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社会基盤づくり特別委員会(平成26年3月13日)
1.開催日時
平成26年3月13日 10時00分~15時58分
2.開催場所
402委員会室
3.出席委員
委員長:中沢丈一、副委員長:萩原渉
委員:橋爪洋介、委員:伊藤祐司、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:後藤克己、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:藥丸潔、委員:小川晶
4.欠席委員
委員:茂木英子
5.主な質疑
(1)コンベンション施設整備におけるPFIについて
須藤(和)委員
群馬県ではPFI手法での事業実施の実績がなく、イメージが分かりづらいが、金融機関はどのような役割を担うのか。
中田コンベンション施設整備室長
PFI手法では建設会社や運営会社などいくつかの企業がグループをつくって応募することになるが、金融機関にはグループを構成する際のサポートを期待している。また、当然のことながら、事業に関する融資のアドバイスも期待している。
須藤(和)委員
具体的にどのような金融機関が関心を示しているか。
中田コンベンション施設整備室長
県内の金融機関の他にも都市銀行など大手銀行数社からも話を聞いている。
須藤(和)委員
コンベンション施設整備事業において使える国庫補助金はあるか。また、どの程度の金額を想定しているのか。
中田コンベンション施設整備室長
国庫補助金については、国土交通省所管の暮らし・にぎわい再生事業が活用できると考えている。この補助金を受けるには、高崎市の中心市街地活性化基本計画にコンベンション施設の整備計画を掲載して、その計画が内閣府の認定を受けることが条件となるが、3月末までには認定される見込みと聞いている。補助率は10分の4だが、対象事業とそうでないものがあり、具体的な金額は現時点では明らかではない。
須藤(和)委員
PFI手法で事業を実施する場合、施設の運営は独立採算型か一部運営費を負担する混合型を想定しているとのことだが、是非、独立採算でやっていただきたい。その際は、SPC(特別目的会社)が多くの利益を出した場合は県に上納するのか。
中田コンベンション施設整備室長
PFI手法は民間活力を活用するものであり、事業者が一生懸命に取り組む条件設定が重要である。詳細は今後検討することになるが、インセンティブが発揮される仕組みも大切である。
須藤(和)委員
事業を行うSPCが、親会社の都合等により連鎖的に破綻した場合はどうなるのか。
中田コンベンション施設整備室長
SPCはその構成企業の出資によって設立されるが、事業者を選定する際に、破綻しないような提案かどうか審査することが重要である。また、仮にSPCが破綻しても事業は継続できるような仕組みを作っておくことも必要である。
須藤(和)委員
この特別委員会でもコンベンションビューロー設置の提言を行ったが、コンベンションビューローと施設を運営するSPCの関係はどうなるのか。
中田コンベンション施設整備室長
コンベンションビューローはこのコンベンション施設も含めて、県内にコンベンションを誘致する。SPCは施設の運営の延長線上として、施設にコンベンションを誘致する。県内にコンベンションを誘致するということは同じなので、協力して誘致を行うことになる。
須藤(和)委員
導入可能性調査において事業者ヒアリングを実施しているが、この事業に興味を示している建設会社やコンベンションの運営会社はどこか。また、それらは業界トップクラスの会社と考えてよいか。
中田コンベンション施設整備室長
具体的な企業名をここで挙げることは差し控えたい。建設会社もコンベンション運営会社もそれぞれの業界トップクラスの企業である。
須藤(和)委員
SPCに、政府主催の国際会議を開催しているような、コンベンションの最先端の会社が入ってくれれば、設計、管理・運営、そして営業について信頼がおける。そのような会社が公募に応じてくれる感触はどうか。
中田コンベンション施設整備室長
公募の条件にもよるが、興味を持っているという感触を得ている。数多くの会社が参加してもらえるような条件としたい。
須藤(和)委員
導入可能性調査によるとVFM(PFI手法導入によるコスト削減額)は2.3%とあるが、普通であれば10%ぐらいは欲しいところである。ただ、この事業におけるPFIのメリットは、個人的には、コンベンションのプロである運営会社に設計、運営、営業までやっていただけることと考えているがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
VFMは事業の内容によって幅があり、今回のように施設整備の比率が大きいと、少なめになると聞いている。委員のご指摘のとおり、コンベンションの運営会社が運営することにより効果的な施設運営ができ、これがPFIのメリットだと考えている。
