の瑕疵担保責任が明記されている。
須藤(和)委員
ESCO事業で整備した自然史博物館については、リスクマネジメントの面で他の施設と違いがあるか。
加藤文化振興課長
ESCO事業は省エネで効果を発揮するものであり、リスクマネジメントという点では、基本的に大きな違いはないと思うが、エネルギーが僅かで済むという点では、多少リスクは低くなっていると思う。
酒井委員
近代美術館の漏水問題について、毀損作品の関係者への謝罪は行ったのか。
加藤文化振興課長
寄託者のところに伺って、事故の概要の説明を行い、精密に修復をすることを約束したところである。
酒井委員
原因究明と再発防止を徹底して行う必要があると考えるが、このような事態をまったく想定していなかったのか。チェックはできなかったのか。
加藤文化振興課長
設置されていたY型ストレーナーは、国土交通省仕様と異なり、管内のゴミを除去するフィルターの目が粗いため、ゴミが攪拌し、蓋に穴を開けるほどの圧力がかかってしまった。これは外部からは判断することはほとんど不可能で予見はできなかった。
酒井委員
直接の原因となったY型ストレーナーについて、同様な箇所が何か所あって、それらを全て交換したのか。また、費用はどれくらいかかったのか。
加藤文化振興課長
館内の全空調機械室で使用していた27個のY型ストレーナーの全てを交換した。費用は業者負担で75万円を要した。
酒井委員
近代美術館以外には使われていないのか。
加藤文化振興課長
全てのY型ストレーナーを点検して、国土交通省仕様であることを確認している。
酒井委員
機械室について、事故前に行った最後の点検はいつか。
加藤文化振興課長
機械室は9月29日の点検が最後で、発生は10月13日である。
酒井委員
収蔵庫は10月6日でよいか。
加藤文化振興課長
その通りである。
酒井委員
今まで週1回、月1回の点検で異常はなかったとのことであるが、この対応について振り返ってみてどうか。
加藤文化振興課長
巡回は毎日していなかったので、今後は、全収蔵庫と全機械室の巡視を毎日行うほか、業者による点検については、定期点検以外に全機械室の総点検を3か月ごとに行い、万全を期したい。
酒井委員
寄託作品の修復は業者負担とのことだが、寄託作品の修復費用はどれくらいか。
加藤文化振興課長
25万円程度を見込んでいる。
酒井委員
今後、巡回を増やすと同時に漏水感知機を設置するとのことだが、夜間などで誰もいない場合、警報はどこで受信するのか。
加藤文化振興課長
近代美術館には24時間体制の守衛がいるので、守衛室で警報を受信することになる。
酒井委員
人員はぎりぎりの印象を受けるので、再発防止のためには人員を増やすべきだと思う。そのためには予算も増やす必要があると思うがどうか。
佐藤生活文化スポーツ部長
組織人員体制については、よく意見を聞いて見直していきたい。漏水感知器等については、職員の負担が軽減されると思うので、そういった装置等によって対応できることは早急に対応していく。
(3)競技力の向上について
橋爪委員
指導者については、今年度から特別採用枠による採用が行われ、既に採用者も決まっていると思うが、教育委員会と情報交換等は図られているのか。
藪原スポーツ振興課長
情報は得ている。具体的には、中学校では、ソフトボール、陸上、剣道の競技経験がある、あるいは指導ができる人材がそれぞれ1名ずつ採用されている。高校では、水球、レスリング、スケート、カヌーが1名ずつ、陸上で3名が採用されている。
橋爪委員
計画を実行するためには予算が必要だが、額が固定しているように感じる。その部分について、頑張っていかないと、国体の目標順位に届かず、群馬県の前に開催する県に人材をとられてしまうこともあると思うが、その点についてどう考えるか。
佐藤生活文化スポーツ部長
計画的な選手の育成を念頭に戦力の分析や強化の仕方、科学的な理論を取り入れた組織の立て直し、目標の設定の仕方を考えていくことが必要である。来年度以降、スポーツ協会等と連携し検討委員会を設置するなど取り組んでいきたい。
(4)本県出身選手による効果的なPRについて
中島委員
