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本文

決算特別委員会議事録(その1)(平成24年10月16日)

1.開催日時

 平成24年10月16日(火曜日) 10時01分~16時34分

2.開催場所

 本会議場

3.出席委員

 委員長:中村紀雄、副委員長:萩原渉
 委員:関根圀男、委員:中沢丈一、委員:腰塚誠、委員:塚越紀一、委員:南波和憲、委員:黒沢孝行、委員:久保田順一郎、委員:須藤昭男、委員:岩井均、委員:大沢幸一、委員:田所三千男、委員:塚原仁、委員:狩野浩志、委員:福重隆浩、委員:橋爪洋介、委員:岩上憲司、委員:舘野英一、委員:星名建市、委員:大林俊一、委員:伊藤祐司、委員:茂木英子、委員:角倉邦良、委員:井田泉、委員:笹川博義、委員:須藤和臣、委員:あべともよ、委員:水野俊雄、委員:後藤克己、委員:岸善一郎、委員:臂泰雄、委員:吉山勇、委員:井下泰伸、委員:桂川孝子、委員:酒井宏明、委員:高田勝浩、委員:金井康夫、委員:原和隆、委員:金子渡、委員:安孫子哲、委員:清水真人、委員:藥丸潔、委員:小川晶

4.欠席委員

 委員:村岡隆村、委員:大手治之

5.議事(その1)

開議

中村委員長

 おはようございます。
 ただいまから決算特別委員会を開きます。
本日の委員会は、10月3日、4日に行われた各分科会の報告を受けた後、平成23年度群馬県一般会計決算及び同特別会計決算、同公営企業会計決算並びに第139号議案「平成23年度群馬県電気事業会計剰余金の処分について」の総括質疑及び採決を行います。
 本日は、10月1日付けで就任された吉川副知事が出席しておりますので、ご紹介いたします。
 (吉川副知事、自席で礼)
 なお、村岡委員並びに大手委員におかれましては、本日の委員会を欠席する旨の届出がありましたので報告いたします。

分科会報告

中村委員長

 それでは、分科会報告を求めます。
 厚生文化分科会、星名建市主査、ご登壇願います。

星名主査

 皆さんおはようございます。厚生文化分科会、主査の星名建市です。
 厚生文化分科会における審査の経過をご報告申し上げます。
 はじめに、生活文化部関係でありますが、まず、県民センターの相談業務について、県民電話相談を県政相談に変えた理由と相談内容の違いが質されました。
 また、暴力被害者支援事業補助に関して、シェルター運営費補助を受けた2団体の運営状況や「住民生活に光をそそぐ交付金」終了後の支援継続に対する当局の見解が質されました。
 次に、NPO法人について、休眠状態や認証取消しとなった法人数について質されたほか、法令等に違反した法人に対する処分についての見解が質されました。
 次に、県立歴史博物館の水滴染み事故に関し、資料の修復に要した経費や入館者数の減少について質疑されるとともに、公開承認施設の再申請の見込みが質され、再発防止と公開承認施設の再申請に向け、努力してほしい旨の意見が述べられました。
 続いて、女性相談センター移転に関し、今後とも関係団体との意思疎通が大事であるとの意見とともに、移転の効果が更に発揮されるような努力の継続について当局の見解が質されました。
 次に、女性のためのチャレンジ支援事業に関し、内容や運営方法、受講者の反応について質疑されました。
 また、「少年の日」、「家庭の日」の浸透度合いが低いとの指摘とともに、取組の見直しに対する当局の見解が質されました。
 次に、事業評価に関し、時限的な事業が縮小や廃止に含まれているのではないかとの意見とともにより厳しい見直しの実施について当局の見解が求められました。
 また、多重債務者対策における相談会が周知不足と感じられることが質され、自殺対策に繋がる重要な施策として周知方法の工夫に期待する意見が述べられました。
 次に、社会参加費について、地域との意見交換の実態や執行率が質されたほか、税金であることを踏まえつつ、もっと現場に出て意見を吸い上げてほしいとの意見が述べられました。
 次に、県民会館のネーミングライツについて、名称がベイシア文化ホールに変わっているため県民から場所がわからない等の問い合わせがないか、また、ベイシア以外からの申請の有無について質され、引き続き積極的に取り組んでほしいとの意見が述べられました。
 次に、伝統文化継承事業について、内容や金額が質疑され、申請の簡素化について意見が述べられました。
 最後に、不用額に関し、前年度から繰り越したものの不用額となった事業などについて質疑されました。
 続いて、健康福祉部及び病院局関係でありますが、まず、児童虐待に関連する内容で、児童養護施設からの退所者の状況及び児童虐待防止対策緊急強化事業費補助で市町村が行った対策での有効な手段について質疑されるとともに、こうした事例を安心こども基金事業終了後の虐待防止対策に活かしてほしい旨の意見が述べられました。
 次に、医師確保対策に関し、臨床研修セミナーが初期臨床研修医向けで、後期研修医が参加しにくい、後期研修に向けたガイダンスを行ってほしい、との指摘があることについて当局の見解が質されました。また、医師Uターン推進事業、女性医師再就業支援事業、ドクターバンク運営の内容や実績が質疑され、ドクターバンクを通じたマッチングなど、医師確保のための更なる努力を求める意見が述べられました。
 次に、介護職員の処遇改善に関し、離職率や賃金の状況、介護職員処遇改善交付金の活用状況などが質疑されたほか、介護報酬の中で介護職員の賃金改善を実施することへの当局の見解が質されました。
 次に、県民健康科学大学に関し、看護師、保健師等の国家試験合格率や県内就職状況が質されるとともに、県内就業者数向上のための対策を検討してほしい旨の意見が述べられました。
 次に、工賃倍増計画支援事業に関し、工賃の改善状況とその理由について質疑されるとともに、これまでの検証を行い、その検証に基づいて今後の取組を行ってほしいとの意見が述べられました。
 次に、動物愛護センター設置に関し、これまでの経過と昨年度の取組状況等について質疑されました。また、動物愛護精神の啓発の必要性などに鑑み、設置を期待する意見が述べられました。
 続いて、就労継続支援事業所について、他県と比較して、整備が遅れいていることについて、当局の見解が質され、今後の取組について質疑されるとともに、新年度で対応してほしいとの意見が述べられました。
 次に、ドクターヘリの運航に関し、出動後のキャンセルについて、その状況や理由及び経費が質されました。
 このほか、病院のみでなく、施設でも看護師が必要とされているとの指摘とともに、一度離職した看護師の発掘への取組について質疑されるなど、平成23年度決算について各般にわたり活発な議論が交わされました。
 以上申し上げまして、分科会報告といたします。ありがとうございました。

