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産経土木常任委員会(県土整備部関係:25年度)
1.開催日時
平成26年3月3日 13時11分開始 15時38分終了
2.開催場所
301委員会室
3.出席委員
委員長:星名建市、副委員長:金井康夫
委員:中沢丈一、委員:須藤昭男、委員:大林俊一、委員:角倉邦良、委員:岸善一郎、委員:吉山勇、委員:藥丸潔
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)第61号議案「平成25年度群馬県一般会計補正予算」ゼロ県債のB・C業者への発注について
角倉委員
ゼロ県債のB・C業者のシェア60%超えの見通しについて伺いたい。
倉嶋建設企画課長
平成25年度ゼロ県債予算額は、9月定例会後期議会で23億円、今議会で9億円、合わせて32億円を計上している。予算規模は昨年度の約8割弱であるが、B・C等級規模の工事は昨年度と同額の約21億円を確保する予定である。結果として平成25年度のB・C等級規模の工事の割合は、約66%となる見込みである。
(2)第61号議案「平成25年度群馬県一般会計補正予算」八ッ場ダムに係る地域振興施設の維持管理費の地元合意について
角倉委員
地元にランニングコストについては難しいということを話したようだが、対策委員会も含めて地元の反応はいかがか。
清野特定ダム対策課長
基金事業で造る地域振興施設の維持管理費については、下流都県が維持管理費の負担は厳しいということであり、それを地元の方に伝えている。議会あるいはダム対策委員会等で説明しているが、理解していただいている方もいれば、理解していただいてない方もいる。全体としての方向性という意味では、合意には至っていない。
角倉委員
町長はどういう考えか。
清野特定ダム対策課長
少し前の町議会では、町長は「県がこれだけ言うのだから、やむを得ず了承しようと思うが、しかし、それに替わるものについて努力していただきたい。」と言っている。
角倉委員
町議会はどうか。
清野特定ダム対策課長
この件に関して町の議員全員が発言しているわけではなく、また、議決をすることでもないので、全ての方の考えはわからないが、「これ以上引っ張っても仕方ないと」いう方もいれば、「県が約束したのだから守るべきだ」という方もいる。
角倉委員
八ツ場ダム対策委員会はどうか。
清野特定ダム対策課長
町の議会では、公平性の観点から、議会だけでなく八ツ場ダム対策委員会等にも説明が必要ではないかという意見があり、現在、説明を始めたところである。まず、5地区連合対策委員会で説明したところだが、厳しい意見等も含めてさまざまな意見が出ている。
角倉委員
維持管理費の負担が厳しいなら、県として代替的なものを努力してほしいと町長に言われたということだが、これについてはどうか。
清野特定ダム対策課長
下流都県の意見と群馬県も同じで、維持管理費まで出すのは厳しい。
角倉委員
町長に対しても、厳しいということについて、課長から話したということでよろしいか。
清野特定ダム対策課長
維持管理費については、厳しいということを前々から説明させていただいている。
(3)第61号議案「平成25年度群馬県一般会計補正予算」生活再建事業について
角倉委員
地元の生活再建については、県がしっかりサポートしていくということで、地元が八ッ場ダム建設を認めてくれた経緯がある。重く受け止め、県としてしっかり対応する必要があると思うがどうか。
清野特定ダム対策課長
県が生活再建案を提案した立場であるため、県としてできることはしっかりと取り組んでいく。また、できないものについては丁寧に説明して、様々な形で町のためになることをやっていくという姿勢を示していきたい。
(4)国道120号椎坂バイパスにおける融雪設備について
金井副委員長
椎坂バイパスが開通していなければ、片品・利根地域も孤立の恐れがあったのではないか。また、バイパスに設置した融雪設備は、今回の大雪に対して、どのような効果があったか。
