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群馬県森林・林業基本計画2021-2030(令和8年3月改訂版)

更新日:2026年7月15日 印刷ページ表示

 県では、令和3年3月に「群馬県森林・林業基本計画2021-2030」を策定し、森林資源の循環利用をより重視する施策への転換により、高コスト体質からの脱却、収益性の向上を図り、林業・木材産業の自立と森林の適正保全による強靭化の両立を目指し、様々な施策に取り組んできました。
 計画の策定から5年が経過したことを受け、施策の進捗状況を総括するとともに、森林・林業・木材産業に関する新たな動きを踏まえ、「林業・木材産業の自立」の実現に向けて、令和8年3月に本計画の見直しを行いました。

 令和8年3月(改訂版)の計画書ダウンロードのページへ

計画期間

 2021年度から2030年度までの10年間

見直しのメインテーマと基本方針

計画見直しのメインテーマ

 本計画は「林業・木材産業の自立」をメインテーマとし、その達成に向けた3つの基本方針のもと、自立した林業に支えられた「県産木材による自立分散型社会の実現」に取り組んできました。
 計画策定から5年が経過し、建築物における木材利用の拡大や民間企業における森林への関心の高まりなど、森林・林業・木材産業を取り巻く環境は大きく変化しています。
 このことから、計画見直しのメインテーマを「需要の創出と生産体制構築」とし、森林資源の循環利用をより重視する施策を推進し、収益性の向上を図り、林業・木材産業の自立と森林の適正保全による強靭化との両立を実現します。

計画の基本方針と施策体系

基本方針1 林業の競争力強化

 建築物の木造化や加工体制の強化、林業イノベーションの推進などによる、需要創出と供給体制構築、きのこ産業の活性化により林業産出額を増加させ、産業としての自立を実現します。

基本方針2 森林の新たな価値の創出

 森林の価値を見つめ直すことにより、社会情勢の変化や森林への多様なニーズに対応した森林の新たな価値を創出します。

基本方針3 森林の強靭化

 利根川水系の「上流社会」としての責任を果たすとともに、県民の生命と財産を守るため、林業経営を通じた森林整備を推進するほか、条件不利な森林については公的管理により整備し、災害の防止や水源の涵養、地球温暖化防止等の公益的機能が高度に発揮される森林づくりを推進します。

施策の柱

基本方針1 林業の競争力強化

1 木材流通・加工体制の基盤強化と需要拡大

 (1) 建築物における木材利用拡大
  • 住宅における県産木材利用の推進
  • 非住宅建築物における県産木材利用の推進
  • 公共建築物等
  • 木育等による県産木材の普及啓発
 (2) 製材工場の加工体制強化
  • 製材工場の加工体制の強化
  • 新規工場の誘致
 (3) 木材の流通システムの整備
  • 低質材の安定供給体制の整備
  • 流通システムの整備
  • 協定に基づく直送販売
  • 国有林との連携による木材販売
  • 国内外の販路拡大
  • 広葉樹販売体制の整備

2 林業システムの改革

 (1) 森林・林業イノベーションの推進
  • 森林ゾーニングの導入
  • 森林経営計画の作成促進
  • 境界明確化の推進
  • 皆伐・再造林の推進
  • 野生獣類による被害の防止対策
  • 生産基盤の強化
  • 国有林との連携
  • 長伐期林業による高付加価値化
 (2) 市町村支援体制の強化
  • 市町村支援体制の整備
  • 林業経営者等の育成
  • 森林経営管理制度の円滑な運用
 (3) デジタル化・自動化の推進
  • IoT の活用等によるデジタル化の推進
  • 森林資源情報の高度化と活用
    (4) 戦略的人材投資と経営ビジョン革新への支援
  • 新規就労者の確保
  • 育成、技術向上
  • 雇用の改善
  • 労働安全衛生の推進
  • 森林組合等、林業事業体の体制強化
  • 林業試験指導機関の体制強化

3 きのこ産業等の再生

 (1) きのこ産業等の活性化
  • 「ぐんまッシュ」による県産きのこの生産振興
  • “つくる” 対策
  • “うる” 対策
  • “たべる” 対策
  • きのこ産業従事者の確保
  • 木炭振興対策
 (2) 安全・安心なきのこの生産体制支援
  • 県指導指針に基づく栽培管理の遵守徹底
  • 放射性物質の検査体制の継続
  • 県内きのこ原木林の再生
  • きのこ生産工程の透明性の向上

基本方針2 森林の新たな価値の創出

4 新たな森林資源利用

 (1) エネルギーの「地産地消」事業の展開
  • エネルギーの「地産地消」事業の展開
 (2) マテリアル利用の促進
  • マテリアル利用の推進

5 「森林ビジネス」の創出

 (1) 森林の新たな価値を創出する取組の推進
  • 森林の新たな価値を創出する取組の推進
 (2) 森林空間利用拠点の整備・強化
  • 森林空間を利用した森林サービス産業の推進
 (3) 県民参加の森づくり推進
  • 森林環境教育の推進
  • 県民参加の森づくり推進

