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社会基盤づくり特別委員会(平成25年10月3日)

1.開催日時

 平成25年10月3日 9時59分~15時24分

2.開催場所

 402委員会室

3.出席委員

 委員長:中沢丈一、副委員長:萩原渉
 委員:橋爪洋介、委員:伊藤祐司、委員:茂木英子、委員:井田泉、委員:須藤和臣、委員:後藤克己、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:藥丸潔、委員:小川晶

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

前半:コンベンション施設整備を除く質疑

(1)ぐんま“まちづくり”ビジョンに係わる高崎市のアクションプログラムについて

萩原副委員長
 高崎市では平成24年度からアクションプログラムの策定を進めているが、高崎駅東口地区では県のコンベンション施設と市の音楽ホールの整備が計画されている。また高崎駅からのアクセスの問題や近隣の大規模体育館建設計画などもあり、県と高崎市が連動して、ぐんま“まちづくり”ビジョンを展開していくことが望まれるが、現在の状況と今後の展開はどうか。

中島都市計画課長
 現在、県も一体となって策定支援を行いながら、高崎市がアクションプログラムを策定しているところである。当該区域は、県の策定した高崎都市計画区域マスタープランにおいて、“都心核”として位置づけられており、各施設の一体的整備は高崎市のアクションプログラムにおける重点的な取り組みであると、県としても認識している。

萩原副委員長
 高崎駅を起点としてペデストリアンデッキや国道、県道、また各施設が点在する中で、それらのアクセスネットワークを整備する上で、法的、手続的にどのような問題があるか。

中島都市計画課長
 法的、手続的な検討の前に、まずは各集客施設建設に伴う発生集中交通量及び交通手段の把握とその処理の問題。もう一つ、歩行者が街並みを楽しみながら円滑に施設にアクセスできる歩行空間の整備が課題と考えている。

萩原副委員長
 アクセス整備については様々な検討がなされると思うが、高崎市の整備計画と県の整備計画との整合が図られれば、思い切ったアクセス動線の整備もできると考えてよいか。

中島都市計画課長
 現在、県と市でアクセス動線の整備も含めた検討がなされているので、その中から導かれた最適な整備計画に基づいて、整備を進めて行くことになる。

(2)バックアップ機能誘致について

井田委員
 本県は平地も多く、地震が少ないといった優位性を持っているが、バックアップ機能誘致の状況はどうか。

加藤総合政策室長
 平成23年11月にバックアップ機能誘致協議会を発足させ、活動している。国の機関の誘致については、本県では中枢機能に限らず誘致の働きかけを行っており、例えば、国立公文書館の候補地として売り込んでいる。また、東京23区と県内市町村との交流を促進し、災害時の避難者受け入れなどの調整を行っている。そのほか、民間企業の誘致と併せ、サテライトオフィス誘致などにも取り組んでいる。

橋爪委員
 ぐんま昆虫の森は、元々、国立考古学博物館の誘致を目指していたものだが、そういった国の施設の誘致のアイデアはどうか。

加藤総合政策室長
 国の行政機関の誘致については、施設整備の部署を訪問するなどして可能性を調査している。今後も本県の優位性を活かし、あらゆる行政機関を視野に入れ、努力したい。

橋爪委員
 群馬県よりも東京に近い地域に環状道路が整備され、誘致も盛んになっている中で、群馬県から出て行ってしまう企業もある。県と市町村で協力して対応すべきと考えるがどうか。

加藤総合政策室長
 本県と東京の間に環状道路が整備されてきているほか、さいたま市といった都市も存在している。本県では、いざというときのため、そうした地域・都市をもバックアップしていくという視点も持っている。本県ならではの良さを市町村と協力してPRしていきたい。

(3)市街化調整区域における開発に関する都市計画制度の運用について

井田委員
 高崎玉村スマートインターチェンジの供用開始に伴い、周辺も有力なバックアップ機能誘致の候補地となってくる。そうした際、都市計画制度における手続きなどについて、柔軟に対応してほしいがどうか。

