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鳥獣害対策特別委員会(平成25年6月10日)

1.開催日時

 平成25年6月10日(木曜日)10時02分~14時43分

2.開催場所

 403委員会室

3.出席委員

 委員長:関根圀男、副委員長:織田沢俊幸
 委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:狩野浩志、委員:福重隆浩、委員:岩上憲司、委員:大林俊一、委員:あべともよ、委員:臂泰雄、委員:清水真人

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)農林水産物の鳥獣被害について

須藤(昭)委員
 農林水産物の被害額は把握しているが、家庭菜園など数字に現れない部分の被害状況も把握する必要があると思うがどうか。

澁谷技術支援課長
 自家消費用等のため数字が表に出てこない地域では、心理的被害により耕作放棄地に繋がるケースなども見られるため、被害状況の把握に当たっては、定量的な調査に加え、地域住民へのアンケート調査などの定性的な調査についても進めていく必要があると考える。
 鳥獣被害対策支援センターの「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」により、他県の取組等も調査しながら、定量的・定性的の両面から被害を把握できるよう努めていきたい。

(2)鳥獣被害の要因及びその対策について

あべ委員
 鳥獣被害の要因はどのようなものか。

田中鳥獣対策専門官
 温暖化によって生き延びる確率が高くなったこと。里に出てくれば、人間が活用しない食料が放置されていたり、田の畦や道路斜面の緑化など、食料が豊富にあること。栄養価の高い農作物や温暖化等により、繁殖率の向上、幼獣の死亡率が減少していること。狩猟者の減少や過疎化・高齢化に伴い、鳥獣を捕獲し、また追い払う人が少なくなったり、天然記念物のカモシカの捕獲禁止など、鳥獣にとって危険性が低下したことが、要因としてあげられる。

あべ委員
 各種研究に基づき対策を取っていると思うが、各事業に対する効果はどのように評価しているのか。

下田自然環境課長
 これまで施策中心であったが、今後は、被害が少なくなったと実感できるよう、実施した調査が活用できるような体制を作っていきたい。

あべ委員
 狩猟者を育成し、専門性を高めていく必要があるのではないか。

下田自然環境課長
 赤城山頂で実施してきた事業については、狩猟のプロに捕獲を依頼し、地元猟友会に技術移転することで、専門性の向上を図っており、この技術は、赤城山麓地域にもうまく伝達できるようにしていきたい。

(3)有害鳥獣対策事業費補助金について

黒沢委員
 補助額が2種類あるが、違いは何か。

田中鳥獣対策専門官
 県の奨励金には2種類あり、県単の有害鳥獣対策事業では、イノシシ1頭4,000円、国庫の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業では8,000円である。

黒沢委員
 「鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業」とはどのような内容か。

澁谷技術支援課長
 国の平成24年度補正で予算化され、本年度当初から3カ年の基金事業で、事業費は1億800万円余である。イノシシ、ニホンジカ、カモシカの3獣種を対象に国が示す上限単価8,000円を交付し、これ以外は、従来から実施している県単の「有害鳥獣対策補助」で対応することになる。

(4)被害に遭った農林業者に対する支援策について

あべ委員
 現在の支援策には、どのようなものがあるか。

澁谷技術支援課長
 農業被害対策としては、大規模な固定型の防護柵の設置や比較的小規模な電気柵の設置、農業者自ら設置するわなの整備等、守る対策を中心に支援を行っている。

あべ委員
 被害金額に対する保険や補償の制度はあるか。

澁谷技術支援課長
 対象作物は限られるが、農業共済制度があり、鳥獣被害についても加入者に対して減収に応じた補償が行われる。

あべ委員
 農業共済の加入の状況はどうなっているか。

澁谷技術支援課長
 水稲では、一定面積以上の農家は、原則すべて加入しているが、作物によっては農家が掛け金の負担を抑えるため、鳥獣害を補償対象としない加入方式を選択している場合もある。また、果樹では、防災網の整備等により、被害の発生が少ない農家では、加入しないケースが多くなっている。

あべ委員
 林業被害に対する支援策はどうなっているのか。

金井田森づくり主監
 林業については、守る対策が支援の主体となり、クマの皮剥ぎ防止のテープ巻きや防護柵や忌避剤の散布、クマの剥皮被害を受けた木の早期搬出経費に対して補助している。森林被害の補償は、森林国営保険制度があるが、火災や気象災などに限定されており、獣害については、防護が可能であり、保険料が高くなることなどから対象外となっている。

