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社会基盤づくり特別委員会(平成25年12月11日)
1.開催日時
平成25年12月11日 10時01分~15時05分
2.開催場所
402委員会室
3.出席委員
委員長:中沢丈一、副委員長:萩原渉
委員:橋爪洋介、委員:伊藤祐司、委員:茂木英子、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:後藤克己、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:藥丸潔、委員:小川晶
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)まちづくり”ビジョンに係わる市町村アクションプログラムについて
萩原副委員長
県外調査を行った那覇市では、都市デザインに積極的に取り組んでおり、中心市街地の人口増加策や公共交通がしっかりしていた。こうした事例を、現在、作成に取り組んでいるアクションプログラムにどう活かしていくのか。
中島都市計画課長
那覇市龍潭通りは、単に街路事業をするのではなく、街並みの景観整備とあわせて行っていることが本県との違いである。今後、本県でも県管理道路の整備と各市町村の景観計画による街並み整備をあわせて行う必要があると感じた。アクションプログラムは、現在、6市で取り組んでいるが、まちなかに人を集めるためには、地域に誇れる景観も重要なファクターであることから、今後の検討に役立てていきたい。
萩原副委員長
那覇市のように、デザインや材質などで街並みを規制することは重要だが、群馬県では事例が少ない。こうした街並みの観点からアクションプログラムを作成しているところはあるのか。
中島都市計画課長
現在策定中であり確定はしていないが、今のところ那覇市のような観点での検討事例はない。
萩原副委員長
都市計画について、前橋は高崎と比較して遅れができたと思うが、その原因は何か。
中島都市計画課長
前橋市は行政のまちとして、住むまちの魅力に力を入れ、高崎市は商業のまちの魅力に力を入れてきた。前橋市は市街化区域全体の約50%を土地区画整理事業で整備し、住みやすいまちづくりを行ってきた。一方、高崎市は、新幹線駅の開業の効果もあり、高崎駅を中心に市街地再開発事業や駐車場整備など中心市街地の都市改造に力を入れてきた。
萩原副委員長
中心市街地の活性化には、まちなかに人口を増やすことや、公共交通との連携、イベントによる交流人口の増加などが必要だと思うが、まちづくりビジョンを展開していく中で、市町村に対してどのような指導をしていくのか。
中島都市計画課長
人口減少社会に突入しており、“まちのまとまり”を減らさないことが大切である。中心市街地の空家・空地に人を呼び戻す施策や、公共交通や駅などの交通結節点をしっかり位置付ける施策を行いたい。
井下委員
まちづくりには公共交通と駅の活用が重要との県の認識だが、アクションプログラムの中で位置づけられた場合に、どのように具体化していくのか。
中島都市計画課長
公共交通の利便性向上や交通結節点整備等の具体的な改善方策が市町村から提案された場合は、県と市町村の役割分担のもと、県として必要な支援を実施していくこととなる。
井下委員
具体的にはどんな取組になるのか。
中島都市計画課長
アクションプログラムはまだ策定中だが、駅前広場の整備や駅舎のバリアフリー化等の公共交通の利便性を向上させる取組などが検討中と想定される。事業推進にあたっては、国の交付金等の活用も検討しながら具体化を図ることとなる。
井下委員
まちなかの問題の解決に向けた様々な取組にも交付金が活用可能か。
中島都市計画課長
対象事業の中から、優先的に取り組む事業、短期、中長期的な対応が必要な事業等を選定して、計画的に実施していくこととなる。また、県土整備部所管事業以外にも、介護、福祉施設の導入や子育て施設の整備等、県の関係課が連携して支援していく予定である。
井下委員
短期的に取り組むものでも、問題があって長期化してしまう事業もあるが、その部分も短期で一気に実施するのか。
中島都市計画課長
市町村にとって効果的な事業から、あるいは優先度が高いものから実施していく。計画を取りまとめる段階で、事業効果が早く発現できるよう、事業をうまく組み合わせながら計画を策定していきたいと考えている。
井下委員
アクションプログラムの取組は、どれくらいの期間で実施するイメージか。
中島都市計画課長:短期的な事業については、概ね5箇年程度を目途に実施していく予定である。
(2)コンベンション施設整備について
萩原副委員長
