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冷水病とは
1 発生の経緯
冷水病とは、もともとは北米のマス類の病気で、低水温期の稚魚に発生し、死亡率が高い病気です。
我が国ではギンザケ、ニジマスに昭和60年頃から見られるようになり、アユでは昭和62年に徳島県の養殖場で病原菌が初めて確認されました。
天然水域では、平成4年に琵琶湖産アユ種苗で症状が確認され、当時のアユ種苗放流が琵琶湖産アユ稚魚に依存していたことから、全国に広まったとも言われています。
群馬県では平成7年頃から冷水病が原因と見られる不漁が認められ始めました。
2 冷水病の主な特徴
アユの冷水病は、フラボバクテリウム・サイクロフィラムという細菌を原因とする疾病です。
貧血、体色の白濁、鰓蓋下部の出血のほか、体表に潰瘍等の穴あき症状を特徴とし、発生水温は16~20度が中心となっています。
3 冷水病の現状
冷水病菌は条件性細菌といわれ、保菌していても必ず発病するわけではなく、水温変化や濁りが発病の引き金になっている可能性が高いと考えられています。
4 対策
放流種苗に依存していた群馬県では、人工種苗生産アユの増産体制をとり、放流種苗の保菌検査徹底、原因究明のための疫学調査を推進するとともに、群馬県版アユ冷水病対策指針を作成し、漁協や中間育成業者を集め冷水病防疫対策を実施しています。
5 釣り人へのお願い
体表に異常が認められたり、元気のないおとりアユは買わないでください。
釣ったアユ、おとりアユは全て持ち帰ってください。
他の河川でおとりアユとして買ったアユや、他の河川で釣ったアユはおとりアユとして使用しないでください。
タモ網、引き舟、タビ、ウエーダー等は使用後、洗浄・乾燥したあとは必ずアルコール等により消毒を行ってください。