伊藤委員
先行事例では、PFIの事業者が破綻し、そのためにコストが高くなることがあるようだが、それについてはどう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
破綻することのないような事業者を選定したい。また、万が一破綻した場合でも施設運営を継続できるような仕組みづくりを行いたい。コストについては従来型の公共で行う整備よりも削減できるため、PFI手法で行うものである。
伊藤委員
民間事業者は利益を重視するため、公共による事業のコントロールが難しいと思うが、これについてどう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
県が発注をする際には、県が求める機能を要求水準書として作成する。これに基づき、設計・建設・運営の各段階において県の考えた内容に沿って事業が実施されているかモニタリングにより監視していく。
伊藤委員
民間事業者が運営することで、地域住民が入り込めない、要求がかなえられない場所になると思うが、このことについてどう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
現在、競馬場跡地では地域住民の方が散歩やランニングをしている。施設整備後も、施設の周囲に緑地を設けるなど、散歩やランニングなどで利用できるよう配慮したい。
伊藤委員
SPCには地元企業がトップとしては入ることができず、維持管理業務の下請け、孫請けなどになると予想される。さらに、民間事業者は下請け、孫請けのコスト削減を行うことが想定され、地元企業で働く非正規従業員が増えるだけである。これについてどう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
地元企業がSPCに入る機会はあると考えている。また、コストを削減すると、維持管理の質が低下することになる。質の低下を防ぐためにモニタリングを行うことで、行き過ぎたコスト削減を防ぐことは可能だと考えている。
伊藤委員
維持管理について最低賃金を設定し、これを下回ると契約を解除するといった方法は取れないのか。
中田コンベンション施設整備室長
モニタリングをすることで適正な雇用が確保されると考えている。
伊藤委員
施設運営の質を下げないことを担保できるものはあるのか。
中田コンベンション施設整備室長
サービス内容をチェックすることで担保できると考えている。
後藤委員
導入可能性調査において、施設運営会社3社から維持管理・運営は独立採算が可能であると意見があったとなっているが、例えば、SPCが2億円の収益を上げた場合、その2億円は全てSPCに還元されるという考えなのか。
中田コンベンション施設整備室長
詳細なスキームはこれから詰めていきたいが、仮に2億円の収益が出た時に全額県に納めることとすると、SPCに対するインセンティブが働かないので、ある程度は努力したSPCに還元することも必要だと考えている。
後藤委員
設計・建設まで含めた完全独立採算でなく、維持管理・運営だけの独立採算であるとすると、SPCが負うのは維持管理・運営のリスクだけである。これは指定管理と変わらないので、インセンティブは不要ではないか。
中田コンベンション施設整備室長
PFI手法の場合も運営部分は指定管理制度に準じて行う。事業の詳細については、今後検討していきたい。
桂川委員
PFI事業では透明性の確保が大事だという話であるが、PFI手法に関して十分な説明があったとは思えないが、どう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
導入可能性調査の結果、PFI手法で実施した方がメリットが多いという結論が出て、県としてPFI手法で実施したいと考えたもので、これからスタートだと考えている。PFI事業の実施は、県の事業や施設に対する考え方を要求水準書などにまとめて公表する。それに対して事業者から質問を受け付け、質問の内容も明らかにして、透明性や公平性を確保しながら進めるものである。PFI手法による事業実施の各段階では全て公表して事業を進めていきたい。
桂川委員
地元の意見も反映されないうちに、PFIという次のステップに入ってしまうと感じる。次のステップでも意見を聞いてもらう可能性がなくなるのではないか。また、先日の勉強会でも事業者によって考え方が違ったが、事業者によっては提案されてくる展示場の広さが違ってくるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
十分な意見交換を行いながら進めていきたい。展示場の規模については、県が必要な規模を示して募集するものであり、1万6千平米が必要であると考える場合は、その広さを条件として提示して募集する。
桂川委員
