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令和7年度 群馬県立病院におけるインシデント等の発生状況について
群馬県病院局では、4つの県立病院(心臓血管センター、がんセンター、精神医療センター、小児医療センター)において、患者様が安心して安全な医療を受けられるよう、医療の安全を確保するための取組を継続して行っています。
さらに、医療の透明性を高め、医療や県立病院に対する県民との信頼関係を築くことを目的に、毎年度、県立病院におけるインシデント等の発生状況について公表をしています。
令和7年度の概況
県立4病院全体の報告件数は4,779件(前年度比239件増加)で、インシデントが4,728件(前年度比258件増加)、アクシデントが51件(前年度比19件減少)でした。
報告全体に占める割合は、インシデントが全体の98.9%を占めており、アクシデントは1.1%でした。
病院局では、職員には些細なこと、軽微なことでも積極的に報告することを求めています。こうした取り組みにより、潜在的なリスクの把握や再発防止の検討が進み、インシデント報告の増加とアクシデント報告の減少につながったものと考えています。
引き続き、インシデントの積極的な報告と分析を推進し、その結果を共有・活用することで、リスクの未然防止と医療安全の向上に努めてまいります。
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令和7年度 群馬県立病院におけるインシデント等の発生状況について (PDF:1.52MB)
1 報告件数
| 区分 | レベル | 4病院合計 | 心臓血管センター | がんセンター | 精神医療センター | 小児医療センター | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 令和6年度 | 増減 | 令和7年度 | 令和6年度 | 増減 | 令和7年度 | 令和6年度 | 増減 | 令和7年度 | 令和6年度 | 増減 | 令和7年度 | 令和6年度 | 増減 | ||
|
インシデント |
0 | 1,407 | 1,299 | 108 | 204 | 211 | -7 | 442 | 322 | 120 | 327 | 342 | -15 | 434 | 424 | 10 |
| 1 | 2,287 | 2,160 | 127 | 687 | 598 | 89 | 637 | 659 | -22 | 452 | 352 | 100 | 511 | 551 | -40 | |
| 2 | 897 | 883 | 14 | 302 | 285 | 17 | 411 | 375 | 36 | 96 | 91 | 5 | 88 | 132 | -44 | |
| 3a | 137 | 128 | 9 | 31 | 38 | -7 | 47 | 32 | 15 | 26 | 34 | -8 | 33 | 24 | 9 | |
| 小計 | 4,728 | 4,470 | 258 | 1,224 | 1,132 | 92 | 1,537 | 1,388 | 149 | 901 | 819 | 82 | 1,066 | 1,131 | -65 | |
|
アクシデント |
3b | 48 | 70 | -22 | 20 | 30 | -10 | 25 | 30 | -5 | 1 | 2 | -1 | 2 | 8 | -6 |
| 4a | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 4b | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
| 5 | 3 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2※ | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1※ | 0 | 1 | |
| 小計 | 51 | 70 | -19 | 20 | 30 | -10 | 27 | 30 | -3 | 1 | 2 | -1 | 3 | 8 | -5 | |
| 合計 | 4,779 | 4,540 | 239 | 1,244 | 1,162 | 82 | 1,564 | 1,418 | 146 | 902 | 821 | 81 | 1,069 | 1,139 |
-70 |
|
※がんセンター及び小児医療センター レベル5事案について
医療法上の医療事故に該当すると判断し、医療事故調査制度に基づき医療事故調査・支援センターに報告のうえ、医療事故調査委員会を立ち上げ、原因究明・再発防止のための検討を行いました。
なお、がんセンターで発生した2件のうち1件については、現在も調査を継続しています。
※医療法6条の10に該当する医療事故とは
当該病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡又は死産であって、当該管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの。
インシデント及びアクシデントの定義
- インシデント
日常の診療過程で患者に被害を及ぼすことはないもの又は軽度な影響にとどまったもので、医療従事者がヒヤリとしたり、ハッとした事例です。「4 医療事故等のレベル区分」では、レベル0~3aまでに該当します。 - アクシデント
疾病そのものではなく、医療に関わる場所で、医療の過程において患者に影響を及ぼした事象で、「4 医療事故等のレベル区分」では、レベル3b~5までに該当します。
医療行為や管理上の過失の有無を問わず、下記に掲げる場合を含みます。
- 死亡、生命の危険、病状の悪化等身体的被害並びに苦痛及び不安等の精神的被害が生じた場合
- 患者が転倒し負傷した場合等、医療行為とは直接関係しない場合
- 注射針の誤刺等により、医療従事者に被害が生じた場合
- 院内感染が生じた場合
- 医薬品の盗難又は紛失等、人身事故につながる可能性のある場合
