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行財政改革特別委員会(平成25年3月4日)

1.開催日時

 平成25年3月4日 10時01分~11時55分

2.開催場所

 401委員会室

3.出席委員

 委員長:腰塚誠、副委員長:橋爪洋介
 委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:塚原仁、委員:岩上憲司、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:水野俊雄、委員:桂川孝子、委員:原和隆

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)新行政改革大綱について

黒沢委員
 平成24年度分の評価は従前どおり行うのか。

佐藤総務課長
 新行政改革大綱の実施結果は、毎年度終了後に当該年度の目標等の達成状況をチェックすることとしており、平成24年度分についても年度が終了した時点で実施する。

黒沢委員
 大綱における県民サービス向上と公共サービス基本法との関連をどう位置づけるか。

佐藤総務課長
 新行政改革大綱も、公共サービス基本法に定められているような県民サービスの質的な向上と行政の効率化を図っていく内容となっている。

桂川委員
 平成23年度の評価では数値で表されているものがあまりなかった。今後の評価では、なるべく数値で表現してほしいがどうか。

佐藤総務課長
 新行政改革大綱の実施計画では可能なものはできるだけ数値化するようにしており、今後実施する評価に向けても検討していきたい。なお、行政の取組には数値化が難しいものも多く、そうしたものは定性的な評価にならざるを得ないが、今後も、できるだけ県民に分かりやすい評価を行っていきたい。

(2)「地域自主戦略交付金」の廃止について

黒沢委員
 自民党政権になり「地域自主戦略交付金」が廃止されたことを、どう受け止めているか。

笠原財政課長
 同交付金は「ひもつき補助金を廃止して地方の自由裁量を拡大する」目的で導入されたが、現実には、総額が十分に確保されないため継続事業に充てざるを得ないなど、地方の自由度は限定的なものとなっていた。そうした点も踏まえて廃止となったものと考えている。

(3)指定管理者制度について

黒沢委員
 指定期間は原則3年間で運用されているが、現状はどうか。

佐藤総務課長
 3年間を原則としているが、専門性や入所者への安定的なサービス提供などを踏まえ、施設の実態に応じて5年間とする例外を認めている。平成25年度から指定を行う精神障害者援護寮についても、今回3年間から5年間へ延長したところであり、随時見直しながら運用している。

黒沢委員
 雇用の安定や入所者への配慮のほか、ゴルフ場などのように設備投資の面での必要性もある。労働契約法が改正され、有期労働契約から無期労働契約へ転換する制度が設けられたところであり、指定管理者制度についても、導入から一定期間が経ち、指定期間を含めた制度の根幹的な部分を改めて整理する時期に来ていると思うがどうか。

佐藤総務課長
 制度導入後7年が経過する中で、運用についてはこれまでも見直しを実施してきており、指定期間についても現在検討しているところである。民間参入を促すため担い手の長期固定化を避けるという側面と、施設を安定的に運営していくという側面とがあり、それらをよく勘案して検討していかなければならないと考えている。

(4)業務量に応じた職員配置について

黒沢委員
 公共事業に係る24年度の人員と25年度の人員が全く同じであるが、24年度に比べて150パーセントの公共事業費がこなせるのか。業務を回していくという観点から、職員の配置計画をどのように考えているか。

佐藤総務課長
 定員管理は、翌年度の人員について春から検討を始め、業務量を予想しながら積み上げている。今回の補正予算による公共事業の増加はその過程に入っていない。また、今後の状況が読めず、採用増で対応できない面がある。したがって、業務のやり方などを工夫し、執行に支障が生じないように、また、職員に過大な負担がかからないようにしていきたい。

黒沢委員
 公共事業を担う技術系職員の人員がかなり少なくなっていると我々は指摘してきたが、この技術系職員の計画的な採用について、どのように考えているのか。

萩本人事課長
 県職員は事務職員も含め、採用抑制による定員の適正化を図ってきた経緯があるが、ここ数年は業務量に応じた人員の確保という観点から、必要となる人員・職種の採用を行ってきている。特に、少人数の職種については、一定の配慮をしながら計画的に採用していきたいと考えている。

