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令和7年度 第1回群馬県観光審議会結果概要

更新日:2025年12月24日 印刷ページ表示

1 開催日時

令和7年11月4日(火曜日) 13時30分~15時30分
群馬県庁 昭和庁舎 11会議室

2 概要

(1)開会

(2)戦略セールス局長挨拶

(3)自己紹介

(4)会長・副会長選任

(5)議事

報告事項

  • 令和7年度施策概要について
  • 群馬県観光振興計画(2024~2027)の進捗状況について

​配布資料により、事務局より説明。略

【A委員】

  • リトリートの説明において、長期滞在とあったが、具体的に何日間を想定しているか。また、ターゲット層についても伺いたい。

【リトリート地域共創主監】

  • 長期滞在といっても、まずは1泊からの想定。日帰りを1泊に、1泊を2泊にというように、現状より長く滞在していただけるよう取り組んでいる。ターゲットについては、20代~40代の働き盛りの世代を想定している。仕事で疲れている方々に向けて、群馬県で心も身体も休め、元気になって帰っていただくことを目指している。

【B委員】

  • 群馬県観光振興計画の説明で旅行消費額単価が示されたが、この1年間で訪日外国人も増加している中で、外国人旅行消費額がなぜ下がったのか。

【観光政策係長】

  • 外国人旅行消費額単価は99.6%で、基準値に対して下がっている状況である。国の観光庁のインバウンド消費動向調査を使用し算出している。単純に考えると、100%を超えるはずだが、国の統計上は現状この数値となっているため、国にも確認を行っている。

【C委員】

  • 外国人について、消費されるのは出国時であるという全国的なデータがあり、消費額単価が上がっていない。
  • 日本人旅行消費額単価が上がっているのは、宿泊単価が上昇しているためである。今年度は前年比で約1,000円単価が上昇している。旅行自体が贅沢なものになり、世帯年収が高いほど旅行実施率も高くなる。200~300万円の世帯収入では20~30%しか旅行に行かないというデータもあり、旅行が贅沢化するにつれ、単価が上昇していると考えられる。

【D委員】

  • 日本人旅行消費額単価は2022年、外国人旅行消費額単価は2019年の基準値を用いているため、異なるスタートが増加率に影響していると思う。それぞれ基準値と現状値の調査方法は変わっていないという認識でよいか。また、インバウンド消費額の算出方法について伺いたい。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 外国人旅行消費額単価はインバウンド消費動向調査に基づき算出している。外国人が日本を出国する際にサンプル調査を四半期ごとに行い、集計している。サンプルによって変動があるため、平均的な数値が出ているとは言い切れない。

【B委員】

  • サンプル数はどれくらいか。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 群馬県の場合は595件である。回答数が少ないため、ばらつきが出ている可能性はある。

【D委員】

  • サンプルへの質問内容はどの程度具体的か。例えば、「あなたは群馬県でどのくらい使いましたか」というおおまかな質問なのか、「お土産にいくら使いましたか」と聞き、信憑性のあるレシートなどを提示して調査しているのか。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 観光庁のホームページに調査票を掲載しており、訪問地や宿泊日数、支出額を費目別に回答してもらっている。特にレシートの添付までは求めていない。

【観光政策係長】

  • 日本人の旅行消費額単価は、国内居住者約2万9000人を対象に四半期ごとに調査を実施している。性別・年齢、旅行回数、消費内訳などを回答してもらっている。基準年は、日本人はコロナの影響が落ち着いた2022年、外国人は計画策定時にはまだコロナの影響を大きく受けていたため、コロナ前の2019年を基準年として設定した。

【E委員】

  • 全国の都道府県が同じような期間で行っているインバウンドの観光施策と比較した場合、群馬県の伸び率は顕著なのか。また、群馬県独自の工夫による成果があれば教えてほしい。

【観光政策係長】

  • 2024年の延べ宿泊者数は975.1万人泊で全国20位。基準年の2022年も同じく20位であり、伸び率は高いが順位は変わっていない。インバウンドについては、基準年の2019年は35位、2024年は28位ということで、大きく伸びている。

【F委員】

  • インバウンド消費動向調査について、どのターゲットがどこで増えているのかを細分化して考えてみると、開放度が低くなる。サンプル数が少ない分、回答の幅が広がる。また、リピーターの存在は重要であり、いきなり群馬に1泊してもらうのはハードルが高い。リトリートの聖地を目指す戦術的な取組が必要だと考える。

