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交通安全対策特別委員会(平成26年5月19日)

1.開催日時

平成26年5月19日(月曜日)13時29分開始 15時36分終了

2.開催場所

401委員会室

3.出席委員

委員長:南波和憲、副委員長:橋爪洋介
委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:大沢幸一、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:井下泰伸、委員:高田勝浩、委員:金井康夫

4.欠席委員

なし

5.主な質疑

(1)交通安全教育・対策について

須藤(昭)委員
 警察本部では、小学生、中学生、高校生に対し、どこが交通安全教育を行うべきだと考えているか。

山岸交通企画課長
 県警では、幼稚園、小学校、中学校、高校に対して警察官を派遣し、体系的に交通安全教育を実施しているが、家庭はもちろん、学校教育の一環として行ってもらえれば、なお良く、小学校、中学校、高校と段階的に行う必要があると考えている。

須藤(昭)委員
 交通政策課では、どのように考えているか。

森田交通政策課長
 家庭、学校、地域社会全体で交通安全教育に取り組んでいくべきと考えている。

須藤(昭)委員
 どこが交通安全教育の司令塔となり、最終的に責任を持つのか。

森田交通政策課長
 交通対策協議会では、県、警察、関係団体が連携し四季の交通安全運動に取り組んでおり、また、交通安全対策会議では「第9次群馬県交通安全計画」に基づき、毎年度、群馬県交通安全実施計画を策定し、計画に則り各種交通安全対策を行っている。

須藤(昭)委員
 これまで春・秋の全国交通安全運動や、夏・冬の県民交通安全運動は前例踏襲で行ってきたが、現状を踏まえたピンポイントの対策を行う必要があると思うがどうか。

森田交通政策課長
 今年、春の全国交通安全運動では、運動重点として、「子どもと高齢者の交通事故防止」、「高校生を含む自転車の安全利用の推進」、「全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」、「飲酒運転の根絶」のほか、群馬県地域重点として「出会い頭事故・追突事故の防止」を掲げて取り組んだ。

須藤(昭)委員
 自転車事故に占める高校生の割合がワースト1位、初心運転者事故者率の割合がワースト1位について、春の全国交通安全運動の運動重点の中で触れられているのか。

森田交通政策課長
 初心運転者事故対策は、重点には含まれていない。

(2)「3ない運動」について

須藤(昭)委員
 県警から教育委員会等に依頼文を発出しているが、他県の状況はどうか。

山岸交通企画課長
 他県の発出状況については、承知していない。

須藤(昭)委員
 現時点で交通政策課と警察本部は「3ない運動」を見直すべきと考えているという理解でよいか。

山岸交通企画課長
 保護者の要望を聴いたり、学校長の判断を伺わなくてはならない部分もあり、時期等も踏まえて見直しについては弾力的に考えていきたい。

森田交通政策課長
 「3ない運動」と自転車事故に占める高校生の割合ワースト1位、初心運転者事故者率の割合ワースト1位の関係について原因分析したが、現時点で不明確な部分があった。また、他県における「3ない運動」賛否の判断ができない状況でもある。ただし、四輪車の免許取得については、時期を早めるなどのより柔軟な対応ができるのではないかと考えている。

須藤(昭)委員
 他県で「3ない運動」を廃止又は見直し、高校生に関する事故がどう変わったか。

山岸交通企画課長
 「3ない運動」を実施せず事故が多い県もあり、公共交通機関の発達等の土地柄による面もあるようである。神奈川県は平成2年に廃止したとのことで確認したところ、当時の資料がなく明確には分からないが、小学校、中学校、高校の全てで事故が減っているとのことであった。これは安全教育に力を入れていることや、バイク通学の必要性が少ないという土地柄も影響しているようである。

須藤(昭)委員
 交通政策課と警察本部は「3ない運動」とどう関わっていくべきと考えているか。

森田交通政策課長
 今後は、「3ない運動」及び四輪免許の扱いを含め、交通安全教育のあり方について、引き続き多角的に検討を行っていきたいと考えている。

山岸交通企画課長
 警察としては、見直しを求めているところであり、保護者や学校長の要望、また運転者としての安全教育の実施等を考慮して検討していきたいと考えている。

