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観光振興対策特別委員会(平成26年3月19日)
観光振興対策特別委員会 委員長 南波 和憲
南波 和憲 委員長
観光振興対策特別委員会における審査の経過と結果について、ご報告申し上げます。
まず、6月10日開催の委員会では、高崎駅周辺に免税店設置、富岡製糸場等の周辺整備、外国人観光客の受け入れ体制、海外ぐんまサポーターズの活動状況、ぐんまのいいとこ伝え隊の活動状況と成果、地元の生産物の商品化、食材や土産品の開発状況、グリーンツーリズムの取組状況、富岡製糸場周辺のバス路線の整備、建物の耐震対策、プレDC、群馬DC等におけるエリアを超えた連携状況等が質疑されました。
続いて、8月22日開催の委員会についてでありますが、他県の観光振興条例の特徴等について執行部から説明を受けた後、条例の名称、構成、条例制定にあたって本県でも盛り込むべきと思われる条項などについて委員間討議を中心に行いました。
また、観光関係者との意見交換の場を持つことが決定されました。
次に、10月3日開催の委員会では、ぐんまちゃん家の活動状況、ググっとぐんま観光キャンペーン期間に対する認識、観光資源を下支えしている人材の育成への取組状況、富岡製糸場等の案内標識、駐車場、トイレ、解説員などについて質疑されました。
また、観光関連業者の外国人観光客受け入れに対する意識改革、オリンピックのキャンプ地誘致活動、渡良瀬遊水地を活用した誘客活動、フェイスブックやスタッフブログなどの情報発信における工夫、コンベンション施設の影響調査の実施などについて質疑が交わされました。
続いて、本委員会では、11月8日及び11日に4回に分け、都市・平坦地の観光関係者、群馬県旅館ホテル生活衛生同業組合等の宿泊施設関係者、中山間地・温泉地・アウトドア関係者、並びに高崎経済大学の南教授との意見交換会を開催して、条例案に関係団体等の意見を反映するよう努めました。
また、11月14日から15日にかけて実施した県外調査では、特別委員会を設置して観光振興条例を制定した宮城県と世界遺産を中心とした観光施策を展開している平泉町の調査を実施いたしました。
そして、関係団体等との意見交換や県外調査を踏まえて、12月5日に観光局を交えて、委員間討議及び意見交換を実施しました。
次に、12月11日開催の委員会では、富岡製糸場等の遺産群に関する特産品・土産品の開発状況、ナビ情報業者との連携、道路整備状況、「草津」や「上毛かるた」を利用したアピール手法、観光誘客に向けたバリアフリー化やビジタートイレの整備状況、滞在型の農業体験など民間と連携した取組状況、メディア戦略の取組状況、観光業関係者の語学力向上のための研修や旅館ホテル内の外国語による案内表示、富岡製糸場と絹産業遺産群への修学旅行誘致、スマートフォンを対象としたICT対応等について質疑されました。
その後、12月5日に実施した意見交換会の協議結果概要と条例比較表を参考に条例に関する委員間討議を実施しました。
続いて、本委員会では、観光振興条例の制定に向けて、1月24日、2月10日、3月4日と3回にわたり委員会において、委員相互による活発な委員間討議を実施し、条例づくりを進めてきました。
以上の審査等の経過を踏まえ、3月13日の委員会では、群馬よいとこ観光振興条例議案が提案されましたので、その概要を申し上げます。
条例案は、まず前文を設けて、「草津よいとこ一度はおいで」「上州ナー 上州よいとこ温泉(いでゆ)の名所」そして「いい湯だな」と唄われてきました。天与の恵みである温泉、豊富な農畜産物、素晴らしい自然と文化、それら群馬県に与えられた輝くものを、県民が見つめ直し磨き上げ、愛情と誇りを持って「群馬はよいとこです」と発信することが重要であり、観光に携わる事業者や団体のみならず、企業、大学、そして行政等を含む全ての県民が力を合わせ、観光振興に取り組むことで、群馬県の観光を、県民にとってもまた、訪れる人にとっても、あたたかく安らぎのあるものとすることを目指すことを規定しました。
次に、第1条は「目的」、第2条から第7条にわたって、「定義」、「基本理念」、「県の責務」のほか、「県民、観光事業者、観光関係団体のそれぞれの役割」を規定しました。
第8条及び第9条では、観光資源の有効な活用や国内外からの旅行者の来訪の促進等を図るために必要な国及び他の地方公共団体との連携、並びに施策の策定及び人材の育成等を推進するため、大学、専門学校その他の研究教育機関との連携の規定を設けております。
第10条では、「魅力ある観光地の形成等」として、地域の特性を生かした魅力ある観光地の形成や新たな観光地又は観光需要を創出するための支援などの規定を設けました。
第11条では「観光情報の発信」を規定し、第12条では、観光事業に従事する者及び観光振興に意欲を有する者の知識及び能力の向上等「人材の育成」に必要な施策を講ずることなどを規定いたしました。
第13条「外国人旅行者の来訪促進」では、国及び地域別の旅行形態等の特性を踏まえた広報宣伝の実施や外国人旅行者の受入れ体制の整備等の施策を講ずることなどを規定いたしました。
第14条「良好な景観の保全等」では観光地における良好な景観及び環境の保全などを、第15条「観光振興のための基盤整備」では、観光に関する施設及び道路の整備、二次交通をはじめとした交通機能の充実等観光振興のための基盤整備などを規定いたしました。
第16条「新しい観光分野への対応等」では、本県の豊かで多様な観光資源を生かした新しい観光分野の開発及び普及に必要な施策を講ずることなどを規定いたしました。
第17条では基本計画について、第18条では、推進体制の整備と必要な財政上の措置を講ずることを規定いたしました。
以上を規定した「群馬よいとこ観光振興条例」案を、3月13日の委員会で採決した結果、全会一致で委員会発議することに決定いたしました。
以上で、付議事件について審査を終了し、3月13日に委員会報告書の内容審査を行い、議長あて提出いたしました。
最後になりますけれど、「群馬よいとこ観光振興条例」を発議することができましたが、観光振興については、まだまだ端緒についたばかりであります。
観光の概念が大きく広がっている今、普段の何気ない景色も観光になります。
嬬恋村のキャベツ農家の奥さんに言われた話です。毎年夏になるとキャベツを切る。朝の2時から始め、6時近くなって朝日が昇ってくる瞬間、何万個というキャベツに夜の間に付いた夜露、水滴がきらきらと輝く。無数の輝きの美しさというものは、ほかの何ものにも代え難い。この美しさというのを、観光としてみんなに見てもらえば嬉しいんだけどな。
観光という目で、様々なものを見つめていく大切さというものを思わずにはいられません。
「群馬よいとこ観光振興条例」の施行とともに、是非、そのような観点で、これからも「群馬のよいもの」を私たちが発見して、そして、感動の中で、観光施策が進められていくようになることをご祈念申し上げまして、委員長報告とさせていただきます。