中島都市計画課長
 市街化区域と市街化調整区域の区分にあたっては、都市計画区域マスタープランを県が策定し、概ね5年毎に見直しを図りながら運用を行っている。高崎玉村スマートインターチェンジ北側の地区は、産業拠点として「流通業務系」に位置づけられており、流通業務系の開発は可能だが、それ以外の開発を行うには区域マスタープランの見直しが必要になる。

井田委員
 社会が急速に進歩していく状況の中、土地利用の動向もその時々に変化する。企業の開発ニーズに対応できなければ、違うところに行ってしまう。これからの基盤整備では、群馬の地の利を認識して進めてほしいがどうか。

笹森県土整備部長
 群馬県は人口減少局面に入っており、総量が減少している状況の中、住宅系と商業系に関しては、県内や同一市町村内で「パイ」の奪い合いとなっている。このため、これ以上開発していく場合には、全体の調和を慎重に検討する必要がある。玉村町の既存の商業への影響など、郊外に商業施設を開発しても、まち全体で不都合が生じることがないのか、しっかりと議論されることが必要だと考えている。

(4)高崎駅周辺の将来像について

橋爪委員
 人口減少社会の中で、交流人口を増やしていくことが必要である。交流人口増加の視点から、高崎駅周辺の役割や将来像をどう考えるか。

笹森県土整備部長
 今後、北陸新幹線の金沢延伸により、高崎駅を通過する旅客が一層増えていくが、いかに高崎駅で降車してもらうかが重要であり、高崎駅を起点とした観光連携にも期待が高まってくる。また、東北縦貫線の開通などもあり、県としてもこうした鉄道網の整備に伴う人の流れを注視するとともに、民間企業が行う集客や居住対策に対し、必要に応じて支援してまいりたい。ただし、高崎に偏ることがないよう、道路と鉄道の連携を図りながら、バランスのとれた群馬県を目指していくことが大切である。

(5)木質バイオマス発電施設整備に係る用地について

橋爪委員
 県内で発電事業を実施したいが、用地の確保が難しいと聞く。林業振興も含めて全庁的な視点で考えていかなければならないが、どのように対応する考えか。

根岸林業振興課長
 昨年度、FIT(電力固定価格買取制度)がスタートしたことで、県内で複数の事業者が計画を進めている。課題は、用地の確保、送電線への接続、燃料の供給体制である。用地については関係機関と連携を強化し、事業者へ情報提供したい。

(6)火山対策について

茂木委員
 本年8月に浅間山火山防災協議会が設置されたが、草津白根山、日光白根山について、その取組状況はどうか。

入内島危機管理室長
 草津白根山については、草津白根防災協議会を既に設置しており、その中で検討を行っている。日光白根山については昨年、本県と栃木県及び両県の関係機関で勉強会を始めたところであり、今後は浅間山と同じように進めていきたい。

茂木委員
 火山防災協議会には、火山専門家が構成員として参画することになっているが、火山専門家は少ないと聞いている。状況をどう捉えているか。

入内島危機管理室長
 浅間山火山防災協議会には2人の専門家が入っている。火山専門家の必要性は国も認識していると思うが、これは全国的な問題でもあるので、他県の意見等を聞いた上で対応を検討したい。

茂木委員
 地域住民の防災意識が薄れてきていると思うが、避難方法の周知体制はどうなっているか。

入内島危機管理室長
 浅間山については、融雪型火山泥流を想定した防災マップを作成し、既に地元市町村から地域住民へ周知されている。現在は、具体的な避難計画づくりを進めている。

(7)ガソリンスタンド過疎の状況について

茂木委員
 県内のガソリンスタンド過疎の状況について、どのように把握しているか。

金井商政課長
 各市町村に実態と状況に関する認識や要望を聴取しているが、ほとんどの市町村から具体的な要望が上がってきていない状況である。ガソリンスタンド過疎への対応事例としては、みなかみ町藤原地区において、廃業したガソリンスタンドを町や商工会が中心となって継続しているという取組が1件ある。ガソリンは自動車で最寄りの給油所に行けること、また灯油等は石油取扱業者が配達を実施していることから、要望として上がっていない。

