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防犯カメラの運用に関するガイドラインの概要
更新日:2011年3月1日
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当初のガイドラインの決定以来8年7か月が経過し、防犯カメラを取り巻く環境は大きく変化しました。まず、撮影機能及び録画機能が大幅に向上し、メガピクセルの明解な画像を毎秒15枚で1週間以上撮影できるカメラシステムや録画装置一体型のカメラ、赤外線カメラなど多様な用途に応じることができるようになるとともに、防犯カメラに録画された画像が容疑者逮捕につながる事件が数多く報道されています。
一方、防犯カメラで撮影された画像についても、特定の個人が識別される場合、当該人物の名前のキャプション等がなくても「個人情報保護法」、「行政機関個人情報保護法」、「個人情報保護条例」等法令上の個人情報に該当すると解釈されています。また、特定の個人が識別される画像は肖像権によって保護される対象として、その侵害は民法上の不法行為となります。
このように、高性能の防犯カメラが普及することにより、地域の安全性は高まりますが、他方、自己のプライバシーを大切にしたい人々がより不安を感じるということもあります。
このため、改正後のガイドラインも、防犯カメラの有用性に配慮しつつ、プライバシー侵害を防止するため、防犯カメラを設置又は管理する者(以下「設置者等」といいます。)に対して、防犯カメラの運用に当たって行うべき事項を示すものです。
なお、改正後のガイドラインも、それ自体は防犯カメラの設置の促進や抑制を求めるものではありません。
1 対象となるカメラ
- 犯罪の予防を目的の一つとして不特定又は多数の者が出入りする場所(道路、公園・広場、金融機関、商業施設、事業所、劇場・映画館、宿泊施設、鉄道駅及び駐車場等)を撮影するために固定して設置されたカメラが対象です。
- 県等の地方公共団体や公立学校が設置する防犯カメラだけでなく、民間が設置するものも対象となります。
2 設置者等の責務
- 設置者等は、防犯カメラの設置目的をできる限り特定すること。
- 設置者等は、あらかじめ画像により識別される個人(以下「本人」といいます。)の同意を得ないで、原則として、設置目的の達成に必要な範囲を超えて利用しないこと。
- 設置目的を達成するために必要な範囲内での撮影・記録とすること。
- 設置者等は、原則として、画像を第三者に提供しないこと。
- 設置者等は、防犯カメラの運用責任者を指定し、カメラ操作者の範囲を限定すること。
- 設置者等、運用責任者及び操作員は、画像から得られた個人情報を漏えいしてはならないこと。また、退任した場合も同様であること。
- 設置者等は、画像及び画像から得られる情報の漏えいを防止するとともに、滅失及びき損の防止に努めること。
- 設置者等は、設置目的、施設の特色等に応じて運用要領を定めること。
- 設置者等は、モニターを原則として人目に付かないところに設置するとともに、録画装置や記録媒体を含め、立入禁止措置用の情報漏えい措置を講じること。
- 設置者等は、見やすい場所に、防犯カメラが設置されていることの表示を行うこと。
- 設置者等は、運用責任者又は操作員がガイドラインの趣旨に反する行為をしないよう、指導監督すること。
3 画像の管理
- 記録した画像について、不必要な複写や加工をしてはならないこと。
- コンピュータウィルス対策を行うとともに、インターネットを通じて情報が漏えいしないようにすること。
- 画像の保存期間は、原則1か月以内とし、保存期間終了後は速やかに消去すること。
- 画像の消去は、上書きによるか、又は物理的に破砕すること。
4 その他
- 防犯カメラの設置や管理業務等を委託する場合、運用要領の遵守を委託条件にするなど、適切な内容とすること。
- 防犯カメラの設置や運用等に関する苦情には、速やかに適切に対応すること。
- 社会情勢の変化を踏まえ、必要に応じてガイドラインを見直すこと。