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観光・世界遺産に関する特別委員会(平成26年6月11日)
1.開催日時
平成26年6月11日(水曜日)9時59分開始 14時41分終了
2.開催場所
403委員会室
3.出席委員
委員長:岩井均、副委員長:星名建市
委員:関根圀男、委員:塚越紀一、委員:星野寛、委員:塚原仁、委員:岸善一郎、委員:大手治之、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:藥丸潔
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録祝賀イベントについて
関根委員
県と4資産のある各市町村で予定される祝賀行事の内容を説明してほしい。
松浦世界遺産推進課長
県では、20日と21日に県庁県民ホールでパブリックビューイングを行い、集まった県民とともに喜びを分かち合いたい。富岡市では、パブリックビューイングやパレード、伊勢崎市では、境島小学校体育館で祝賀セレモニー、藤岡市では、高山社跡でパブリックビューイング、下仁田町では、祝賀セレモニーが予定されている。
関根委員
県として力を入れてきた一大事業であり、県民ホールでのイベントは、できるだけ賑やかにしてもらいたが、どのくらいの人数を見込んでいるのか。
松浦世界遺産推進課長
20日の場合は深夜であり、なかなか難しいが、21日はホールが一杯になるくらい多くの人に来てもらえるよう、6月5日に報道機関に情報提供し、各紙で取り上げてもらった。今後もテレビ・ラジオの県政情報番組、ホームページ等で広報等行う。
(2)世界遺産登録に係る条件について
藥丸委員
世界遺産登録に当たり、「富士山」は2016年までに保全状況報告書をまとめるよう条件が付いたが、「富岡製糸場と絹産業遺産群」に対しても条件が付く可能性はあるのか。
松浦世界遺産推進課長
「富士山」はイコモス勧告の段階で、三保松原を除外することと、保存管理計画策定の条件等が付き、世界遺産委員会で決議されたが、「富岡製糸場と絹産業遺産群」は、イコモス勧告では条件は付かなかったので、世界遺産委員会で新たに付けることはないと思う。
藥丸委員
イコモス勧告での指摘事項とは、どのようなものか。
松浦世界遺産推進課長
イコモス勧告での指摘事項は、次の4点である。
- 緩衝地帯の保護策の厳格な適用、あるいは強化による周辺への留意について
- 荒船風穴の考古学的遺産としての性質、及び保全のための屋根をかけることの利点と欠点についてより深く考慮することについて
- 構成資産それぞれの管理体制と全体調和を担う協議会の関係強化について
- フランスからの、あるいは国内女性の指導者、あるいは労働者としての役割を通じた技術移転の調査について
(3)世界遺産登録後の外国人観光客の受入れ体制について
関根委員
登録後は海外からの観光客が増えると思うが、ガイドや解説看板、案内看板等の対応はどうか。
松浦世界遺産推進課長
県では、公式ガイドブックを7カ国語に翻訳し、ホームページに掲載しているほか、ぐんまWi-Fiプロジェクトによりスマートフォンで見れるようにしている。また、富岡製糸場内では電子機器による外国語の説明があるが、英語でガイドできる人の数は多くない。
林道路管理課次長
周辺道路の交通誘導看板は、県が72枚、国が20枚を設置しており、全て英語でも表記している。
関根委員
東アジアを対象に国際戦略を進めている中、台湾・中国・韓国からの観光客も期待できるが、英語以外の表記についてはどうか。
大塚都市計画課次長
上州富岡駅前広場に設置した拠点看板については、日本語、英語、中国語、ハングル語の4カ国語で表記している。
大手委員
上信電鉄の高崎駅に案内看板を設置し、今後、3か国語による車内アナウンスも考えていると聞いているが、外国人観光客への対応の充実についてはどうか。
加藤総合政策室長
外国人観光客の増加が見込まれるため、上州富岡駅前に設置された多言語案内看板など、外国人観光客を快くおもてなしができるよう、多言語対応を検討していきたい。
(4)世界遺産4資産以外の観光振興について
関根委員
世界遺産の4資産だけでなく、新町屑糸紡績所などの絹関連遺産の観光振興にも積極的に取り組んでもらいたいがどうか。
黒澤観光物産課長