(5)被害防止対策に対する支援について

岩上委員
 「小規模農村整備事業」(旧:小規模土地改良事業)の利用状況はどうなっているか。

澁谷技術支援課長
 平成24年度は、国庫事業である「東日本大震災農業生産対策交付金」を活用して、ほぼ地域の要望を満たすことができたため、「小規模土地改良事業」は12地区、事業費で2,000万円であった。基本は、国庫事業を活用し、対象にならない事業等を「小規模農村整備事業」で対応していきたいと考えている。

岩上委員
 対策を実施しても隣の農地が対策を行っていないと、全体として被害が減少しないので、広いエリアで被害対策を考えていく必要があると考えるが、いかがか。

澁谷技術支援課長
 一番重要なのは、地域全体で合意形成をして、対策を実施することである。鳥獣被害対策支援センターで実施している「鳥獣害に強い集落づくり支援事業」においても、集落ぐるみでの対策を実施して成果を上げており、ソフトとハード対策を一体的に進めることが重要である。

岩上委員
 耕作放棄地のように担い手が不明な場合や借地利用のため耕作者による積極的な協力を得られない場合などでは、地域ぐるみの取組に巻き込んでいくことが重要だが、どのように考えるか。

澁谷技術支援課長
 現在、各地域で「人・農地プラン」の検討を行っており、その中で、地域外の農業者の位置づけも含めて、地域の農業の在り方を考える場を設けることも可能であり、関係機関も一体となって、地域ぐるみの対策を進めていきたい。

(6)鳥獣害対策と森林整備について

岩上委員
 獣は、山に食べ物がなく里山に出てきていると考えられ、森林整備が重要と考えるがどうか。

松本林政課長
 鳥獣害対策を第一目的として森林整備を実施しているわけではないが、手入れ不足となっている奥山の人工林を強度の間伐をすることにより植生を豊かにしていくことが重要であり、これが対策に繋がると考えている。

岩上委員
 森林環境整備の面から、鳥獣を里へ出没させない研究ができないか。

下田自然環境課長
 本来生息している場所に鳥獣が生息していれば人間との軋轢は無く、棲み分けをする必要がある。どうしたら鳥獣の生息環境を里から山に戻していけるかの研究ができればと思っている。

田中林業試験場長
 現在、野生鳥獣類を適正に管理していくための研究を行っているが、野生獣類の生態等を把握し、適正な生息地管理を図るため、どのような森林環境の整備が必要か検討して参りたい。

(7)鳥獣害対策におけるモデル事業の実施について

織田沢委員
 県民が見える地域で、例えば太田市の金山でイノシシの全頭捕獲を目指すモデル事業を実施したらいかがか。

石井環境森林部長
 実施する方向で検討していきたい。

(8)市街地での鳥獣害対策について

黒沢委員
 市街地への鳥獣出没は、人的被害が容易に想定され、緊急な課題であり、県として一定の指針をだすべきであると思うが、市街地での鳥獣対策についてどのように考えているか。

下田自然環境課長
 市街地に出てしまったものに対しては、警察、消防、市町村が連携して対応し、市街地へ出ないようにするための対策については、関連する農業・林業・自然環境等関係部局と連携し、対応していきたい。

狩野委員
 イノシシやシカが市街地に出没しているが、要因は何か。

田中林業試験場長
 桐生市の河川域においてイノシシの行動について調査したところ、草むらや藪、ニセアカシアなどが隠れ家となり市街地への出没の要因になっていると考えられる。川を泳いで渡ってきたイノシシも確認しており、まずはこれらの刈り払いが有効な対策である。

(9)河川における対策について

狩野委員
 河川の伐木や除草は十分にできているのか。

荒井河川課長
 イノシシ対策を目的とした伐木や除草も行っている。平成23年度はみなかみ町で、平成24年度はみなかみ町、高崎市倉渕町、下仁田町で実施した例がある。

狩野委員
 河川の適切な維持管理のための予算は、確保できているのか。

荒井河川課長
 維持管理の予算は、今年度は約14億円でほぼ横ばいである。

大林委員
 砂防ダムのような落差工を設置して有害鳥獣の移動を遮れないか。

荒井河川課長
 鳥獣対策のために落差工等を設置したという例はなく、現在の川づくりでは、なるべく落差を作らないという考え方で整備を行っている。

(10)地域協議会や広域連携による体制づくりについて

黒沢委員
 地域協議会づくりに、県はどのように関与していくのか。

澁谷技術支援課長
 協議会等の設置については、当課の担当者が市町村に出向いて説明し積極的に推進してきたところであり、全市町村での協議会設置・被害防止計画の策定を目指している。

