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放射能対策特別特別委員会(平成25年3月19日)
放射能対策特別委員会 委員長 田所 三千男
田所三千男委員長
放射能対策特別委員会の審査経過について、ご報告申し上げます。
本委員会は、福島第一原子力発電所事故による放射能の影響について、一体的、横断的、集中的に審査することを目的に、昨年5月に設置されました。
初めての委員会では、放射能や放射線について、正しい認識をもつ必要があるとして、放射線の専門家である県民健康科学大学の五十嵐教授に委員会にご出席をいただき、「放射線の基礎知識」について説明を受けることから始めました。また、委員会調査において、福島第二原発を訪ね、研修棟のシミュレーターにおいて震災時の第一及び、第二原発の状況を再現しながら説明を受けたほか、原子炉や使用済み核燃料プールの状況などについて説明を伺い、また、青森県六ヶ所村にある日本原燃株式会社では、放射性廃棄物の処理状況について説明を伺うなど、日本の原子力政策の一端と放射能に対する認識を深め、これまで、熱心に、かつ、慎重な審議を行って参りました。なお、今定例会中の委員会においても、付議事件についての各般の議論が活発に行われましたので、その主な項目を申し上げます。
- 群馬県放射線マップの調査、測定ポイントについて
- 放射性 物質を含む汚泥の処分について
- 隣国の原発等に関する政府との情報交換について
- 群馬県放射線関連業務に係るQ&Aの概要版作成について
- 子ども・被災者支援法の支援対象地域の指定について
- 指定廃棄物を入れたフレコンバッグの耐用年数について
- 自家 消費米に対する指導や注意 喚 起について
- 東電との平常時の連絡体制及び報告内容について
- 安定ヨウ素剤の備蓄について
- 放射線に関する副読本や補足資料の改訂について
- 指定廃棄物の仮保管の方法について
- 学校や公園などの公共施設に対する除染の進捗状況について
- 学校の校庭に仮置きされている除染土壌の管理状況について
これらにつきまして、活発な議論が行われました。
さらに、今定例会中の2月27日に開催した委員会において、3月13日の委員会をもって、本委員会における付議事件の審査を終了すること、及び、審査終了に伴う委員会報告書の作成を決定するとともに、知事あてに提言を提出することを確認しました。
続いて、3月13日の委員会では、これまでの議論、調査等を踏まえた「群馬の放射能対策についての提言」について協議を行い、全会一致をもって決定いたしましたので、以下、その項目を申し上げます。
- 国等の調査結果を踏まえ、本県での健康調査の必要性、また、本県により大きな影響が生じるような事態が発生した場合に備え、健康調査の実施方法や調査項目等の検討を行うこと。
またさらに、県内医療機関や研究機関等の協力体制の推進を図ること。 - 森林の除染について、現在検討中とされている国の検討結果を踏まえ、群馬県の生態系の維持のため、適切な取り組みが行えるよう情報収集に努めること。
- 放射性 物質汚染廃棄物の管理強化をさらに進めるとともに、除染による除去土壌、焼却灰、浄水 発生土、下水汚泥などが大量に発生した場合でも、安全な保管・管理の方法や大規模な仮置き場など、万一の事故やより大規模な被害を想定した検討を進めること。
- すべての県民に対して、的確な情報を、遅滞なく、かつ、積極的に提供するための体制を整えること。
また、専門知識のない人にもわかりやすい情報の発信に心掛けて取り組むこと。
特に隣県・隣国の原発トラブルや核の脅威に関する情報にも注意を払うこと。 - 農畜産物をはじめ食品や水道水等々の安全性の確認・確保など、放射性 物質に関する対応は長期にわたるものであるため、当分の間、現在の人員や検査体制などを維持すること。
また、県民目線で、丁寧な対応を続けていくこと。 - 福島第一原子力発電所事故との因果関係が認められる被害が、全て補償の対象とされ、早急に全額が支払われるよう、東京電力株式会社に対し働きかけを行うこと。
以上、6項目であります。
また、委員会報告書については、協議の結果、異議なく決定されましたので、議長あてに提出いたしました。
結びに、本特別委員会は審査を終了いたしますが、放射能対策は、これからも継続して取り組まなければならない課題であります。議員各位におかれましては、引き続き、今後の状勢を注視していただきますようお願い申し上げ、委員長報告といたします。