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【建築物編】7便所

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

概要

  • お年寄りなどや不特定多数の方が利用するトイレ(条例では「便所」といいます。なお、大便器のある間仕切りで仕切られたブースは「便房」といいます。)を設置する場合の基準です。設置する場合には、基準を満たしたトイレが敷地内に1カ所以上必要です。1カ所だけ設ける場合は男女兼用タイプ(通常は個室タイプ)となります。男子用・女子用の区別があるトイレを設ける場合は、トイレ内に基準を満たしたブースを各々1カ所以上設けます。
  • お年寄りなどや不特定多数の方が利用するトイレには、車いすで利用できるブース(便房)を1つ以上設けます。通路から直接入れる個室タイプのものは便房であると同時に便所でもあると解釈します。
  • 男子用トイレで小便器を設ける場合は床置式のものを1カ所以上設けます。
  • 2千平方メートル以上の公共性の高い建物にお年寄りなどや不特定多数の方が利用するトイレを設ける場合は、乳幼児ベッドやオストメイト対応設備などを設けた多目的トイレを1つ以上設けます。

整備基準

1 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合には、そのうち1以上は、次に定める構造とする。

イ 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に、車いすを使用している者(以下「車いす使用者」という。)が円滑に利用することができるものとして次に掲げる構造の便房(以下「車いす使用者用便房」という。)を1以上設ける。

  1. 腰掛便座、手すり等を適切に配置する。
  2. 車いす使用者が円滑に利用することができるよう十分な空間を確保する。

ロ 車いす使用者用便房が設けられている便所の出入口又はその付近に、その旨を表示した標識を掲示する。

2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する男子用小便器のある便所を設ける場合には、そのうち1以上に、床置式の小便器その他これに類する小便器を1以上設ける。

3 延べ面積が2千平方メートル以上の生活関連施設(学校、興行施設、官公庁施設以外の事務所、共同住宅等、遊技場、工場及び自動車車庫を除く。)に不特定かつ多数の者が利用する便所を設ける場合は、1以上(男子用及び女子用の区分があるときは、それぞれ1以上)を次に定める構造とする。

イ 乳幼児椅子等乳幼児を座らせることができる設備を設けた便房を1以上設ける。

ロ 乳幼児ベッド等乳幼児のおむつ替えができる設備を1以上設ける。ただし、他におむつ替えができる場所を設ける場合は、この限りでない。

ハ 乳幼児椅子等乳幼児を座らせることができる設備又は乳幼児ベッド等乳幼児のおむつ替えができる設備を設けた便房及び便所の出入口には、その旨の表示を行う。

ニ 視覚障害者の利用に配慮して、出入口に点字表示を行うほか介助者と利用できるよう十分な広さを確保する。

ホ オストメイトの利用に配慮した設備を設ける。

要点

  • 基準は、バリアフリー法の移動等円滑化基準を準用していますが、オストメイトやおむつ替えができる設備を設けた多目的トイレについては県独自の規定を追加しています。
  • 車いす使用者用便房【基準一般】:車いすはいろいろな方が利用するので、車いすで利用できる便房の基準も一律には定められません。主にどのような方が利用するかによって望ましい形は変わります。身体に障害のある方の場合、その度合いや体のどちら側の動作が苦手なのかなどの違いにより、ある車いすの利用者は使える便房でも、他の車いすの利用者は使えないということもあります。実際の計画にあたっては具体的な利用者を想定した検討も必要です。
  • 車いす使用者用便房【広さ】:一般的な車いすがその場で回転すると直径150cm程度の円を描きます。しかし、実際には150cm四方の空間で回転するのが難しい方もいますし、電動車いすなどでふつうに回転すると200cm程度を必要とする場合もあります。一方、コンパクトタイプ(スポーツタイプ)の場合は130cm程度で回転できます。そのような意味から、国や設備機器メーカーなどが示している例示であっても十分な広さや設備配置とはいえないケースも出てきます。実際の設計に当たっては、【表示】をしっかり行い、直径150cmの空間と便器の前と横(片側)の80cm程度の空きを確保するか、広く認知されている200cm四方のタイプを標準とします。また、次善の方法として直進進入の場合も考慮します。
  • 車いす使用者用便房【便座・手すり】:便座の横に手すりを設けます。手すりは可動式とした方が利便性が良くなります。便座の設置位置に規定はありません。座面の高さは40~45cm(車いすの座面と同じ高さ)にします。また車いすでできるだけ便器に近づけるよう便器を壁かけ式・便器下がくびれた床置き式にします。
  • 車いす使用者用便房【表示】:せっかく車いす便房を設けてもそれがあることが分からなければ利用できません。トイレの表示と同様に車いすやオストメイトの表示も設けます。
  • 出入口の幅:トイレの出入口・ブース(便房)の扉は80cm以上とします。
  • 床置式小便器:基準では床置き式と表現していますが、床からリップまでの高さが35cm程度のものなら直接床に置かれていなくてもかまいません。
  • 多目的トイレ:延べ面積が2千平方メートル以上の店舗、集会場、官公庁施設、福祉施設などには、乳幼児を座らせておける椅子やおむつ替えができるベッドを設置します。また、視覚障害者が介護者と利用できるスペースも確保します。条例では、多目的トイレと車いす使用者用便房を分けて規定していますが、両方を兼ねることも可能です。
  • オストメイトに配慮した設備:オストメイトの方が利用するトイレには、パウチ(オストメイトの方が装着している便や尿をためる袋)を洗浄するための流しや水栓が必要です。壁掛タイプの汚物流しが望ましいですが、既存の大便器に後付けできる洗浄水栓タイプも次善の方法として考えられます。

達成することが望ましい目標(B)はバリアフリー法誘導基準

* 便房【広さ】:一辺が200~250cm以上とします。

*(B) 設置数:各階毎に、全体の2%以上設けるようにします。また、各階すべてに設置できない場合は1階の案内に車いす使用者便房の設置階がわかるようにします。

* 車いすで利用できる便房【手すり】:手すりは便器の両側に設け、壁側は垂直水平タイプ、空間がある側は可動式タイプとします。高さは65~70cm程度(車いすのアームレストと同じ高さ)とし、車いす等の移動の邪魔にならないよう壁に固定します。

* 備品類【非常呼び出しボタン】:便座の近くに非常事態を知らせるブザー・ランプ等の作動ボタンを設けます。できれば床に倒れた場合で手の届く高さに設けます。

* 備品類【洗浄ボタン・ペーパーホルダー】:洗浄ボタンやペーパーホルダーは便座に座ったまま楽に利用できる位置に設けます。機械式の洗浄ボタン(レバー型・靴ベラ型・押しボタン型など)の場合は、大きく弱い力でも作動できるものにします。押しボタン型などの電気式の場合も手のひらや甲でも押せるような大型のものにします。

* 備品類【手洗い器・棚・フック】:便座の近くに棚・フック等を設けます。できれば便座・車いすの両方から使える位置に設けます。

* 備品類【洗面器】:車いす利用者の方が使う洗面器は、下部に空間が必要なため下端65cm以上とし、配管も壁側に寄せます。また、杖利用者などの歩行困難者の方が使う洗面器には、寄りかかれるように両側に手すりを設けます。

* 備品類【鏡】:下端をできるだけ下げます。傾斜式鏡は使用しません。

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