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行財政改革特別委員会(平成24年12月11日)

1.開催日時

 平成24年12月11日 10時00分~13時58分

2.開催場所

 401委員会室

3.出席委員

 委員長:腰塚誠、副委員長:橋爪洋介
 委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:須藤昭男、委員:塚原仁、委員:岩上憲司、委員:星名建市、委員:伊藤祐司、委員:水野俊雄、委員:桂川孝子、委員:原和隆

4.欠席委員

 なし

5.主な質疑

(1)基本計画の呼称の統一について

質問:各部局それぞれに計画があるが、プラン、ビジョンなど名称が様々で分かりづらい。まず、使用する用語を定義し、共通理解の下で各部局の基本計画を立案し、県計画の体系化とともに一体性を持たせる努力をしてほしいがどうか。

答弁:分野が多岐にわたる部局では、一部体系化されていないことも事実である。呼称についても統一性がなく、名称と略称が判然としないものもあるなど、一見しただけでは他の計画との関連が分かりづらいものとなっている。できる限り県民に分かりやすくなることが必要なので、企画部がイニシアティブをとり、呼称の統一をはじめとした体系化について検討していきたい。

質問:部局の基本計画が定まっていないところは、複数の要素を一つの部局でまとめて行っているためではないかと思うが、何らかの形で分かりやすく体系化できないか。

答弁:個別分野で集約できるところはどこかということも含めてよく検討し、集約できるところはそれを基本計画という位置づけにしていきたい。今後よく検討したい。

(2)事業のスクラップアンドビルドについて

質問:財政状況が厳しいと思うが、スクラップアンドビルドをもっと大胆に行わないと、先々大変なことになるのではないか。

答弁:事業の見直しを大胆に進める取組の一つとして「事務・事業見直し委員会」を行っている。委員会では、現場の職員から提案を募集しており、外部委員も含めて検討した判定結果を知事に報告し、予算編成の中で見直しを進めている。

質問:現場の担当者が事業の打切りを判断するのは難しい。スクラップアンドビルドはトップダウンで進めていくべきと考えるがどうか。

答弁:見直し委員会や事業プレゼンのほかにも、当初予算査定前に知事が各部長に直接ヒアリングを行っており、「もっと大胆な見直しができないか」といった指示を受けている。また、「見直せ」というだけでは進まないので、見直しの仕組みを作っていくことも必要で、こうした仕組みに基づく見直しと、それによる職員の意識改革の両方の視点からスクラップアンドビルドを進めていきたい。

質問:スクラップアンドビルドを進めていくための組織やチームを作って、取り組んではどうか。

答弁:監察室という組織があった時に内部管理事務の仕方について行政監査を行ったことがあるが、「この制度は時代遅れになっているので見直すべき」というようなことは外から見ても分かる。そうしたものであればチームを作って見直していく方法にも意味があると考える。

(3)職員の人材育成等について

質問:職員の年齢別構成は、40~50歳代の高齢層の職員数が多く、30歳代の若年層の職員数が少ないが、そのアンバランスにどのように対応するのか。

答弁:対応策としては人材育成が重要であると考えている。現在改正を検討している人材育成基本方針においても、OJT(職場内におけるベテラン職員の知識・経験・技術の伝承)に重点を置き、人材育成を進めたいと考えている。また、数としては多くはないが、30歳代前半の職員数を補うため、今年度から社会人経験者の採用も実施している。

質問:プロフェッショナルを育成することが重要と考えるが、具体的な職員の育成計画はあるのか。

答弁:計画としては人材育成基本方針がある。今後は、それぞれの職場において知識・経験・技術を伝承していくことが重要であり、職場内でスムーズに伝承が行われるためにはどのような方法がよいのか検討して参りたい。また、一部ではあるが定年退職者の再任用を行っている。