須藤(昭)委員
 群馬県では、現時点においても「3ない運動」を推し進めているのか。

高橋健康体育課長
 昨年度の「3ない運動のあり方に関する検討会議」の結果、「教育委員会としては運動を継続することとする」という姿勢が示されたことや、昨年度の高校長協会生徒指導委員会で、全公立・私立高校を対象に行った一斉調査で、ほぼ全校が運動の継続を支持するという調査結果が出ていること、高等学校PTA連合会でも運動を推し進めていきたいという方向性を示していることから、継続して運動を推し進めていると認識している。

須藤(昭)委員
 群馬県は、初心運転者の事故率及び自転車事故に占める高校生の割合が全国ワースト1位という不名誉な記録が続いているが、今まで「3ない運動」が高校生にもたらしたメリット・デメリットをどう認識しているか。

高橋健康体育課長
 運動実施前には、毎年300件を超える事故があり、10名前後の死傷者が出ていたが、実施後は減少し、平成20年度からは死傷者ゼロが続いていることは、重要な事実でありメリットだと認識している。また、デメリットは今のところ考えられない。

須藤(昭)委員
 安全教育を先送りしているデメリットが不名誉な数字に表れているのではないかと思うが、誰のために「3ない運動」を行っているのか。

高橋健康体育課長
 生徒のために行っていると認識している。

須藤(昭)委員
 生徒が一番関わりのある全国ワースト1位の数字はどう説明するのか。

高橋健康体育課長
 「3ない運動」が直接の原因ではないと考えており、早い時期から自転車を中心とした交通安全指導を徹底することが重要であると考えている。

須藤(昭)委員
 自転車、自動車の事故率の高さについては、どう説明するのか。これまでも安全教育をずっとしてきているのに、なぜこういう不名誉な順位なのか。

鵜生川高校教育課長
 運動を始めた昭和57年以降、二輪車事故が減るのと同時に、自転車事故が急増した原因は、昭和55年~60年にかけ新しい高校が郊外にでき高校生が増加したり、遠距離を自転車通学する者が増えたことによると思われる。高校での交通安全教育は50年代より現在の方が力を入れている。また、自転車の運転は幼稚園や小学校の頃から始めているが、安易な運転・慢心から事故が発生している。四輪も同様、慣れてから事故が起こることが多い。本県の事故率は、幼・小・中・高・大学・社会人とすべてで高いが、高校生の二輪車事故は少ない。3ない運動を廃止すると二輪車事故が増える可能性もあり、県警等と連携して何ができるかを考えなければならない。今後、条例制定を契機に交通安全教育を関係機関が一緒に検討していくことが必要であると考えている。

須藤(昭)委員
 安全教育は、県警と教育委員会と交通政策課が三位一体となって推し進める必要があり、総合的な司令塔は交通政策課が担うべきと思うが、全体の交通安全政策を推し進めるにあたり教育委員会としてどう考えているか。

高橋健康体育課長
 これまでの交通安全教育の問題点を徹底的に解明し、県警、交通政策課と連携しながら効果的な対策を検討し実施していくことが大切であると考えており、そうした意味で、条例制定には大きな期待を寄せている。

須藤(昭)委員
 今から原因を究明するのでは遅すぎる。法律で16歳や18歳で免許を取得できるのだから、法律に基づき安全教育をしていくことが教育委員会の役目だと思うがどうか。

高橋健康体育課長
 初心運転者事故率ワースト10県中、6県が人口10万人あたりの交通人身事故発生件数がワースト10に入っている。また、山梨県、茨城県が平成23年度の初心運転者事故率でワースト10県に入っているなど、「3ない運動」を実施していないからといって初心運転者事故率が低いわけではないということも分かった。さらに、自転車事故に占める高校生の割合が高い県は、全生徒に占める自転車通学者の割合、免許保有率及び自動車保有率が高い傾向にあることが判明したところでもあり、今後の交通安全教育に活かしていきたい。

岩上委員
 教育委員会は高校生だけ守ると言っているように聞こえるが、本当に自転車教育だけでよいと考えているのか。

高橋健康体育課長
 年齢に応じた指導が必要であり、危険回避能力が高まるよう生徒の心に響く指導を行っていきたい。運転免許は社会に出てからの重要な資格であるが、重大な事故をなくすという観点から慎重に対応していきたい。また、前例を踏襲せず、地域の状況や生徒の事情に配慮して条件を定めるよう指導していきたいと考えている。