(8)公共施設やインフラの維持管理費について

後藤委員
 公共施設やインフラについて、今後の維持管理費を見積もりながら予算を組み立てていると思うが、県ではどのように現状把握しているか。

笹森県土整備部長
 県土整備部では、橋梁や県営住宅など7つの施設について長寿命化計画を策定しており、その結果、維持管理費が不足することはないと判明している。予算の約2割程度に維持管理費をおさえており、問題はない。

(9)社会資本整備総合交付金の効果促進事業について

後藤委員
 県の効果促進事業の比率はどれ位か。また、どのようなものに役立てているか。

倉嶋建設企画課長
 平成24年度補正予算の約276億円と25年度当初予算の約390億円を合わせた約666億円のうち、効果促進事業は約9億円、比率にすると約1.3%である。主な事業としては、橋梁やトンネルなど道路ストックの点検、ハザードマップの作成、下水道では大規模地震時の維持回復マニュアルの作成、建設発生土のストックヤードなどである。

後藤委員
 国の出している事例のイメージと離れており、事業の趣旨が活かされていないと思うがどうか。

倉嶋建設企画課長
 県では19の整備計画を策定しており、計画ごとに効果促進事業を計上している。道路の長寿命化計画に係る整備計画では点検費用など約8%を効果促進事業として計上している。一方、効果促進事業を計上していない計画もあるので、平均すると約1.3%となっているが、必要な効果促進事業は計上しており、決して少ないとは考えていない。

中島都市計画課長
 市町村においても、同様に社会資本整備総合交付金事業を実施しており、高崎市でいえば「高チャリ」などの効果促進事業を実施している。国の制度概要等にある効果促進事業のイメージに近い事業は、まちづくりの主体である市町村が活用している事例が多い。

(10)ぐんま“まちづくり”ビジョンと都市再生整備計画事業との整合について

桂川委員
 平成24年9月に「ぐんま“まちづくり”ビジョン」が策定されて以降、各市町村が実施している都市再生整備計画事業による諸事業と「ビジョン」との整合をどのように図っているか。

中島都市計画課長
 「ビジョン」では、今よりもまちのまとまり(集積)を減らさないことで、まちのまとまりを公共交通で結ぶことを基本的な考え方としている。一方、都市再生整備計画事業は、平成16年度に「地域の課題・実情に対応できる総合性、自由度の高いまちづくり交付金制度」として市町村を対象に創設され、平成22年度に改名されたものである。市町村が実施する都市再生整備計画事業は、既成市街地等の「まちのまとまり」がある地域で実施されており、整合は図られていると考えている。

桂川委員
 まちの「まとまり」と「まとまり」をどう繋げていくかということが重要だと考える。そういった視点での市町村への助言や指導はどうか。

中島都市計画課長
 都市再生整備計画はある一定の地域を決めて、その中で実施される事業を対象としているので、地域と地域を結ぶといった取り組みには対応しにくい。ただ、高崎市の問屋町駅の整備といった交通結節点の整備などにより利便性向上を図る事業は実施している。

(11)中心市街地におけるまちづくりについて

桂川委員
 ソフト事業として中心市街地の活性化に毎年2千万円弱を執行しているが、これまでの実績と成功事例はどうか。

金井商政課長
 実績には、補助制度の見直し、施設等の改修時期、予算の状況などにより、若干の増減がある。10年前は3千万円前後であったものが、ここ数年は2千万円前後となっている。成功事例としては、地域に定着した事業として、館林市のかごめ通り商店街で開催している「かごめ六斎市」などがある。また、今年度の商店街活性化コンペ事業の最優秀プランとなった「前橋まちなか居住有限責任事業組合」の「シェアフラット馬場川~前橋まちなか居住事業~」は、若者居住により中心市街地の再生を目指す事業である。そのほか、空き店舗対策として補助した65件のうち、48件、73.8%が継続又は他の用途で使用されており、これも補助金の効果と考えている。