「富岡製糸場と絹産業遺産群」が正式登録となれば、群馬の観光推進にとって大きな力となる。構成4資産だけでなく、84の資産から成る「ぐんま絹遺産」についてもしっかり宣伝したいと考えており、4資産を核とした「周遊観光ガイドブック」では、すべての絹遺産を掲載している。
(5)県内の世界遺産に繋がる資産に対する市町村の役割について
星野委員
県内の世界遺産に繫がる資産を、県民が再認識することで、地元への「誇り」を持てると思うが、市町村の役割はどのようになっているか。
松浦世界遺産推進課長
ぐんま絹遺産は、市町村からの推薦で登録しており、登録を通じ、桑や蚕などを題材にしている小中学校の校章、校歌などの地域の文化や歴史が世界遺産に繫がっていることを、県民が再認識できるのではないかと考える。
(6)地元文化を研究する団体への支援について
星野委員
絹遺産に関して様々な研究・検証を行っている地元の有志団体などへの支援はどうか。
松浦世界遺産推進課長
遺跡や碑などの文化財を守ろうとする県民団体の集合体として、シルクカントリーぐんま連絡協議会という団体があり、世界遺産登録に向けての活動に対し支援をしてきた。登録後は、学習や文化財の保護のために集えるような仕組みを検討してまいりたい。
(7)世界遺産を活用した広域連携について
星野委員
世界遺産を持つ日光と富岡及びその周辺自治体と本県の世界遺産関連自治体との連携により、国内外からの観光誘客を促進することが大切であると考えるが、どうか。
黒澤観光物産課長
昨年の「ググっとぐんま観光キャンペーン」の観光情報誌において、構成4資産を紹介するページで日光を紹介したほか、「富岡製糸場と絹産業遺産群」を核とした「周遊観光ガイドブック」でも富岡製糸場と日光を巡るモデルコースを掲載しており、今後、富岡製糸場から尾瀬・日光へ抜けるルートも紹介したい。
インバウンドにおいては、台湾、香港、中国をターゲットに、世界遺産に登録されている日光と富士山、世界遺産登録を目指す富岡製糸場と鎌倉を取り上げ、世界遺産観光という新たなテーマでモデルコースを設定し、メディアを招聘し広告宣伝による情報発信を行い、誘客を図っており、地元自治体や周辺自治体としっかり連携し、アピールしていきたい。
(8)県内の私鉄を活用した観光周遊プランについて
岸委員
県内3私鉄を利用して、県内を周遊する観光プランを作ったらどうかと考えるが進捗状況はどうか。
戸塚観光局長
沿線に点在する魅力的な観光スポットを回ってもらい、できるだけ長く滞在してもらえる取組として大切だと認識しており、各鉄道会社や沿線市町村と連携し、新たな観光スポットの掘り起こしを行いながら取り組んでいきたい。
(9)「富岡製糸場と絹産業遺産群」関連資料の蓄積と活用について
塚越委員
「富岡製糸場と絹産業遺産群」が新聞で取り上げられ、日本の製糸業の発展をもたらした技術的、組織的、制度的革新について、わかりやすく評論していたが、この様な資料を蓄積し、パンフレットの作成や現地解説などに活かすべきと考えるがどうか。
松浦世界遺産推進課長
今後も様々な分析が発表されると思われるので、情報収集のアンテナを高くし、解説指導員を通じ、現地のガイドに伝えたい。
(10)「富岡製糸場と絹産業遺産群」構成資産周辺の案内看板、駐車場、トイレ等の整備について
塚原委員
ゴールデンウィーク中に富岡製糸場などで観光客が急増し、渋滞などの課題があれば、教えてもらいたい。
加藤総合政策室長
事前に関係市町、県庁関係課と連絡・調整し、案内看板と駐車場を増やしてルートも検討しておいたことから、目立った渋滞は発生しなかった。
塚原委員
観光地には、案内看板、駐車場、トイレの整備が重要だと考えるが、どうなっているか。
加藤総合政策室長
富岡市で仮設の案内看板設置、交通誘導員の配置により対応し、駐車場はほぼ対応できている。
松浦世界遺産推進課長
高山社跡では、勧告前に駐車場とトイレが完成し、駐車場から高山社跡まで遊歩道も、5月の連休前に供用を開始した。富岡製糸場では、トイレが一箇所のみであるが、市営駐車場やバス乗降場などに整備したトイレがあり、案内している。なお、市では場内のトイレを今年度中に来訪者用に改修する予定と聞いている。
塚原委員
おもてなしの心から、ウォシュレット機能付きのトイレ整備が必要と考えるが、どうか。
松浦世界遺産推進課長