施設について、再生可能エネルギーを活用してランニングコストを削減することや、防災機能やバックアップ機能などを付加して、安全・安心な群馬県を前面に出して、付加価値のある施設とすべきと考えるがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
施設整備にあたっては、再生エネルギーやコジェネレーションシステム等を活用してランニングコストを下げることや、バックアップ機能の考え方も持ちながら、防災拠点としての機能を検討して参りたい。
萩原副委員長
現在、施設の概略設計を進めているが、今後、基本設計などを行う際は、別に業者を選定するのか。
中田コンベンション施設整備室長
基本設計、実施設計を行う場合は、別の業者を選定することを考えている。また、PPP方式も検討しているが、その場合は施設の設計・建設や運営を含めて民間事業者から提案してもらい選定することになり、概略設計とは別の業者となると考えている。
井田委員
高崎駅からの人の流れと公共交通をどのように考えているのか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎駅からシャトルバスの運行が必要と考えている。また、ペデストリアンデッキの整備に関わらず、歩行者と自動車の動線は分離したいと考えており、道路整備に関する高崎市との協議の中で検討したい。
井田委員
高崎駅から信号で止まらずに行けるよう、例えば地下道にしてはどうか。
中田コンベンション施設整備室長
地下道は安全上・防犯上から問題があるという声があるが、広く検討していきたい。
井田委員
1万人規模のコンサートと会議が同時に開催されるような場合、2千台の駐車場で対応できるのか。コンベンション渋滞というような言葉ができないよう対応をお願いしたいが。
中田コンベンション施設整備室長
1万人規模のコンサートが開催される場合は、公共交通機関の利用を呼びかけたり、別の場所に駐車する等の対応も必要と考えている。会議は、県外からの利用者が多いと考えられるので、2千台の駐車場で足りると考えている。利用者が一度不便と感じてしまうと施設にマイナスイメージが付くのでそうならないようにしたい。
井田委員
国際会議の誘致を想定して、外国の人が宿泊できるホテルが必要だと考えるが、ホテルの設置は県が主導するのか。市が主導するのか。
中田コンベンション施設整備室長
ホテルの設置についても、導入可能性調査において検討しているところである。ホテルの設置は県が主導していくことになると思うが、地元の高崎市や高崎の経済界の方の協力も必要だと考えている。
井田委員
高崎市との連携はどうなっているのか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎市とはコンベンション施設を整備するにあたり、数多くの事項で情報交換が必要であり、頻繁に情報交換を行っている。
井田委員
国際会議の際にどの位参加者が市内に宿泊するか、また、そのためのホテルのパイがどの位あるか等のデータはあるか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎市内にはホテルが2,500~2,700室はあると把握しているが、フロントでの外国語対応が可能かどうかなど、国際会議の参加者に対応できるか等についても調査していきたい。
後藤委員
コンベンションフォーラムを開催したようだが、コンベンション施設整備については、広く意見を聴き、県民を巻き込んでオープンに議論すべきと考えるがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
フォーラムで配布したリーフレットなども含めて、県民に広く知っていただくとともに、いただいた意見に対してはひとつひとつ丁寧に答えていきたい。
後藤委員
総務企画常任委員会において、施設の規模を見直す必要もあるのではないかという質問があったが、施設の採算性を重視して規模を縮小するといった考えを持っているか。
中田コンベンション施設整備室長
基本計画に定めた規模の施設が、交流人口を増加させて、県内経済の発展を図るという目的を達成するために必要だと考えている。
後藤委員
新しく施設を整備するからには、想定する利用者数107万人のうち8割程度は、県内の既存施設で開催されていないもので埋めるという考え方がないとおかしいと思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
基本計画では、107万人のうち2割程度の約20万人を会議施設の利用者として、残り8割程度の約80万人を展示施設で開催されるイベントの利用者として想定しているが、なるべく既存施設で開催されていないものを想定したい。