岩上委員
 運動の見直しについては、警察ともっと柔軟に議論していくべきだと思うがどうか。

鵜生川高校教育課長
 校長会をはじめ関係団体で、どのように交通安全教育をしたらよいか考えている。昨年の自転車事故中、48%の生徒は正しい運転をしていて事故に巻き込まれており、自転車運転中に事故を避ける訓練も必要ではないかと考えている。自転車・バイク・自動車の全てで事故を減らすために一番よい方策は何かを考えていくべきであり、高校だけがよければよいというわけではない。県としてどういう形がよいか、そのために高校で何をするべきかを考えていく必要がある。本県における初心者の事故率は他県より高いが、免許を自由に取らせ、誰でも乗ることができるようにすることが高校生にとって本当にプラスにあるのか考えていきたい。

岩上委員
 子どもたちの安全や県民の命を守るため、歩み寄ったスタンスのもと、前向きでフラットな議論をするべきであると考えるがどうか。

高橋健康体育課長
 普通自動車免許取得については、初心運転者事故率の低減を念頭に慎重に検討していかなければならないと認識している。

橋爪副委員長
 3ない運動のあり方検討委員会の開催は警察からの依頼がきっかけなのか。

高橋健康体育課長
 平成24年8月に「全国高等学校PTA連合会」で「3ない運動」の宣言文が出されなかったことや、マナーアップ運動の実施が見直されたこと、24年11月定例会の文教警察常任委員会で須藤(昭)委員から問題提起があったことなどを受けて開催したもので、会議開催の決定は当該依頼文書が発出される前である。

橋爪副委員長
 「全国高等学校PTA連合会」の宣言文は、1982年に特別決議がされて以降、2002年、2007年と段階的に表現が弱くなってきたと思うがどうか。

高橋健康体育課長
 平成25年には、「3ない運動」を推進するという文書が出されており、現在では推進する姿勢であると認識している。

(3)通学路対策について

福重委員
 教育委員会、県土整備部、警察本部の三者で学校周辺の危険箇所抽出をしていると思うが、遠距離自転車通学をしている高校生に対する危険箇所について関連付けられているのか。

山岸交通企画課長
 危険箇所については、交通事故多発場所を抽出しており、道路管理者と連携して包括的に対策を実施している。

福重委員
 通学路の危険箇所対策を行ってきたことについて、交通政策課は承知をしているか。

森田交通政策課長
 詳細については承知していない。

(4)自転車警告書について

井田委員
 自転車警告書の氏名等の内容は学校側に知らせないのか。

山岸交通企画課長
 個人情報保護の関係で、指導・警告の段階で学校側に教えることはしていないが、交通安全教育で学校に行ったときに、何人が警告を受けているかという話はしている。

井田委員
 未成年だから開示できないのか。

山岸交通企画課長
 指導・警告の段階であるためである。

井田委員
 免許を取得して交通違反行為があれば、保護者に連絡するのか。

山岸交通企画課長
 通常の交通違反であれば学校には連絡しないが、大事故などであれば、必要に応じ連絡することも考えられる。なお、悪質な自転車運転者対策として、2回以上摘発された者に対して講習を義務づける「自転車の運転者による交通の危険を防止するための講習に関する規定の整備」について法改正が行われており、平成27年6月13日までに施行される予定である。

井下委員
 交通違反をした生徒への警告指導について、学校へ情報提供してほしいと考えているか。

高橋健康体育課長
 そう考えている。

(5)議論の総括について

南波委員長
 本日の議論を踏まえ、県土整備部長の考えはどうか。

古橋県土整備部長
 交通安全行政は、警察本部、教育委員会、県土整備部、健康福祉部などが連携して行う総合行政であると考えており、「3ない運動」については、見直すべき点はきちんと見直し、評価すべき点はしっかりと評価する等、今後、検証を進めることとしたい。また、県の課題として、自転車事故に占める高校生割合ワースト1位、初心運転者事故者率割合ワースト1位、人口10万人当たりの交通事故発生件数ワースト5位という現状の中、「3ない運動」、四輪免許取得、学校教育のあり方等を含め、交通事故をいかに減らしていくべきかが大切だと考えている。


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