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放射能対策特別委員会(平成24年6月12日)
1.開催日時
平成24年6月12日(火曜日)10時00分~16時25分
2.開催場所
301委員会室
3.出席委員
委員長:田所三千男、副委員長:福重隆浩
委員:中村紀雄、委員:村岡隆村、委員:萩原渉、委員:大林俊一、委員:角倉邦良、委員:岸善一郎、委員:井下泰伸、委員:酒井宏明、委員:金子渡、委員:小川晶
4.欠席委員
なし
5.主な質疑
(1)放射線の専門家からの説明について
質問:ヨウ素は甲状腺に蓄積されるなど、特定部位に蓄積されるとも言われているが、蓄積されたものは、時の経過とともに外に排出されるのか。
答弁:内部に取り込まれた放射性物質の排泄は核種により異なる。例えばセシウムは、成人で生物学的な半減期として100日くらい、子供では、2~3週間、あるいは、10日~20日くらいで半分は出ていくと言われている。加えて、セシウムの場合30年と非常に長いが、物理的な半減期がある。
質問:一定量以下の低線量の内部被曝をした場合、1年では大丈夫という話であったが、何年も低線量の内部被曝をし続けた場合の考え方はどうか。
答弁:累積線量というのを加味した値で、一度人間の体の中に入り、それが、成人であれば50年間半減期とともにいたという計算がされている。一回食べたものが人間の中で少ない量で被曝してても、被曝し続けた量というのが、今回、食物に対して計算されていると考えてもらってよいと思う。
質問:廃棄物等の管理において、土で覆ったり、コンクリートの中に入れることで地下水等から漏れる心配ないのか。また、煙突から出てしまった場合人間や作物に影響があるのか。
答弁:排気・排水中の放射線濃度限度は、法律で規制されている。例えば、空気中に飛散した、それを一生涯吸っても、トータルとして1ミリシーベルト/年に内部被曝がおさめられる量として法律で決められている。また、排水についても、仮置き場に浸透しないようにコンクリートや防水シートを敷くことや汚水、地下水がたまるような仕組みを作って、そこから取り出して測定するなど、チェックの仕方も決められている。
質問:福島第一原発事故後、セシウムだけでなく放射性ヨウ素も飛散したが、ヨウ素の半減期である8日間の内に子どもたちが内部被曝したという可能性もあると思うがどうか。
答弁:福島で福島第一原発周辺市町村の約1,000人の子供を対象に行った被ばく量の調査を行った。甲状腺の線量当量の限界はチェルノブイリのことを考え、100から200ミリシーベルトと言われているが、一番多くて30ミリシーベルトというデータが出ている。個人的な見解だが、福島の状況から、群馬ではさほど影響はないと考えている。
質問:放射線防護について、できるだけ少なくするための方法はどのようなものがあるか。
答弁:防御に関しては環境省からマニュアルがでていますので参考にされたい。特に防護服、マスク、洗浄などが有効であり、できるだけ身体の中に入れないように注意することである。
質問:8,000ベクレル以下ならば埋め立て処分で大丈夫というが、管理する専門家の職員も限られていて不安を感じる人もいる。管理の基準や方法について教えてほしい。
答弁:仮置き場の管理が一番大切だと思う。常に排水濃度、仮置き場境界等の線量を定期的にチェックすることを心掛ける必要がある。また、風化されないようにすることが大切だと思う。常に排水濃度、仮置き場境界等の線量を定期的にチェックし、数値を公表していくことが必要と考える。
(2)県外の原子力施設事故への対応について
質問:県地域防災計画に、県外の原発の事故対応を掲載しているが、どこを想定しているのか。
答弁:昨年度、県地域防災計画において、県外で発生した原子力発電所事故への対応に関する規定を新たに盛り込んだところである。特定の原子力施設事故を想定していないが、地理的に見ても新潟県柏崎刈羽原子力発電所や茨城県東海村原子力発電所などが対象になるものと考えている。
質問:あらかじめ具体的な想定をしておくべきと考えるがどうか。
答弁:本県に最も近い原子力施設として、県境から100キロメートル以内にある新潟県柏崎刈羽原子力発電所が考えられるが、国では、原子力防災対策の重点的実施地区として、原子力発電所から半径5キロメートル(PAZ)、30キロメートル(UPZ)、50キロメートルと段階的に定めているところである。具体的な想定については、国の防災指針の動向にも注視し、関係県とも連携しながら取り組んでいきたい。