後藤委員
展示施設が80万人程度とすると、その7、8割、50万人、60万人を大規模な展示会や見本市で集客するという計画でないとおかしいと思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
展示施設で開催されるイベントは、展示会以外にも様々なものを想定しており、大規模な展示会や見本市だけで8割程度の利用者が来るということではない。
後藤委員
既存の施設で開催できないものがあるから新たに施設を整備するということであり、そこをぼかしてはおかしいと思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
あくまでも既存施設では収容できない規模の催物を開催することを念頭に置いている。
桂川委員
コンベンションフォーラムの内容は良かったと思うが、一般県民も含めて色々な人に聞いてもらう必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
来年度に開催する際には、多くの県民に参加してもらえるよう考えていきたい。
桂川委員
国補助金の要件となる高崎市中心市街地活性化基本計画については、どうなっているか。
中田コンベンション施設整備室長
中心市街地活性化基本計画については、高崎市が内閣府と協議を進めており、国の認定を受けられる見込みであると聞いている。
桂川委員
一般質問において、防災機能等を付加することによって国補助金を活用できる可能性があるのではないかという質問があったが、防災機能等を付加する場合は導入可能性調査を再度行うのか。
中田コンベンション施設整備室長
防災機能は付加的な機能として考えており、庁内での意見交換等を行いながら検討していくこととしており、改めて可能性調査を行うことは考えていない。
桂川委員
高崎市と共同で行っている交通解析の状況はどうか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎市とは来週にも打合せを行い、交通解析の結果報告を受ける予定である。
桂川委員
地域住民の憩いの場となる、公園や運動スペースはどの位となる予定か。
中田コンベンション施設整備室長
地域住民の方の散歩やジョギングに使用できる緑地は整備したいと考えている。
橋爪委員
群馬県は、工場立地や企業誘致の成績が良いが、そのノウハウをMICEの誘致にも活かすことを考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
企業誘致のノウハウも参考になると考えられるので、活用していきたい。
橋爪委員
コンベンション施設整備については、説明が不足している部分もあると思うが、それはまだコンベンションの誘致が始まっていないためではないか。県がリードしてコンベンションビューローの設置を進めなければならないのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
県が率先して進めなければならないと考えているが、設置について色々な意見もあり、意見集約を行いながら検討を進める必要があると考えている。
橋爪委員
第14次群馬県総合計画「はばたけ群馬プラン」を策定するにあたり、県議会の特別委員会の副委員長として平成22年12月に協議した際に、「本県のイメージアップや誘客促進につながる各種コンベンションを誘致するため、ワンストップ窓口の設置などについての基本方針を定めるとともに、その実現に向けた取組を推進します」という一文を私が言って、加えてもらったが、それが実現されていない。外部の人材を招聘したり、組織を立ち上げて、誘致をスタートさせる必要があると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
今後、実現に向けて努力して参りたい。
(3)高崎競馬場跡地の利活用について
伊藤委員
高崎競馬場跡地には2本の用水路が流れており、土地利用に際しては制約があるが、コンベンション施設はどのあたりに造るのか。
中田コンベンション施設整備室長
2本の用水路の間に展示施設と会議施設を造ることを想定している。
伊藤委員
水路がなければ、なるべく施設を西側に寄せて、東側を公園や駐車場として使えると思うが、難しいのか。
中田コンベンション施設整備室長
施設はなるべく西側に寄せたいと考えたが、水路があり、西側に寄せることは難しい。
伊藤委員
高崎競馬場跡地の北側部分は、現在、場外馬券発売所があるが、施設整備にあたり、どうなるのか。
中田コンベンション施設整備室長
