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平成29年度第1回群馬県自然環境保全審議会自然環境部会 議事録
1 開催日時
平成29年9月11日(月曜日)午後1時30分~2時13分
2 場所
県庁7階 審議会室
3 出席者
委員:8名(定足数6名)
事務局(県):環境森林部長、自然環境課長、鳥獣被害対策支援センター所長 ほか
4 会議
1 開会
略
2 挨拶
略
3 議事
第1号議案:群馬県ニホンジカ適正管理計画(第二種特定鳥獣管理計画・第四期計画)の一部改正について
事務局から、議案内容について説明した。
質疑応答の後、全委員から異議がなかったことから、異議がないものとして知事に答申することとされた。
【質疑応答要旨】
【委員】
今までメスを制限なしとして重点的に捕獲してきたが、今回の改正により、オスばかりでメスの捕獲頭数が減るという懸念はないか。
【事務局】
狩猟はハンターが趣味として行うものであり、ハンターの心理からすれば、オスを捕獲したいという意識は強い。しかし、オスの捕獲制限の解除に伴い、(ハンターの狩猟意欲の高まり等により)狩猟機会の増加等の効果が見込まれ、メスからオスの捕獲に移行するのではなく、メスも含めてオスも捕獲してもらいたいという期待を込めている。
【委員】
この改正による効果はどのくらいであると推定しているか。
【事務局】
現状では、捕獲頭数の予測等についてなかなか推定はできない。しかし、狩猟期間後、ハンターからの狩猟報告により、狩猟頭数等の情報の詳細な把握ができるので、その結果を解析しながら、効果の検証と今後の施策について考えていきたい。
【委員】
近年、被害については、減少傾向であるが、推定生息数は増加している。これは、効率的な対策を行っていることと思われるが、生息数が目標に至った場合、施策を見直すのか?
【事務局】
国の目標は、シカの生息数を10年後に半減としており、県計画もこれに準じている。このため、目標年次になれば、その時点の生息数や被害状況等を見極め、施策を見直すことになる。ただし、捕獲目標頭数は、毎年、生息数の推定を行いながら、数年ごとに見直すこととしている。
【委員】
捕獲制限の撤廃はよいと思う。
林業被害が減っているのは、新たに植え付けができないので、被害が少なくなっているからではないか。また、推定生息数が現状をしっかりと反映しているものかわからないが、長野県では、ドローンを使ってシカの生息調査を行っている。ドローンは、齢級の低い森林等での調査しかできないが、生息数の推定に活用してみてはどうか。
【事務局】
ドローンは植林地の一部など、ある一定の区域では有効な手段となり得るが、県全体の生息数の推定はしきれない。生息数は、現在、捕獲数、目撃数、糞塊調査、繁殖率などの情報を組み合わせ、階層ベイズ法という統計手法により推定している。それでも推定値にはかなりのばらつきがあるので、50%信用区間の上限値としている。現状ではこの方法が最も信用できる推定値と考えている。
【委員】
狩猟期間は11月15日から2月末日までとなっているが、もしも、12月などの途中で目標頭数に達した場合はどうするのか。
【事務局】
捕獲目標である年間10,000頭は、有害捕獲と狩猟の合計であり、目標頭数に達したからといって捕獲をしないということではない。また、目標頭数は、数年ごとに検証や見直しを行い、生息数の半減という大きな目標の達成に向けて進めていく。
【委員】
目標頭数というのは、あくまで目標。狩猟はハンターの趣味の範囲であり、制限はない。有害捕獲と狩猟を合わせ、目標である10,000頭を超えても構わないというのが今の法律の体系である。
【事務局】
補足であるが、平成28年度のシカの捕獲については、狩猟で約4,400頭、その他有害捕獲等で約3,600頭、合わせて約8,000頭を捕獲した。今年度から、年間10,000頭という捕獲目標を掲げ、対策を進めている。
【委員】
ハンターの高齢化が問題となっている。10年後のハンターの推移やこれに対する対策はどうか。
【事務局】
ハンターの問題については、全体の数の減少、若い担い手の不足による高齢化の進行、捕獲体制の強化が非常に大きな課題である。県としては、狩猟免許試験を地域で開催し、裾野を広げるとともに、免許を習得したあとの技術向上対策として、講習会・研修会等を実施するなど、担い手確保に向けての様々な対策を行っている。今後もさらなる対策を考えていきたい。
【委員】
ハンターの人数や平均年齢はどうか。
【事務局】
昨年、狩猟者登録をされた方は3,450人。年齢構成でいうと、60歳以上の方が6割強という状況である。
【委員】
若い人達をいかに呼び込むかが課題だが、地元に若い人がいない。これは、鳥獣行政だけの話でなく、地域全体の大きな課題である。
【委員】
捕獲した野生鳥獣の肉をどうするのか。今までの経過と現在の状況についてお聞きしたい。
【事務局】
狩猟等に伴う野生鳥獣肉は、現在、原発事故による放射性物質の関係から県内全域で出荷制限がかかっており、市場には流通していない。
県では、定期的に野生鳥獣肉の放射性物質検査を行っており、基準値を超えるものがあるか等を検査し、毎月、公表している。
出荷制限を解除するためには、一定期間、安定して基準値を下回ることが条件であるが、現状では解除できるレベルまで下がっていない。放射性物質の半減期は長く、この検査は今後も継続して行っていく。
4 閉会
略
以上