質問:新潟県柏崎刈羽原子力発電所事故を想定するなど、防災計画について、目的を定めて対応すべきと思うがどうか。
答弁:原子力発電所事故災害対策については、極めて技術的で専門性が高いため、原子力安全委員会が今年3月に中間報告し、間もなく発表すると見られる国の防災指針を踏まえ、群馬県地域防災計画にも反映させるなど、適切な対応を図って参りたい。
(3)農地の放射性物質対策について
質問:森林に隣接した農地への対応はどのようか。
答弁:県内農地約700地点の土壌の放射性物質を調査した結果、9割が500ベクレル/キログラム以下であり、高い地域でも2,000~2,500ベクレル/キログラムであった。国では5,000ベクレル/キログラム超の農地では、表土の削り取り等の除染対策の実施が適当としているが、それ以外の農地では反転耕やカリ肥料の施用が有効としている。
質問:農地からの放射性セシウム吸収抑制対策として、通常以上のカリ肥料が必要ではないのか。
答弁:カリ肥料は、土壌診断に基づき施用することが基本であり、水田であれば、30~50ミリグラム/100グラムを目標に施用することで対策としては十分である。過剰に施用すると、養分が無駄になることもあるので、あくまでも土壌診断の結果により適期に適量施用することが重要である。
(4)食品中の放射性物質の新たな基準値について
質問:新たな基準値は以前より厳しくなり食の安全が図られているが、民間では独自により厳しい基準を採用しているところもあることで、行政は甘いとの誤解を招くおそれがあると思うがどうか。
答弁:新基準値を守れば、食の安全は守られる。二重基準にならないよう、リスクコミュニケーションや説明会などを通じて、消費者が理解していただけるようにしていく。
質問:新たな基準値施行に伴う説明会を県内5カ所で開催したということであるが、このような説明会を開催できなかった地域があると聞いているがどうか。
答弁:県民局単位の5カ所全てで開催した。高崎市が独自で説明会を開催しようとしたところ、講師の問題で中止となったことは聞いている。
質問:4月から食品に係る放射性物質の基準値が低くなったが、出荷額の変化など、農家から意見を聞いているか。
答弁:短い期間でもあり具体的な意見は聞いていないが、基準値が下がったことで消費者の目もより厳しくなっており、県も生産者も、これまで以上に安全な農産物を提供する体制づくりが必要である。
質問:新基準値施行に伴う説明会に参加したが、身近な質問が出されていた。また、参加者からは、「しっかりとした説明を聞くと安心できる」という意見を聞いた。他の4会場ではどのような質疑がされたか。
答弁:消費者からは食品に含まれる放射性物質についてゼロリスクを求める意見がある一方、生産者からはゼロリスクを求めると生産できないという話があった。どの会場でも食べて大丈夫かという意見が多かった。農政部等と連携して基準値を超えるものは出荷しないようにし、流通しているものを二重にチェックしていることを説明し、どちらにも偏らないよう説明している。
質問:質問の中に、今後対応していかなければならないと考えたものはあったか。
答弁:リスクコミュニケーションは、非常に大切であると考えている。地域で要望があれば、出向き説明していきたい。
(5)大気中のセシウムの降下量の変化等について
質問:県内のセシウムの降下量の変化はどのようか。
答弁:降下物については、衛生環境研究所で測定している。県内の放射性セシウムの降下量は3月~5月にかけて多くなる傾向がある。これは、春一番等の強風で土壌のセシウムが巻き上げられて高くなっているもので、天然由来のものも高くなっている。
質問:空間線量のモニタリングどのような方法で行っているか。
答弁:モニタリングポストは、1基は高さ21.8メートル、24基は地上1メートルの高さで測定している。測定結果は、文部科学省のホームページでリアルタイムで公開されている。そのほかに、県ではサーベイメーターで150箇所、市町村で約1500定点測定をしている。150箇所については、高さ0センチ、50センチ、1メートルで年2回実施し、ホームページで公開している。
質問:住民は毎日の放射線量が知りたいと思う。何かいい方法はないか。
答弁:定点測定では数値変化はそれほどないので、今の体制で十分と考えている。これから除染が始まるので、除染を実施したところはきめ細かく測定していきたい。