高崎競馬場跡地には3割程度民有地があったと思うが、PFI手法で事業を実施することになると民有地を又貸しすることになるのか。
中田コンベンション施設整備室長
なるべく民地は公有地化したいが、買収できないものは、現在1年間で借りている契約を30年程度の長期賃貸借契約とする予定である。また、PFI手法で事業を実施する場合も、施設は県が所有することになり、県が土地を借りて、その上に県が所有する施設を整備するものである。
(2)コンベンション施設整備について
井田委員
先日、本委員会の勉強会で大手展示会主催会社の社長の話を聞いたが、展示施設は5万平米の広さがないと世界と太刀打ちできないと言っていた。また、1万6千平米では中途半端である、整備費は280億円もかけず倉庫程度で整備すれば90億円程度でできるとも言っていた。とにかく安いコストで整備して集客することが重要だと思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
その社長の言う見本市都市を目指すということも一つの戦略であるが、防災拠点としての機能を備え、コンサートなど多目的に使えるような施設とする方が県民に納得していただける施設になると考えている。
井田委員
今後、この計画を変更することはないのか。反対している訳ではないが、財政負担を少なく良い物を作って欲しい。完成時期の平成29年度にこだわらず柔軟に対応して欲しいと考えるがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
説明不足といった指摘もあり、意見交換を十分にさせていただきたい。
井田委員
導入可能性調査の結果を見ると、ホテルの設置は絶望的な状況だと考えるがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
導入可能性調査でヒアリングをした9社については、自社でホテルを建設して運営までするという会社はなかったということである。不動産会社等がホテルを建設し、その運営を受託する形であれば参加可能性もあるということなので、引き続き検討していきたい。
伊藤委員
展示会主催会社の社長が、広さは5万平米必要と言っていたが、高崎競馬場跡地で5万平米の展示施設が造れるのか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎競馬場跡地内には長野堰の水路もあり、5万平米の展示施設を造ることは難しいと考えている。
伊藤委員
資料2の「コンベンション施設におけるイベント開催計画について」において、具体的な社名が出ているが、これはヒアリングを行った結果か。
中田コンベンション施設整備室長
全て確認したものではないが、一部の企業・団体には実施意向を確認した。
伊藤委員
実施意向の確認をしていないのに、企業名を議会に提出するのは失礼である。もっと真剣に意向調査を行わないと失敗することになると思うが、どう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
今回のイベント開催計画は実施が想定できるイベントを調査・検討したものである。
伊藤委員
概略設計で示されたイメージ図にはホテルが描かれているが、導入可能性調査ではホテルが誘致できる可能性がないように出ている。これは誇大広告になるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
このイメージ図は広告ということではなく、地元住民の方への説明に必要であると考え作成したものである。コンベンション施設整備後にホテルを造る可能性も考えられるため、このイメージ図に加えたものである。
伊藤委員
5万平米の展示施設を造ることができず、運営は会議運営会社が行うのであれば、既存の高崎市内の施設を使って誘致活動に踏み出せばいいと思う。計画の根底が揺らいでいると思うが、どう考えるか。
中田コンベンション施設整備室長
以前から説明しているとおり、前橋市や高崎市には大きなコンベンションを開催できる施設がない。そのため、このコンベンション施設が必要だと考えている。
伊藤委員
誘致に関する取組を経験し、それを基に施設を造るべきであると思うが、計画を見直すことはできないのか。
中田コンベンション施設整備室長
誘致については、先行してコンベンションビューローの調査を行っており、来年度にも検討を本格化したい。
後藤委員
計画に対する県民の意見を聞くため、改めてアンケートを実施すべきではないか。
中田コンベンション施設整備室長
県民に対して色々と情報提供を行っていきたいと考えている。来年度は施設のPRを十分に行い、県民に広く知ってもらうよう努力したい。
後藤委員
本委員会からコンベンションビューローの立ち上げを提言したが、来年度のコンベンションビューロー調査検討の予算は50万円しかなく、立ち上げの意思が感じられない。来年度の考え方を聞かせて欲しい。