ニューイヤー駅伝はせっかく群馬県で開催されているのだから、本県出身選手にぐんまちゃんを着けてもらうなど、何か仕掛けがあると良いと思うがどうか。
藪原スポーツ振興課長
ご提案いただいた内容も含め群馬をPRする方法を検討していきたい。
(5)国体の開催について
井下委員
国体の開催について、来年、再来年の開催地はどこか。
藪原スポーツ振興課長
来年が愛媛県、再来年が福井県、その次が茨城県の順番である。
井下委員
選手が出場できるのは出身都道府県からだけなのか、選択ができるのか。
藪原スポーツ振興課長
基本的に住所地であるが、住所地だと都会が有利になることもあり、ふるさと選手制度というものがある。高校等、通っていた地域を自らの意思で登録し、選択して出場することが可能となっている。
井下委員
選手が県外に流出している状況があると思う。2巡目国体に向けて、スポーツ関係の部署だけでなく、経済界、教育委員会などを含めて、あらゆるところで気運を醸成していくことが大事だと思うがどうか。
藪原スポーツ振興課長
2巡目国体に向けて、スポーツ関係者だけでなく経済界、学校関係など幅広い方に参加していただきながら議論していくことが大事だと思うので、引き続き取り組んでいきたい。
(6)ぐんまマラソンについて
井下委員
経済効果も考えながら、徐々にぐんまマラソンの規模が大きくなればよいと考えるがどうか。
内田スポーツプロジェクト推進室長
経済効果の具体的な金額は把握していないが、参加者アンケートによると、県外の参加者の4割が宿泊しており、宿泊費、交通費や家族等の飲食等、多くの経済効果を生んでいる。来年は開催日が金曜日にあたり、3連休になるので、観光につながる良い機会になることから、観光団体等の協力も得ながら参加者への情報発信に努めていきたい。
小川委員
ぐんまマラソンについて、今回で2回目の開催だが、総括と反省点はどうか。
内田スポーツプロジェクト推進室長
大きな事故もなく大会を無事運営できた。また県外から多くのランナーの参加があり、本県の魅力も発信できた。今後の課題として、ランナーや関係者の声を踏まえ、メイン会場の仕切りやエイドの供給数量の改善、警備スタッフの配置や規制コーンの置き方などを検討していきたい。
小川委員
フルマラソンに出場したいが定員オーバーにより参加ができない方もいる思う。フルマラソンの定員の5千人はどう決めているか。今後、増やしていく考えはあるか。
内田スポーツプロジェクト推進室長
定員の5千人は、警察等と協議して「スタート地点で並べる人数」、「道路を安全に走行できる人数」を設定した。大会として3種目合計だと1万5千人の参加者がおり、メイン会場の混雑もある。ランナーからこの規模で続けてほしいという声もあるので、増員については実行委員会で警察等と協議しながら検討していきたい。
(7)特殊詐欺被害防止対策について
酒井委員
特殊詐欺被害の現状はどうか。
星野消費生活課長
平成27年の被害件数は194件、被害額は約6億7千万円、平成28年は11月末現在で、被害件数199件、被害額約5億4千万円である。平成27年は、平成26年と比較して被害が減少したが、今年の夏以降、「オレオレ詐欺」と「還付金等詐欺」が増加傾向にあり、懸念している。
酒井委員
「振り込め詐欺等根絶協議会」の開催状況とその概要はどうか。
星野消費生活課長
「振り込め詐欺等根絶協議会」は、金融機関などの事業者や関係団体、行政・警察が一体となって、昨年5月に立ち上げたものであり、現在88の事業者・団体で構成されている。今年度は9月に第1回を開催し、今年度の県事業を説明するとともに、今後の取組について意見を伺った。事業者からは情報提供等の要望があった。
酒井委員
被害防止のため、県はどのような取組を実施しているのか。
星野消費生活課長
今年度の新たな取組として、「サポーター養成講座」、「高齢者向け体験・実践型研修」を実施している。また、被害防止のための声かけのポイントなどを紹介したDVDを制作・配布し、企業内研修などで活用していただく予定である。
酒井委員
振り込め詐欺等根絶協議会の構成事業者・団体にアンケートを実施したとのことであるが、どのような意見であったか。