桂川委員
 ソフトよりも施設整備の事業が若干多い気がするが、その中で事業実施における課題と国の補助金の獲得を含めた今後の取り組みはどうか。

金井商政課長
 施設整備が多いのは、近年の特徴として電気代の削減のため、街路灯のLED化の要望が多いことによる。今後の課題は事業の継続性の担保、特に、買い物弱者支援に関する取組は採算性などが厳しく、補助終了後の事業継続性をいかに担保するかである。また、これまで行ってきた補助事業等の成果を今後の取り組みに繋げていくことが必要と考えている。商店街の活性化に特効薬はなく、今後も市町村等と密接に連携を図りながら積極的に支援していきたい。

桂川委員
 国の補助金の状況はどうか。

金井商政課長
 まずハード事業では県内で41件が採択され全国8位、ソフト事業は12件で全国36位となっている。県の予算に比べ国の補助金は2億円超であり、今後も引き続き努力していきたい。

(12)ぐんま“まちづくり”ビジョンに係るアクションプラグラムについて

井下委員
 前橋市・高崎市・桐生市・みどり市におけるアクションプログラムの策定の中で、社会基盤づくりに関する計画を上げてきたものがあるか。

中島都市計画課長
 現在、現状と課題の整理が終わって、各市町村の将来像や基本方針を定めたところである。具体的な取り組みは、地域の実情を踏まえ各市で検討している状況である。

井下委員
 4市がそれぞれの地域の実情に応じた取組をこれから出してくるとのことだが、それに対して県がどのように関わっていくのか。

中島都市計画課長
 今までも現状や課題、その都市に何が必要かということは、県と市が合同でワークショップ形式で会議を開くなどして関わってきた。今後、市から具体的な取り組みが出てきた段階で、もう一度、県も入って一緒に検討していく予定である。

井下委員
 これからの高齢化社会をにらんだ取り組みや、中心市街地に賑わいを取り戻させること等をどれくらいの期間をかけて実現しようとしているのか。

中島都市計画課長
 解決策にもよるが、5年以内に具体的な事業として起こすものもあるし、アクションプログラムの中の具体的施策として10年スパンの計画でやっていくものもある。タイムスケジュールを決めた中で施策を分類して、どういう事業を展開するのか検討していくことになる。

小川委員
 進捗状況はこれから具体的な作成に入るということだが、今後の見通しはどうか。

中島都市計画課長
 各市町村の取り組みの中で、今後、住民の方への意見聴取や、議会への説明も予定されているが、できれば年度内には仕上げたいと考えている。

小川委員
 市町村から出てきた要望をできるだけ叶える形で応援してほしい。今年度中にプログラムができあがり、早いものは来年度に実施していくと思うが、予算面で県はどういう協力を考えているか。

中島都市計画課長
 市町村から出てきた各事業については、県と市町村と国、民間の役割分担をしっかりした上で、県としては積極的に応援していきたいと考えている。

(13)橋梁及び舗装の長寿命化計画について

藥丸委員
 長寿命化計画の実施状況と、計画中の防災・安全交付金の割合はどの程度か。

古橋道路整備課長
 県では、橋梁長寿命化計画を平成22年10月に、舗装長寿命化計画を25年3月に策定し、これに基づき、定期点検と予防保全的修繕を計画的に行っている。事業の手法としては、広域的連携となる道路については社会資本整備総合交付金で、地域住民の命と暮らしを守る道路については防災・安全交付金を活用し、それらを補完するかたちで県単独事業を投入している。橋梁補修事業の平成24年度補正を合わせた25年度の実施事業費は約36億円で、このうち防災・安全交付金は平成24年度補正で7億6,400万円、25年度当初で10億7,100万円である。舗装補修事業については、実施事業費約84億円のうち、防災・安全交付金は平成24年度補正で17億1,100万円、25年度当初で13億7,200万円である。