中村委員長

 環境農林分科会、大林俊一主査、ご登壇願います。

大林主査

 おはようございます。決算特別委員会環境農林分科会主査大林でございます。
 それでは環境農林分科会における審査の経過をご報告申し上げます。
 はじめに、環境森林部関係については、バイオマス活用推進に関して、バイオマスタウン構想を策定している市町村の取り組みや、県の支援状況等について質疑されました。
 また、昨年度事業終了となった地域グリーンニューディール基金に関する取り組みや成果についても質疑されました。
 次に、住宅用太陽光発電設備設置補助に関して、昨年度の補助実績や目標値に対する推進状況が質疑されました。今後もしっかりと啓発に取り組むよう要望されました。
 次に、歳入に関して、環境森林使用料の減額理由について質疑されました。
 続いて、鳥獣保護狩猟対策費の不用額の生じた理由について質され、不用額を他の事業に有効活用することの対応について当局の見解が求められました。
 次に、きのこ等の振興対策に関して、不用額の生じた理由について質疑された他、東日本大震災に係る影響や対策について質され、県産のきのこブランド保護のために、放射能対策への万全な対応が要望されました。
 次に、社会参加費の平成22年度と比較した支出実績について質され、関係団体等との密接な人間関係構築が業務遂行に必要不可欠との観点から、積極的に有効活用すべきとの見解が述べられました。
 また、公共用水域の環境基準達成状況に関して、湖沼の達成率が低下している理由や、これまでの対策の効果について質疑され、今後の水質改善に向けた当局の見解が求められました。
 この他にも、足尾鉱山の堆積場に対する東日本大震災による影響調査の実施状況や、オートサンプラー設置についての考え方、品木ダムの最終処分場の現況などに関する議論が交わされました。
 次に、農政部関係についてでありますが、歳入に関して、農政費寄付金の内容及び、農政使用料、農政費国庫補助金の減額理由などについて質疑され、特に国庫補助金に関しては、たび重なる制度変更により、市町村や農業者が振り回わされることのないよう、国に対して強く要望することが求められました。
 次に、福島第一原子力発電所事故による放射性物質の飛散によって、執行額にどの程度の影響があったのかについて質疑されました。
 また、遺伝子組換えカイコの飼育実績が質され、実用化に向けた取り組みについて当局の見解が求められるとともに、今後の戦略的な展開が要望されました。
 次に、菜の花エコプロジェクトの取り組み状況や、グリーンツーリズム推進に係る成果及び今後の方向性などについて質疑され、各事業に対する今後の継続的な支援が要望されました。
 また、水産振興費に関して、減額理由が質された他、アユの減少要因やカワウ対策の取り組み状況についても質疑されました。
 次に、鳥獣害対策費に関して、減額補正金額が多い理由について質され、当該予算の計上に際しては、市町村の状況をより正確に把握すべきとの見解とともに、年々被害が拡大する状況にある中で、市町村との連携強化及び、県全体としての戦略的な取り組みが求められました。
 また、農業金融対策費の減額理由について質され、時代にあった制度内容にしていくべきとの見解が述べられました。
 次に、普及指導費に関して、近年の予算や普及指導員等の推移、国の補助事業に係る使途制限などについて質疑され、現場で働く普及指導員が円滑に業務が行えるための対応が要望されました。
 この他にも、畜産振興費の不用額の内容や、販売戦略費を活用した積極的な取り組みについてなど、各般にわたり活発な議論が交わされました。
 以上、申し上げて分科会報告といたします。ご静聴ありがとうございました。

中村委員長

 産経土木分科会、須藤和臣主査、ご登壇願います。

須藤主査

 おはようございます。産経土木分科会主査の須藤和臣でございます。
 産経土木分科会における審査の経過をご報告申し上げます。
 まず、産経部及び労働委員会関係では、小規模企業者等設備導入資金助成費特別会計について、収入未済額の内容やその回収状況が問われました。また、収入未済が将来的に不納欠損となる場合の経過についても質疑されました。
 次に、中心市街地活性化事業について、補助対象地域をどのように指定するのかが問われました。また中心市街地の活性化には、単年度限りでなく、継続して事業を実施する必要性があることから、複数年にわたり補助を行うことの可否についても質疑されました。
 次に、ジョブカフェで実施している再チャレンジ支援事業について、23年度の実績として雇用につながった件数や、他県の同様事業との比較などが質疑されました。さらに、この事業が23年度・24年度の2カ年で終了予定であることから、事業を継続することについて、当局の考えが質されました。
 次に、障害者雇用コーディネート事業について、事業の概要や実績が問われました。それらの質疑を通して、障害者雇用の厳しい現実が示されたことから、今後の課題、対応についても質されました。そして、今後も障害を持つ方が生活の糧を得られるような施策を続けていくよう要望されました。
 次に、労働委員会関係で扱う労働争議及び不当労働行為の取り扱いについて、近年の件数の推移や他県との件数比較などが質疑されました。さらに、争議調整を行っても解決しないケースの有無や、争議打ち切りとなった場合のその後の方法についても問われました。
 続いて、平成23年度の観光入込客数について、東日本大震災が及ぼした影響と、東京電力株式会社による補償の状況が問われました。さらに、群馬デスティネーションキャンペーンの実施期間中は客数が前年よりも増加しているものの、23年度トータルでは減少していることから、キャンペーンの効果が一時的なもので終わったことへの懸念についても、当局の考えが問われました。
 さらに、物産市について、まずその目的が問われたほか、23年度の開催回数及び売上げ額、販売が好調な店とそうでない店との差、初出展する店への支援の必要性、などが問われました。
 続いて、県土整備部関係では、まず、平成23年度及び22年度の公共工事について、その決算額が問われました。その際、当初予算額の比較では平成22年度より23年度の方が大きいにもかかわらず、決算額では23年度の方が少ないことから、その理由が問われるとともに、さらなる県土整備のために、しっかりと予算を確保するよう要望されました。
 次に、砂防ダムについて、堆積土砂の除去などの維持管理に関する当局の考え方が質されました。また、堆積土砂がいっぱいになった場合の砂防ダムの有効性や、補強工事や点検の実施状況についても質疑されました。
 次に、国直轄事業負担金の見直し状況について質疑され、平成21年度に約130億円だった県負担額が、22年度に62億円、23年度に54億円と年々減少しているとの答弁がなされました。しかし、その反面、国管理道路の除草回数が減るなどの影響が出ているため、国に道路の適正管理を申し入れることについても質されました。
 次に、群馬県における治水について、平成23年度の県土整備部の治水対策の考え方や目的が問われ、関連して「平成23年洪水記録」の内容や、その記録を作成した考え方についても質疑されました。
 次に、県営住宅に関する質疑では、高齢入居者などにエレベーターの設置要望が多いことから、23年度の設置工事の実績や、こうした要望への対処状況などが質されました。
 続いて、伝統工法である空石積擁壁工と、近年技術開発が進んでいるコンクリート舗装工事について、平成23年度のそれぞれの施工実績や、今後の普及について、当局の考えが問われました。
 また、建設工事の請負に関する紛争相談について、その件数や内容が問われたほか、現下の厳しい経済状況において、今後も増えるであろう、こうした紛争への適正な対応が要望されました。
 さらに、上信自動車道の整備については、賛否両方の立場から質疑され、当局の見解が求められたところ、交通渋滞の緩和や迅速な搬送による救急医療への対応、産業物流の促進などの観点から上信自動車道は必要であり、今後も整備を推進するとの答弁がなされました。
 このほかにも、平成23年度決算について各般にわたり、活発な議論が交わされました。
 以上、申し上げて分科会報告といたします。