- 無断離院、対人暴力、器物破損等が発生した場合
2 レベル別報告割合
(参考)県立4病院の報告件数の推移

3 内容別報告割合
- 県立4病院全体では、「観察(構成比:13.6%)」に関する報告が最も多く、「与薬(内服・外用)(構成比:10.9%)」、「検査(構成比:10.7%)」の順となりました。
- 病院別では、心臓血管センターにおいては「処置」に関する報告が最も多く、がんセンターにおいては「検査」が、精神医療センターにおいては「観察」が、小児医療センターにおいては「ドレーン・チューブ類の使用・管理」に関する報告が最も多くなりました。
| 内容 | 具体的事例 |
|---|---|
| 処置 | カテーテル検査・治療後の出血、テープ剥離時の皮膚トラブル、カテーテル検査の準備不備等 |
| 検査 | 薬の内服や食事を控える指示に関して説明不足や患者が忘れ検査延期や内容変更となった、検体採取時の間違い |
| 観察 | 皮膚の損傷・発赤・床ずれ等を発見した、患者の暴力行為や器物損壊があった等 |
| ドレーン・チューブ類の使用・管理 | 患者の体動により、チューブ類が腕や指に引っ掛かり抜去されたり、輸液ルートの接続部が外れた事例等 |
4 医療事故等のレベル区分及び公表基準
(1)群馬県病院局医療安全管理に関する規程による取り扱い
| 区分 | レベル | 継続性 | 程度 | 内容 | 公表基準 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 重大事案(※注) | 重大事案以外 | |||||
| インシデント | 0 | エラーや医薬品・医療用具の不具合が見られたが、患者等には実施されなかった | 包括公表 | |||
| 1 | なし | 患者等への実害はなかった(何らかの影響を与えた可能性は否定できない) | 包括公表 | |||
| 2 | (一過性) | 軽度 | 処置や治療は行わなかった(観察の強化、バイタルサインの軽度変化、安全確認のための検査などの必要性は生じた) | 包括公表 | ||
| 3a | (一過性) | 軽度 | 軽微な(簡単な)処置や治療を要した(消毒、湿布、鎮痛剤の投与など) | 包括公表 | ||
| アクシデント | 3b | (一過性) | 中等度~高度 | 濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸器の装着、手術、入院日数の延長、外来患者の入院、骨折など) | 包括公表 | |
| 4a | (永続的) | 軽度~中等度 | 永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない | 包括公表 | ||
| 4b | (永続的) | 中等度~高度 | 永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う | 個別公表 | 包括公表 | |
| 5 | 死亡 | 死亡(原疾患の自然経過によるものを除く) | 個別公表 | 包括公表 | ||
(※注)明らかに誤った医療行為が原因となって発生した場合など
(2)群馬県立病院医療事故等公表基準による取り扱い
- 包括公表 対象事例について、当該年度1年分を一括して翌年度に公表する。
- 個別公表 対象事例について、群馬県立病院医療事故等公表基準により個別に公表する。
<参考> 各病院における医療安全に係る活動事例
県立4病院では、ゼネラルリスクマネージャーを中心に、院内医療安全管理委員会や下部組織の各種委員会において事例分析や対策の立案を行い、日々、医療安全対策を実施しています。
令和7年度の活動事例は次のとおりです。
(1)心臓血管センター
医療安全推進週間の取組(標語・川柳の募集と表彰)
厚生労働省では、医療安全対策の取組の一環として、11月25日(いい医療に向かってGO)を含む1週間を「医療安全推進週間」と定めており、当院でも毎年この時期に合わせて様々な取組を行っている。
令和7年度の取組は、医療安全に関する標語と川柳を、職員だけでなく患者様からも広く募集し、優れた作品に対して投票を行った。投票の結果、最優秀作品は『なんべんも やんべえ 指差し呼称』に決定し、リスクマネジメント委員会で表彰した。
今回の企画は、医療安全を意識する良い機会となり、職員と患者様の両者から好評を得た。今後も医療安全を身近に感じられる取組を推進する。
(2)がんセンター
リスクマネジメント委員によるチーム活動
リスクマネジメント委員はチーム活動を通し、安全な療養環境の構築と安全文化の醸成を推進するため、病院全体で情報を共有し、組織横断的に医療事故の予防と再発防止に取り組んでいる。
チームは医師、看護師、薬剤師、検査技師、放射線技師、管理栄養士、臨床工学技士、事務職などの多職種で構成。チーム毎に、病棟や各部署を定期的に巡回し、現場に潛む危険要因を事前に把握し改善策の実施、職員の安全意識の確認、インシデント情報の分析と対策立案、医療安全に関する研修会の開催、チーム医療におけるコミュニケーションの強化(チームステップス等)、マニュアル整備等の活動を行っている。
(3)精神医療センター
ImSAFER分析
ImSAFERとは、ヒューマンエラーに関係した事象分析手法のひとつである。
その目的は、何が起こったのか、どのように起こったのか、そして、なぜそれが起こったのかを明らかにして、二度と事故が発生しないように、具体的に有効な対策を導き出すことにある。患者誤認や繰り返される事案などの場合には分析を行い、原因を特定して再発防止策を実施している。
(4)小児医療センター
確認内容に応じたダブルチェック方法の見直し
ダブルチェックとは、誤りや見落としを防ぐために独立した複数回の確認を行うもので、重要なのは人数ではなく確認の独立性である。当院では1人連続双方向と2人同時双方向を導入しているが、後者は有効な一方で人員確保や確認者間の依存が課題であった。そこで各場面のリスクを評価し方法を見直した結果、高リスク業務は2人同時双方向を継続し、一部は1人連続双方向に変更した。これにより、確認内容に応じた適切な運用が進み、意識と確実性の向上につながった。