(14)事務事業・見直し委員会における「中心市街地・商業活性化推進」事業の評価について

藥丸委員
 事務事業・見直し委員会の判定結果が出たが、13事業ある中で唯一評価が分かれ、現状 「保留」となっている。どういう意見があったのか。

金井商政課長
 9人の委員の判定のうち、一番多かったのが「要改善」の4人だった。主な意見は「効果や事業の必要性を具体的に説明するため、少しでも効果が見えるような取組を常に検討していくことが必要」、「商店街の個店の支援も検討すべき」などだった。次が「継続・拡充」の3人で、主な意見は「中長期的には公共交通等が生かせるため、大きなニーズが生まれる可能性があり、その視点からソフト・ハード両面における環境整備を検討していく必要があるのではないか」、「モビリティ(移動性)が低下したときのセーフティネットと考えられるので必要性は高い」などだった。「抜本見直し」は2人で、「本来、各市町村が町の存亡をかけて取り組み、これに県が支援する事業であると思う」、「いくつかの成功事例があるとしても、現状の施策を継続することが流れを変える成果に結びつくとは考えられない」などだった。なお、「廃止」の意見は無かった。

藥丸委員
 「市町村が主体となって取り組み、これに県が支援するべき」という意見があったそうだが、現状でもそのような形になっていると思うがどうか。

金井商政課長
 「商店街にもっと頑張っていただきたい」、「もっと市が再生に力を入れるべき」という意味の意見だったと思う。ほとんどの補助金は市町村と協調し、市町村が窓口となっており、例外として、商店街活性化コンペ事業は優秀な事業プランに直接県から補助を行っている。

藥丸委員
 現在「保留」となっているが、この結果を受けて、今後の事業実施をどう考えているのか。

金井商政課長
 委員間の意見調整により、いずれかの判定区分に整理される予定と聞いているが、その判定結果とは別に個々の意見もいただいており、県としての考え方を整理し、予算要求などに反映していきたい。

(15)災害時における情報通信手段の確保について

小川委員
 いろいろな方法で災害時の通信手段を多様化する必要がある。東日本大震災以後、防災無線に加えて公衆無線LANを整備する自治体が増えているが、本県の取り組みはどうか。

入内島危機管理室長
 県地域防災計画では、市町村は、避難生活に必要な通信機器などの整備について規定するとともに、電気通信事業者は、避難所への特設公衆電話の設置や携帯電話の貸し出しを行うことと規定している。東日本大震災では、平成23年3月24日時点で東日本ブロードバンドの情報サイトが県内12箇所に設置され、うち9箇所でWi-Fiが設置された。今後は、避難所の設置主体となる市町村に主体的に取り組んでもらうことが望ましいが、庁内の情報担当部門や先進的な取組をしている観光部門、電気通信事業者からの意見を聞くなどして研究していきたい。

後半:コンベンション施設整備に関する集中審議

(16)コンベンション施設の整備について

萩原副委員長
 事業スケジュールについては、従来整備方式の場合は平成25、26年度に基本設計と実施設計を、PFI事業方式の場合は平成25年度に特定事業の選定などPFIの手続きを行うとある。いずれにしても平成27年度中の着工、29年度中のオープンとあるが、現在の状況はどうか。

中田コンベンション施設整備室長
 現在事業手法の検討を進めている。仮にPFIとなった場合、年度内に特定事業の選定などは難しいが、平成27年度着工、平成29年度オープンは実現できると考えている。

萩原副委員長
 今後の課題として、国際的なコンベンションを見据えてシティホテルの誘致も必要だと思う。また、スカイウォークなどの高崎駅からのアクセスや、誘客のための魅力の強化といったものも必要であるが、コンベンション施設を成功させる意気込みや戦略を聞きたい。

中田コンベンション施設整備室長
 コンベンション施設は施設そのものも大事だが、造った後にどう運営していくかも重要であると認識している。また、スカイウォークなどのアクセスや施設の魅力づけも検討しており、魅力ある施設になるよう取り組んで参りたい。

伊藤委員
 施設の維持管理費の積算はどの程度できているのか。また、スカイウォークなど周辺整備の積算はどうか。

中田コンベンション施設整備室長
 維持管理費は、他県施設のデータはあるが、1万6千平方メートルの展示施設、3千4百平方メートルの会議施設という施設の規模しか決まっていない現段階では、設備や施設内容によって大きく変わるため、明らかにしていない。周辺整備については、高崎市や県の都市計画課と検討中であり、特に交通については、高崎市と県の協働でシミュレーションを行っており、この結果を踏まえて検討していく。