中田コンベンション施設整備室長
今年度先行して各地のコンベンションビューローの調査を行っており、新年度早々に整理して、委員会で説明した上で意見交換をしたい。予算については、議会との意思の共有が図られれば、補正予算を組むことも考えられる。
後藤委員
本日、特別委員会に示した資料をなぜ総務企画常任委員会にも示さなかったのか。
中田コンベンション施設整備室長
総務企画常任委員会に予算議案が提出されており、それに関連する内容のものであることから、示すべきであった。本年度は、5月議会からこの特別委員会で議論してきたこともあり、まずはこの委員会に示すべきだと考えたものである。
後藤委員
資料2の「イベント開催計画」について、消費者向け即売会は、大規模都市のみで開催されている。参加者が集まらないとメーカーも開催しないと思うが、商圏的に本当に高崎で開催できるか検証したか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎は新幹線や高速道路によるアクセスが容易であり、栃木、新潟、長野などが商圏として想定できると考えている。
後藤委員
東京で開催しているイベントを高崎で開催して、東京や埼玉から新幹線で人が集まると思うか。
中田コンベンション施設整備室長
東京で開催しているイベントをそのまま持ってくるのではなく、高崎で開催して、東京で開催されている即売会に参加していない、長野、栃木、新潟などの人たちに来てもらうことを考えている。
桂川委員
地元から、憩いの場を設けることや会議室などの施設の一部を利用すること、また、周辺道路の整備に関する要望が1年前から出されているが、それらをどこまで配慮しているのか。また、地元要望を聞く場や、説明する場をどこまで用意しているのか。
中田コンベンション施設整備室長
地元要望に配慮して、約10ヘクタールの事業用地のうち2ヘクタールを超える大きな緑地を設けて、桜並木等も整備し、四季折々の花が見られるようなものにしたいと考えている。また、周辺道路整備についても、高崎市との協議が進み次第、説明していきたいと考えている。
桂川委員
PFIにより事業が実施されることになると、さらに地元の声が届きにくくなると考えるが大丈夫か。
中田コンベンション施設整備室長
これまでも地元の声も聞いているが、今後も、各段階で意見を聞く場を設けたい。
桂川委員
1万平米の展示場と6千平米の展示場の間に通路がある。どうやって使うのか。
中田コンベンション施設整備室長
1万平米の展示場と6千平米の展示場を併せて使うと1万6千平米の展示場として使えるものである。展示会用展示施設は安く整備し、多目的展示施設は必要な機能を備えており、構造的にも別のものである。
桂川委員
1万平米の展示場を借りるのか。6千平米の展示場を借りるのか。あるいは、1万6千平米の展示場を借りるのか。
中田コンベンション施設整備室長
1万平米と6千平米合わせて1万6千平米の展示場を借りることもあれば、1万平米のみ、あるいは6千平米のみ借りることもある。様々な利用方法がある。
桂川委員
280億円の根拠はどのようなものか。もう少し施設をシンプルにすれば安くなるのか。
中田コンベンション施設整備室長
多目的展示施設は、可動席などを備えてコンサートや式典などに多目的に使えるように考えており、1万人規模で開催される商工会議所の全国大会や大規模コンサートを開催するために、1万平米程度の広さが必要だと考えている。多目的展示施設のコストは高く、展示会用施設は安くできる。それぞれを積算した合計が280億である。
藥丸委員
コンベンション施設整備の計画について、議会と執行部の議論がかみ合っていないと感じる。人口減少社会の中で高崎競馬場跡地を有効に活用しようと平成21年度から検討を進め、コンベンション施設を整備するという結論が出た。今回示された概略設計は、コンベンション施設を整備するとしたらこういう感じであるというたたき台が示されたという理解でよいか。
中田コンベンション施設整備室長
基本計画で施設の内容を定めたが、具体的なイメージがないと分かりづらく、道路などの検討すべき事項も多いことから、そのためにイメージ図を作成したものである。
藥丸委員
概略設計にかかった費用はどれくらいか。
中田コンベンション施設整備室長
約1,200万円である。
藥丸委員
仮に本設計を実施するとしたらどの位の費用がかかるのか。
中田コンベンション施設整備室長
基本計画を作成する際に概算を試算したが、6億円程度の見込みであった。
藥丸委員
本設計を実施するとしたら6億円かかるものを1,200万円で概略を設計したものであり、細かいことまでは詰めていないと理解している。議論が小さくなっているが、日本全体が人口減少社会の中で交流人口を増加させていこうとしている施設であり、海外から人を呼ぶことも視野に入れて考える必要があるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