黒沢委員
 技術系職員は昼間は現場で、夜は事務所で業務を行っている。時間外勤務の削減目標は一律10パーセントではないということを、技術系職場の管理職にしっかりと言わないといけないのではないか。

岡野総務部長
 時間外勤務の削減目標は一律10パーセント削減ということではなく、知事部局トータルで10パーセント削減を目指している。それぞれ業務に繁閑があるので、状況に応じた実行に取り組んでもらいたいと考えている。

(5)県有財産の活用について

桂川委員
 県有施設長寿命化指針にある「環境負荷の軽減」は、具体的にどのように進めていくのか。

吉澤管財課財産活用推進室長
 建設廃棄物発生量の抑制については、ある研究によれば、建物をすべて解体するのではなく、躯体を残して改修することにより、発生量を約40パーセントに抑制できるとの研究成果がある。建築設備の高効率化については、ボイラーのヒートポンプ化や照明のLED化が考えられる。外壁の高断熱化については、断熱材の厚みを増やしたり、外断熱の導入等が考えられる。再生可能エネルギーの活用については、太陽光発電や地中熱利用等を検討しながら、取り入れられるものは積極的に取り入れていきたい。

桂川委員
 本件については庁内の情報共有をどのように図っていくのか。

吉澤管財課財産活用推進室長
 来年度に県有財産活用推進会議(仮称)を立ち上げ、未利用財産も含めて、長寿命化やファシリティマネジメントに関する情報交換を進めていくこととしている。

桂川委員
 群馬県公有財産利活用連絡会議(仮称)の開催頻度、会議の内容はどうか。また、市町村に対する会議参加の打診はどのくらい進んでいるのか。

吉澤管財課財産活用推進室長
 全体会議は年2、3回の開催を予定しており、それ以外にも関係自治体による会議を必要に応じて開催したいと考えている。内容については、各自治体の未利用財産の所在やファシリティマネジメントの取組状況に関する情報交換等を考えている。幾つかの市町村にはこの会議の構想を説明し、参加の依頼を始めているところである。

桂川委員
 資産の縮減に向けた当面の取組みはどのようなものか。

吉澤管財課財産活用推進室長
 新年度から資産アセスメントを実施する。まず、各施設管理者に対するアンケートにより現状調査を行い、次に個別評価を行い、更に全体評価を実施する。全体評価で建物性能が低く、かつ利用状況が低ければ「廃止」という判断になり、資産の縮減につながっていくことになる。

(6)技術系職員数について

須藤委員
 本県職員数の平成7年と24年の状況を比べると、事務系の削減率がマイナス404人で15.52パーセント、技術系の削減率がマイナス1,403人で43.01パーセントと、圧倒的に技術系職員の削減割合が高い。県民局では林業、農業、土木などの技術系職員が県民に直接接する機会が多いが、削減により県民生活にどのような影響が出ているか。

岡野総務部長
 技術系の職員がマイナス1,403人ということであるが、これは、病院局ができた際に、看護職員が病院局に移っていることが大きな要素である。

須藤委員
 病院局が設置された15年度と16年度を比較すると、事務系の削減率がマイナス12.88パーセント、技術系の削減率がマイナス18.82パーセントと、ここでも技術系の削減の方が多い。専門的な行政分野などでは県の果たすべき役割が特に大きいと思うが、県民サイドから見てサービスの水準に影響は出ていないという認識でよいか。

佐藤総務課長
 技術系職員の削減は、公共事業費の削減による土木技師などの減少や、保健関係業務の中核市移譲などによるものである。また、県と市町村の役割の見直しの中で、例えば、県の保健師による市町村の検診支援などの業務が減り、県の役割が市町村間の調整などになっているものであり、県民サービスの低下にはなっていないと考えている。

(7)県民局の見直しについて

須藤委員
 県民局については、各地域ごとに器に合ったサービスを提供すべきである。25年度は変更せず、現状維持となったが、この点についての検討状況はどうなっているか。