黒沢委員
 両毛地区で意見交換を実施しているが、県はどう関与しているのか。

澁谷技術支援課長
 鳥獣は境界に関係なく移動するため、県間・市町村間の広域連携をしっかり進めなければならず、県では既に、佐久市などの長野県との連携や、北関東磐越5県での連携を進めており、これらの連携から発展させ、埼玉県や両毛地区の連携も進めているところであり、これらの会議には県も参加し、議論に加わっている。

(11)有害鳥獣対策の総合的な窓口について

狩野委員
 鳥獣被害の増加要因を部局横断的にとりまとめてもらい、原因をはっきりさせ、検証を行ってもらいたいが、どう考えているか。

下田自然環境課長
 鳥獣対策担当課は多部局にわたるが、県民が被害減少が実感できるためには、捕る・守る・棲み分けの3つを組み合わせて取り組む必要がある。

狩野委員
 「捕る」対策を部局横断的に進めるためには、被害要因の分析・とりまとめが不可欠だが、自然環境課は「保護」の側面もあり、どこが適当か。

石井環境森林部長
 自然環境課を中心として部局横断的に環境森林部が取りまとめたい。

(12)尾瀬のシカ問題について

大林委員
 尾瀬のシカは、昔は積雪と飢え、寒さなどで淘汰されたが、現在こういう事態となった原因をどう捉えているか。

下田自然環境課長
 研究者によれば、温暖化で積雪量が減少して下草が繁茂した結果、シカが増えたと言われている。

大林委員
 尾瀬のシカが増えているのは、温暖化だけの影響か、他の要因はないのか。

下田自然環境課長
 環境省の調査では、日光方面から尾瀬へ2ルートで入ってきており、途中で止めるため、国と県で捕獲しており、当面は対症療法に取り組むことになる。

臂委員
 国立公園である尾瀬のシカ対策に、県はどのように関わっているのか。また対策の主体はどこか。

下田自然環境課長
 一義的には環境省が主体である。尾瀬については、シカの管理方針でそれぞれの役割を決め、県は個体数調整をすることとされており、関係者で構成する「群馬県尾瀬地域生物多様性協議会」で対策を講じている。

臂委員
 尾瀬シカ対策の予算13,000千円は、国も負担しているのか。

下田自然環境課長
 環境省の他、片品村や東京電力も負担している。

臂委員
 尾瀬の対策は、国立公園の自然を守るということであるが、その他の地域は誰が主体となって取り組むべきか、県の考えはどうか。

下田自然環境課長
 一義的には土地の所有者や管理者が主体であるが、間接的、長期間にわたる被害の場合、被害の及ぶ範囲等ケースバイケースで考えていかなければならず、場合によっては、県としての取組も必要である。

(13)イノシシ、シカ等の止めさしについて

大林委員
 止めさし後の肉を誰も欲しがらず、捕獲者が埋却処理を自費でやっていると聞いているが、止めさし後の処理はどうなっているのか。

下田自然環境課長
 処理方法は、埋却と焼却があり、有害鳥獣の捕獲は市町村が実施しており、市町村が実情に合わせて対応している。

(14)カワウの被害状況について

臂委員
 県内のカワウによる被害状況はどうか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 漁場への飛来数から試算すると、平成24年度の被害量は約134トン、金額換算で1億2,600万円になる。

臂委員
 捕獲の状況はどうか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 カワウ捕獲促進事業での捕獲数は、平成22年度が101羽、23年度が153羽、24年度が121羽であった。

臂委員
 適正な捕獲数はどれくらいと考えるか。

勅使河原蚕糸園芸課長
 適正数については、まだ一概には言えない。

臂委員
 河川整備の中で魚が逃げ込めるような対策は考えられているのか。

荒井河川課長
 「多自然川づくり」という考え方で河川改修や河川維持を行っており、置き石を行ったことで、深みができ、魚が増えた事例もあり、今後もこのような川づくりを基本としていきたい。