日本全体が人口減少社会であり、海外からの誘客といった視点も必要だと思う。
藥丸委員
コンベンションビューローを立ち上げるに当たって、そこにコンベンション運営会社を取り入れていこうという意向はあるか。
中田コンベンション施設整備室長
会社として入ることができるか分からないが、人材についてはコンベンション運営会社の経験がある人でないと難しいのではないかと考えている。
小川委員
基本計画が昨年3月に策定され、1年後にようやく絵が出てきた。これから議会の意見を聞いて、中身や大きさを話し合うという段階であるという理解でよいか。
中田コンベンション施設整備室長
基本計画に基づき具体的なイメージを絵にしてお示ししたものである。
小川委員
基本計画をつくってから、まだ1年であり、施設の規模から意見を聞く段階だと考えており、意見を聞きながらより良いものにしていくべきと考えるがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
多くの方に関心を持っていただき、意見を聞きながら進める必要があると考えている。
小川委員
意見が取り入れられないと、説明されても納得できない。前向きに検討してもらわないと議会としても対応が難しい。
五十嵐地域政策課長
今回の資料は本年度実施してきた概略設計と、PFI手法で成り立つかの導入可能性調査の結果が出たものをお示ししたものである。これまでは十分に説明できる資料もなかったが、経過説明なども行いながら、丁寧に対応すべきであった。一つの案をお示ししたものであり、理解をいただけなければ進められないと考えている。
小川委員
総務企画常任委員会で附帯決議があり、議会の理解がなければ進められないと思うが、どういう状態になったら理解が得られたと思うか。
五十嵐地域政策課長
仮にPFI手法で実施する場合は、要求水準書の案を示したり、債務負担行為予算の議決をいただく段階で議論していただき理解をいただく。また、PFI手法の段階では民間事業者の意見を聞く段階もあり、意見を反映した整備内容を説明する機会などもある。丁寧に説明しながら対応していきたい。
小川委員
基本計画の年間107万人の利用者に対して、本当にそのような需要があるのか疑問に感じていたが、本日の配付資料「イベント開催計画」では年間111万人に増えている。地方のコンベンション施設で開催されているものから可能性のあるものを拾ったという理解でよいか。
中田コンベンション施設整備室長
一部ヒアリング調査も行っているが、地方のコンベンション施設で開催されているものを積み上げたものである。
小川委員
基本計画では大規模な展示会は東京、神奈川、大阪、千葉の開催がほとんどであり、地方都市では開催されていない。一方で「イベント開催計画」では見本市・展示会が37件とあるが、どう捉えればよいのか。
中田コンベンション施設整備室長
東京や千葉で開催されている大規模な展示会のほかにも、統計に入っていない規模の展示会もあり、地方のコンベンション施設で開催されているものを積み上げたものである。
小川委員
1万6千平米を全部使うような展示会が開催されないなら、規模を縮小してもいいのではないか。さらに詳細な調査が出てくるのか。
中田コンベンション施設整備室長
「イベント開催計画」の精度を高める努力をして参りたい。
小川委員
収入見込みは朱鷺メッセの料金を参考に算定しているようであるが、それはなぜか。
中田コンベンション施設整備室長
収入見込みの算定には、一定の料金を想定しないと算定ができないので、これまで議論に出てきている朱鷺メッセを参考にしたものである。
小川委員
都合の良い数字ばかり使っており、使っている数字がバラバラである。収入見込みが4億9千万円で、運営費が5億円となっており、合わせただけのように感じるが、運営費はどのように算定したのか。
中田コンベンション施設整備室長
運営費は、概略設計において積み上げたものである。
小川委員
アドバイザリー業務委託契約とは、どういったものか。
中田コンベンション施設整備室長
要求水準書や実施方針などの書類の内容の確認、法律的な検討、設計・建設における技術的なアドバイス、PFI事業の手続きのアドバイスなど、全ての段階において支援を受けるものである。
小川委員
委託先は東京のコンサルタント会社を想定しているのか。
中田コンベンション施設整備室長
群馬県ではPFI事業の事例がなく、県内にノウハウを有する企業はないと思われるので、東京などのコンサルタント会社になるのではないか。
小川委員
PFIの手続きを考えて、平成27年度の着工に間に合うのか。
中田コンベンション施設整備室長
予算を認めていただいた後に、アドバイザリー業務委託の事業者を選定する。その事業者とも相談しながら検討を行った上でないと具体的なスケジュールは申し上げられない。
萩原副委員長
概略設計を委託した過程はどのようか。
中田コンベンション施設整備室長