中村委員長

 文教警察分科会、井田泉主査、ご登壇願います。

井田主査

 皆さんおはようございます。平成24年9月決算特別委員会における分科会の報告をさせていただきます。
 はじめに、教育委員会関係でございます。学校給食用食材の放射性物質対策や食育の推進に向けた取組について質されたほか、原子力・エネルギー支援事業の内容や、義務教育における放射線教育の現状について質疑されました。
 続きまして、高等学校等奨学金貸与事業補助について、事業内容や減額理由が質され、関連して、当初予算編成においては、前年度踏襲ではなく、実態に見合った予算計上を行うよう意見が述べられました。
 次に、群馬県育英会について、県費補助や積立金の状況が質されたほか、上毛学舎再編整備に係る調査費用の支出科目の妥当性について質疑されました。
 次に、総合教育センターで実施される研修の内容や受講者の状況などが質されたほか、初任者研修において、いじめ問題に対応する研修がどの程度行われているか質されるとともに、総合教育センターの宿泊棟の稼働状況が質され、積極的に活用するよう意見が述べられました。
 次に、高等学校定時制課程に係る修学奨励金について、定時制課程の生徒数や、貸与金額である月額1万4千円の根拠などが質されたほか、教職員のメンタルヘルス対策事業や児童生徒の体力向上対策事業の実施内容について質疑されました。
 次に、競技スポーツの振興対策について、競技力向上に対する当局の見解が求められたほか、一流選手やチームの育成により、群馬県の知名度アップにつなげるため、今後も予算の確保に努めるよう要望されました。
 次に、一般財団法人群馬県教育振興会に対する当局の評価が質されたほか、今後も補助金を通して、団体の活動を支援すべきとの意見が述べられました。
 次に、歳入に関して、使用料における不納欠損額の内容や時効、また、収入未済額の収入対策について質疑されました。
 次に、東日本大震災を受けて、学校災害対応マニュアルや防災教育にどのような変更があったのか質されたほか、特別支援学校の就労支援について、生徒の就労状況や就労支援員の活動状況などが質疑されました。
 次に、非行防止プロジェクト推進事業の内容が質されたほか、県立高校の防犯カメラの設置を計画的に進めることについて当局の見解が求められました。
 次に、スクールカウンセラーのいじめに関する相談状況が質されたほか、特別支援教育に係る専門相談員及びコーディネーターの相談体制について質疑されました。
 続きまして、小・中学校で、ボランティア活動や東国文化についてどのように指導されているか質されたほか、授業料不徴収交付金の算出方法や、従前の授業料収入との比較について質疑されました。
 このほか、文書館について、東日本大震災に伴う行政文書の救済事業や、図書館及び文化財保護課との連携状況について質疑されました。
 続いて、警察本部関係では、まず、子どもや女性に対する性犯罪や声かけ、つきまとい等の事案に対する対応について質疑されました。
 次に、殺人等の重要犯罪未解決事件への対応や、検視体制の強化について質されたほか、暴力団から市民を守るための保護対策や、脱法ドラッグの現状と対策について質疑されました。
 次に、警察署の統廃合について、20から15警察署体制への移行に伴う効果が質されるとともに、スケールメリットを活かした活動状況など、その効果を住民に対して積極的に広報するよう要望されました。
 次に、交通安全協会の合併のメリットについて質疑されたほか、装備費の決算額6億4千万円余について、必要な予算が確保されていたか質疑されました。
 次に、被留置者について、人数や留置施設の食事の内容、一食当たりの単価、健康診断の実施状況などが質されたほか、出所後の社会全体での受け皿作りのため、更正保護との連携の必要性について質疑されました。
 次に、信号機を新設する場合、道路管理者とどのような協議が行われているか質されたほか、暴走族の検挙状況や広域的な対応策などが質疑されました。
 次に、行方不明者の届け出数や発見状況、また、認知症の人の割合について質されたほか、警察施設費が減少する中、現場の職員が誇りを持って働けるような環境整備に努めるよう要望されました。
 次に、事業評価に関連して、業務の外部委託の検討がされているか質されるとともに、標識や標示の管理等、外部委託を積極的に行い、県民の安全安心の確保のため、警察官の負担軽減や効率的な人員配置に努めるよう要望されました。
 次に、東日本大震災の被災地への職員の派遣状況や支援体制について質されたほか、派遣職員の放射能対策について質されるとともに、派遣された職員に、今回の経験を生き字引として、県内に広く周知してもらうよう要望されました。
 次に、振り込め詐欺対策の内容について質疑されたほか、信号機のリサイクルの状況や運転免許証自主返納制度の運用状況、さらには、飲酒運転の取り締り状況等、各般にわたり、活発な議論が交わされました。
 以上、申し上げまして当分科会報告といたします。 ご静聴ありがとうございました。