質問:社会人経験者を採用したことによる効果はどうか。

答弁:社会人経験者の採用は初めてのことで、今年度は8名を採用した。目的は、年齢別構成の偏りの是正のほか、民間での多様な経験を活かし、県行政に貢献してもらうことである。民間経験のない他の職員に、民間における様々な経験を伝えてもらうことも期待している。当初配属は、民間経験をなるべく活かせる所属としており、十分に力を発揮してもらっていると聞いている。

(4)時間外勤務の縮減について

質問:県は1割縮減の目標を持っているが、そのデータの収集方法と時間外勤務が多かった分野、所属について伺いたい。

答弁:データは毎月、所属ごとの時間数が翌月に報告される。また、現在各所属において時間外勤務縮減に向けた取組計画を策定し、四半期ごとにPDCAサイクルで検証しているが、その四半期ごとの報告が人事課に提出されるほか、個別の職員で特に時間外が多い者についても随時、各所属から報告される。今年度上半期を終えた段階では、約半数の部局で縮減が進み、残り半数は若干の増加が見られる。部局では会計局、県土整備部、生活文化部、産業経済部が21年度上半期に比して増加している。

質問:上半期のデータについて、どのように分析しているのか。

答弁:上半期は先に述べた4つの部局が多かったが、その理由は突発的な業務の発生によるものが多い。例えば県土整備部では、台風が休日に来たことにより多くの職員が休日出勤を余儀なくされた。その対応法は、短期的には所属の各職員の個別の事務分掌を変更する方法もあるし、業務量全体の削減も含めた業務のやり方の見直しを所属長が先頭に立ってやるという方法もあると考えている。

(5)職員人事交流について

質問:国との間で職員の人事交流をしているが、その人数と給与負担はどのようになっているか。また、時間外勤務手当についてはどちらが負担しているか。

答弁:平成23年度の県から国への派遣者数は5名であり、内訳は退職派遣1名、研修派遣4名である。逆に国から県への23年度の派遣者数は4名であり、すべて退職派遣の形態である。給与負担については、退職派遣は退職して相手方で採用されるわけなので、受け入れる側で負担・支給する。研修派遣は研修という性格上、派遣元で負担・支給している。

質問:県と市町村の人事交流についてはどうか。

答弁:県から市町村への派遣者数は、平成23年度の実績で、あわせて40名の職員を派遣している。内訳は退職派遣が15名、中核市への自治法派遣が21名、研修派遣が4名である。逆に市町村から県への派遣者数は34名で、すべて研修派遣の形態である。

(6)退職手当の支給水準引下げについて

質問:制度の見直しに関する総務副大臣からの通知が11月26日にあったと承知しているが、条例案はわずかその3日後に提案されている。なぜ短時間の条例提案となったのか。

答弁:11月26日の通知に先立つ8月7日に閣議決定が行われ、その際にも副大臣からの通知が発出されており、国家公務員の退職手当の引下げが行われるであろうことは承知し、準備してきた。期間的に大変短いというのはその通りであるが、本県ではこれまでも退職手当制度は国に準じてきており、目的も官民較差是正であるため、国に準じて行うことが適当と判断した。

質問:今議会に提案していない自治体もあると承知している。そのような慎重な対応をしている自治体と本県との違いは何か。

答弁:議会への条例案上程のタイミングとしては、本県は全国でも一番早いほうの部類に入ると思うが、議会日程の関係であり、各県の12月議会では、全部の団体ではないだろうが、同様の対応をするところもあると考えている。

質問:県職員の働きがいやモチベーションを下げるということは考えなかったのか。

答弁:23年度の調査で403万円という官民較差が既に発生しているため、それを放っておくことはできない。われわれの給与は官民均衡の上に成り立っているので、民間とのバランスを取るため既に発生している較差は速やかに是正する必要性があり、今回の議会に上程させてもらった。