コンベンション施設について、地元からどのような施設ができるのか早急に見せて欲しいとの要望があった。また、民有地買収に係る5千万円税控除の税務署協議の際に図面が必要であった。また、道路整備の検討の際の図面が必要ということもあった。このように地元説明や税務署との協議等に必要なことから実施したものである。
萩原副委員長
概略設計を実施した佐藤総合計画をどのように選定したのか。
中田コンベンション施設整備室長
6月下旬から公募プロポーザルを実施して選定した。募集に対して3社から応募があり、佐藤総合計画を選定した。
萩原副委員長
プロポーザルの内容はどのようなものであったか。
中田コンベンション施設整備室長
3枚程度の企画書や模型を提出させ、選定を行った。
萩原副委員長
誰が選定したのか。
中田コンベンション施設整備室長
企画部長を選定委員長とし、高崎市副市長、前橋工科大学の教授、管財課長、建築住宅課長などを委員とする審査委員会で選定した。
萩原副委員長
提出された図面のほかに、どのような資料を作成したのか。
中田コンベンション施設整備室長
施設の模型や雨水対策の検討図面などを作成した。
萩原副委員長
佐藤総合計画には、地下水位が高いことや、支持地盤が地下30m程度の深さであるといったことは伝えた上で、概略設計させたのか。
中田コンベンション施設整備室長
ボーリングデータは提供せずに募集した。
萩原副委員長
基本計画の事業費の280億円と概略設計の結果との整合性は取れているのか。
中田コンベンション施設整備室長
事業者募集の際に、概算事業費を280億円と示しており、その事業費で想定した内容である。
萩原副委員長
地下水位が高いことや支持地盤が深いといったことがあると建設費が大きくなるが、その辺の整合性はどうか。
中田コンベンション施設整備室長
ボーリングデータ等は提供していないが、どの業者も調査しており、地下水位が高いことは承知していた。
萩原副委員長
基本計画は、経済が落ち込んでいた平成23年、平成24年時点のデータやアンケート調査の結果を基にしている。その時点のアンケート結果を基に1万6千平米の展示場としたということでよいか。
中田コンベンション施設整備室長
その時点のアンケート結果を踏まえて設定したものである。
萩原副委員長
このコンベンション施設は、これからつくる施設である。来年度予算はわずか50万円であるが、コンベンションビューローを早急に立ち上げて、そこでこれからの成長戦略を考えていく必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
コンベンションビューローについては早急に検討したい。予算についても、予算執行についても柔軟に考えながら検討していきたい。
萩原副委員長
議論が不十分であると思っている。来年度コンベンションに特化した特別委員会をつくって、もう一度根本的なところから議論していく必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
そのような委員会ができれば一緒に議論させていただきたい。
萩原副委員長
用水路が敷地の中にあるようだが、この10万平米の土地に5万平米の施設を建てることは、技術的に考えて無理なのか。
佐藤建築住宅課長
技術的には可能だと思うが、用水路の権利関係などが分からないので、何とも言えない。
萩原副委員長
コンベンション施設については、私も私案を作成している。違ったスキームであれば、事業費を減らせる可能性もあり、色々と検討できると思う。また、VFMは、10%から20%程度あることが望ましいと考えている。VFMが2.3%程度なら、指定管理と変わらない。現時点ではPFIが合っているとは思わないがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
今回のVFMは、280億円の事業費を想定して算定したものである。要求水準書などを検討する段階で変わってくる可能性もあり、機会あるごとに意見交換をしながら進めていきたい。
橋爪委員
昨日、地元区長に説明を行ったと思うが、どういう資料で、どのような説明を行ったのか。
中田コンベンション施設整備室長
本日の配付資料、資料1「コンベンション施設計画の概要」と図面を使って説明を行った。
橋爪委員
区長の反応はどうだったか。
中田コンベンション施設整備室長
施設については、大きな意見はなかったが、周辺道路がどうなるか早めに情報をもらいたいという要望をいただいた。
橋爪委員
概略設計の図面が出てようやく議論のスタートラインに立った思いがする。議会と執行部の時間軸が1年ずれており、いかに縮めていくかが肝要だが、平成29年度の竣工にこだわっていると難しい。高崎競馬場跡地の利活用は、平成21年に有識者検討委員会を設置して、時間をかけて検討してきた。それが、今になって急に議会を引き離すように駆け足になっている。高崎競馬場は平成16年に廃止されるまで、80年間続いており、地元は受益もあったが慢性的な渋滞などのデメリットもあった。だからすぐに意見は出てこない。このような時間軸のズレを認識した上で、地元の歴史も理解しながら進めてもらう必要がある。このコンベンション施設ができることによる地元住民のメリットは何か。