(6)焼却施設等の放射性物質対策について
質問:県内のごみ焼却場や最終処分場において放射性物質の検査結果はどのようか。
答弁:ごみ焼却施設22施設で行った排ガスの検査結果は全て不検出。焼却灰の検査結果は、主灰については、24~656ベクレル/キログラム。飛灰は、182~3180ベクレル/キログラムで、国が定めた基準値を下回っていた。また、最終処分場18施設の排水検査では基準値以下。地下水検査では不検出であった。
質問:県は国の基準について、どのように考えているのか。独自の基準を出す考えはあるか。
答弁:放射性物質は専門性も高く、県独自の基準は出せない。国の基準で差し支えないと考えている。
(7)除染等について
質問:汚染状況重点調査地域の12市町村が除染の実施主体ではあるが、実際は市町村単位ではない。県はどう関わるのか。
答弁:除染は市町村が主体的に実施することになっているが、経験のないことだけに市町村には戸惑いもある。県として積極的に支援したい。
質問:環境省の除染技術実証事業において、9月までに事業を選定することになっているが、それでは遅いのではないか。県としてどのように考えているか。
答弁:今年度から除染が本格化する。国からできるだけ早く情報を戴きたい。効果を上げられる技術であれば、市町村にも情報提供したい。
質問:現在の除染技術はどのようなものがあるのか。また、新しい技術があれば取り入れてほしいがどうか。
答弁:簡単なものであれば、清掃作業のようなもの、あるいは落葉集め、そのほかには表土を剝いだり、天地返しなどがある。
質問:除染によって発生した土砂等の処分をどう考えるか。
答弁:仮置場を作るには、地域住民の理解も必要。困難が伴う場合も想定される。林野庁では、国有林の活用に前向きと聞いている。県・市町村放射線対策会議・除染部会の中で具体的な協議をはじめたい。
質問:川場村は昨年度に小中学校等の除染を行った。その土壌をサッカー場の造成に使ってしまった。県として把握しているか。
答弁:承知している。
質問:どの程度の量を、どのように処理をしたのか。
答弁:量は、約40トンである。特措法ができる前のことであり、作業自体は、ほうきで掃いて除染したと聞いている。子供たちの健康を案じて、父兄らがやむにやまれず実施したものと理解している。
質問:普通はシートをかぶせたりして、その場で保管すべきではないか。こういうことは2度と起こってはならない。県は今後どう対応するつもりか。
答弁:すべて村の監理下で行われている。県の環境森林事務所も線量測定を行っており、問題ない。今後も定期的に測定を行い、県としても監視していく。
質問:農地の除染はどうなるのか。市町村に申し出ればいいのか。
答弁:市町村の除染実施計画に当該農地が入っていれば除染の対象になる。全ての地域が除染実施計画で指定されている市町村もあれば、字(あざ)単位で指定となっている市町村もあり、農地が含まれるかは、市町村により異なる。
(8)放射線教育について
質問:放射線能教育についてどう考えているか。
答弁:放射線教育は、子どもたち自らが自分の身を守るために欠くことのできないものと考える。放射線については中学校3年の理科で取り上げることになる。小学校と中学校1・2年生では、教科書等がないことから、それを補うために文部科学省は副読本をすべての小中学校に配付したところである。副読本の使用は効果的であるが、作成から8カ月が経過し、放射線を扱う基準値なども変わっているので、最新の補足データを県として準備することが必要であると考えている。
質問:教える側の先生方への研修はどのようになっているのか。
答弁:副読本には、教師用の解説書があり、教職員が学ぶ場合は、この解説書がテキストになる。県教育委員会では、教職員向け研修を5講座開設する。また、教職員向けの研修を計画している市もある。できる限りきめ細かな研修を実施していきたいと考えている。
質問:副読本の配付状況と活用方法はどのようになっているか。
答弁:副読本は、県内全ての小・中・高等学校に配付されている。すぐに配付したところと、教員の研修後に配付したところがあると聞いている。学校では、学級活動や総合的な学習の時間での活用が考えられるので、調査中である。
質問:理科的側面、リスクの最小化、差別偏見をなくすなど大事と思うが、副読本の内容以外の指導はどのようになっているのか。