古橋道路整備課長
沼田合同庁舎で95センチ、沼田市追貝で68センチの積雪があり、椎坂トンネル付近でも同等の積雪があったと考えられる。トンネル出入口、中間部の融雪設備付近でも一時的な積雪状態になったものの、交通の支障にはならず、効果があったと考えている。もし、トンネルが開通していなければ、旧利根村・片品村地域は、孤立化したのではないか、という地元の声も聞いている。また、従来、椎坂峠の除雪を担当した建設業者が他地区の除雪を行えたため、利根沼田地域全体の除雪にも効果があったと考えている。
金井副委員長
地熱方式の融雪設備は、今後県内に広める検討をするべきと思うが、ランニングコストの面から考えるとどうなのか。
古橋道路整備課長
椎坂バイパスの地熱方式の融雪設備については、他のボイラー方式などに比べて安価なため採用した。除雪費用との比較は、過去の降雪と除雪データの分析が必要であり、今後検討していきたい。
(5)不調・不落工事の状況について
岸委員
建築工事の不調・不落の原因と、適正な設計価格等の算出に関する対策を説明してほしい。
佐藤建築住宅課長
原因の1つである設計単価と市場価格との乖離については、県の単価改定と市場価格の変動にタイムラグがあったためであり、価格の調査を毎月行うなどし、それを速やかに県の単価に反映する様にした。また、改修工事は、工種によっては仕事量が少ないなど効率の悪い工種があるため、設計価格の算出に直近の見積を採用することにより、実勢価格に近づける対応をしている。
(6)労務単価等の改定について
岸委員
改定された単価は実態を反映しているか。
倉嶋建設企画課長
労務単価は、国と都道府県で毎年10月に市場の単価調査を実施し、実際に支払われている賃金、保険料、賞与等を反映して、都道府県毎に設定している。
岸委員
入札することで設計時の労務単価が下がってしまうのではないか。
倉嶋建設企画課長
単価設定は、調査結果をもとに国が分析を行って設定するが、入札による影響についても考慮されていると考えている。国では、最近の単価変動拡大に伴い、これまで毎年4月に実施していた単価改定を、2月1日に前倒しで実施したものであり、今後必要があれば、4月以降も改定に対応していく予定と聞いている。
岸委員
単価の改定は下請け・孫請けにまで適切に反映されるのか。
倉嶋建設企画課長
下請け、孫請け、またその一部を担う一人親方等にも、適切な賃金支払いや社会保険への加入促進が行われるよう、県内の関係団体に要請している。この結果、県内の建設系団体で構成する、群馬県建設産業団体連合会では、「技能労働者の適正な賃金の確保・支払い及び社会保険未加入対策の推進に関する決議」を行い、会員企業に対してその実施を要請している。
岸委員
社会保険について、加入率が低いことへの対応はどうか。
倉嶋建設企画課長
社会保険の加入率について、A、B、C等級全体では、90%以上であり、それ以外の会社を含めると69%程度である。国、県も平成29年までの100%加入を目標に、一昨年の11月より改善のための指導を行っている。国では、必要に応じて罰則規定を設けることも検討しているとのことであり、こうした状況を踏まえ、県としても加入率上昇のための適切な指導・監督に努めてまいりたい。
(7)2月14日・15日の豪雪への対応について
須藤(昭)委員
今回の豪雪において、土木事務所では何人体制で待機する予定であったか。
依田道路管理課長
各土木事務所2名体制が基本であるが、2月7日の大雪時の反省点を踏まえ、今回は土木事務所長の判断により職員を招集した。県庁では道路関係課だけでなく周辺に住む職員にも招集をかけたが、大雪のため交代要員が登庁できず、3日間連続で待機する者もいた。
須藤(昭)委員
孤立の問題では、安中市や南牧村で、奥深い1、2軒が残ってしまった。ヘリコプターでの救助を拒否した人がいたと聞いている。家を離れたくないとの意向もあったのだろうが、県営住宅などへ一時的にでも避難させる方法はなかったのか。
依田道路管理課長