現在、JRAとNRSが北側部分を使い場外馬券発売所の営業を行っているが、この北側部分で営業できるか検討を進めてもらっており、コンベンション施設は北側部分を除いた部分で整備することを考えている。
伊藤委員
高崎競馬場跡地の利活用としては、コンベンション施設整備だけでなく、場外馬券発売所の設置も含まれるということか。
中田コンベンション施設整備室長
高崎競馬が廃止された後、現在まで場外馬券発売所も設置されており、競馬場跡地利活用の一つであると考えている。
伊藤委員
地域住民はコンベンション施設が整備されることによって、場外馬券発売所が無くなると認識している人が多いのではないか。残るのであれば、改めて住民に知らせる必要があるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
JRAとNRSが検討中であり、結論が出ていないが、住民に対してもJRAとNRSが場外馬券発売所の営業を継続する検討を行っていると説明してきている。
伊藤委員
JRAやNRSに対して、新しい施設を造った場合の費用や移転費などの補償を行うのか。
中田コンベンション施設整備室長
場外馬券発売所の費用は全てJRAやNRSに負担していただくことになる。
伊藤委員
コンベンション施設の玄関口が場外馬券発売所となり、マイナスイメージとなるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
両者は別の施設であり、アプローチを分けるなど、明確に分けられるよう検討したい。
(4)コンベンション施設の事業手法について
伊藤委員
PPP方式によりコンベンション施設事業を行う場合、どのような内容の契約となるのか。
中田コンベンション施設整備室長
どのような役務を提供するか、支払をどのように行うか、県と民間事業者のリスク分担をどのように設定するか等について、契約を締結することになる。
伊藤委員
収支の見込み、大規模修繕費用の負担をどうするかなどの事業のアウトラインは決まっているのか。
中田コンベンション施設整備室長
PPP方式により事業を実施する場合は、利用料金や運営費なども含めて事業者から提案してもらうことになるので、コストを低減しながら多くの誘客があるように、民間事業者の知恵を活用しながら進めていきたい。
伊藤委員
導入可能性調査では、ホテルの設置も含めて検討をしているのか。
中田コンベンション施設整備室長
ホテルの設置の可否も含めて、検討を行っている。
伊藤委員
ホテルを設置することになった場合、改めて住民や高崎のホテル関係者へ説明を行う必要があるのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
導入可能性調査の結果、設置する案を作成した場合には、住民への説明を改めて検討したい。ホテル事業者の理解も必要であり、意見交換をしながら、合意形成を図っていきたい。
(5)コンベンション施設の周辺道路整備について
伊藤委員
高崎競馬場跡地には北側に6車線の東毛広域幹線道路があるが、他は2車線の道路であり、大型バスの進入路などについて、どう考えているか。
中田コンベンション施設整備室長
道路整備について、高崎市とともに検討を進めているところである。
伊藤委員
道路をどのように整備するのか分かるまで、本体工事に着手すべきではないのではないか。
中田コンベンション施設整備室長
本体工事に着手するまでに、道路整備についても方針を出したいと考えている。
伊藤委員
道路整備の予算はどの程度になるのか。
中田コンベンション施設整備室長
どのように道路整備を行うか決まっておらず、現時点ではお示しできない。
(6)コンベンションの誘致及びコンベンションビューローの立ち上げについて
小川委員
本日配付されたリーフレットは何部作成し、どこに配布したのか。
中田コンベンション施設整備室長
5千部作成し、企業、大学研究室、県民、周辺住民等に配布した。
小川委員
特別委員会の県外調査により沖縄コンベンションセンターを視察したが、課題や活かしたい点などはあったか。
中田コンベンション施設整備室長
維持管理について、大規模修繕を計画的に進める必要があることや、沖縄コンベンションセンターは沖縄観光コンベンションビューローが運営しており、コンベンションビューローの役割等の研究が必要だと感じた。
小川委員
コンベンション誘致に関して、体制なども含めて伺いたい。
中田コンベンション施設整備室長
高崎観光協会がコンベンションビューローを立ち上げる検討をしており、産業経済部とも連携しながら検討して参りたい。
小川委員
コンベンション施設の側にホテルを設置すると、高崎に泊まることになってしまい、他の市町村への波及効果が少なくなると思うがどうか。
中田コンベンション施設整備室長
