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令和7年度群馬県社会教育委員会議定例会 開催結果について

更新日:2026年6月10日 印刷ページ表示

1 日時

 令和7年7月8日(火曜日)14時00分~16時00分

2 場所

 コワーキング・コミュニティスペース「COCOTOMO」

3 出席者

 社会教育委員 7名
 県教育委員会 6名

4 議事及び意見

(1)誰一人取り残さない社会の実現に向けたこれからの生涯学習支援について​

【A委員】

本日は現地視察を交えながらの会議となる。これまでの協議の振り返りとして、不登校支援から始まり、高齢者・障害者、外国人等への支援について議論を広げてきた。その中で、「つなぐ」「コーディネートする」といった中間支援の役割がキーワードとして浮上しており、本日はまさにその先進事例であるキッズバレイ様の活動を視察させていただく。

【キッズバレイB氏】

当団体の理念は「子どもたちに誇れる地域の未来をつくる」ことである。若者や子育て世代が、一方的に誰かを支援するだけでなく、困っている人がいれば助け、自分が困っていれば助けを求められるような、相互に安心できる関係性を自分たちの手で作っていきたい。「きっかけをつくる」「つながりをつくる」「新しい視点をつくる」をミッションとしている。1人の人が抱える課題は、子育て、親の介護、転職など多岐にわたり複合的に絡み合っている。入り口はどこでもよく、楽しいことで遊びに来た際に「実は…」と気軽に相談できるような風通しの良い団体を目指している。社会的孤立が深まる中、「限られた関係性の中での生活」にアプローチし、外に出てゆるやかな関係性を持つことで社会への関心を広げ、孤立というバッドサイクルから、お互いに助け合える共助社会というグッドサイクルへと変えていくことを目標としている。

【キッズバレイC氏】

交流と支援の両軸で多様な事業を展開している。

  • コワーキングスペース「COCOTOMO」は、起業支援や地域活動の拠点として年間延べ約7,000人が利用している。
  • 屋内遊戯場「キノピーランド」は年間1,500人以上が利用し、親子で遊びながら子育ての相談にも乗れる施設である。
  • 中高生等の第3の居場所「ユースセンター(夜ココ)」は、食事の提供ではなく「居場所づくり」を第一の目的にしている。中高生から大学生までが入り乱れ、たこ焼きパーティーをしたり人狼ゲームをしたり、学習支援やフラットな相談の場として機能している。
  • 女性に寄り添う相談支援として、県からの委託窓口を開設しているが、相談のハードルを下げるため「味噌汁カフェ」を通じ、日常的な対面相談のきっかけづくりを実施している。・グリーフケア事業「ことのは」では地域のお寺と連携し(坊主バーなど)、大切な人を亡くした人が安心して話せる場を提供している。
  • 高齢者の活躍の場として、65歳以上を採用する「冥土喫茶(めいどきっさ)」を運営し、ポジティブエイジングに貢献している。大学生がメニューを考えたり、孫が会いに来たりと多世代交流が生まれている。

【D委員】

中高生はどのくらいの範囲から来ているのか。冥土喫茶の反響や、事業を支えるスタッフの雇用形態はどうなっているか。

【キッズバレイC氏】

ユースセンターには自転車で来る近隣の中学生や、親の送迎車で15〜20分かけて来る子もいる。メイド喫茶は北海道から海外まで反響がある。スタッフ30名は有給(週1〜5日勤務)で、その他にボランティアが総勢100名程度関わっている。

【F委員】

これだけ多様な居場所を運営・維持するためには資金が必要だと思うが、どのように資金調達を行っているのか。

【キッズバレイB氏】

事業型NPOとして運営しており、予算の1/3が利用料や受託料などの自主財源、1/3が行政からの受託事業、1/3が休眠預金活用事業などの補助金・助成金で構成されている。やりたい事業を実現するために、毎年情報を調べ、申請書を書いてプレゼンテーションを行い、必要な財源を確保している。

【E委員】

ワンストップで多様な大人のロールモデルに出会える貴重な場である。ユースセンターに来る不登校の子の割合や、外国人への支援はどうなっているか。

【キッズバレイC氏】

同じ場所を朝は冥土喫茶、夜はユースセンターとして使い、空気感を共有している。ユースセンターの利用者中、完全に学校に行けていない子が2~3人、通信制高校の子が1/3程度いる。「不登校の子向け」とは言わず「誰でも来ていい」場所にすることで、肩書きなく自然と混ざり合っている。また、現在数名ほどの外国籍の子どもも学習支援に登録しており、保護者とも連絡を取り関係性を築いている。困り事の相談窓口についても、楽しいイベント(味噌汁カフェ等)の中で「実は…」と相談がこぼれる関係性作りを大切にしている。

【A委員】

昔ながらの自治会やNPOが縮小する一方で、キッズバレイのような「居場所」のニーズは伸びている。皆が何もしたくなくなったわけではなく、既存の枠組みの縛りが嫌な人たちの新たな受け皿になっているのではないか。

【キッズバレイB氏】

地域活動に対するアンケート結果を見ると、子育て世代は「楽しいから」「子どもと一緒に行けるから」という理由が上位だが、高齢者は「社会の役に立つ」が上位にくる。若い世代に「社会貢献」を強要するのではなく、まずは自分たちが「楽しい」と思える活動をしてもらい、それが結果として地域の役に立っていくという、矢印の方向の変化を感じている。

【A委員】

「居場所」に来る人の中には、必ずしも他者との繋がりや議論を求めていない人もいるのではないか。

【キッズバレイC氏】

ユースセンターでは、周りがざわざわしていても誰も干渉せず、ただそこにいるだけで心地よいと思うならそれでいい。無理にイベントに参加させるようなことはせず、「自分がここにいたい」と選べる自由があることが、子どもたちの自己肯定感を高める。隣の人の価値観を「素敵だね」と言える場づくりを大切にしている。

【A委員】

教育においては「目標に向かって育成する」という視点が強いが、社会教育は農業のように土を耕し、芽が出るのを見守る「環境醸成」の役割があるはずだ。

【キッズバレイC氏】

まさに「育成」ではなく「醸成」だと感じる。じわじわ滲み出すような、土を耕す作業が大切だと思って活動している。

【G委員】

「対立よりも協働を選択する」という行動指針は、学校現場でも共通して学べる点が多い。相談のハードルを下げる工夫も素晴らしい。

【F委員】

選択できる自由があることが素晴らしい。今の教育は「育てる」から「自ら育つ」へ変わってきている。「ねばならない」を取っ払い、じんわりと本人を育てていくという視点を、学校の教員たちにもぜひ伝えたい。

【H委員】

親が子どもに与えられることは限られている。学校や家庭以外に、多様な世代と関わり一息つけるサードプレイスが地域にもっと増えることが重要だと感じる。

【I委員】

地域のラジオ体操も親の負担等の理由で期間が縮小している現状があり、有志で期間を埋めるなど新しいやり方を模索している。キッズバレイのような素晴らしい取り組みを、いかに他地域へ横展開していくかが課題である。

【キッズバレイB氏】

横展開に向けて、現在は感覚的に行っているノウハウを言語化し、マニュアルやワークショップにしていく作業を進めたいと考えている。

【A委員】

今日の議論を整理すると、自らが育つ「環境醸成」がいかに重要かということ、そして目的を作らない入り口や気軽さが必要だということである。また、これまでの社会教育は「団体」を対象としてきたが、これからは所属を持たない「個人」に対してどうアプローチしていくかが大きなジレンマであり、我々が向き合うべき重要な課題であると改めて認識した。

以上で議事を終了し、進行を事務局に戻す。

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