伊藤委員
 労務単価のアップ、消費税の税率アップ増、東京オリンピック開催による東京圏での施設整備による資材単価のアップなどの影響はどの程度勘案されているか。

中田コンベンション施設整備室長
 労務単価や消費税率のアップについては基本計画を策定した時点では想定してなかったものであり、影響があると考えている。東京オリンピックの影響については、建設会社からは着工時期によって影響は違うと聞いており、目標としているスケジュールであれば影響は最小限になると考えている。

伊藤委員
 需要予測について、基本計画11ページのアンケート結果で、展示会開催企業の回答は魅力的が0社、魅力なしが5社だったが、これは大きな見本市などは来ないということではないか。逆に、魅力的と答えているのはほとんど県内企業であり、グリーンドーム前橋やビエント高崎など既存施設の需要をうばってしまうのではないか。

中田コンベンション施設整備室長
 アンケート調査の対象とした17社で、展示会マーケットの8割のシェアを占めている。また、10社から回答があり、そのうち2社が可能性ありと回答している。現在は高崎に施設がないにも関わらず、開催場所をシビアに選定する展示会主催会社からそのような回答があったのは、検討に値すると考えたものと思われ、意義のあるものだと考えている。また、県内の既存施設とは、規模や地域の棲み分けを行うことで共存は可能と考えている。

伊藤委員
 誘致の補助制度について、伊香保や水上などの温泉地でもコンベンションが開催されているが、高崎にコンベンション施設ができ、補助制度もできると、このような中小規模の需要を奪ってしまうのではないか。補助制度は大きな施設に有利に働くのではないか。

反町企画部長
 補助制度の対象や条件の設定の仕方によると考えている。温泉地での会議や研修は、そこに魅力があるから全国から人が集まっている。企業誘致もそうだが、補助金が必要という意見もある。補助制度については、現在、産業経済部で検討しているところである。

伊藤委員
 日本は人口減少社会であり、50年後には人口が大きく減少している。人口を増やすのであれば、少子化対策、社会保障、雇用対策にお金を使うべきではないか。

中田コンベンション施設整備室長
 人口減少が予想される中で、このまま何もしなければ群馬県の経済を維持、発展させていくのは困難である。その対策として、産業経済の活性化、交流人口の増加をもたらす都市装置として造るものである。

須藤(和)委員
 基本計画の施設のコンセプトで「災害時における防災拠点としての機能」とあるが、具体的にどのような機能を持たせるのか。

中田コンベンション施設整備室長
 福島県のビッグパレットふくしまでは、大規模空間のある展示場が長く避難所として使われたが、同じように避難所として活用できると考えている。情報通信、非常用発電など災害時に活用できる設備については、危機管理室や高崎市と相談しながら考えたい。

須藤(和)委員
 東京ビッグサイトの隣に東京臨海広域防災公園があり、災害時の緊急災害現地対策本部として、東京都だけでなく、埼玉、千葉、神奈川の物資輸送拠点として考えられている。高崎の施設も北関東信越をカバーするような機能を付加、誘致できないか。

中田コンベンション施設整備室長
 防災に関することでもあるので、危機管理室と詰めていきたい。また、バックアップ機能誘致ついては総合政策室において進めており、企画部内で議論していきたい。

後藤委員
 箱モノを造るからには、経営感覚を持って、政策目的はブレて欲しくない。展示会の開催を見込んでいるのであれば、基本計画の段階からコンサートやフリーマーケットの記載はしないでほしい。地方で1万6千平方メートルを使うような大きな展示会は開催されておらず、施設規模の見直しを検討してはどうか。まず金沢モデルを参考として、高崎の既存の商業施設にお金をかけるべきではないか。

中田コンベンション施設整備室長
 展示施設の主な用途は展示会を想定しており、販路の開拓や新製品の開発につながるような経済効果のあるものが開催できるようにしたい。大規模な空間を有する展示施設を整備することによって、これまで本県で開催できなかった大規模なイベントが開催できるようになると考えている。国際会議には同時通訳ブースが必要であり、高崎の既存施設ではそのような設備がなく開催できない。前橋で4千人規模の会議が開催された時には、複数の会場で分散して開催されており、施設間の移動が不便で、それ以降は開催される会議の規模もどんどん縮小している。このような状況からも、コンベンション施設を整備するとしたものである。