最後まで孤立した住民の一時避難であるが、安中市の霧積においては、食料等の備蓄や本人の意向があったこと、また、南牧村の黒滝山では、安否確認の連絡がしっかり取れていたことから避難には至らなかった。もちろん、孤立を解消するべく、道路除雪に全力を注いだ。なお、ヘリコプターでの救助は、国道254号内山峠において、立ち往生したトラック運転手数名を救出に向かったが、拒否されたと聞いている。結果的には翌日に救助されている。
福田県土整備部長
孤立の問題では、初めは立ち往生した車両に対応し、その後、孤立した集落への対応となった。なお、危機管理室で把握していた世帯数は、大字単位の大まかなものだったため、実際の孤立集落の位置を確認後、本格的な孤立解消除雪は16日からとなった。また、ガソリンスタンドが営業していないため、作業途中で燃料補給ができない状態もあったことから、降雪が予想される際は、事前の準備をしっかり行うことが重要と考えている。
須藤(昭)委員
南部の土木事務所における凍結防止剤(塩化カルシウム)の備蓄数はどの程度か。また、凍結防止剤の散布は、どのようなタイミングが有効なのか。
依田道路管理課長
南部の地域では、各土木事務所で、25kg入りの袋を100袋程度備蓄しているが、今回の大雪の対応では、余裕のない状況だった。また、凍結防止剤の散布は、路面の凍結前や圧雪前等、事前に散布すると効果がある。
須藤(昭)委員
グレーダーで除雪できない場合とは、どのような状況か。
依田道路管理課長
放置車両や路肩に高く積み上げられた雪がある場合は、グレーダーによる作業ができなくなり、バックホウなど他の機械を使うことになる。
中沢委員
24時間の降雪深さが100センチに満たないため、警報が発令されなかった市町村があるようだが、この気象台の判断をどうみているか。
倉嶋建設企画課長
気象台は過去の実績から警報の基準を設定しているが、今回の豪雪を教訓として、警報が出ていなくても、対策を講じるべき場合があると考えている。
中沢委員
自衛隊への支援要請の基準はどのようになっているのか。また、自衛隊の出動状況とその実績はどうか。
福田県土整備部長
自衛隊の要請については、危機管理室が対応している。
中沢委員
自衛隊の要請については、人命に関わる差し迫った状況が発生した場合に、危機管理監が知事に情報を上げて、知事が自衛隊を要請することになると思うが、その情報はどこからの情報に基づくものか。
福田県土整備部長
市町村からの情報によるものと思われる。
中沢委員
県道を管理する上で、孤立等の状況を土木事務所では、市町村よりも早く情報を把握することができていると思う。情報を危機管理室にも提供すべきと思うがどうか。
福田県土整備部長
そのとおりであると思う。機械力の関係で、県道の除雪は早く進み、市町村道の除雪はその後になった。今回は、県道に限らず、市町村道の除雪も行うよう指示をした。また、県庁から職員を土木事務所へ派遣し、県の業務では無く、市町村の除雪の支援を行わせたところであり、危機管理室にも適時、情報提供した。
中沢委員
道路情報収集の手段として、県が設置しているライブカメラをどのように活用したのか。
依田道路管理課長
ライブカメラを52機配置しており、画像はホームページで10分毎に更新して、最新のものが見られる。また、道路交通情報センター職員が道路管理課に常駐し、ライブカメラ画像を随時確認している。国道254号で立ち往生した状況もいち早く把握し、危機管理室とも情報共有している。ライブカメラの台数が少ないとの意見もあり、どこが少ないのか検証しているところである。増やす方向で検討したい。
角倉委員
各土木事務所2名の待機体制ということだが、今回は朝には出勤できない状態だった。夜間10センチ以上の降雪がある時には、職員を招集するルールとしてはどうか。
依田道路管理課長
東毛の職員などはノーマルタイヤの者が多く、出勤できないようなこともあった。また、土木事務所に近い職員を招集するのでは特定の個人にいつも負担がかかってしまう。県土整備部としてどのような体制とするのか検討していきたい。
角倉委員
土木事務所職員が、除雪の優先順位を予め決めてあれば、もっと迅速に対応できたのではないか。