場内で改修予定のトイレは、多目的トイレで、高機能であると聞いている。
高橋産業経済部長
ウォシュレット機能の有無はビジタートイレの認証の要件としていないが、富岡製糸場ではウォシュレット機能付きトイレの整備を進めるということであり、県としても協力し整備を進めていきたい。
大手委員
富岡製糸場のトイレは仮設だが、今後どうするのか。
松浦世界遺産推進課長
製糸場内は史跡であり、トイレの新築は難しいが、操業時のトイレがあるので、既存のトイレの改修により対応していくのが現実的と考える。
(11)「『富岡製糸場と絹産業遺産群』総合管理活用に関する機構(体制)基本構想」に記載された「拠点施設」について
塚原委員
拠点施設について、現在どのような整備を考えているのか。
松浦世界遺産推進課長
昨年度、有識者による委員会がまとめた基本構想どおり、4資産に加え「ぐんま絹遺産」を含めた、総合的な情報発信・解説・調査研究を担う施設を考えており、富岡製糸場の敷地内、もしくはその周辺に設置する方向で調整したい。
(12)富岡製糸場の入場制限について
大手委員
富岡製糸場は、11月まで団体予約が埋まり、予約を断っている状況であるが、これは県への観光誘客の流れを止めるものであり、今度どのように考えるのか。
黒澤観光物産課長
富岡市に対し、開場から閉場までの間で入場できる余地が本当にないのか、開場時間を早めるなどで入場対応できないかなど、対応策について近々申入れを行う予定である。
松浦世界遺産推進課長
物理的に、入場者数には限度があるため、ホームページなどで混雑情報を提供し、来場のピークをずらすような取組を市に提案していきたい。なお、世界遺産は、次世代に引き継ぐためのものであり、観光のためだけのものではないことについては、ご理解いただきたい。
(13)富岡製糸場での解説について
大手委員
製糸場での外国語解説の対応状況はどうか。
松浦世界遺産推進課長
有料でiPod touch(アイポッド タッチ)が50台、無料音声ガイドが200台用意されており、外国語にも対応している
大手委員
機械によるガイドを増やせば、混雑が緩和されるのではないか。
松浦世界遺産推進課長
貸出状況を聞くと、個性的な解説員がおり、様々な解説が聞けるため解説員の評判が良く、有料のiPod touch(アイポッド タッチ)は人気がない。当面、市では解説時間の短縮などを含めて混雑緩和に対応している。
(14)産業観光の推進について
原委員
富岡製糸場のように日本の産業の礎となったものや、絹産業遺産群を見てもらう産業観光は、外国人誘客の観点からも有効と考えるが、県の考えはどうか。
黒澤観光物産課長
近年、工場見学を含めた産業観光は、注目されており、本県でも、ガイドブックを作成し推進に努めており、引き続きPRしていきたい。
原委員
国内で初めて、(株)群馬県食肉卸売市場がEU向けの牛肉処理施設として認可されたという報道があったが、牛肉輸出を通じたEUへの良いPRの機会であり、インバウンドのチャンスになると思うが、県の考えはどうか。
真下ぐんまブランド推進室長
6月9日に出発式が開催され、更に、7月に食肉卸売市場がEUにおいて、食べ方の提案をするセミナーを開催する予定と聞いている。上州和牛をしっかりPRするため、県としても食肉卸売市場に対しできるだけの支援を行っていきたい。
(15)お土産開発等への支援について
原委員
田島弥平旧宅の周辺には、お土産が無いと言われているが、お土産品開発を支援する県の取組状況はどうか。
黒澤観光物産課長
商政課や産業支援機構が、専門家を派遣し、商品開発等の各種アドバイスを行っており、繊維工業試験場では、シルク製品開発プロジェクトによる「ぐんまシルク」を使った製品開発を、工業振興課では、新製品・新商品の開発支援の補助を、観光物産課では、物産展を開催し、バイヤーとの商談の機会を設けるなど、各事業者の新規取引の促進や販路拡大を支援している。
原委員
伊勢崎では、地場産業と盛り上げようというの機運が高まっているが、リーダーが不在なため、団体・個人をまとめ・連携させていくことが重要であり支援してもらいたいが、県としてどう考えているか。
高橋産業経済部長
サンデンが、埼玉県内の自治体を含む5市1町と連携して、産業観光、人材育成を推進しようと内閣府の地域活性化モデルケースの指定を受け取り組んでおり、地域の行政県税事務所が関わり、側面から支援しておりしっかりサポートし、地域の活性化に結びつけたい。
