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群馬県上海事務所他 調査報告書
国際戦略対策特別委員 新井 雅博
群馬県が、(1)「外国人観光客の誘客促進に関すること」、(2)「農畜産物等の海外販路拡大に関すること」、(3)「県内企業の海外ビジネス展開の支援に関すること」等を目的に、群馬県上海事務所を開設する。
このことに関し、国際戦略対策特別委員会として現地調査を行うことは当然のことと考えていた。第三者機関の「群馬県議会委員会調査審査会」においても、調査の必要性が認められ、3日間の日程で委員として任務が果たせたことを大変うれしく思う。
今回の調査先としては、群馬県上海事務所予定地をはじめ、上海事務所を運営していく上でも欠かすことのできない「在上海日本国総領事館」、及び「茨城県上海事務所」、「信泰鹿島電子(上海)有限公司」、「東京海上日動火災保険(中国)有限公司」、「JTB(上海)国際旅行社有限公司」の6カ所であった。
1人の県議会議員としての調査とは違い、すべての調査先において、それぞれの代表者の方に対応をしていただき、具体的でなお且つ、これから群馬県が国際戦略を推進する上で参考となり得る多くの貴重な経験談を直接聞くことができたことは、今後の委員会活動に大いに活かしていけるものと実感いたしました。
話の一例としては、
- 尖閣諸島問題に端を発した「反日デモ」に関して、特定地域での暴動を、連日、日本国内において報道がされていることへの不安(ナショナリズム)。
- 中国国内において、企業がビジネスを進める上では多くの苦労はあるが、拡大し続ける中国市場でのビジネスチャンスを、みすみす放棄することはできない。
- 上海を中心として、日本の農畜産物や家電製品、観光旅行等々、中国人の「日本へのあこがれ」は非常に強いものがある。
- 日本及び中国の両国にとって、「良好な関係を築くこと」は大変に重要である。
- 群馬県の物産や観光を一方的に売り込むより前に、中国各地へ県民を訪問(旅行)させるようにすべきであり、それが今後の有効な誘客策につながることとなる。
等々、筆舌に尽くしがたい程のお話しを伺うとともに、実際に多くの体感がありました。
そうした中で、群馬県上海事務所(予定地)を見た時に、
- 他県の事務所も多く入居している。
- 事務室の賃借料(月額約30万円)も適切である。
- 総領事館と隣接地にある。
- 交通の利便性も高い。
- 安全管理面でも問題ない。
等のことから、情報の収集・発信や、人的ネットワークづくりなどの面から見ても、上海国際貿易センタービル内に事務所を設置することは、高く評価できるものと考える。
なお、現在は山田準備室長が1人で人的ネットワークづくりや、情報の収集などを行っているようであったが、とても1人ですべて対応できるものではないので、1日でも早く職員体制を整える必要があると感じた。
また、準備室長に対しては、今回の特別委員会が調査に伺ったことで「結んだ縁」を、今後しっかりと深めてもらい、より多くの情報を得られることができるように要望もさせていただいた。
今回の調査により、今後の群馬県経済の発展のために成果として表せるよう努めることを誓って、報告と致します。