佐藤総務課長
 県民局は「総合行政の推進」「地域完結型の組織」「広域的な行政」を目的に17年度に設置された。その後の市町村合併では、合併が進んだ地域、町村が残っている地域とばらつきが生じた。さらに、前橋、高崎が中核市になったことから、今までの県民局のあり方、県の役割が変化してきており、一律の組織を置くことの不効率性がある一方、事務所によって業務・機能を変えることの影響もあることから、議員の問題意識も踏まえ、市町村との意見交換、庁内各課との調整を行いながら検討していきたい。

須藤委員
 最初から完成形でなくても、できるところから直していく必要があると思うが、それは難しいのか。

佐藤総務課長
 事務所によって権限を変えると行政を進める上で手間がかかることもある。市町村との権限の配分などは一律ではなく、きめ細かくやりたいが、そうなると調整が必要になるため、不効率な面が出ないよう来年度しっかりと検討したいと考えている。

(8)育休女性警察官の定数外措置について

須藤委員
 女性警察官の育休について、一般質問で総務部長が、ここ数年をこらえればその後は減少すると答弁したが、いつ頃から減っていくと考えているのか。

佐藤総務課長
 現在、警察では女性警察官を全体の1割まで増やそうとしていることから、年齢の若い女性警察官が多くなっている。それが、毎年、年齢が増えていくと、その年代の女性警察官の全体に占めるウェイトが減っていく。そのため、女性警察官の増加に比例して育休警察官が増えるのではないと予測しているもので、いつ頃から減るのかという予測は難しい。

須藤委員
 育休警察官がなかなか減るとは考えられない。総務部と県警で予測がかみ合っていないと思うが、総務部の考えの根拠は何か。また、それについて両者で良くすり合わせていく必要があると思うがどうか。

岡野総務部長
 県警では、今後、女性警察官を全体の10パーセント、341人まで増やすこととしている。現在よりも約80人を10年で増やすのを、前倒しのため25年度は21人採用するとしている。つまり、今急激に増やしていることから、若い女性警察官が増え、出産も増えている状況である。そのため、そのピークが近い将来減少に転ずるという予想は成り立つと考えている。定員管理は春から要望を受け、調整を図りながら進めているが、県警ともきちんと議論しながらやっていきたい。

須藤委員
 総務部が算定している育休警察官の見通しのシミュレーションを委員会に提出してほしい。

佐藤総務課長
 現在の状況から、当然、いずれ減少するということは予測できると考えている。総務部では、年齢などの詳細なデータを持っていないので、具体的に積み上げたシミュレーションは行っていない。警察本部のシミュレーションを基に議論させていただきたい。

須藤委員
 育児休業取得者のシミュレーションに係る警察本部の考え方について伺いたい。

高橋県警総務参事官
 県警察には、260人の女性警察官がいるが、20歳代と30歳代で80.4パーセントを占めている。そしてこの年齢構成を基本として、群馬県の合計特殊出生率1.4人を勘案して約4割が第2子を出生すると仮定した上、警察官の出生時年齢の平均値である第1子は29歳、第2子は31歳というものを現状に当てはめたものが、県警察で作成したシミュレーションである。

須藤委員
 警察本部のシミュレーションからすると、今後、育児休業取得者はどれくらいの人数で推移するのか。

高橋県警総務参事官
 平成26年度以降は、現在の県警察のシミュレーションでは、平成26年度が42人、27年度が36人であり、その後は70人、80人と右肩上がりで育児休業取得者が増加していき、これが現在と同様になるのは、平成44年度くらいになると考えている。

須藤委員
 安全・安心を高めるために我々としては警察官を増やしてもらいたい。女性警察官の役割が増えている中で、育休女性警察官を補充して女性が働きやすい職場環境をつくることが重要である。育休警察官の実数による定数外措置を9県が認めていない状況で、本県も実数で運用すべきではないか。