中村委員長

 総務企画分科会、舘野英一主査、ご登壇願います。

舘野主査

 総務企画分科会主査の舘野です。
 総務企画分科会における審査の経過をご報告申し上げます。
 はじめに、企画部関係については、はばたけ群馬プランについて、プロジェクト会議等の開催状況、重点プロジェクトが増えた理由、達成に向けた取り組みなどが、質疑されました。
 次に、ぐんま総合情報センターについては、平成23年度の具体的な成果、来場者が増えた要因、観光相談の件数が増加したことによる誘客効果の検証、県内向けバスツアーの状況、スカイツリーのオープンや東京駅のリニューアルオープンとの連携などが質疑され、ぐんまを宣伝する大きな拠点として取り組むべき、との意見が述べられました。
 次に、地上デジタル放送については、難視聴地域への対策の現状が質疑され、NHKの県域放送が映らない地域について、NHKに対策を強く要請するよう、意見が述べられました。
 また、統計調査については、調査員の選定方法、調査方法、調査員への手当て、県独自の調査、統計活用研究会の位置付けなどが質疑され、長く調査員をしている方々へ光が当たるような方法を考えてほしいとの意見が述べられました。
 次に、ぐんまのイメージアップについては、ぐんまのブランド力、評価内容の分析、観光地への仕掛け、プロスポーツを通した知名度アップ作戦、民間の知恵を活用した戦略の検討、ぐんまちゃんDC事業の決算状況などが質疑され、歌舞伎座のリニューアルオープンにあわせたイベント等の開催について、意見が述べられました。
 次に、グローバル戦略推進については、ぐんまグローバル塾の内容、学生・学校の活用状況などが質疑され、国際戦略の推進にあたっては、学生等の活用を更に進めるようにとの意見が述べられました。
 また、インターネット環境については、ADSL及び光通信普及の目標、契約割合、ICTの活用による地域の活性化、無線LANの推進などが質疑されました。
 続いて、事業評価については、対象外となった事業、評価方法、PDCAサイクルなどが質疑されました。
 次に、企業局関係では、はじめに中期経営計画の進捗状況と来年度以降の次期計画の策定状況、計画の達成に向けての意気込み、ストックマネジメントに基づく長期的な計画への取り組みなどについて、当局の見解が求められました。
 また、団地造成事業については、販売実績、販売手法、不動産会社や金融機関からの情報の活用、営業経費の必要性などが質疑され、分譲団地の状況を踏まえ、民間企業にも劣らない販売活動が行えるよう、販売体制の強化について、意見が述べられました。
 次に、工業用水道事業について、給水や契約の状況、契約水量増への取り組みなどが質疑され、建設後数十年を経過している施設の維持管理と改築等を計画的に行うよう、意見が述べられました。
 最後に、総務部関係では、はじめに、東日本大震災に係る税収への影響及び予算編成等の状況、平成22年度決算と比較し大幅減となった健康福祉費及び県土整備費の減額の要因、歳入における使用料及び手数料に係る県立女子大学授業料の収入未済額の内容など、決算数値についての検証がなされました。
 さらに、東日本大震災における職員の派遣の実績と成果、被災者の受入状況などが質疑され、東日本大震災で得られた教訓をもとに、新たに想定を超えた災害から県民を守るための心構えや準備を行い、翌年度以降の予算へ反映させるよう意見が述べられました。
 また、県税については、徴収対策、収入歩合、他県の状況、自動車税の収入歩合と納期内納付率、納税者の利便性向上のための取り組み、不納欠損額の推移や内容、収入未済額が減少したことについての取り組み状況などが質疑され、さらに収入の確保に努めるよう、意見が述べられました。
 次に、人事管理については、農業改良普及員、土木技師、獣医師等専門職員の減少への対応、社会人経験者の採用試験や配属先の状況、国や市町村との人事交流などについて、質疑されました。
 続いて、消防団員の確保については、消防本部ごとの充足率、女性消防団員の現状や施設の整備状況、消防団員が勤務している事業所への積極的な協力要請、研修の状況、三世代表彰の実施状況などが質疑されました。
 その他、事業評価の状況、防災航空隊の運営状況、防災訓練の実施状況、防災出前講座の実績と成果、ニューイヤー駅伝の運営に携わる本県関係者の状況や駅伝をぐんまのイメージアップのために有効利用することができないか、など、平成23年度決算について各般にわたり、活発な議論が交わされました。
 以上、申し上げまして分科会報告といたします。

中村委員長

 以上で、分科会報告は終了いたしました。

総括質疑

中村委員長

 これより、総括質疑に入ります。
 発言順序及び発言時間は、お手元に配布の次第のとおりであります。
 質疑は、一問一答方式により、通告してある項目について行います。
 また、あらかじめ申し上げますが、本日は、平成23年度決算の審査ですので、これに関わる質問をお願いいたします。
 なお、質問及び答弁におかれましては、簡潔明瞭にお願いいたします。
 はじめに 岩井均委員、質問者席へ。

岩井委員

 自由民主党の岩井均でございます。今日は党を代表いたしまして、萩原渉委員とともに平成23年度決算について、総括質疑をさせていただきます。発言通告を見ますと萩原委員との持ち時間が逆転しているような感じもありますけれども私の持ち時間の範囲内でやっていきたいと思います。
 それでは平成23年度決算について、まず、全体的な評価について、知事にお伺いいたします。
 昨年2月に公表されました平成23年度当初予算編成の基本的考え方では、事業の見直しや行財政改革を徹底し、必要な財源を捻出することで、ようやく明るさが見えてきた経済や県民の暮らしの安全・安心をより着実に前進させるため必要な政策課題に積極的に対応する予算を編成するとされておりました。
 ところが、その直後の3月11日に東日本大震災、そして、福島の原発事故が起こった訳でありまして、わが国も未曾有の危機を迎えた訳であります。本県も非常に大きな影響を受けまして、県民生活も大混乱をした訳であります。
 その後、4月には我々の県議選もありました。7月には、知事の2期目の選挙もあった訳であります。
 そのような大震災、原発事故という非常事態が起きた後の大変重要な時期でありますけれども、平成23年度は知事2期目の最初の決算であり、大事な決算であると思います。
 知事は決算の結果を全体としてどのように評価しておられるかお伺いをいたします。

大澤知事

 今回、2期目の最初の決算を迎えた訳でありますが、平成23年度は、本県のみならず国全体を見ても非常に多難な年であったと思います。リーマンショックの後、県内経済にもようやく明るさが見え始めたと思った矢先、また第14次群馬県総合計画「はばたけ群馬プラン」のスタートを目前に控えていた平成23年3月11日に東日本大震災が発生いたしまして、県内でもあらゆる産業が大きな打撃を受けるとともに、福島第一原子力発電所の事故による放射性物質への不安や風評被害、さらには計画停電など県民生活に大きな影響が発生する中での県政運営でありました。
 こうした状況の中で、平成23年度一般会計決算は、歳入総額6,825億円、歳出6,730億円となり、国の大型経済対策に呼応して補正予算を編成した平成22年度に比べて、歳入は165億円、歳出は149億円、それぞれ減少いたしましたが、実質収支は32億円の黒字を確保したところでございます。
 まず、歳入についてでありますけど、県税収入は、東日本大震災後の大幅な減収が懸念されたところでありますが、自動車関連産業をはじめとする県内景気の回復の動きもありまして、最終的には当初予算額1,950億円を上回る1,956億円となりまして、平成22年度決算額1,962億円とほぼ同額を確保することができました。
 また、県債は、臨時財政対策債を除く通常債等については、発行の抑制に努めた結果、残高が平成23年度末では7,604億円となり平成22年度末に比べまして216億円の減と着実に減少してきており、健全性にも配慮した財政運営ができたものと考えております。
 歳出につきましては、事業の評価と見直しを徹底するとともに、必要な事業は迅速かつ積極的に実施するようメリハリをつけながら、「震災からの早期回復」、「はばたけ群馬プラン」の推進に取り組んできたところでございます。
 その主な成果を挙げれば、まず、東日本大震災への対応であります。具体的には、被災者支援対策として、被災地への職員派遣や支援物資の搬送を行うとともに、被災者の受け入れを行ったところであります。
 放射性物質対策として、測定・検査体制を強化するとともに、県産農畜産物の安全性PRや観光誘客などを風評被害対策として実施をいたしました。
 また、産業支援対策としては、円滑な資金繰りを確保するため、新たな制度融資を創設するとともに、県内金融関係者の代表者に一堂にお集まりいただきまして、私から直接協力を要請するなど、中小企業への支援策を実施いたしました。
 2つ目は、「群馬デスティネーションキャンペーン」であります。夏に実施した群馬DCでは、震災の影響が懸念されましたが、本県の魅力を広く発信することができ、その結果、県内観光客の入込客数は前年度と比べまして106.9%となり、その経済効果は約80億円となったところであります。
 続いて、高齢者や子どもへの支援であります。
 高齢者保健福祉計画に基づき特別養護老人ホームや介護老人保健施設の整備を促進するとともに、施設の改修やスプリンクラー整備の補助を行い、入所者の安全・安心な居住環境の整備を進めました。また、児童一時保護所の施設整備を行い、定員を増やすとともに、幼児から高学齢の児童までの混合処遇を解消するなど環境の改善を図ってきたところでございます。
 4つ目は、県民生活や企業活動の基盤となります「7つの交通軸」に関連する道路整備の推進でございます。北関東自動車道の全線開通によりまして、県内の高速道路の十字軸が完成いたしましたが、県内全域でこの効果を最大限に活かせるよう、東毛広域幹線道路国道354号高崎玉村バイパス、国道254号甘楽吉井バイパスなど、幹線道路整備を重点的に実施するとともに、県民の生活に密着した生活道路整備に積極的に取り組んできたところでございます。
 以上は、平成23年度実施事業の一例でありますが、ほかにも「世界遺産登録推進」、「子ども医療費無料化」、「尾瀬学校」、「雇用対策」、「八ッ場ダム建設推進」など、幅広い政策課題に取り組むことができたと考えているところでございます。以上です。