コンベンション施設に設置を検討しているホテルは、会議運営上必要なものと考えている。県内に経済波及効果をもたらすため、観光地など県内各地に誘導するシステムについても検討する必要があると考えている。
(7)バックアップ機能誘致について
茂木委員
11月に開催した群馬県バックアップ機能誘致セミナーの概要などは、どのようなものだったか。また、それを踏まえ、どのように総括しているか。
加藤総合政策室長
今年度のセミナーは、11月11日に高崎市で開催した。「首都直下地震に備える『国土強靱化』構想」をテーマに、国土強靱化の提唱者である藤井聡氏を講師に招き、130人ほどの参加者があった。講演の内容は、「地震などの危機を突破する力を得ることが重要で、そのためにはオールジャパンの取組が必要である」、「日常的に危機を意識しながら生活していくことが重要だ」「群馬県は地の利がよく、土地もまだ安く、非常に有利である」という話などがあった。参加者へのアンケートでは、「バックアップ機能の必要性を感じた」、「平時から強靱化に取り組む姿勢の大切さを感じた」といった声をいただいた。県としては、今回のセミナーの内容を活かし、新たな情報も収集しながら、着実に取り組んでいきたい。
茂木委員
自分も参加して、日常的に有事のことを考えることが大切だと再認識した。こうしたセミナーは継続して開催していくことが有効と思うがどうか。
加藤総合政策室長
セミナーは、今回が3回目の実施である。今後も更に継続して実施し、群馬県として、いざというときのための心構えなど普及に一層努めていきたい。
茂木委員
こうした取組に対する国の後押しや、市町村への周知・働きかけが必要と思うがどうか。
加藤総合政策室長
国土強靱化基本法が先日成立し、今後、取組が進められていくことになる。これまでもバックアップ機能誘致に関して国に要望してきているが、これを機に、さらに一層、取組を進めたい。また、本県ではバックアップ機能誘致協議会で、県と市町村が一体となって取り組んでいる。今後も、市町村と一体となって、いざというときへの備えを万全にしていきたい。
(8)東日本大震災を踏まえた県の防災対策について
茂木委員
東日本大震災を受けて県地域防災計画の見直し状況はどうか。
入内島危機管理室長
平成23年度は、県議会大規模地震対策特別委員会からも提言等をいただきながら、県境を越えた広域避難者の受入れ、県外で原子力施設事故が発生した際の対応、災害時等の燃料不足への対応など、東日本大震災の際の災害対応等を踏まえた見直しを行った。昨年度は、災害対策基本法や県地域防災計画の上位計画となる国の防災基本計画の改正等を踏まえた見直しを行った。今年度は、災害対策基本法の第2弾の改正内容に基づく見直しを行う予定であるが、国の防災基本計画の改正が遅れており、今年度中の見直しは微妙な状況となっている。
茂木委員
広域避難者の長期避難生活支援などは、今年度の県地域防災計画の見直しに入っているか。
入内島危機管理室長
昨年度に、広域避難者支援として、被災者の広域的な受入れや心のケア対策等に関する規定を追加したが、今年度は、災害対策基本法の改正により、一定期間滞在する避難所と安全性等の一定基準を満たす施設・場所を指定緊急避難場所として明確に区別して指定することとなったことから、こうした内容を主に考えている。
茂木委員
長期避難生活に伴う災害関連死対策についてはどうか。
入内島危機管理室長
県地域防災計画においても、被災者の心身の健康の確保を図るため、避難所や被災家庭への医師等を派遣する巡回健康相談の実施や心のケア対策等に関する規定を定め対応している。
茂木委員
東日本大震災において、消防団員など数多くの支援者が犠牲となったが、災害時における支援者の現場対応について、ルール化づくりが全国で始まっていると聞くが、本県ではどうか。
入内島危機管理室長
災害現場における支援者の使命感は非常に高く、県としては、まず自分の身の安全を確保した上で現場対応にあたっていただくよう注意喚起するとともに、心のケア対策等も地域防災計画に盛り込みしっかり取り組んでいる。
(9)人口減少社会における対応・対策について
須藤(和)委員
人口増を図っていくためには既存の価値観を変えていく必要がある。人口減少、少子化に対して、多方面からの意見が必要と考えるがどうか。
五十嵐地域政策課長
人口減少社会を先行している地域が過疎地域であると考えられる。過疎対策として若い世代を地域に受け入れる移住・定住対策に力を入れている。若い世代を受け入れるためには、地域の雇用創出とセットで考え、生活面も含めて地域全体で取り組まないと解決できない。これらの問題は、国全体に段々と広がっていくと考えられるので、将来への対応として、まず過疎地域において、人口が少なくても地域を維持できるような方策を、市町村と連携して取り組んでいきたい。
