本文
群馬県森林・林業基本計画2021-2030
更新日:2022年5月31日
印刷ページ表示
県では、充実した森林資源を循環利用する持続可能な林業経営を確立し、自立した林業・木材産業による森林資源と資金が循環する自立分散型社会を実現するため、2021年度からの10年間に実施すべき取組の基本方針と具体的施策を示した「群馬県森林・林業基本計画2021-2030」を策定しました。
計画期間
2021年度から2030年度までの10年間
基本的な考え方
基本方針1 林業の競争力強化
産業構造改革による高コスト体質からの脱却と、木材流通・加工体制の基盤強化により、林業産出額を増加させ、産業としての自立を実現します。
基本方針2 森林の新たな価値の創出
森林の価値を見つめ直すことにより、社会情勢の変化や森林への多様なニーズに対応した森林の新たな価値を創出します。
基本方針3 森林の強靭化
利根川水系の「上流社会」としての責任を果たすとともに、県民の生命と財産を守るため、林業経営を通じた森林整備を推進するほか、条件不利な森林については公的管理により整備し、災害の防止や水源の涵養、地球温暖化防止等の公益的機能が高度に発揮される森林づくりを推進します。
施策の概要
基本方針1 林業の競争力強化
1 木材流通・加工体制の基盤強化と需要拡大
(1) 木材流通・加工構造の改革
- 製材工場の加工体制の強化
- 新規工場の誘致
- 県産材センターの機能強化
- 低質材の安定供給体制の整備
- 流通システムの整備
- 協定に基づく直送販売
- 国有林との連携による木材販売
(2) 新たな販路・需要の創出
- 大型製材工場等の誘致による大手ハウスメーカーへの木材供給
- 住宅における県産木材利用の推進
- 非住宅建築物における県産木材利用の推進
- 公共建築物等
- 木づかいによる新しい生活様式支援
- 木育等による県産木材の普及啓発
- 国内外の販路拡大
2 林業システムの改革
(1) 低コスト林業システムの導入
- 森林ゾーニングの導入
- 森林経営計画の作成促進
- 皆伐・再造林の推進
- 野生獣類による被害の防止対策
- 生産基盤の強化
- 意欲ある林業経営者の育成
- 森林経営管理制度の円滑な運営
- 国有林との連携
- 長伐期林業による高付加価値化
(2) デジタル化・自動化の推進
- IoTの活用等によるデジタル化の推進
- 森林資源情報の共有
- 森林資源情報の高度化と活用、森林ゾーニングの精度向上
- 境界明確化の推進と林地台帳の精度向上
(3) 人材の確保・定着
- 新規就労者の確保
- 育成、技術向上
- 雇用の改善
- 労働安全衛生の推進
- 森林組合等、林業事業体の体制強化
- 林業試験指導機関の体制強化
3 きのこ産業等の再生
(1) 安心・安全なきのこの生産力強化
- 県指導方針に基づく栽培管理の遵守徹底
- 放射性物質の検査体制の継続
- 県内きのこ原木林の再生
- きのこ生産工程の透明性の向上
(2) 新たな需要創出と収益性向上
- ぐんまッシュいきいきプロジェクトによる県産きのこ生産振興
- “つくる”対策
- “うる”対策
- “たべる”対策
- きのこ産業従事者の確保
- 木炭振興対策
基本方針2 森林の新たな価値の創出
4 新たな森林資源利用
(1) 地域内資源・エネルギー自給
- エネルギーの「地産地消」事業の展開
(2) 新素材・未利用資源利用
- マテリアル利用の推進
5 「森林ビジネス」の創出
(1) 「森林ビジネス」の創出
- 森林の新たな価値を創出する取組の推進
(2) 森林空間利用拠点の整備・強化
- 森林空間を利用した森林サービス産業の推進
(3)県民参加推進
- 森林環境教育の推進
- 県民参加の森づくり推進
基本方針3 森林の強靭化
6 防災・減災
(1) 山地災害の防止・被害軽減
- 山地災害により荒廃した森林の速やかな復旧
- 山地災害危険地区における事前防災
(2) 森林の健全化促進と適正な保全
- 森林の適正な整備、活用
- 森林の公益的機能の維持増進
- 保安林指定の推進
- 野生獣類対策の推進
- 森林の適正な管理
7 災害への適応力向上
(1) 新たな森林管理手法の構築
- 被害発生時の早期復旧体制の構築
(2) インフラ施設周辺森林の整備
- 送電線等の周辺森林の事前伐採
(3) 県民防災意識の向上
- 山地災害危険地区の周知