岩井委員

 昨年度は大震災の後ということで、大変厳しい状況の中での決算ということになった訳でありますけれども、大震災への対応と、そして群馬DC、また高齢者・子どもの支援と7つの交通軸等々本当にいろいろな面でがんばった年であったかなと思います。是非この決算の結果を十分また検討していただきまして、来年度の予算編成にしっかりと活かしていただければありがたいと思いますのでよろしくお願いします。ありがとうございました。
 次に、県財政の健全性の状況について、総務部長にお伺いします。
 主な財政分析指標といたしまして、経常収支比率、自主財源比率、実質公債比率、そして公債費負担比率がありますが、これまで本県は全国的に見ても上位の優秀な県であったということを承知をしております。そこで、23年度決算の結果、財政の健全性の状況をどのように考えているかお伺いします。

岡野総務部長

 財政の健全性を表す代表的な財政指標としまして、地方団体の財政の健全化に関する法律、いわゆる財政健全化法というのがございまして、それで、「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」、「実質公債比率」、「将来負担比率」の4つの指標があります。これらが一定基準以上になりますと、財政健全化計画を策定して、改善に取り組むこととなっております。
 群馬県の場合、平成23年度決算の状況を見ますと、4つの指標のうち、実質赤字比率、連結実質赤字比率、この2つについては、黒字決算でありますので、「該当なし」ということで、その点では健全であるということになっております。
 また次に、実質公債費比率ですが、これは県債の元利償還金等の標準財政規模に占める割合を示すものでありまして、基準は25%ですが、この25%を超えると早期健全化に取り組まなければならないということになっております。平成23年度は群馬県の場合25%に対しまして11.4%ということでございます。これまで将来を見据えた計画的な社会基盤整備を進めてきたことなどから、22年度に比べて0.8ポイント上昇はしたんですけれども、基準は大きく下回っておりまして、平成23年度の全国順位は、速報値ですけれども低い方から5位ということになっております。
 次に、将来負担率ですが、これは県債や将来支払っていく可能性がある債務等の現時点での残高を指標化したものでございまして、将来の財政を圧迫する可能性の度合いを示すものでございます。この早期健全化の基準は400%でございますが、群馬県の平成23年度決算ですと177.0%でありまして、林業公社の清算処理が進んでいることなどから、22年度に比べるとさらに2.4ポイント低下しまして、基準をさらに大きく下回るという状況になっております。23年度の全国順位ですと、速報値ですが、低い方から9位ということになっております。
 また今は財政健全化法に基づく指標でしたが、それに基づかない別の指標としまして、財政の弾力性を示す指標として先ほどお話のありました経常収支比率があります。これにつきましては、平成23年度は96.7%と22年度に比べて5.2ポイント上昇したということになっております。平成22年度においては、国の地方財政対策で臨時財政対策債等が大幅に増加したことによりまして、一時的に数値が改善したんですけれども、平成23年度は21年度の96.1%とほぼ同水準に戻ったというふうな状況です。
 これらの財政の健全度を示す各指標を総合的に見ますと、全国比較では、本県はやはり比較的高い健全性を維持しているものと考えております。
 今後とも、経常的な経費の縮減、県税などの一般財源の確保に取り組みまして、厳しい財政状況の中においても健全な水準を維持するように努めていきたいというふうに考えております。

岩井委員

 群馬県は健全財政の全国的にも高い位置にあるということでありますけれども、やはり健全財政に努めていただきながらも、先ほど知事も言っていましたけれども、できる事業はしっかりとやっていかなければならないというふうに思います。先週11日に群馬県の中小企業団体中央会の役員の皆さんと、我が党の商工議員連盟で経済情勢懇談会というのを初めて行ったんですけれども、その際にもいろんな方々から「まだまだ中小企業は厳しい」というお話をいただきました。今の状況というのは、やはりまだまだデフレを脱却してないという状況だと思いますので、こういう情勢のときには公共投資を拡大したりとか、あるいは投資減税をするというのが経済政策上は必要でありますし、逆にインフレのときには逆の政策をとらなければいけないということで増税をしたりとか、あるいは財政支出を抑制するとか、そんなことをやる段階だと思うんですね。今の段階というのは、まだまだ財政健全化には注視しながらも積極的にやっていくと、そして、税収を上げていくと、いう方策が必要と思いますけれど、それについてのご認識はいかがでしょうか。

岡野総務部長

 財政の経済に対する役割と言いますか、景気に対する役割というのが財政学の中にもあると思います。今、委員がおっしゃってた景気の悪いときに財政出動して景気に対してカンフル剤と言いますか、活性化していくという役割もありますので、その中で財政状況が悪化しては元も子もない訳ですから、それらをバランスよく見ながら、県民にとって一番相応しい望まれている政策を適切に行っていけるような財政運営に努めていくということが我々の役目であると考えております。

岩井委員

 総務部長としての見解ということでありまして、県全体とすると最終的には知事の判断でやっていただくことになりますけれども、是非群馬県経済が活力が出るように、是非お願いをしたいと思います。
 次に臨時財政対策債の増加について、引き続き質問いたします。
 県債には臨時財政対策債、退職手当債、そして通常債がありますけれども、その中で臨時財政対策債は、20年度までは200億円台で推移をしていた訳ですけれども、21年度には510億円と、22年度は大幅に増えて803億円、そして23年度は637億円となっています。
 ここ数年臨時財政対策債の増加が著しいため、その他の県債は減っていても県債残高全体は増え続けております。臨時財政対策債の元利償還金は、全額が交付税措置されることになっておりますが、将来的に交付税の総額が増えるという保証はないと考えています。臨時財政対策債に対する見解はいかがでしょうか。