(15)鳥獣被害対策支援センターにおける人材育成について

臂委員
 人材育成事業の内容と実績はどうか。

須川鳥獣被害対策支援センター所長
 センターは平成22年に設立されたが、基礎研修事業は、平成20年度から県として取り組んでいる。市町村、県、JA等の職員を対象に年7回程度実施し、鳥獣の基本的な生態や被害対策の考え方などを内容としており、昨年までに延べ約2,000名が受講した。平成22年度からは、基礎研修に加えて、県内5地域で、地域の要望に応じた実践的な研修を開催している。成果としては、対応レベルの標準化が図られ、県内の各地域の行政担当者への基礎知識の普及と、地域住民の対策意識の向上に役立っていると考えている。

(16)自然史博物館の取り組みと活用について

臂委員
 クマ・シカを捕獲した場合、何を食べていたのかなどの調査を自然史博物館で行っているが、自然史博物館の職務の内容、目的、活用方法を伺う。

下田自然環境課長
 クマの検体(頭、胃、生殖器など)が持ち込まれ、年齢や捕獲場所、出没の状況などをまとめ、出没情報の広報など、今後の捕獲対策に繋げている。

(17)狩猟者の確保について

須藤(昭)委員
 狩猟者免許を所持しているが、狩猟者登録をしていない人はどのくらいいるのか。

下田自然環境課長
 平成24年度の第1種狩猟免許所持者2,047人である。

田中鳥獣対策専門官
 うち、登録者は1,804人である。

須藤(昭)委員
 第1種狩猟免許所持者のうち、散弾銃とライフル銃所持者の内訳はどうか。

下田自然環境課長
 平成24年度登録者の半分弱である千人弱がライフル銃使用の登録をしている。

須藤(昭)委員
 狩猟登録者数とともに狩猟免許所持者も右肩下がりになっているが、その原因は何か。

下田自然環境課長
 狩猟者の高齢化と、鳥獣肉の放射性物質汚染による狩猟意欲の低下によるものと思われる。

須藤(昭)委員
 若手狩猟者を増やす必要があるが、若手狩猟者の割合はどのくらいか。

下田自然環境課長
 平成24年度は、68パーセントが60歳以上で、20歳代が1パーセント、30歳代が4.4パーセント、40歳代が7.6パーセント、50歳代が18.9パーセントである。

須藤(昭)委員
 若手育成は喫緊の課題であるが、現状認識と対策をどう考えているか。

下田自然環境課長
 狩猟免許試験の際に、若い人に動機を聞いたところ、「有害鳥獣対策に貢献したい」、「鳥獣被害から自分の土地を守りたい」、「自然や生態系保護に貢献したい」といった理由が狩猟を楽しむという動機を上回っていた。また、わな猟免許取得者は増えており、有害鳥獣対策については、わなが9割で、銃は止めさしで使用するといったことから、わなを有効に使うことがこれからの課題だと思う。

須藤(昭)委員
 わなは増えているが、鳥獣被害は収まっておらず、銃猟者を確保し適正管理に積極的に取り組むべきと考えるが、どうか。

下田自然環境課長
 銃猟者確保については、他県では嘱託職員にしたり、専門家に委託する等の対策をとっており、今後については、県猟友会と相談して対応していきたい。また、有害鳥獣対策については、元々狩猟でやってきたことを、有害鳥獣対策として対応してもらっていることもあり、より実効的なメンバーに依頼する等の対策の検討も必要であり、今後も銃猟者確保に向け、調整をしていきたい。

織田沢委員
 ライフル射撃場は、狩猟者全体を育成するという観点から必要と考えるがいかがか。

下田自然環境課長
 ライフル射撃場の新設については、民間のライフル射撃場の存在や、利用者数が減少傾向にあることから、費用対効果は小さいと考えられるため、県有としての新設は困難と考えている。一方、狩猟団体が、自らの施設として設置するのであれば、事情は異なると思う。

(18)狩猟事故の発生要因と今後の対策について

狩野委員
 昨年度、県内における狩猟事故が2件起きたが、事故の要因とその後の対策について伺いたい。

北爪生活安全企画課長
 原因は、獣と誤信して誤射したことであり、指導的立場の人が関係する事案であった。事案発生後は、猟友会と連携し研修会を開催するなど再発防止措置に努めている。