中田コンベンション施設整備室長
昨日の地元区長に対する説明の際にも地元のメリットについて聞かれたが、防災機能を備えた施設として安心・安全は感じてもらえるのではないかと考えている。また、周囲の緑地についても自由に使っていただけるよう配慮したい。多くの人が訪れることにより、今までより住環境が悪くなることが心配であり、こんな施設はできない方が良かったと言われないようにしたいと考えている。
橋爪委員
情報公開をしながら、住民の意見を聞いて進める必要がある。指摘したことに対して、前向きに検討すると言ってもらいたい。今までのような対応では結果は変わらないと指摘しておく。高崎市と様々な連携が必要であるが、最近はいつ、どんな打合せを行ったのか。
中田コンベンション施設整備室長
都市集客施設整備室とは先週打合せを行った。昨日は副市長とお会いし、説明を行い、色々とご意見をいただいたところである。
橋爪委員
コンベンションビューローの方が、施設本体よりも遅れている。施設整備ばかりが進んでおり、ソフトの整備が進んでいない。新年度予算の説明書にもコンベンションビューローの設立とは書かれていないが、そういう状況なのか。
中田コンベンション施設整備室長
今年度先行して、全国のコンベンションビューローの調査をしている。情報を整理して、新年度に具体的な検討に入りたい。
橋爪委員
仮にコンベンション施設ができなくても、県としてコンベンションビューローは積極的に考える必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
施設整備の如何に関わらず、コンベンションビューローは必要だと考えている。
橋爪委員
この図面を見ると南側にエントランスがあるが、高崎駅東口から何キロあり、徒歩で何分ぐらいかかるのか。
中田コンベンション施設整備室長
メインエントランスは南側であるが、施設の西側にもエントランスがあり、ここが駅から一番近く、約800メートルである。
橋爪委員
高崎駅東口から800メートルであれば、徒歩10分ぐらいであるが、1キロとなれば13分ぐらいかかる。そうすると、雨の日などは二次交通が必要になるが検討はしているか。
中田コンベンション施設整備室長
シャトルバスの運行は必要だと考えている。
(3)コンベンション施設の防災拠点としての機能について
須藤(和)委員
防災拠点としての役割も担っているが、どの程度の人数を収容し、どのぐらいの物資を備蓄することを想定しているのか。
中田コンベンション施設整備室長
収容人数についてはどの場所に受け入れるかによって違ってくるが、物資の備蓄については1,500人分を想定している。
須藤(和)委員
雨水を有効利用するとあったが、災害時でもトイレは流れるのか。
中田コンベンション施設整備室長
雨水の貯留槽を整備し、非常用自家発電装置も備えるので、災害時でもトイレは流れる。
須藤(和)委員
災害もいつ起こるか分からない。基本計画にもある平成29年度のオープンを目指すべきだと思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
平成29年度のオープンは目標であり、それに向けて努力したい。
(4)コンベンション施設の周辺道路整備について
伊藤委員
コンベンション施設へのアクセス道路は、どのように整備を行う考えか。
中田コンベンション施設整備室長
現在、高崎市と周辺道路整備について協議を行っている。高崎市と共同で交通解析調査を行っているところであり、この結果も踏まえて最終的に詰めているところである。なるべく早く案を示すことができるようにしたい。
伊藤委員
2千台の車両や大型バスが入ることになると、周辺は大混乱になる。道路整備は平成29年度のオープンに間に合うのか。
中田コンベンション施設整備室長
スケジュール的に難しいが、集中的に道路改良に取り組むことで一部は間に合わせたいと考えている。
伊藤委員
周辺道路が渋滞し、イベントの開始に間に合わない人が出てくると、二度と使ってもらえないことも懸念されるが、どう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
悪い評判がマイナスになることは承知している。競馬場跡地内に滞留帯を整備するなど、渋滞を減らす方法も検討している。
伊藤委員
課題を解決せず、施設整備を先行して行うことが問題である。周辺道路整備なども意見を聞きながら進めていく必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
地元の意見を聞いて検討していきたい。
(5)社会資本の長寿命化について