答弁:各学校で放射線教育を行う場合には、地震・津波に始まり、原発事故を取り上げることになる。また、内部被曝等の人体に対する影響等、最新の情報を基に放射線教育が行われるよう、総合教育センターと連携して資料を作成中である。
(9)有識者会議について
質問:有識者会議について、今年は公開していくのか。また、小児医療や甲状腺の知見を持った方をメンバーに加えるべきと思うがどうか。
答弁:会議の公開については、昨年度、健康福祉部長から次回は公開で開催すると答弁している。有識者会議の委員については、群馬大学、県立がんセンター、県民健康科学大学及び日本原子力研究開発機構等において、放射線治療や放射線測定学の第一線で活躍されている医師等にお願いしている。現在のところ追加、変更は考えていないが、今後の状況をみながら検討したい。
質問:有識者会議には異なった見地の立場の方を加えて、公開で開催することが必要と考えるがどうか。
答弁:詳細は検討中である。また、公開で開催したいと考えている。
(10)ホールボディカウンタの設置について
質問:新潟県は5千万円かけてホールボディカウンタを設置したということだが、本県も設置すべきと思うがどうか。
答弁:ホールボディカウンタは、元々は原発立地県に設置が定められており、原発非立地県では広島県、長崎県、千葉県の放医研、大阪府、鳥取県にあった。原発事故以降、福島県南相馬市立病院では独自に測定しているが、測定値は時間の経過とともに減少した。福島県と栃木県ではホールボディカウンタによる検査を実施したが、問題はなかった。群馬県においては、現状では必要ではないと考える。
(11)浄水発生土について
質問:8,000ベクレル/キログラムを超える浄水発生土について、状況はどうなっているか。
答弁:平成23年10月以降新たに発生していない。なお、浄水発生土の放射性物質濃度は低下傾向にあり、今後新たに発生する可能性は低いと考えている。
質問:現在も浄水場に保管しているのか。また、今後の処分方針はどうか。
答弁:8,000ベクレル/キログラムを超える指定廃棄物は、国が処分することとなっており、それまでの間は浄水場内で当面保管することになるが、現在仮置き場において、コンクリート構造物で囲い、シートで覆うなど流出や飛散防止対策を講じており、今後も適正に管理していく。それ以外の浄水発生土については、放射性物質濃度の低いものは搬出できる目途がつきつつある。今後、浄水場からの搬出は徐々にではあるが進んでいくものと考えている。
(12)SPEEDIの情報について
質問:柏崎刈羽原子力発電所で事故が起きた場合、SPEEDIの情報は、J-ALERTなどを通じて群馬県に入る体制になっているのか。
答弁:SPEEDIについては、原子力発電所施設等から30キロメートル圏内にある24の道府県に端末が設置されているが、群馬県に端末はなく、J-ALERT等によっても連絡は入らない。
質問:新潟県から情報が入る体制にはなっていないのか。
答弁:そういう体制にはなってない。
(13)放射能対策に関する考え方について
質問:1年、2年後を見据えた取り組みをしないといけないと思うがどうか。
答弁:危機管理の面では、大震災を踏まえ、県地域防災計画を見直し、県外の原子力施設事故に対する対策を新たに規定した。この中で各部局の対応を明記しており、万が一同様な事態が起きた場合は、この計画に基づいて対処していくことになる。この際に重要なのは、情報の共有であると考えており、この体制づくりを進めていきたい。
質問:放射能の問題も2年目であり、体制を整えていかなければならないと思うがどう考えるか。
答弁:県全体の放射能対策の状況が網羅的に見えてきた。今年度、特別委員会が開催され、その都度県民に情報を提供していくことに、まずは意義があると考えている。放射能対策は幅広い話であるが、これからどのようなことに備えるかは、時間をかけながら研究することも大事ではないか感じている。
質問:農政部としての今後の取り組み方針はどうか。
答弁:農政部としての役割は、安全な食の提供と農家への支援であると考えている。安全な食の提供については、安全検査を積み重ね、その結果を速やかに公表することで、消費者の信頼を得てきている。農家への支援については、損害賠償請求や市況の回復等を含め、本来の農業振興にしっかり取り組んで参りたい。
質問:がれき処理、除染など、環境部局としての放射能問題についての考え方はどうか。
答弁:安全と安心の確保が重要であるため、除染と監視をしっかりやっていきたい。そして、県民に正しい情報を伝え、不安を払拭していきたい。そのためには、市町村との連携が重要であると考えている。