(16)ググっとぐんま観光キャンペーンの宣伝物に係る正月情報の掲載について
星野委員
今年の「ググっとぐんま観光キャンペーン」の期間は、10月から12月までだが、年末年始の休みを利用する人もいるため、「お正月コーナー」を設けてほしいがどうか。
黒澤観光物産課長
「ググっとぐんま 秋冬号」にスキー場などを含めたお正月の情報を掲載することは問題ないが、秋冬号は10月以前の発行で、原稿の締め切りはもうすぐなので、その点を踏まえていただき、積極的な情報提供をいただければと思う。
(17)ゴールデンウィーク中の入り込み客数について
塚原委員
富岡製糸場等がイコモスから勧告を受け、来場者が急増した一方で、伊香保、藪塚など温泉地の宿泊者数は大きく減少した。この状況をどのように分析しているか。
黒澤観光物産課長
今年のゴールデンウィークは、初日となる4月26日未明にイコモスによる登録勧告があったため、富岡製糸場など世界遺産候補への見学者は大幅に増加した一方、曜日並びの悪さから、連続した休みをとりにくいことや、消費税増税による節約志向があったことに加え、連休の谷間には雨が降るなど、昨年度に比べ厳しい傾向にあったため、伊香保をはじめ、ほとんどの温泉地で前年を下回る結果となったものと考えている。
塚原委員
勧告が4月に予定され、観光客が増えることが予想されていたにもかかわらず、宿泊が減るなど、富岡製糸場の集客力を活かし切れなかったと思うがどうか。
黒澤観光物産課長
世界遺産登録勧告の報道により観光客は増えたが、旅行会社も勧告が出てから本格化していることから、直後のゴールデンウィーク中の宿泊にはあまり結びつかなかったのではないかと考えており、今後も、県内の観光地・温泉地を周遊してもらい、さらに宿泊してもらえるような取組を進めていきたい。
金子委員
世界遺産登録を機に、本県を元気に、知名度アップさせ、波及効果を出すためにも、旅行会社に対し、県から企画旅行の情報提供としていくべきだと思うが、取組状況はどうか。
黒澤観光物産課長
東京、大阪、名古屋の各事務所では、旅行会社に具体的ルートについてもアドバイスを行っているが、富岡製糸場の予約をとることが第一であり、それに合わせたアドバイスを行っている。
(18)地域限定旅行業について
塚原委員
「地域限定旅行業」が平成25年から創設されたが、現状と成果について伺う。
黒澤観光物産課長
本県では地域限定旅行業の登録はまだないが、市町村への周知や着地型観光に意欲を持つ観光関係団体等へ登録を促した結果、3市町で検討されたが、検討段階で幅広く業務ができる第2種や3種を目指すこととなり、地域限定旅行業の登録とならなかった。
(19)県のイメージアップ推進の取組について
岸委員
海外の群馬県人会やぐんまサポーターズを活用した本県のイメージアップ推進について、対応と今後の取組について伺う。
佐藤国際戦略課長
富岡製糸場や観光パンフレット、PR物品等を送付し、現地で本県のPRをお願いしており、また、県がPR活動を行う際には、現地の海外ぐんまサポーターズに参加、協力をもらっている。
岸委員
外国人留学生による県内観光地体験ツアーは、どのような取組か。
佐藤国際戦略課長
平成24年度から実施している「ぐんまのいいとこ伝え隊」により、県内大学の外国人留学生と日本人学生の計20名で草津温泉、富岡製糸場等を巡り、SNSで母国語により情報発信してもらっている。なお、移動経費や入場料は県が負担している。
岸委員
首都圏への売り込みに係る取組はどうか。
黒澤観光物産課長
ぐんまちゃん家や東京事務所の職員が、首都圏の企業を訪問し、群馬で研修旅行などを実施してもらうよう売り込む他、マスコミや旅行会社へもPRしている。
岸委員
例えば各県議が、県内から東京に通勤する人たちにお願いして、所属企業等でパンフレット配付してもらうなど、群馬をPRしてもらったらどうか。
黒澤観光物産課長
群馬の観光において、東京はメインターゲットであり、県議会議員のご協力で東京において群馬のPRができれば誠に幸いである。なお、首都圏では「ぐんま観光特使」が、定期的にPRしてもらっている。
金子委員
3月に実施した「群馬探検隊」について、その反響はどうだったか。
堀越ぐんまイメージアップ推進室長