岡野総務部長

 平成23年度末の県債残高でございますが、前年度と比較しますと303億円増で1兆1,107億円と増加傾向にあります。この内訳ですけれども、臨時財政対策債が3,503億円、前年度に比べまして519億円の増加でございます。臨時財政対策債以外の通常の県債等ですけれども、こちらについては、7,604億円で逆に216億円の減少ということで、臨時財政対策債の増加が県債全体の残高を増加させているということで、ご指摘のとおりだと思います。
 臨時財政対策債につきましては、本来地方交付税として交付されるべきものを、起債として国が発行額を各県に割り当ててくるというものでございますので、群馬県独自の努力で減らすことができない県債でございます。
 また、臨時財政対策債を償還する際には、元利償還金に対しまして全額交付税が措置されるという仕組みとなっておりますので、臨時財政対策債の残高の増加傾向が、直ちに財政基盤に悪い影響を及ぼすものではないというふうには考えております。
 ただ、今後も多額の臨時財政対策債を発行し続けますと、県債の発行額や公債費が大きく膨らむこととなりますので、いかに交付税で措置されると言っても県民の皆様には財政運営の健全性という点につきまして、分かりにくくしてしまっているという問題があると思います。
 また、国が臨時財政対策債の償還分を上乗せした交付税総額を確実に確保しないと、他の経費分が減額されてしまうことも懸念されると思います。
 こうしたことから、国への政策要望とか全国知事会などを通じまして、臨時財政対策債の償還額が毎年増加していることを踏まえて、発行額の縮減に努めてもらうとともに、地方交付税総額を増額確保するように、引き続き、国に強く働きかけていきたいというふうに考えております。

岩井委員

 100%交付税措置されるということを国が地方に約束したわけですから、今部長が言われたとおり、しっかりと国あるいは全国知事会を通じて、国にしっかりと要望していただいて、国が約束どおりに払ってもらえるように、しっかりと今後も対応をお願いしたいと思います。
 次に人件費の増加についての項目に移ります。
 ここ数年、我が党の議員が一般質問等で人件費のことについては取り上げております。行財政改革を徹底して財源を捻出しなければならないことは、我が党も県も同じ考えだと思います。
 そこで、23年度決算では人件費が2,311億円で、22年度の2,304億円より7億円ほど増加しておりますが、この理由は何でしょうか。

岡野総務部長

 人件費の中には、職員に支給します給料とか手当その合計であります職員給与、その他に医療費とか年金などの給付を行います共済組合の負担金、法定福利的なものですけれども、それと、公務災害補償の負担金、それと、退職手当、そういったものが含まれております。
 平成23年度の人件費の決算額が前年度と比較して、一般会計ベースで6億8,900万円ですけれども、0.3%ほど増加しております。これは、原因は、共済組合負担金が法定の負担金率の引き上げに伴いまして増加したこと、退職者数の増加によりまして退職手当の総額が増加したこと、これらによるものでございます。
 なお、職員給与の総額については、0.9%削減されております。

岩井委員

 そもそも人件費の見積自体が甘いのではないかというふうに思います。表を見ても23年度当初予算では2,362億円ということであったのが、決算額では2,311億円ということで51億円少なくなっていますね。22年度を見ても当初予算では2,369億円であったのが、決算では2,304億円ということで、65億円少なくなっています。これは定年退職者以外に普通退職者あるいは勧奨退職者が予想以上に多かったということが原因とのことですけれども、23年度の場合では当初予算で予想した退職者数が2,438名、これが実績は2,768名ということで、330名予想以上に多かった訳ですけれども、当初予算を上回ることはありませんでした。逆に51億円少なくなっている訳ですね。この330名というのは教員の普通退職者と同じ数が予想以上に多かったということになる訳ですけれども、先ほど申し上げたとおり、人件費を甘く見積もっていると言われても仕方がない面があるのではないのかなというふうに思います。もっと精査をして人件費を出すべきではないかと思いますし、また、当初予算の人件費が少なくなれば、その分他の事業に回せるということになっていくと思いますけれども、それについてはいかがでしょうか。

岡野総務部長

 予算編成にあたりまして、必要額を正確に見積もっていくということは大原則でございます。ただ、当初予算編成時に不確定なものが人件費についてもいくつかございまして、先ほどの共済組合の負担金率が年度が変わってから上がったり変動すると、また、自己都合、あるいは勧奨による退職者数の人数も見積と異なったものが実績で出てくると、また、年度途中での人事院勧告、そういったものに影響されまして、当初予算額と決算額で乖離が出るというやむを得ない部分もあります。その額をいかに小さくするかというのが非常に大きな問題だと思います。また、人件費の中でも大きなウエイトを占めるのが教職員でございまして、新年度における児童生徒数の増減に応じまして、的確な教職員数を見込んで計上する必要がありますが、予算編成段階では一定程度の推計で対応せざるを得ないといった状況がございまして、乖離が生じてしまっているということですけれども、最初に申し上げましたように人件費の計上については、適切な予算編成を行うという観点から、より精査に努めて編成を行っていきたいというふうに考えております。

岩井委員

 予算編成をする場合に、人件費をどのくらいに見積もるかということは非常に大事だと思うんですね。全体の中で三分の一程度を占めるのが人件費ですから、それを減らすことができれば、これは他の事業に回すことができるわけですよね。いろいろな団体から我々も要望をお聞きしたりしますけれども、団体の方々というのは、10万円とか20万円とか少ない額であっても、県からの支援というものは非常に大きな励みになった訳です。それがここのところどんどん減らされてきている。10万、20万の額でもそうなんですから、人件費の算定というものを、もうちょっと最初から精査をしておけば、団体の補助を減らすことはなくて回せるということがいえると思うんですね。そういう団体にきめ細かく配慮することが必要と考えますけれども、いかがですか。

岡野総務部長

 当初予算と決算の乖離につきましては、先ほどご説明したとおりですけれども、その額が大きいという問題があるというご指摘だと思いますが、それについては、よりよく精査して適切な額になるべく近づけるような予算算定というのを行わなければいけないというふうに考えております。と同時に今のご意見にございましたように、それぞれの補助金等に代表されるような施策・政策について、適切にそういったものが計上できるように予算全体をよく見て編成していく必要があるというふうに考えております。

岩井委員

 いろいろな団体も毎年毎年削減削減で本当に大変な思いもしてます。財政が厳しいという面もありますけれども、まず人件費を1億でも2億でも少なくすれば、10万、20万というのは十分出せるわけですよね。ですから、そこのところは十分精査をして、そういう弱い方々の味方になる、その中心が総務部であるということを是非お願いしたいと思います。
 給与の関係ですけれども、国家公務員が今年度から7.8%減を実施している訳ですね。退職金も平均400万円削減するという方針を閣議決定している状況にあります。予定ですと来年の1月から引き下げを開始して、そして26年の7月からは、平均400万円の引き下げをするという予定になっておりますけれども、現在では群馬県としては給与は人勧を尊重しているという立場でありますけれども、退職金につきましては国が引き下げれば、県も同様に引き下げるための条例改正をすべきだと思いますけれども、それについてはいかがですか。