質問:今回の退職手当引き下げは、労使合意のない大幅な不利益変更だが、労働基本権制約の代償機関である人事委員会においては、どのような議論があったのか。

答弁:過去の国家公務員の退職手当の状況や国からの通知などに基づき協議した結果、今回については適当なものという判断をした。

(7)一般質問において使用された資料について

質問:民間と比較して公務員給与が高すぎるという一般の捉え方は、相当意図的に誘導されたものと考える。資料で示された「地方公務員平均給与月額」とは、どのような統計資料のものか。

答弁:総務省の給与実態調査のデータに基づくものである。

質問:時間外勤務手当等は含まれているのか。

答弁:地方公務員の平均給与月額は、時間外勤務手当等を含んだ額となっている。ただし、表に記載されている国家公務員の額は、時間外勤務手当等を除いた額となっている。

質問:消費支出には、税金、社会保険料、貯蓄、住宅ローン等は含まれていない。このような統計を県職員の給与と比較するのは乱暴であり、県職員の給与が消費の水準からみて高すぎるという資料にはならないと思うが、どうか。

答弁:この資料は、財務省が財政制度等審議会用に作成したものであり主旨は不明であるが、世帯の消費支出は2人以上であれば何人でも一つの世帯として合算されるため、単純に比較することは難しい面もあると理解している。

質問:「平均給料」は県職員、国家公務員はどの階級まで含まれているのか。

答弁:県職員においては一般行政職のすべての職員であり、国家公務員については指定職等を除いた職員となっている。指定職まで含めると国はどの程度まで上がるのかは承知していない。

(8)行政改革について

質問:総論として行政改革とは何か、基本的な見解はどうか。

答弁:行政には、最小の経費で組織を効率的に運営して最大の効果を発揮し、県民福祉の向上を図っていくことが求められている。県民福祉の増大が図られるように、仕事の仕方や組織運営の方法を時代の変化に合わせて常に見直していくことが、行政改革に求められていると考える。

(9)職員給与について

質問:行政改革という大きな枠の中で、給料・給与はどういう形で位置づけられているのか。

答弁:公務員も労働者であるため、地方公務員の給与は労働の対価という位置づけと考えている。基本的には、人事委員会勧告を踏まえ、民間給与や国の水準に倣い、適切な水準を保っていくものと考えている。

質問:ラスパイレス指数について、国は対象者に給料の高い指定職が含まれていないのに対し、県は部長以下の全職員が含まれるなど、対象職員が異なることで数値が変わったり、あるいは年齢構成の違いによっても大きく数値が変わってしまうという理解でよいか。

答弁:細かな点では必ずしも100%正確な数値が出るものではないと考えている。その中でも大きな点として、職員の年齢構成の違いが数値に影響しており、例えば国は指定職が抜けている点や、50歳代後半の職員が少なく若年層が多い点などが異なっているが、本県は国と逆の年齢構成となっている部分があり、その影響で指数が高く出る傾向がある。

質問:ラスパイレス指数は、国と県との比較を行う指標として一部は参考になるが、正しい数値を表したものではないと考える。このような数値を根拠にした公務員賃金の比較は行うべきでないと思うが、いかがか。

答弁:各種統計指標にはそれぞれ一長一短があり、ラス指数も基本給部分だけの比較に関しては多く使われてきたが、実際に職員が受けるのは基本給だけでなく手当も含めた給与である。平均給与月額というデータも出ており、そうした数値も十分参考にしていく必要があると考えている。

質問:国は東日本大震災の復興財源確保のために2年間の時限立法で7.8%の給与削減を行っているが、群馬県で7.8%の削減を行う場合、その根拠は何で、どういう手法で説明できるのか。

