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目の不自由な方には、全盲の方と弱視の方がいます。介助の方法も人によってそれぞれ異なります。困っている様子を見かけたら、「何かお手伝いしましょうか。」とひと声をかけ、援助を必要としている場合には積極的に手助けするよう心掛けましょう。
すべての場所に点字ブロックや、点字案内があるわけではありません。時には自分が今どこにいるのかわからなくなり、不安になることがあります。まちなかで白杖を持った人が立ち止まり、困っていたら、目的地を聞き、現地点と目的地までの方向を伝えてください。その際、「あの信号」「その角を」といった表現ではなく、「何メートル先を左へ」といった具体的な情報を伝えるようにしましょう。
目の不自由な方にとって、白杖や手は目と同じ重要な役割を果たしています。歩行中、お手伝いしようとして、白杖を急にひっぱったり、手に触れたりすると、逆に不安感を生じさせてしまいます。必要のない限りは興味本位で触れないよう注意してください。
目の不自由な方は、歩行に際し、自分の足が目になることもあります。例えば足の裏で段差を感じれば、その段差に気付きますし、草地とコンクリートの違いも足で認識します。目の不自由な方にとって、足は目と同じくらいの役割を果たしているのです。ですから、歩道の点字ブロックの上に自転車や植木鉢などが置いてあると、つまづいて大ケガをすることがあります。歩道では目の不自由な方の歩行を妨げることのないよう注意しましょう。
介助をする人は、白杖を持つ手と反対側の半歩前に立ち、相手のひじから手首にかけて自分の腕を軽く組み合わせます。歩く速さは相手に合わせ、立ち止まるときや、曲がるときはひと声かけてください。
また、前方に段差などがある場合には、「○○メートルほど前に、○○があります。」と注意を促してください。
なお、介助する人は、介助で常に両手が使えるよう手さげカバンではなく、リュックサックを持っていることが適当です。
介助する人は、出入口のドアの前でいったん立ち止まり、開きドア、引き戸など、ドアの形式を説明することが重要です。
ドアを通過する際には、「ドアを開けます」「ドアを通過します」と声をかけ、足元に注意しながら通過します。
階段の上り下りの場合は、階段に直角に近づき直前でとまり、「階段です。上ります(下ります)。」と声をかけます。上る場合は、援助の者が先に一段上って相手がその段を上りかけたときに2段目を上るようにし、常に援助の者が一段先を上っていくようにします。(下りる場合も同様です。)
トイレに入り、個室内の設備(便器の形式と向き、トイレットペーパーや洗浄レバーの位置など)について説明してください。
異性を介助する場合は、トイレ内の人に声をかけ、介助を代わってもらってもよいでしょう。
バスに乗るときは、相手の手をステップの手すりに導き、一段ごとに両足を着きながらゆっくり上ります。
降りるときも、乗るときと同様、相手のペースに合わせゆっくり降ります。
目の不自由な方は、店員や商品の位置などが分からず戸惑うことがあります。商品を探している様子の時は、「何かお探しですか」と声をかけてください。
商品の説明は、それがイメージできるよう、色や形、大きさ、値段などを説明し、必要であればレジの位置を伝えましょう。