【観光リトリート推進課長】

  • 現在、東京には多くの外国人が来訪している。その外国人を群馬県に誘致するための施策を検討している。また、アジア圏の外国人は群馬県をある程度認識しているため、少し足を延ばして旅行地として選んでもらう施策を考えている。

審議事項

インバウンド誘客促進について

配布資料により、事務局より説明。略

【G委員】

  • レップを設置することについて、他県と競合するようなことはあるか。業者の丸抱えにより結局、群馬県が後回しになってしまうことはないか。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 旅行会社に受けていただくにあたり、1社が複数の県を担当するケースもあるが、可能な限り群馬県のみを受け持っていただける会社を選定したいと考えている。群馬県観光物産国際協会に実施(契約)していただくため、現在調査を進めているところ。豪州ではスキー需要が高まっている一方で、豪州からの集客が十分ではない状況である。そのため、現地にレップを設置し、誘客の強化を図りたい。また、スノー分野に特化した旅行会社に委託することで、他県との競合をある程度避けることができるのではないかと考えている。

【G委員】

  • 浅草で民泊を運営していると、インバウンドの宿泊者から「どこに行けばいいか?」と尋ねられることがある。特に長期滞在者からは、滞在中に訪れるべき場所についての相談が多く寄せられている。某アミューズメント会社から、サービスアパートメントに長期滞在する方々向けにプロモーションを行ってほしいという依頼を受けたこともある。このような背景から、滞在スタイルやニーズに応じてセグメントを分けてプロモーションを展開することが有効だと思う。

【H委員】

  • 外国人の延べ宿泊者数に関して、三大都市圏に集中しているというグラフがあった。群馬県には十分に取り込めていないとのことだが、これは逆にチャンスではないかと感じる。実際、どの県にも可能性はあると考えている。具体的には群馬県観光物産国際協会に移管しているとは思うが、ターゲット市場それぞれにおいて、プロモーションの具体的な方針について伺いたい。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 豪州ではスノー需要が高いため、スノーに特化したプロモーションを展開している。2026年5月には、シドニーで開催される一般向けの旅行博に参加予定。また、旅行会社に対してセールスコールを行い、年明けの1~2月には実際にスキー場を視察してもらい、売り込んでいく予定。
  • 米国(英語圏)については、東京都と連携した事業を通じて、東京都に訪れているインバウンド旅行者を群馬県へ誘導する流れを構築したいと考えている。その一環として、モデルルートをVlog等で発信し、具体的な旅行イメージを伝える取り組みを実施している。
  • 台湾については、一定の認知度はあるものの、群馬県の商品が台湾のOTAにあまり掲載されていない状況がある。今年度、OTA事業者と連携し、掲載数の拡充を図る取り組みを進めている。

【H委員】

  • 米国へのプロモーションで、東京との連携についてはより具体性を持たせる必要があると感じた。

【I委員】

  • 群馬県観光振興計画のKPIと行政の具体的な施策を連携して進められることが大事だと思う。旅行者数を増やすのか、消費単価を上げるのか、目標を定めることが出発点となる。旅行者数を増やすなら、来訪目的の明確化が重要で、群馬の強みである温泉はSNSでの発信が多く、イギリス・フランス・韓国・タイ・香港などが特に活発である。そこから実際の行動につながっているかを検証することも重要となる。来訪者の満足度を高め、リピーターや紹介による再訪につなげることも大切。単価向上を目指す場合は、インバウンド客が来ている宿と来ていない宿の差が大きいことを踏まえ、高付加価値の提供や「群馬らしさ」の発信、受け入れ体制の整備、周遊性の向上などが課題となると思う。

【J委員】

  • 最近、インバウンドの宿泊者が増えており、「東京・大阪・京都は行ったので、田舎に来てみたかった」という声が多く聞かれる。散歩やリンゴ狩りなどを楽しみながら、ゆっくり過ごす方が多い印象がある。一つの提案として、日本酒に興味を持つ旅行者が多く、酒蔵ツーリズムは有望だと思う。特に富裕層の中には酒蔵をやりたいという方もおり、群馬は水資源が豊富なため、価値を理解する層に向けて特化した展開が有効と考える。また、在日外国人向けに大使館を通じたプロモーションなど、切り口を変えたアプローチも一つの方法だと思う。みなかみ町は新潟、長野(3県7市町村)でアライアンスを組んで、雪国として富裕層に特化してスキーのプロモーションをしている。群馬県も、県内にとらわれず近県と連携して広域でのプロモーションを進めることが重要だと思う。「3S(スター・スペンド・ストーリー)」の視点で、地域ごとの魅力を整理し、記憶体験価値を重視したコンテンツづくりが今後の鍵になると考える。