答弁:平均ではあるが、国がなぜ7.8%という数値を採用したかについては承知していない。

(10)職員の採用区分について

質問:県職員採用試験の採用区分について、以前は上級、中級、初級があったが、現在はどのような区分で行っているか。

答弁:現在は1類、2類、3類の区分があり、年齢で分けられている。2類には警察事務、学校事務が該当する。警察官では学歴要件もある。

質問:区分して試験を実施する理由は何か。

答弁:開かれた試験ということで、大卒だけでなく、色々な学歴の方に受けていただくためである。

質問:1類と3類の採用の比率はどのくらいか。

答弁:大学進学率が高くなっており、1類の割合が高くなっている。今年度では1類を90名、3類を19名採用している。

質問:警察官の試験区分と採用後の違いについて伺いたい。

答弁:警察官Aと警察官Bに区分しており、それぞれの受験資格は、警察官Aは22歳から30歳までの大学卒業(見込みを含む。)、警察官Bはそれ以外の18歳から30歳までとなっている。採用後の違いは、昇任試験における受験資格であり、巡査部長昇任試験については、警察官Aは採用後2年、警察官Bは採用後4年6月となっている。なお、警部以上には受験資格の違いはない。

質問:県に入庁してからの1類と3類の差は何かあるのか。

答弁:入ったときの年齢が違うことから初任給が違い、また、主任や副主幹となる経験年数もやや3類の方が長いが、その後の係長からは1類、3類の区別なく、実力に応じて登用している。

(11)時間外勤務手当の削減について

質問:新行政改革大綱で、時間外勤務手当の3カ年の削減目標を10%としているが、現状はどうか。

答弁:厳しい目標ではあるが、各所属が努力して第2四半期途中までは良いペースできていたところ、9月の第2四半期終了時点では対21年度比9.5%減となり、これまで10%を超える水準で推移していたものが目標を少し下回ることとなった。今後さらに努力をしていく必要がある。

質問:現在の時間外勤務手当の予算計上方法は、最初から給料の6%分を確保しておき、4%は所属で判断し、残り2%は人事課協議が必要とのことだが、その方法を次年度予算編成ではどのように改めるつもりか。

答弁:新行革大綱の目標である10%削減をにらみながら、現行の6%計上を10%削減して、上限を5.4%とした上で、各所属の実情に応じて要求してもらうという形に変更した。

質問:予算が6%から5.4%になることで、どれだけの財源が生み出せるのか。

答弁:来年の給料が元になるので今年度当初予算と単純比較はできないが、例えば今年度当初予算の知事部局の時間外勤務手当額が12億5千万円余あるので、単純に言えばその10%程度が産み出せることになる。

質問:突発的な事案が発生したときに、年度途中でも臨機応変に人事異動をさせれば時間外勤務手当の圧縮にもつながると思う。年度途中の人事異動については、どんな対応を取っているか。

答弁:主な人事異動は4月1日付けとしつつ、突発的な業務の発生のほか、年度途中で長期病休や産休・育休に入る職員もいることなどから、これまでも必要に応じて年度途中の人事異動を行ってきた。例としては、今回も衆議院選挙の対応のための人事異動を行ったところである。

(12)人事評価について

質問:人事評価制度の実施をしているが、どのように運用しているのか。

答弁:人事評価制度は、能力評価と業績評価の2つに分けて実施している。能力評価は職員個人の能力を評価し、人材育成も含めて評価を行う。一方、業績評価は年度を上期と下期に分け、期首に目標を立て、その達成率等により評価を行う。これらは、単純に職員の序列を付けるものではなく、評価をするにあたり、所属長が職員への面談を通じて職員にフィードバックを行い、さらには人材の育成につなげるという観点から実施しているものである。

質問:民間では実績及び能力に応じた給与体系は当たり前になってきている。今までのような取組ではなく、例えば昇給が1階級飛んで昇給するというようなことは、難しいか。

答弁:頑張っている職員に報いるような方法として、給与への反映というものがあるが、それ以外にも、昇任の面で評価を反映し、それに昇格が伴うということもある。この2つを組み合わせてモチベーションを向上させる必要がある。勤勉手当への反映については、当初は所属長で実施し、現在は次長にまで拡大したところであるが、評価に対する納得性を担保することが大きな課題だと考えており、今後検討してまいりたい。


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