岡野総務部長

 国家公務員が7.8%削減されております。それと退職金が平均して400万円程度が下がるという閣議決定があると、その2つの話がありますけれども、7.8については復興財源ということで2か年でやると、400万円の退職金については、制度的な問題ということで人勧の対象とは外れるのだと思いますけれども、2つの動きがあります。それらについては、その動き等をよくみながら検討していく必要があるというふうに考えております。

岩井委員

 退職金の方は、国も減らすということで改正するようになるようですけれども、その際に群馬県として条例改正をして引き下げるというのは、国にならえということでもありますけれども、それについてはいかがですか。もう一度お願いします。

岡野総務部長

 国の方の引き下げの情報等は承知していますけれども、それを群馬県でどういうふうにやっていくか、そういったことについては今後検討していくということになると思います。

岩井委員

 部長もそれ以上は言えないような状況もありますので、そうなれば引き下げることになるのでしょうから、そのときはまた十分考えていただいて、群馬県のいろいろな事業が円滑に進むように、民間団体も円滑に行えるように、支援を是非よろしくお願いします。以上で終わります。
 次に決算審査について、まず審査意見について、代表監査委員にお伺いします。
 2年ほど前でしたけれども、富岡代表監査委員とともに監査委員としてご一緒させていただきまして、今非常に懐かしく思い出しています。その際には、今、織田沢議員と新井議員がおりますけれども、その席に座って普段の雰囲気とは全く違ったような感じであったことを思い出しています。しかし今日は代表監査委員には厳しいことも言わなければいけないということでお許しいただきたいと思います。先日、決算審査の説明資料をいただきましたけれども、23年度決算の審査意見では、要望事項として、県債について、収入未済について、資金管理についての3つの要望が書かれておりました。しかし、決算の数字が入れ替わっているだけで、要望の部分は22年度と全く同じ文章であるということなんですね。例えば県債についてということですけれども、「臨時財政対策債を除いた年度末の県債残高は、前年度に比べ減少しているが、累積した県債残高は後年度に公債費として大きな財政負担となり、財政構造の一層の硬直化を招くことから、引き続き適切な公債管理を望むものである。」ということです。これが全く同じになっている。他の部分もそうですけれども、やはり、決算審査における監査というのは非常に大事な役割があると思うんですけれども、こうなった理由をお聞かせください。

富岡代表監査委員

 お答え申し上げます。
 決算審査につきましては、決算の計数は正確か、予算は議決の趣旨に沿い、適正かつ効率的に執行されているかなどに主眼を置き、慎重に実施しております。
 決算審査意見書の要望事項につきましては、このような財務に関する事項について審査した上で、監査委員の合議により、必要があると判断したものについて要望しております。
 平成23年度の要望事項につきましては、「県債」、「収入未済」、「資金管理」これらをはじめとして「不用額」、「繰越額」など、詳細に検討した上で、財政の健全化及び適正な予算執行に極めて重要な事項である意見書記載の3項目について、引き続き要望したところでございます。
 なお、平成22年度会計の決算審査からは、県債残高全体の推移について審査したものに加えて、地方交付税の基準財政需要額に算入される臨時財政対策債を除いた県債残高についても着目し、要望事項に加えるなど、新たな視点での審査にも取り組んでおります。
 いずれにしましても、依然として厳しい財政状況にある中で、決算審査にあたりましては、引き続き適正、的確な審査に努めていきますとともに、その時々の社会情勢を勘案した、幅広い視点での要望事項を示していきたいと考えております。

岩井委員

 今の私の質問に対しての答えには、なっているのか、なっていないかというところがあって、やはり、代表監査委員は常勤職ということですので、非常勤の監査委員とは役割が違うと。そして、監査委員事務局もしっかりと受け止めなければいけないと思うんですね。全く同じ文章ということは、我々から見ても、去年と変わらないということは、インパクトがないんですよ。監査委員はしっかり見ているんだよというところをやることが、県に対してもアピールになりますし、やはり、受け止め方とすると、全く違うんですよね。それを、要望としては同じなんでしょうけれども、ところが、やはり、監査委員としてもしっかり考えて、そして出すという誠実さ誠意それも必要だと思うんですけれども、それについてもう一度お願いします。

富岡代表監査委員

 今のご指摘重く受け止めるつもりでございますが、要望事項につきましては、やはり、先ほど申し上げましたように、極めて重要な事項について絞るということで、たまたま絞られただけでございまして、検討は全体的に、様々な問題がございまして、それは十分しております。意見書の中でそういった指摘は当然入っている訳でございますけれども、要望事項自体にはこの3つになっているということと、簡潔な表現になるということで、言葉が同じになったということでございますので、全体的な検討については、十分しておりますということを重ねて申し上げたいと存じます。

岩井委員

 審査意見ということで、要望事項をコンパクトにまとめてもらっていますけれども、大事なところは、今の要望事項の上と、各それぞれの3行、4行のところになる訳ですから、そこのところは受け止める方のことも考えて、一字一句同じにするのではなくて、しっかりと受け止められるような対応を考えるべきだと思うんですね。その辺を是非改善していただきたいと思いますけれども、もう一度お願いします。

富岡代表監査委員

 重ねて検討したいと存じます。

岩井委員

 それではよろしくお願いします。
 もう一問ですけれども、不適正な事務処理についてということで、決算審査説明資料における不適正な事務処理の内容と記載方法についてということであります。決算審査説明資料には不適正な事務処理として、指摘事項が3件、注意事項が25件と書かれておりますが、それぞれの金額や内容はどうか。また、個別の監査報告には金額や内容が記載されておりますが、決算審査説明資料にも金額等を記載すべきではないかと思いますけれどもいかがでしょうか。

富岡代表監査委員

 指摘事項の3件ですが、このうちまず1件は、平成22年度会計の監査におきまして、占用料の徴収にあたり、免除の決議を経ないまま占用料を免除したということで注意事項とされたものの、平成23年度会計の監査におきましても改善が図られなかったものです。また1件は、委託契約及び物品の購入に際し支払時期が大幅に遅延していたもの、もう1件は、保存されるべき7件の文書が保存されていなかったものでございます。
 これらはいずれも金額の誤りではなかったのですが、事務処理において適正を欠いており、改善を要するものと判断しました。
 次に、注意事項の25件ですけれども、契約事務においては、履行確認及び検査の遅延など7件でございます。歳計外現金管理事務におきましては、源泉徴収税額の算定を誤ったものなどが6件、また、財産管理事務におきましては、財産使用許可がされていない電柱の支線等が設置されていたものが4件、その他、収入、支出、物品などの誤りが8件、合計で25件でございます。
 この25件のうち金額の誤りは8件、325,638円でございました。これらは、いずれも軽易な誤りであったため注意事項といたしました。
 これが指摘事項等の内容及び金額ですけれども、この関係につきましては、群馬県報への登載や県のホームページへの掲載などによって公表しております。ただ、今ご指摘もございますし、決算審査意見書への記載についても検討していきたいと考えております。