依田道路管理課長
これまで、平地でこれほどの雪が降ったことがなかったため、問題点が把握出来ていなかった。どういう場所で、どのような課題があるのか把握しておくことが重要であり、検証していきたい。
角倉委員
日頃から現場を見て、業者の能力を把握している職員は、迅速な対応ができた。そういう職員を育てていくことや、対応マニュアルを作成することなどが必要ではないか。
福田県土整備部長
当然必要なことであり、今回は雪だったが台風時の対応なども含めて検証したい。
(8)残雪処理について
角倉委員
今回のような非常時には雪捨て場として、公園の一時的な使用や川への投棄は可能か。
中島都市計画課長
公園には、小さな公園から敷島公園のような運動公園もある。一時使用は可能だが、公園の施設状況、利用形態や大雪の状況、緊急度に応じ、各公園の管理者が判断していくものと考えている。ちなみに東北地方では、あらかじめ公園を冬期間閉鎖した上で、雪捨て場にしている事例があると聞いている。
荒井河川課長
河川法第29条により、河川に支障を及ぼす行為は許可が必要である。北陸等の豪雪地帯では、市町村が事前に許可を取って河川内に雪捨て場を指定した上で、雪を捨てている事例がある。今回の大雪は、危機管理事案であることから、具体的な手続は踏まず、市町村と連携し対応したが、例えば、前橋市が河川占用許可を受けているグリーンドーム駐車場へ雪を置きたいとの要望があり許可した事例がある。
角倉委員
地域によっては河川などに捨てられないので、雪捨て場の確保は出来ないか。
依田道路管理課長
今まで、これほどの積雪は想定していなかったので、雪捨て場の問題についても今後検討していきたい。
(9)国道、県道の歩道の除雪について
角倉委員
通学路の歩道にある雪が氷化しており、人力では除去困難であるため、各教育委員会と連携して土木事務所で対応できないか。
依田道路管理課長
通学路の歩道を中心として、教育委員会と連携できるよう話をしていきたい。
角倉委員
通学路の歩道除雪を各教育委員会へ文書で連携を呼びかけるつもりはあるか。
依田道路管理課長
各教育委員会には凍結防止剤(塩化カルシウム)の提供について連携しているので、同じように対応したい。
角倉委員
道路除雪の優先順位はどのように決めているのか。
依田道路管理課長
幹線道路を優先して除雪する方針だったが、今回の豪雪では、道路上で立ち往生した車両の救出が第一優先となった。次に孤立集落の解消、その後、歩道という順序に必然的になった。
(10)上毛新聞敷島球場、正田醤油スタジアム群馬の使用料等について
角倉委員
上毛新聞敷島球場、正田醤油スタジアム群馬の使用料について、群馬県のプロスポーツであるサッカーと野球の減免措置の現状はどのようになっているか。
中島都市計画課長
県土整備部では上毛新聞敷島球場と正田醤油スタジアム群馬については、「広告の掲示」、「物品販売」等を減免している。具体的には、ザスパクサツ群馬に対しては、正田醤油スタジアムを使っており、広告掲示で1,974万円、物品販売で349万8千円、合計で2,323万8千円を平成24年度に減免している。その他に競技場の「使用料」があり、これと「広告の掲示」及び「物品販売」をあわせると、約2,940万円を徴収することになるが、そのうち約79%の約2,324万円を減免している。
角倉委員
3年連続赤字でザスパクサツ群馬そのものが、Jリーグの資格を剥奪される可能性がある。自助努力することが前提だが、県として更なる減免措置はできないか。
中島都市計画課長
更なる減免については、プロスポーツ全般を支援しているスポーツ振興課で、競技場の使用料等の減免だけではなく、トータル的にどのように県内プロスポーツの支援をしていくかという検討をしているので、その中でどういう形がよいかを決めることになる。他にも様々な支援の仕方があると思うが、今回の大型映像装置の改修により、文字情報だけでなく、映像による広告表示ができるので、広告を集めて広告収入を得るなど、是非活用していただきたい。