基本方針3 森林の強靭化

6 防災・ 減災と災害への適応力向上

 (1) 山地災害の防止・被害軽減
  • 山地災害により荒廃した森林の速やかな復旧
  • 山地災害危険地区における事前防災
  • 働き方改革、生産性向上の推進
 (2) 森林の健全化促進と適正な保全
  • 森林の適正な整備、活用
  • 森林の公益的機能の維持増進
  • 保安林指定の推進
  • 野生獣類対策の推進
  • 森林の適正な管理
 (3) 新たな森林管理手法の構築
  • 被害発生時の早期復旧体制の構築
 (4) インフラ施設周辺森林の整備
  • 送電線等の周囲森林の事前伐採
 (5) 県民防災意識の向上
  • 山地災害危険地区の周知

重点プロジェクト

 見直しのメインテーマである「需要の創出と生産体制構築」を実現するため、5つの重点プロジェクトを定め、取組を強化します。

プロジェクト1 建築物の木材利用拡大

将来ビジョン 高付加価値な県産木材需要の創出と循環投資の実現

背景と方向性

 非住宅建築物における木材利用は未だ低位であり、住宅の木造率は8割程度で推移しているものの、県産木材利用は2割程度にとどまっています。県産木材の安定的な需要の確立のためには、木材需要の大部分を占める建築分野への利用定着が重要です。
 このため、「建築物の木材利用拡大」に向け、直接的な建築支援、JAS 材等の流通支援、設計などの技術支援といった取組を実施します。

  • 取組1 非住宅木造建築アドバイザーの活用推進
  • 取組2 建築物の木造化に取組む者への県産木材利用促進支援
  • 取組3 品質・強度の明確なJAS製材品の供給体制の強化

プロジェクト2 森林・林業イノベーションの推進

将来ビジョン 森林・林業のビジネス価値の向上

背景と方向性

 SDGsを契機として、様々な民間企業において森林・林業への関心が高まっています。また、近年のデジタル技術の著しい進展は、産業構造に大きな変革をもたらしています。
 このような背景を踏まえ、森林・林業のビジネス価値の向上を目指し、「収益性の高い新しい林業の実現」と「森林の新たな価値の創出」の2つを基本理念に掲げ、「ぐんま森林・林業イノベーション推進方針」に基づき、次の取組を実施します。

  • 取組1 民間企業や県内の森林・林業関係者の連携の促進
  • 取組2 IoTの活用等によるデジタル化の推進
  • 取組3 低コスト林業システムの導入
  • 取組4 地域材の高付加価値化の推進
  • 取組5 公益的機能のクレジット化の推進
  • 取組6 森林ビジネスの創出支援

プロジェクト3 市町村支援体制強化

将来ビジョン 市町村を核とした森林整備の推進

背景と方向性

 令和元年の「森林経営管理法」の施行により、市町村における森林経営管理制度の運用が始まりました。
制度開始から5年が経過し、各地域で取組が進んでいますが、市町村には、林業分野の知識を有する職員が少なく、担当職員は複数の業務を抱えているため、進捗状況が鈍化しています。
 このため、「市町村支援体制強化」を重点プロジェクトとし、市町村を支援する体制を整備することにより、市町村を核とした森林整備の推進に取り組みます。

  • 取組1 市町村支援体制の整備
  • 取組2 林業経営体の育成

プロジェクト4 戦略的人材投資と経営ビジョン革新への支援

将来ビジョン 地域の未来を支える林業の持続的経営の実現

背景と方向性

 地域の林業は、少子化や労働人口減少に伴う担い手不足、労働災害発生率の高さ、脱炭素や生物多様性保全への対応など、社会情勢の多様化を背景に持続可能な経営基盤の強化が求められています。
 このため、担い手の確保・育成・定着や現場力・安全性の向上への戦略的な人材投資と、多様な主体との連携や新たな収益モデル創出などを見据えた経営ビジョンの刷新が不可欠です。
 地域の未来を支える林業の持続的経営を実現するため、組織力の向上と経営革新を後押しする支援を推進していきます。

  • 取組1 林業改革の根幹を支える戦略的な人材投資への支援
  • 取組2 新たな林業経営ビジョンの構築支援

プロジェクト5 きのこ産業の活性化

将来ビジョン 県産きのこの高付加価値化による消費拡大

背景と方向性

 群馬県のきのこ産業は生産量が全国有数である一方、県産きのこの強みが十分に伝わらず、セールスポイントの不足が課題となっています。このため「ぐんまッシュ」による高付加価値化を進め、県産きのこの魅力発信とブランド力向上を図ることが重要です。あわせて、生産現場の省力化・低コスト化・効率化に向けた設備導入を支援するとともに、栽培管理や販売のデジタル化を促し、生産性向上と販路拡大につなげることで、持続可能な産地づくりを推進します。

  • 取組1 市町村や関係団体と連携した食育事業、消費拡大事業の推進
  • 取組2 生産規模の拡大、生産コストの縮減に資するきのこ生産設備の導入支援
  • 取組3 新たな県産きのこ品種の登録によるきのこ生産の技術普及

参考資料(これまでの群馬県森林・林業基本計画)

 見直し前の群馬県森林・林業基本計画2021-2030(令和3年3月)のページへ
 群馬県森林・林業基本計画平成23年~平成32年(平成23年11月)のページへ