【B委員】

  • 誘客促進においては、ターゲット設定が重要となる。ボリュームゾーンを狙うことも一つだが、群馬の魅力に反応する層に絞ってアプローチすることが効果的だと思う。たとえば、温泉に関心が高い国があれば、そこを重点的に狙うべき。ただし、群馬県のアプローチが一方通行にならないよう注意が必要であり、「群馬って何?」とならないよう伝えることが大切。富裕層を呼びたいというのは多くの地域が目指す方向だが、「群馬だから来たい」と思ってもらえるような差別化が必要と考える。

【D委員】

  • 旅館などの現場では人手不足の課題があり、インバウンド誘客において受入体制に懸念がある。そのため、人数を増やすよりも、旅行消費単価を上げる方が実情に合っていると感じる。群馬にある温泉などの既存のコンテンツがインバウンドに響くのかという疑問もある。先日、浅草の話として体験会を5,000円で提供しようとしたところ、収益性を考えると2万円程度でないと実施が難しいと企画会社から言われたという声もあり、観光に貢献できる収益性のあるコンテンツがどれだけあるのか、改めて見直す必要があると思う。
  • プロモーションのターゲットについては、台湾や中国に向けて「群馬の食」をPRすることが有効ではないかと感じている。食文化は関心が高く、地域の魅力を伝える切り口として可能性があると考える。

【K委員】

  • 国内外で選ばれるコンテンツという点で、どういったものがあるのか伺いたい。

【インバウンド誘客促進係長】

  • 富裕層インバウンドのニーズを的確に捉えるため、外資系ホテルの方をアドバイザーとして迎え、検討を進めている。例えば、夏と冬のコンテンツを掛け合わせ、季節を超えた体験を提供することで、群馬ならではの高付加価値コンテンツが生み出せると思う。

【F委員】

  • 東京にいる欧米人について、既に東京に来ている旅行者の行動変容を促し、日帰りや一泊二日で群馬を訪れてもらうのか、それとも東京にいる旅行者の東京滞在を減らして、群馬に来ていただくのか、どちらを想定しているか。

【インバウンド誘客促進係長】

  • どちらも想定している。欧米豪の旅行者は、事前に細かい旅程を決めず、滞在中にコンシェルジュに相談して行き先を決める傾向があると聞いている。そのため、東京に滞在している旅行者に対して、群馬への日帰りや一泊二日の提案を行うアプローチには可能性があると思う。また、レップ経由で旅行先をアプローチするというのも考えている。

【F委員】

  • 広島は京都から人を引っ張ってきているが、日帰りなので単価が上がらないという話もある。台湾OTAへの商品掲載は非常に有効で、アジアに限らず欧米への認知向上にもつながると考えられる。消費単価については、滞在日数が長い欧米は一見高く見えるが、1泊あたりの単価で見ると香港やシンガポールなどアジア圏の方が高い傾向があるため、指標の見方には注意が必要である。また、限られた県のリソースを踏まえ、優先順位を明確にし、「やらないこと」を設定することも戦略的に重要である。​

【A委員】

  • 群馬県はJTBが掲げるゴールデンルート、レインボールートに含まれておらず、県単独での完結は難しいため、どこをパートナーにするかが重要である。プロモーションでは、単に情報を出すだけでなく、売り方や熱量を持ってセールスできるかが鍵となる。また、富裕層誘客においては、受入体制が問われ、連泊時の食事の多様性やハイヤーの有無など、対応力が必要だと思う。東京からの誘客は難しい面もあるため、長野・松本空港など東京以外のルートも視野に入れるべきだと思う。ニセコと同等の雪質を持つ群馬の魅力を活かし、「わざわざニセコに行くなら群馬へ」というプロモーションの工夫も一つの手法だと考える。

【E委員】

  • インバウンドのターゲットによって、カルチャー志向なのかネイチャー志向なのかは整理した方がよいと思う。東京や京都に来訪している外国人は、カルチャー志向であり、群馬はどちらが向いているのかをまず考えるべき。

【観光リトリート推進課長】

  • インバウンドについては、実施した事業がすぐに数値に結びつくものではないが、ひとつひとつ積み重ねていく必要があると考えている。コロナウイルスの影響により、十分に動けない時期があったが、まずは多言語ウェブサイトなど基盤整備を着実に進めてきた。
    また、コンテンツについては、旅行形態が団体旅行から個人旅行へ移行している中で、地域に眠る「そこにしかない価値」を発掘し、来訪者に体験していただくことが重要であると認識している。

【会長】

  • 以上をもって審議事項の議論を終わる。

(5)閉会

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