(10)社会基盤の維持管理について
後藤委員
「はばたけ群馬・県土整備プラン」に掲載されている長寿命化計画による社会資本の維持管理・更新費の推計において、維持管理・更新費を将来に先送りし、将来の人達に負担させないために、今の維持管理・更新費を増やす必要があると考えるがどうか。
福田県土整備部長
プランに載っている推計においては、現在必要な維持管理・更新予算をしっかりと計上している。
後藤委員
将来の社会基盤整備は将来の人達が考えられるよう財政的な余力を残しておくことが大切である。人口減少・高齢化社会に向け、道路や橋ばかりでなく、公共交通等の社会基盤整備も重要であると考えるがどうか。
福田県土整備部長
計画では、50年という期間で考えている。県土整備プランは5年ごとの見直しをすることとなっているので、その際に検討したい。
(11)被災建築物応急危険度判定士について
藥丸委員
県内における判定士の人数と育成の取組について伺いたい。
佐藤建築住宅課長
平成25年11月末時点で、登録者数は1,653人である。新しく建築士に合格した方を中心に、判定士になるための講習会の受講と登録をお願いしている。
藥丸委員
判定士の目標数はあるか。
佐藤建築住宅課長
平成32年度までに2,000人を目標にしている。
(12)国土強靱化基本法施行後の県の対応について
藥丸委員
基本法の成立を受けて、県はどのような対応をしていくのか。
入内島危機管理室長
国の国土強靱化推進本部が、脆弱性評価を行った上で、国土強靱化基本計画案を策定し、県は、国土強靱化地域計画を定めることができることとなっている。この地域計画は、国の基本計画と調和がとれたものであることとされているが、その策定方法等は明らかになっていない。国の示したスケジュール等、動向を注視したい。
藥丸委員
国土強靱化基本法は、その内容が多岐にわたっているが、県の所管は危機管理室なのか。
入内島危機管理室長
現在は危機管理室が所管しているが、国土強靱化計画は多分野にわたるとともに、強靱化に関しては県の最上位計画に位置づけられていることもあり、今後内容が明らかになった時点で、どこが所管することが効果的なのか検討していきたい。
藥丸委員
県は、国土強靱化地域計画を作成する考えか。
入内島危機管理室長
現時点では、作成すべきではないかと考えている。
(13)山村における活性化の取組について
小川委員
山村地域は県内ではどのあたりが対象となるのか。
五十嵐地域政策課長
当課において所管している地域は、過疎地域自立促進特別措置法及び山村振興法によって指定されている地域であり、主に中山間地域と呼ばれる地域が含まれている。
小川委員
山村地域の活性化のメインとなるような特色を探しだし、県が連携して取り上げていくべきだと考えるがどうか。
五十嵐地域政策課長
山村地域は地域資源や生活文化などにおいて、様々な特色を有しているので、これら資源を活かしていく方策を地域の市町村が主体的に考え、県がアドバイスしていくことが基本と考えている。取組には効率性のみを追求するのではなく、多分野にわたる広域的な連携の場を作りながら、特色ある取組を一緒に考えていくことが大切だと考えている。
(14)上信電鉄「新駅」設置計画について
橋爪委員
高崎市の「新駅」設置計画について、現状はどうなっているか。
樋口交通政策課長
この新駅は、高崎市が南高崎駅と根小屋駅間の「上佐野地区」に設置を計画しているものである。上佐野地区は人口増加地区であり、地元から強い要望を受ける形で整備を進めている。県としては、高崎市の計画案を検証した結果、新駅の収支予測に収益が見込まれ、上信電鉄の経営改善につながるものと考えられることから、設置に向けた協議を進めている。
橋爪委員
完成時期はいつになるか。
樋口交通政策課長
平成26年12月の完成を予定している。
橋爪委員
本年7月の当委員会の県内調査の際、会社側は設置に向けて前向きな発言をしていなかったことについて、どう考えるか。
樋口交通政策課長
上信電鉄(株)では、今年度、第3期経営再建計画(H26~H29の4ヵ年度計画)を策定予定だが、現在、「新駅」設置を増収策の重要な柱の一つとして位置付けている。
橋爪委員
県から補助金も出ており、また上信電鉄の担う役割は単なる公共交通にとどまらないはずだが、県議会の調査の際の反応としては寂しいものだった。県としても会社とよく話をする必要があると思うがどうか。
樋口交通政策課長
「新駅」設置計画については、高崎市が県や上信電鉄(株)に先行する形で検討を進めていたため、県内調査時は、三者の熟度の違いでそのような対応になったものと思われる。