星野消費生活課長
主な意見としては、会議の定期的な開催、手口等の情報発信などの要望のほか、事業者が実施できる取組の提案などをいただいた。来年度事業に向けて、活用していきたいと考えている。
(8)「第3次群馬県犯罪被害者等基本計画(素案)」について
小川委員
第3次群馬県犯罪被害者等基本計画(素案)の目標指標において、犯罪被害者及びDV被害者の各相談窓口の認知度100%に対し、性暴力被害者サポートセンターの認知度を80%としているのはなぜか。
角田人権男女・多文化共生課長
性暴力被害者サポートセンターについては、対象業務の特殊性から、80%と設定した。目標指標については、上位計画や各分野の基本計画に掲げた目標と整合を図っている。
小川委員
いつどのような形で目標の達成度を調べるのか。
角田人権男女・多文化共生課長
男女共同参画及び人権問題に関し、それぞれ県民意識調査を行っており、これらの調査で達成度を把握したいと考えている。
(9)配偶者暴力相談支援センターについて
小川委員
配偶者暴力相談支援センターの設置について、平成30年までに4か所の設置を目標としていたが、現状で既に5か所の設置となっている。市町村の設置が順調に進んだ理由は何か。
角田人権男女・多文化共生課長
市町村の実務担当者を対象としたケース検討等の研修、先進地視察、配暴センター設置検討会等の人材育成支援を行いながら、個別にセンター設置のメリットや必要な体制整備等について、丁寧に説明して設置を働きかけてきた結果と考えている。
小川委員
先日、県内自治体の女性議員が提出した知事への要望の中で、配偶者暴力相談支援センターの設置にあたっては、専門職員の確保に対して県単で補助制度を創設してほしいと要望したが、どうか。
角田人権男女・多文化共生課長
婦人相談員の設置に対しては、国の児童虐待・DV対策等総合支援事業補助金で、人件費の2分の1が補助される。今回開設された安中市においても、この制度の活用について説明させていただき、手続等も支援をしたところである。
小川委員
配暴センターを設置した市町村は、DV計画も策定しているのか。
角田人権男女・多文化共生課長
配偶者暴力相談支援センター設置済み市町村のうち高崎市、安中市、大泉町は策定済みであるが、長野原町は未策定である。
(10)伊香保スケートリンクについて
小川委員
伊香保のスケートリンクの指定管理者再公募について、指定管理料の上限が前回の2億8千万円から4億7千万円になっている。この金額はどういったところを見直した結果なのか。
藪原スポーツ振興課長
従来はノウハウを持った渋川市の職員が整氷と管理運営を直接実施し、少人数で効率的な運営を行っていたが、渋川市が人的に難しい状況となると、他のところでも手を上げられるよう新たな条件を設定する必要が生じた。他県の例を参考に積算したが、人数の増加に加え、特殊な技術が要求されることにより、人件費単価の増額が必要となったため、人件費が増えている。
小川委員
今回の金額が他の業者が手を上げられる本来の金額と考えて良いのか。
藪原スポーツ振興課長
どちらを本来の金額と考えるかは難しいが、従来と違った形で運営するためにはこれぐらいの金額が必要となる。
(11)市町村の拠点スポーツ施設整備について
小川委員
市町村の拠点スポーツ施設の整備事業費に係る補助制度について、これまでどこを整備してきたのか。また、今後整備の予定はどうか。
藪原スポーツ振興課長
今年度は、前橋市下増田サッカー場(仮称)、太田市運動公園野球場の2件に対し補助している。太田市運動公園野球場は今年度中に既存施設の解体、来年度に本格的に改修する。来年度の改修工事については、太田市と情報交換しながら補助について検討している。
小川委員
「群馬県スポーツ施設の設置及び管理に関する基本計画」には、市町村の拠点が何か所かあるが、拠点スポーツ施設を持つそれぞれの市町村と整備が必要かどうか話しているのか。
藪原スポーツ振興課長
制度ができて以来、何回か説明会を実施した。整備の計画があるかどうか市町村に照会も行っており、随時、相談にも応じている。