(14)災害廃棄物の広域処理支援について
質問:群馬県が岩手県と協定を締結したのは何故か。
答弁:国から3月に広域処理支援の要請があり、その内容は、岩手県内の5市町の可燃物や木くずが8万3千トンととなっている。そのため、岩手県と協定を締結した。
質問:近県や県内の災害廃棄物広域処理支援の進捗状況はどうか。
答弁:近県については把握していない。県内の取り組みは4市町村等で行われており、所管事項の説明で説明させていただいたとおりである。
質問:8万3千トンの処理要請に群馬県は対応できるのか。
答弁:できるだけ8万3千トンに近づけて行きたい。
質問:バグフィルターの安全性について、県が責任を持って検査すべきと思うがどうか。
答弁:焼却処理においては、燃焼によりセシウムは気体になるものがあるが、排ガス処理においては200度以下に冷却されるためセシウムは固体となりばいじんに吸着され、そのばいじんがバグフィルターにより除去される。現に、吾妻東部衛生施設組合が行った宮古市の災害廃棄物の試験焼却の際も、排ガスにおいてセシウムは検出下限値未満であった。
焼却処理におけるセシウムの除去状況は、住民不安を解消するため重要なポイントと考えている。県としても結果の迅速な公表に努めたいきたい。
(15)観光業の風評被害について
質問:観光業の風評被害について、損害賠償請求は何件くらいあるのか。
答弁:5月31日現在で、請求書の配布数が1,281件、うち旅館・ホテルが631件、請求数が1,052件、うち旅館・ホテルが551件、実際の支払い数が850件、うち旅館・ホテルが437件となっている。
質問:観光業の風評被害について、損害賠償の金額を公表すべきと考えるがどうか。
答弁:観光業の風評被害の請求については、個々の事業者が、直接、東京電力に請求するスキームで行われており、東京電力では、これまでも賠償額について、観光に限らず農産物を含め、情報を公開していない。現段階では、賠償金額の把握は困難であると思われる。
(16)除染作業従事者について
質問:除染作業従事者は低線量であっても被ばくをする危険性がある。作業した方の健康診断について無料で実施するべきと思うがどうか。
答弁:低線量被ばくの評価は難しく、健康診断として何をするかの方法論が確立していない。現在、福島県で進行している健康調査がどのような結果になるかについて注視し、そこから学んでいきたい。
(17)子どもの健康調査について
質問:子どもの健康調査について、県の考えを確認したい。
答弁:過日公表された福島県や栃木県の健康調査結果等から判断すると、本県においては安全な状況であり、現時点でも健康調査は必要ないと考えている。ただし、福島原発の状況や福島県、栃木県の調査で新たな知見があった場合には対応したい。
質問:福島県の甲状腺検査において、38,114人中13,460人に5ミリ以下の結節や20ミリ以下の嚢胞を認めたとのことだが、これに対する見解はどうか。
答弁:結節や嚢胞は、ある確率をもって発見されるものである。これは3月11日以前から存在していたと推測され、福島原発事故との因果関係はないものと考える。
質問:福島県で5年後に変化が生じたときは、群馬県もそのときに対応することでよいのか。
答弁:発症のピークが5年後とすれば、その起こり始めの時をとらえることで対応可能である。
(18)食品の放射性物質の検査について
質問:食品の検査機器の整備状況はどのようか。
答弁:消費生活課等に確認したところ、消費者庁から機器の貸与を受けているまたは予定しているのは23市町村、一般財源で購入している市町村は14市町村ある。いずれかにより設置している市町村は、延べ28市町村になる。残りの設置予定がない市町村についても学校給食等は、県の教育事務所に設置された機器や外部委託により検査を実施していると伺っている。
質問:一般の方が調べたい物を持ち込める仕組みとなっているか。
答弁:住民の持ち込みができる市町村と給食を優先している市町村がある。
質問:市民の側にも必要とする情報のレベルがあり、自分で持ち込んで自分の目で調べたい方もたくさんいる。自分で持ち込んで気軽に調べられる場所を県でも設けてはどうか。
答弁:消費者庁の機器の貸与を所管している消費生活課とよく相談させてほしい。
質問:市町村に機器の整備をお願いをするだけでなく、県で検査する場所を設けることはできないか。
答弁:費用対効果も考え、庁内で相談させてほしい。