桂川委員
 駐車場はコンベンション施設の中だけでまかなううのか。

中田コンベンション施設整備室長
 コンベンション施設専用の2,000台の駐車場を整備する。

桂川委員
 コンベンション推進協議会の役割は機運醸成なのか。あるいは、議会で出された意見や問題点を議論しているのか。

中田コンベンション施設整備室長
 コンベンション推進協議会は知事、高崎市長、県商工会議所連合会会長、高崎商工会議所会頭、県中小企業団体中央会長、群大学長等の各界のトップで構成されており、コンベンションを推進していくための協議を行っている。専門部会は旅行業者、マスコミ等のコンベンションに関係する事業者で構成しており、さまざまな意見をいただくとともに、利用者としてどのように施設を活用していくか考えていただくものである。

桂川委員
 高崎市の都市集客施設と県のコンベンション施設の会議室は競合してしまう心配があるが、役割分担についてどのような議論があったのか。

中田コンベンション施設整備室長
 コンベンション施設の会議室は学術会議の利用をメインとするものであり、小会議室は事務局の控え室などとして利用するものである。一方、都市集客施設の会議室は、主に企業の日常的な利用を想定した中小の会議室であり、役割分担はできていると考える。

反町企画部長
 高崎市の都市集客施設とは、競合しないよう、棲み分けをしながら進めて参りたい。

小川委員
 維持管理費も、防災拠点機能などの内容もこれから検討するとなると、今の段階では建設の是非を判断しようがない。概略設計はいつ頃までに終える予定か。

中田コンベンション施設整備室長
 概略設計については、今年中に設計を終えたいと考えている。

小川委員
 概略設計の委託先には、どのようなオーダーを出しているのか。

中田コンベンション施設整備室長
 基本計画を踏まえて、施設の配置などを検討するものであり、主催者と参加者の動線が重ならないよう配慮することや、維持費ができるだけ安くなるように設計するなどの指示を出している。

小川委員
 方向性や高崎市との関係も決まっていない段階で概略設計を行っているが、今後、設計成果に修正が入る可能性があるということか。

中田コンベンション施設整備室長
 この成果がそのまま施設になるのではなく、県が考えているコンベンション施設のイメージを示すものである。調整があれば次の段階で検討していきたい。

小川委員
 誘致の補助制度は産業経済部で検討しているということだが、施設の整備と誘致は別に行っているのか。

反町企画部長
 企画部ではコンベンション施設の整備を担当している。コンベンションの誘致については全県を対象とする県の政策として、産業経済部が担当している。

小川委員
 施設は造れば良いというものではなく、誘致や営業が重要であると思うが、誘致は産業経済部が行うということか。

反町企画部長
 高崎のコンベンション施設へのイベントや会議の誘致は、施設の運営を担うところが行うことを想定している。一方、県内で会議を開催することにより、飲食や宿泊など経済効果が見込まれるので、県の経済の振興のために産業経済部が全県的なコンベンション誘致を進めている。

橋爪委員
 コンベンション施設の導入については、平成16年の競馬事業廃止後、県としても慎重に、じっくりと議論を重ねてきたと承知している。就任以来、箱モノに手をつけてこなかった知事が、群馬が飛躍するために280億円が想定される施設の整備を決断したことは、高く評価する。概略設計の成果が年内に出てきて、その後、基本設計、実施設計などに進んでいくのだろうが、概略設計の契約の形態はどうなっているのか。

中田コンベンション施設整備室長
 概略設計の契約については、概略設計が完了すれば終了するものである。

橋爪委員
 県全体でのコンベンションビューローの立ち上げの状況はどうか。

中田コンベンション施設整備室長
 前橋市にはコンベンションビューローがあり、高崎市にはないが、高崎観光協会を中心にコンベンションビューローを立ち上げる検討を進めていると聞いている。県としては、全県にコンベンションの効果がもたらされるようなコンベンションビューローができると良いと考えており、高崎市や産業経済部とともに、検討を進めていきたい。


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