織田沢委員
 全国一律の猟期と、群馬県方式の猟期があるため、県外の狩猟者が群馬に来ることも事故の誘因になっていると考えられるが、狩猟期間の延長と安全性の確保についてどう考えているか。

下田自然環境課長
 猟期延長期間中の事故は県としても深刻に捉えており、安全狩猟のため、今シーズンの狩猟期に間に合うように狩猟期間の一元化を図りたい。

(19)猟銃等の所持許可申請について

大林委員
 手続が面倒であるとの話も聞くが、新規の銃申請を受けたくないのか伺いたい。

北爪生活安全企画課長
 法律・規則に基づいて、申請を受理しており、申請を「受理したくない」ということはない。

織田沢委員
 狩猟免許所持者の減少は深刻な状況にあるが、猟銃の所持・保管要件が厳しいことも一つの要因であるとの意見が出ており、見解を伺いたい。

北爪生活安全企画課長
 銃の問題では、長崎県佐世保市の殺人事件などの発生により銃刀法が改正され、許可時の審査が厳格化され、保管に関する基準も厳しくなっているが、警察では法や政令・規則に沿って対応しており、これは全国共通の対応であり、本県だけの制度ではないことを理解いただきたい。

織田沢委員
 新たに加わった技能講習の内容について伺いたい。

北爪生活安全企画課長
 平成21年12月に施行された改正銃刀法により、新たに制度化され、目的は「銃の基本的操作の徹底」と「射撃機能の低下防止に伴う事故の防止」を図ることである。特定鳥獣被害対策実施要員等は、技能講習が免除される規定がある。なお、本年5月の講習ではライフル・散弾銃ともに全員合格している。

(20)鳥獣害対策に対する警察の考え方について

織田沢委員
 警察は有害鳥獣対策をどのように考えているか伺いたい。

北爪生活安全企画課長
 猟銃所持者は減少しているが、警察としては、有害鳥獣による被害状況を加味して、狩猟が持つ社会貢献性等を周知し、狩猟者が拡大することを期待している。また、警察としても、危険防止措置などの安全措置を講じて、適正に駆除ができるように支援したい。

(21)クレー射撃場について

須藤(昭)委員
 クレー射撃場についての問題点をどう認識しているか。

下田自然環境課長
 地域の騒音問題等あったが、22年度に騒音調査、住民・市の意向調査、利用者意向調査を行い、地域で受け入れてもらえる結果となった。クレー射撃場は、有害鳥獣対策における技術確保の面からも有用であるので、施設の存続を関係者に伝えている。

須藤(昭)委員
 昨年9月定例県議会で射場についての請願を採択してから半年経過したが、その後の取組みはどうか。

下田自然環境課長
 クレー射撃場は現状維持の考えであり、ライフル射撃場の新設は、非常に経費がかかること、富岡市に民間のライフル射撃場があること、ライフル銃は趣味で行う者が多いことなどから、厳しい。また、散弾銃を安全に使用することが重要と考えている。

須藤(昭)委員
 昨年の事故は、県猟友会員外の人が大物猟で引き起こしたものであり、ワンストップで散弾もライフルも撃てることが望ましく、技術的な対策によりクレー射撃場で使用可能ではないか。安中が無理なら、県有地への移転も含め、クレー射撃場にライフル銃の射撃場を併設する方向で検討できないか。

下田自然環境課長
 騒音の対策として地下化する必要などがあり、難しい。

須藤(昭)委員
 ライフルの射撃場設置の意義は、どう認識しているのか。

下田自然環境課長
 有害鳥獣対策のため、クレー射撃場は必要性が高いが、ライフル銃は趣味としての位置付けが強く、ライフル人口は10年後には500人程度と推測される。

須藤(昭)委員
 榛東村のエアーライフル射撃場では、ライフル銃は使用できないのか。

下田自然環境課長
 競技用ライフルが対象であり、施設的に対応できるか不明である。

大林委員
 狩猟用のプレチャージ式エアライフルが止めさしに使用されているが、エアライフルの射撃練習はできないのか。

下田自然環境課長
 クレー射撃場では、エアライフルは使用できない。


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