概要
- お年寄りなどや不特定多数の方が利用するすべての階段に適用される基準です。建物外の階段や、階と階を結ばない部分的な階段も含まれます。
- お年寄りや目の不自由な方などが建物内や敷地内でけがなどをしないようにするための基準です。ただし、個人住宅のように特定の少人数が使う建物には基準はかかりません。
- 手すりをつけたり、表面を滑りにくい仕上げにしたり、段鼻の突き出しや回り階段は設けないようにしたりして転落事故等を防ぎます。
- 踊場の下り階段側に点状ブロックを設けたり、段の端部の色を変えたりして、目の不自由な方やお年寄りなどに段の存在を知らせます。
整備基準
イ 踊場を除き、手すりを設ける。
ロ 表面は、粗面とし、又は滑りにくい材料で仕上げる。
ハ 踏面の端部とその周囲の部分との色の明度の差が大きいこと等により段を容易に識別できるものとする。
ニ 段鼻の突き出しがないこと等によりつまずきにくい構造とする。
ホ 段がある部分の上端に近接する踊場の部分(不特定かつ多数の者が利用し、又は主として視覚障害者が利用するものに限る。)には、点状ブロック等を敷設する。ただし、視覚障害者の利用上支障がないものとして次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
- 主として自動車の駐車の用に供する施設に設けるもの
- 段がある部分と連続して手すりを設けるもの
へ 主たる階段は、回り階段でないこと。ただし、回り階段以外の階段を設ける空間を確保することが困難であるときは、この限りでない。
要点
- 基準は、バリアフリー法の移動等円滑化基準を準用しています。
- 手すり:階段には手すりを設けます。踊場部分の手すりも、基本的には階段部分と連続して設けておくようにします。
- 段の色:踏面の段鼻側の部分(平らな部分のかどに近い部分)の色を他の部分と変えます。色を変えるとは、色の明るさを変えたりすることも含みます。周りとの対比ですので必ずしも黄色がいいわけではなく、施設全体の色彩計画の中で検討が必要です。
- つまずきにくい構造:蹴上(段の立ち上がり部分)には、つまずきやすい出っ張りを設けないようにします。
- 点状ブロック:踊場の下り階段の手前(30cm程度)には、視覚障害者のための点状ブロックを設置します。ただし、段の部分と連続して手すりを設ける場合は必ずしも必要としません。踊場にある点状ブロックは、つまずきの原因にもなるので注意が必要です。
- 回り階段の禁止:原則として回り階段は設けません。回り階段の踏面の幅は内側にいくほど狭くなるので、お年寄りなどが段を踏み外す危険性があります。
達成することが望ましい目標(B)はバリアフリー法誘導基準
* 手すり:手すりを必要とする方の中には、左右どちらかの手すりしか使えない方もいるので階段の両側に手すりを設けるようにします。また、利用しやすい高さは一律ではないので、高低2段でつけるようにします。廊下に手すりがある場合は連続したものとします。階段の始終点には、手すりの上側に点字で階数等を表示します。
* 幅:140cm以上にします。
* 階段の寸法:蹴上16cm以下、踏面30cm以上とします。
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