後藤委員
「はばたけ群馬・県土整備プラン」に記されている長寿命化計画によるコスト縮減額の表現は、県民に対して誤解を与えるのではないか。今の表現だと、一定期間内だけでなく、将来にわたりコスト縮減が図られるとの誤解を与えるのではないか。
倉嶋建設企画課長
長寿命化計画においては、ある一定期間内で、長寿命化計画に基づく場合と基づかない場合の維持管理費の差額を、コスト縮減額として表現することが一般的である。今後、必要に応じて、表現方法を検討していきたい。
(6)本委員会の1年間の議論を踏まえた感想について
井下委員
この委員会は、これからどんな社会基盤を整備するべきかということで設置された。各部局の代表者から、委員会における1年間の議論を踏まえた感想を聞きたい。
福田県土整備部長
今日の中心市街地の現状が、まだまだ活性化しているとは言えない中で、「ぐんま“まちづくり”ビジョン」を策定したことは、期を捉えたものと考えている。都市の将来像を示したものが、この「ビジョン」であり、一方、それを踏まえた各市町村のまちづくりの取組をまとめるものが「アクションプログラム」であり、策定が動き出している。まちづくりがうまくいくかは、これからの取組次第なので、県として市町村を支援していきたい。
入内島危機管理室長
危機管理室は、防災の面から参加させていただいた。道路、農村、まちづくりなど、それぞれの分野が防災の観点からしっかり取り組んでいく必要性を感じた。
五十嵐地域政策課長
コンベンション施設については、長い時間軸で考えるべきだと考えている。多くの人が一同に会して情報などのやり取りを行うような都市装置を持つことによって、群馬県も都市間競争に勝ち抜くことができると考えている。山間地域においては、人口減少が進行する中で様々な支障が出ているが、これらの地域を社会全体で支えていくことが重要である。地域の限られた資源を活用し、どのように社会基盤を整備していくかが課題と考えている。
根岸林業振興課長
林業振興課としては、低炭素社会づくりという視点で、建物の木造化・木質化及び再生可能エネルギーである木質バイオマスのエネルギー利用を進めたいと考えている。特に、コンベンションホールへの木材利用もお願いしたい。
宮崎農政課長
農政部では、農村地域の土地利用調整や農業生産基盤の整備などを通じて、社会基盤づくりに関与している。特に、農道や水路などの農業生産基盤については、同時に、生活基盤的側面も持っていることから、長寿命化を含め、今後とも整備に取り組んでいきたい。
鬼形企業誘致推進室長
企業立地については、平成25年上期の工場立地動向調査において、立地件数52件で全国第2位となるなど、好調な状況が続いている。また、平成24年に10か所、178ヘクタールの新規産業団地候補地を選定したが、そのうちの6か所で事業化の目処が立ちつつあり、基盤づくりは着実に進んでいると考えている。景気が上向く中で、企業の設備投資や引き合いも多いので、引き続き積極的に企業誘致を進め、社会基盤の厚みが増すよう取り組んでいきたい。
金井商政課長
中心商店街のソフト・ハード事業に対する支援を中心に行ってきた。今年度、商店街に対する補助のあり方が事務・事業見直し委員会の俎上に上がったが、最終的には商店街に元気になってほしいということだった。また、国の補正予算の補助金では、ハード事業は街路灯のLED化が多かったが、群馬県は採択件数が全国第8位となった。ソフト事業は、今までイベントが少なかったところも、新たに取り組むところが増えた。まだまだ元気な商店街があると感じた。
塚越管理課長
学校施設も社会基盤の1つだが、老朽化が進んでおり、耐震工事だけでなく、防災の観点、長寿命化の観点から、有事の際に備える具体的な方策について、市町村と連携して取り組んでまいりたい。
(7)高崎駅における上信電鉄とJRとの乗継ぎについて
萩原副委員長
JRから上信電鉄への乗換え時に、高崎駅西口をいったん出ることになり、大きな課題である。現在の協議の状況はどうか。
樋口交通政策課長
現在の上信電鉄高崎駅の出入口は、平成23年度に、乗換えの際に使用していた「エスカレータ-」が耐用年数を迎えることから、JRと上信電鉄、高崎市の間で協議が行われ、駅西口から直接出入りできる連絡通路を新設する形で3者が合意してできたものである。JRとの乗継ぎ経路が1割程度長くなったデメリットはあるが、駅西口から直接出入りできるようになったことや、駅ビルのエレベーターが利用できるようになり、バリアフリ-対応になるなど、利便性が向上した。上信電鉄のJR1番線ホーム利用については、かねてからJRに要望しているが、JRは難色を示している。
萩原副委員長
JR1番線への乗入れについて、改めて働きかけが必要と思うがどうか。
樋口交通政策課長
現在、高崎駅で上信電鉄へスムーズに乗換えができるよう、JRと高崎駅構内の案内表示の設置を検討しているところであり、1番線乗入れについても改めて要望したい。