岡野総務部長
 この件は、定員管理上の運用の問題であり、厳密に運用していく必要がある。そして、女性が休みづらくなってはいけないので、毎年、毎年の状況をもとに議論しているわけである。仮に女性警察官の採用・登用拡大計画の目標が達成された341人で考えれば、80人の女性が育休を取得し、補充のために80人の女性を増やすと421人になってしまう。しかしこうならないように、育休取得者数などは当然定員管理計画に織り込まれているはずである。定員管理という中で、女性が働きやすい環境づくりが必要であり、そういうことで、今回も判断したところである。

(9)県民駐車場について

伊藤委員
 県民駐車場の電気代及びメンテナンス費用はいくらか。

中野管財課長
 電気代は、平成20年度は11,169千円、21年度は9,143千円、22年度は8,868千円で、23年度は節電対策の結果、6,526千円と大きく削減されている。メンテナンス費用は、平成21年度が約34,000千円、22年度が約47,000千円であるが、23年度は管理用コンピューター部品交換等が発生したため90,300千円となっている。24年度も部品交換等により同額を予定している。今後部品交換のピーク到来によりその費用が増大していくが、計画的な部品交換等により支出の平準化を図っていくこととしており、当分の間は同程度の費用がかかる予定である。

伊藤委員
 県民駐車場は維持管理費もかかり、混雑時の渋滞発生などの問題もある。今後のあり方を検討する必要があるのではないか。

中野管財課長
 県民駐車場の今後のあり方については、21年度に庁内検討会を設置し検討したが、その結果、当面は経費の削減を図っていくことが適当、としつつ、今後の利用状況、経過年数や保守費用の動向を見ながら、長期的には機械式駐車場の廃止を含めた対応策の検討も行う必要がある、としている。新庁舎建設に際してのコンサルの基本構想案は地上6階建ての自走式駐車場であったが、隣地への圧迫感や周辺環境への影響から見直しを行い、現在のような形になった、とのことなので、こうした点も踏まえながら、今後も経費削減及び機械式駐車場のあり方について検討してまいりたい。

(10)県職員の給与削減の問題について

伊藤委員
 県職員の給与を削減すべき理由として挙げられているラスパイレス指数は、実際には県職員の給与水準を正確には表していないということを説明してほしい。

萩本人事課長
 ラスパイレス指数で比較するものは、給料つまり基本給に限られ、諸手当が含まれていない。給与構造改革により国は県には無い手当を創設するなど、給料から手当にシフトしてきた現状もある。給料に諸手当を加えた平均給与月額で見ると、平均年齢を考慮すれば国が7.8パーセントの給与削減を行った後においても、国とほぼ見合った額となっている。また、当該指数は各自治体の職員の年齢構成や昇給時期の相違によって誤差が生じるという問題点もあり、これだけが正しいというものではなく、そうした誤差も生じる統計的な手法の一つだという前提で考えていただく必要がある。

伊藤委員
 ラスパイレス指数算出にあたり、国は給料の高い指定職を対象から外している。仮にこれも含めて比較すれば、7.8パーセントの給与削減後でも、国の方が圧倒的に高いと見てよいか。

萩本人事課長
 指定職の給料についてのデータは持っていないが、指定職は一番給料の高い部分であるため、それが加われば国の数値は現状より高くなることが予想される。

伊藤委員
 給与削減要請に合わせて地方交付税を削減することについて、どのように考えているか。

萩本人事課長
 地方交付税は地方固有の財源であり、地方公務員の給与を削減する手段として使うことは問題がある。また、地方公務員給与は任命権者が独自に決定すべきものである。今回の件については、国と地方の在り方という点で問題を含んでおり、これに関しては地方6団体が共同で声明を出しているところである。

伊藤委員
 県職員給与の引下げは、県経済のマイナスに結びつくし、民間の賃下げの引き金になりかねない。国の要請を撥ね除けていくべきだと思うが、どうか。

岡野総務部長
 全国的な動向や県民サービスへの影響などを見極めながら、主張すべきことは主張してまいりたい。


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