「群馬探検隊」は、本県のプロモーションのために「温泉」「おっきりこみ」「すき焼き」をウェブ上で紹介したもので、1ヶ月で83,680件のアクセス、ツイッターでも2,642ツイートを数え、集中的なPRができたと考えている。
金子委員
ぐんまちゃんダンス「ミンナノグンマ」の反響はどうか。
堀越ぐんまイメージアップ推進室長
今年の5月21日には、県庁職員が撮影・編集した「群馬県庁バージョン」をネット配信し、現在各市町村や企業、団体等からも動画を募集しており、問い合わせも数件来ているところである。
金子委員
ネットで無料配信している「お前はまだグンマを知らない」という漫画があるが、県として協力していくなどの考えはあるか。
堀越ぐんまイメージアップ推進室長
個別の漫画作品とコラボすることは難しいが、焼きまんじゅうや上毛かるた、白衣観音等、県民が当たり前と思っているものを他県民の視点から見て感じることは、参考になると思われ、群馬のイメージダウンにならない範囲で、漫画のアイデア等は参考にしていきたい。
(20)イスラム圏からの誘客について
藥丸委員
イスラム圏からの観光客は、食事、礼拝などの課題もあるが、1人あたりの消費額が大きいなど、継続した観光振興のためには積極的に進めるべきと考える。県の考えや取組状況はどうか。
黒澤観光物産課長
平成25年の本県へのイスラム圏からの観光客は、約400人泊、全体の0.5パーセント程度と推測される。イスラム圏では、同性であっても他人の「ひざ上」を見るのも良くないとされており、本県観光の一番の魅力である温泉を誘客に活かすことは難しいかもしれないが、県と市町村等で構成するインバウンドに取り組む協議会において、受入体制整備を進めたい。
(21)尾瀬の適正利用推進について
星名副委員長
尾瀬らしい自動車利用社会実験の成果と尾瀬入山口の交通環境整備について、具体的な内容はどうか。
須藤自然環境課長
尾瀬らしい自動車利用社会実験については、鳩待峠入山口の一極集中の是正と尾瀬の回遊型・滞在型利用を促進するため、平成23年度から行っており、鳩待峠の入山口に面した第一駐車場への車の乗り入れを一部規制して使い勝手を悪くするとともに、大清水から一ノ瀬までの約3キロメートルに低公害車両を走らせ、利便性を向上させた。また、大清水から一ノ瀬間は、平成27年度からの交通事業者による低公害車での乗り合い運行を目指しているが、道路運送法上の手続きや、道路整備等に1年程を要するため、平成26年度は県事業での試験運行を行うこととしている。
(22)グリーン・ツーリズムの推進について
星名副委員長
最近また脚光を浴びているグリーン・ツーリズムについて、推進状況はどうか。
村上農村整備課長
グリーン・ツーリズムは、「農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律」が制定され、平成7年から取り組みが始まったものであり、農作業、野菜の収穫、果樹もぎ取り体験だけでなく農村の素晴らしい文化や自然を総合的に体験できるよう、推進体制確立、普及定着化推進、受入体制整備を進めている。
なお、農家民宿、市町村等のグリーン・ツーリズムに取り組む方々で「ぐんまGTサポーター」を組織し、ネットワークを広げている。
(23)上信自動車道の進捗状況について
星名副委員長
上信自動車道については、渋川西バイパスから八ッ場バイパスまで全線事業化が決定したが、現在の進捗状況について伺う。
清野道路整備課長
全線で事業中であり、八ッ場バイパスについては、JR吾妻線の新線切替え部分を残し概ね完成、吾妻東バイパスについては平成33年度頃、それ以外については、平成30年度頃までの完成を目途としている。なお、金井バイパスについては、甲(よろい)装着古墳人の発見により、現地保存を行うこととなり、構造変更を行ったことから、平成27年度完成の予定が遅れる見通しである。
(24)部長の意気込みと決意について
星名副委員長
世界遺産登録は、本県にとって非常に大きなことであり、本特別委員会で議論していくわけだが、本委員会にかける部長の意気込みと決意を聞きたい。
高橋産業経済部長
様々な意見を頂戴し、世界遺産登録をしっかり観光誘客に活かしていきたい。本年4月施行の「群馬よいとこ観光振興条例」にも観光振興が地域経済の活性化、雇用機会の増大にも役立つということが謳われており、世界遺産の活用についてもしっかり議論を進め、県内観光の振興に繋げたい。