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使用義務の法制化について

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

道路交通法が改正され、チャイルドシートの使用が義務化されました。
(平成11年5月10日公布、平成12年4月1日施行)

チャイルドシートの使用義務が法制化された背景には

  1. 子供の死亡原因の第1位が「不慮の事故」であり、0から9歳においてはそのうち1/3が交通事故による死亡となっていること
  2. 平成6年から平成10年までの5年間で、自動車乗車中の交通事故による幼児の死傷者数が、1.5倍にも増加していること
  3. 交通事故においての致死率(死亡する率)を比較すると、チャイルドシートを使用していなかった場合は、使用していた場合の4倍以上の高さであった。また、重傷を負う率も約2倍の高さであり、チャイルドシートには、自動車乗車中の交通事故の被害から幼児の身体を守る効果が認められること
  4. 座席ベルトは、大人の身体に合わせて作られており、幼児の体格では安全な使用が難しいこと
  5. 諸外国の状況(先進諸国で法制化されていないのは、日本だけであった)

…などがあります。

平成12年4月1日から施行された改正道路交通法では

チャイルドシートの使用義務(道路交通法第71条の3第4項)

 自動車の運転者は、幼児用補助装置を(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。

…とされています。

 「幼児用補助装置」とは、いわゆるチャイルドシートのことです。椅子型のチャイルドシートだけでなく、ベビーシートやジュニアシートも含みます。
 この条文にあるとおり、道路運送車両法の規定に適合し、子供の成長に合わせたチャイルドシートを使用しなければ、法律で言う「使用の義務」を果たしたことにはなりません。
 この規定に違反した場合に罰則は設けられていませんが、座席ベルト着用義務違反と同じく行政処分の基礎点数が1点付加されます(俗に「1点減点される」と言っているものです)。

「その他政令で定めるやむを得ない理由」とは

  1. 座席ベルトが装備されていない、座席ベルトは装備されているが形状が特殊である(例えば4点式や5点式)、シートの形状が不適合…などの理由で、チャイルドシートを取り付けることができない場合
  2. 乗車しようとする幼児の人数分のチャイルドシートを取り付けてしまうと、他の人が乗れなくなってしまう場合(固定して使用できるだけのチャイルドシートを使えば良いことになり、固定して使用できない分の幼児について、使用義務が免除になります
  3. 怪我や障害、病気などのため、チャイルドシートを使用することが療養上又は健康保持上適当でない場合
    (例:股関節の脱臼や骨折、アトピー性皮膚炎など)
  4. 著しく肥満しているなど、身体の状態によりチャイルドシートを使用させることが出来ない場合
  5. 授乳やおむつ交換など、チャイルドシートを使用したままではできない、日常生活上の世話を行う場合
  6. 路線バス、貸切バス、タクシー・ハイヤーに乗る場合
  7. 廃止されたバス路線において自治体が運行する、いわゆる過疎バスに乗る場合
  8. 病気や怪我などで、緊急に医療機関や官公署などの場所へ搬送する必要のある場合

 なお、免除の規定について分からないことや疑問がある場合には、最寄りの警察署に問い合わせてください。

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「道路運送車両法に基づく命令の規定」とは

 道路運送車両法第三章は、保安基準について記述されており、その第41条で「自動車は、次に掲げる装置について、運輸省令で定める保安上又は公害防止上の技術基準に適合するものでなければ、運行の用に供してはならない」としています。
 ここでいう運輸省令が「道路運送車両の保安基準」であり、第22条の5にチャイルドシートに関する技術基準が記載されています。
 (ここでは「年少者用補助乗車装置」と書かれていますが、道路交通法にいう「幼児用補助装置」と同じ物(チャイルドシート)を指します)

道路運送車両の保安基準 第22条の5(要約)

 年少者用補助乗車装置は、次の基準に適合するものでなければならない。

  1. 取り付けようとする座席や座席ベルトを損傷しないものであること。
  2. 事故などによる衝撃を受けた際に、チャイルドシートを使用している子供に傷害を与えるおそれの少ない構造のものであること。
  3. 事故などによる衝撃を受けた際に、チャイルドシートを使用している子供やチャイルドシートそのものが、保安基準に適合する座席ベルトなどにより前方に移動しないようにすることができるものであること。
  4. 簡単に着脱できるものであること。