岩井委員

 是非、前向きに検討をよろしくお願いします。ありがとうございました。
 次に、職員の処分について、総務部長お願いします。
 今、お話を代表監査委員にしましたけれども、不適正な事務処理を行ったケースが今回もあった訳でありますけれども、その際の職員に対する処分については、どのようになっておりますか。

岡野総務部長

 不適正な事務処理に対する職員の処分でございますが、2つ大きく分けるとありまして、本人に重大な過失や責任が認められる場合については、その結果や社会的影響などを総合的に勘案しまして、地方公務員法に基づく法定処分としての懲戒処分をしております。また、それに至らないような事案であっても、職員に対して注意指導を行いまして、今後、同様の事案が起きないように対処していると、大きく分けますと2つの区分で対処しております。
 今回の監査におけます指摘事項となった案件につきましては、本人や所属に反省を促しまして、今後、そのようなことが再発しないように、各部局長等から注意指導を行ったところでございます。

岩井委員

 指摘事項の場合は、基準として10万円以上の差があったりとか、先ほど代表監査委員が言っていましたけれども、改善が図られなかったとか、いろいろなことがあったケースが指摘事項になるということな訳ですけれども、今のところは軽易な状況だということですけれども、今後同じような事例あるいはそれより重い場合もあるでしょうから、是非その辺のところは十分に指導していただきながら、再発の防止策を徹底してもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
 次に、7つの交通軸について、県土整備部長お願いします。
 先ほど知事からも、23年度の決算での1つの大きな成果として、7つの交通軸ということを言われました。群馬県でも「7つの交通軸構想」を打ち出しまして、県内の高速交通網を補完するために、7つの交通軸における道路や鉄路の整備を重点的に行う方針を立てております。そのための社会資本整備を行っている訳でありますけれども、この7つの交通軸につきまして、23年度の主要事業の進捗状況と総額はどうだったか。また、23年度の整備区間では、整備後に期待していた成果が上がっているかお伺いをいたします。

笹森県土整備部長

 7つの交通軸でございますが、各軸の主要事業の平成23年度の進捗状況でございます。
 まず、県央軸でございますが、平成24年3月に県道高崎渋川線バイパスの1期工区国道17号に接続する0.42キロメートルが開通いたしました。高崎駅西口のあら町交差点から高崎市役所群馬支所間の朝夕の混雑時におけます移動時間が33分から24分と約9分短縮されたところでございます。また、国の直轄事業でございます国道17号上武道路これも県央軸でございますが、平成24年2月に、太田市武蔵島町の延長約1.1キロメートルを、また、国道17号前橋渋川バイパスにつきましては、平成24年3月に渋川市半田地区の延長1.2キロメートルを各々4車線化したところでございます。
 次に東毛軸の国道354号東毛広域幹線道路につきましては、平成23年6月、高崎・玉村バイパスの県道前橋長瀞線から町道2752号線まで、約2.8キロメートルを開通いたしました。この結果、高崎駅東口から県道藤岡大胡線バイパスまでの間、約10.4キロメートルの一連区間が繋がりました。高崎市綿貫町交差点におきまして、交差をいたします県道前橋長瀞線の最大渋滞長が750メートルから350メートルに大幅に短縮いたしました。
 東毛広域幹線道路でございますが、一連の区間が計画的に整備が進んでおりまして、周辺に工業団地が造成され、また、工場立地が決まるというようなことがございまして、効果が出現し始めているというふうに理解をしております。また、東毛軸でありますが、県道太田大間々線鳥山工区の県道足利伊勢崎線以南の2.2キロメートルが平成24年3月に開通いたしました。
 西毛軸でございますが、国道254号甘楽吉井バイパスは、平成23年4月、吉井工区の延長約1.2キロメートル区間を開通いたしまして、県道吉井安中線までの全線を供用いたしました。
 続きまして、吾妻軸でございますが、国道145号上信自動車道でございますが、八ッ場バイパスが、平成23年12月に全線10.8キロメートルを開通いたしまして、国道145号の長野原町大津交差点から東吾妻町松谷の間の移動時間が約24分から14分ということで、約10分間短縮いたしました。また、平成23年8月7日には雷雨性の豪雨によりまして、吾妻渓谷沿いの国道145号の現道におきまして4箇所土砂流出が発生いたしまして、11日までの間全面通行止めになった訳でありますが、部分供用いたしておりました八ッ場バイパスを使うことによりまして、草津町、嬬恋村などの西吾妻地域と東吾妻町、中之条町、渋川市との通行に支障は生じませんでした。このように災害対策面、観光、農産物の輸送などでも大きな効果を発揮いたしております。
 続いて三国軸でありますが、国の直轄事業であります国道17号三国トンネルでございますが、平成23年度に2車線の新たなトンネルを建設するという整備方針が決定いたしまして、建設に着手したところでございます。
 尾瀬軸の国道120号椎坂バイパスにつきましては、椎坂白沢トンネル延長1,653メートルでございますが、この本体工事が平成23年度に完成をいたしました。この区間の開通が平成26年秋に全線供用を計画しておりますが、現在事業進捗しているところでございます。
 最後に渡良瀬軸でございますが、主要地方道桐生伊勢崎線バイパスにつきましては、国道50号北側を平成24年度の供用に向けて、現在工事を進めているというところでございます。
 事業費でございますが、平成23年度の7つの交通軸の整備に関する事業費、これは直轄事業費を含んでの額でございますが、道路関係事業費の全体の47%、約252億円でございました。
 「7つの交通軸構想」につきましては、開通時期を公表し、計画的に事業を進めております。企業立地などの民間の県内投資が促進されるとともに、広域的な観光などに効果を発揮し始めているというふうに理解をしておりまして、今後も、県内の経済の活性化を図るため、「7つの交通軸構想」の重点的、計画的な整備に取り組んでまいりたいと考えております。

岩井委員

 道路整備というのは地域の活性化に非常に役立ちますので、是非今の答弁のようにこれからも「7つの交通軸構想」をしっかりと進めていただいて、早期完成に向けてがんばっていただきたいと思います。と同時に、やはり県民の方々に身近な維持補修関係もこれからもしっかりと予算確保してもらいたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
 ぐんまの木で家づくり支援事業なんですけれども、時間の関係がありますので、大変申し訳ないのですが、要望にさせてもらいます。
 この事業は、我々も非常に思い出のある事業でありまして、県木連等からの要望もいただきながら自民党県連としても要望して、予算に反映してもらった事業でもあります。
 昨年度4億円のところだったのが、実績では3億2千5百万円あまりというようなことになっているようで、目標には達しておりませんけれども、県産材の利用促進、そして住宅着工件数の後押しをしたことは確かでありますので、是非この事業は継続してお願いしたいと思いますのでよろしくお願いします。

決算特別委員会議事録(その2)に続く


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