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平成21年度水生生物調査について
1 目的
川の中には様々な生物がすんでいますが、それらの生物(水生生物)の中には、水の汚れなどに敏感なものもいます。例えば、サワガニはきれいな水にすみますし、逆にアメリカザリガニはきたない水を好みます。こうした水生生物(指標生物といいます)の種類を調べることにより、その水がきれいであるか汚れているかがわかるのです。
水質を測るにはこのほかにも様々な方法がありますが、この方法には水生生物を実際に水に触れて調べてみることにより、自然と親しむことができるという長所があります。
この調査を通じて身近な川のきれいさや汚れ具合を知るとともに、川を守り、よくすることについて考えてみることにより、環境問題に興味をもってもらうことが目的といえるでしょう。
2 調査方法等
(1)調査方法
環境省水環境部、国土交通省河川局編「川の生きものを調べよう(水生生物による水質判定)」に基づいて実施しました。
(2)参加団体
県内のこどもエコクラブや小中学校などの団体に参加を呼びかけたところ、17団体の参加がありました。
(3)調査地点
参加団体が選んだ県内15河川ののべ21地点
(4)調査期間
平成21(2009)年6月~11月
3 調査結果概要
(1)参加人数及び調査河川名
番号 |
団体名 |
参加人数 |
調査河川名 |
---|---|---|---|
1 | 鮎川調査観察協会 | 44人 | 神流川 |
2 | 安中市立臼井小学校 | 11人 | 碓氷川 |
3 | 金古エコクラブ | 22人 | 井野川 |
4 | 河中クラブ | 3人 | 荒砥川 |
5 |
環境アドバイザー高崎地区会 |
22人 |
井野川 |
6 |
コープぐんま こどもエコクラブ |
38人 |
三波川 |
7 | しらさわエコキッズクラブ | 16人 | 白沢川 |
8 | 高崎北小学校エコクラブ 地球防衛隊 | 40人 | 烏川 |
9 | 高崎市立下室田小学校 | 35人 | 烏川 |
10 | 特定非営利活動法人 観音山丘陵調査 | 39人 | 雁行川 |
11 | なんきつ子どもエコクラブ | 26人 | 赤城白川 |
12 | 新田環境みらいの会 | 11人 | 石田川 |
13 | 箱島こどもホタレンジャーの会 | 21人 | 鳴沢川 |
14 | 前橋市児童文化センター 環境冒険隊 | 35人 | 赤城白川・利根川 |
15 | まめきっずクラブ | 7人 | 藤木川 |
16 | 元総社エコクラブわんぱく探検隊 | 100人 | 牛池川 |
17 | 八幡エコ調べ隊 | 11人 | 南牧川 |
計 |
17団体 |
延べ481人 |
計15河川 |
(注)団体名50音順
(2)水質階級別地点数
次の表に示すように「きれいな水」(水質階級1)が13地点(61.9%)、「少しきたない水」(水質階級2)が5地点(23.8%)、「きたない水」(水質階級3)が2地点(9.5%)、「大変きたない水」(水質階級4)が1地点(4.8%)となっています。
水質階級 |
地点数(割合) |
|
---|---|---|
きれいな水 | 1 | 13地点(61.9%) |
少しきたない水 | 2 | 5地点(23.8%) |
きたない水 | 3 | 2地点(9.5%) |
大変きたない水 | 4 | 1地点(4.8%) |
合計 |
21地点 |
(3)指標生物の出現状況
指標生物の出現状況を次の表に示しました。
出現回数が多かったのは、ヒル(19回)、カワゲラ(18回)、ヒラタカゲロウ(18回)、ウズムシ(17回)、サワガニ(13回)、ヘビトンボ(13回)及びコガタシマトビケラ(11回)です。
出現回数が無かったのは、アミカ、オオシマトビケラ、チョウバエでした。なお、イシマキガイ、ヤマトシジミ、イソコツブムシ、ニホンドロソコエビについては、海水の少し混ざっている汽水域の生物であり、内陸部には生息しません。また、イソコツブムシの中には湧水にすむ淡水性の種もいますが、本調査では汽水域に生息するもののみを調査対象としています。
全体で見ると、水質階級1に含まれる指標生物が、全体の51%を占めているという結果になりました。
水質階級 |
指標生物の種類 |
出現回数 |
出現率 |
---|---|---|---|
1 きれいな水 | 1 アミカ | 0 | 0.0 |
2 ウズムシ | 17回 | 8.9% | |
3 カワゲラ | 18回 | 9.4% | |
4 サワガニ | 13回 | 6.8% | |
5 ナガレトビケラ | 8回 | 4.2% | |
6 ヒラタカゲロウ | 18回 | 9.4% | |
7 ブユ | 2回 | 1.0% | |
8 ヘビトンボ | 13回 | 6.8% | |
9 ヤマトビケラ | 9回 | 4.7% | |
2 少しきたない水 | 1 イシマキガイ(汽水域) | 0 | 0.0 |
2 オオシマトビケラ | 0 | 0.0 | |
3 カワニナ | 8回 | 4.2% | |
4 ゲンジボタル | 1回 | 0.5% | |
5 コオニヤンマ | 9回 | 4.7% | |
6 コガタシマトビケラ | 11回 | 5.7% | |
7 スジエビ | 3回 | 1.6% | |
8 ヒラタドロムシ | 10回 | 5.2% | |
9 ヤマトシジミ(汽水域) | 0 | 0.0 | |
3 きたない水 | 1 イソコツブムシ(汽水域) | 0 | 0.0 |
2 タイコウチ | 3回 | 1.6% | |
3 タニシ | 3回 | 1.6% | |
4 ニホンドロソコエビ(汽水域) | 0 | 0.0 | |
5 ヒル | 19回 | 9.9% | |
6 ミズカマキリ | 2回 | 1.0% | |
7 ミズムシ | 7回 | 3.6% | |
4 大変きたない水 | 1 アメリカザリガニ | 10回 | 5.2% |
2 エラミミズ | 1回 | 0.5% | |
3 サカマキガイ | 5回 | 2.6% | |
4 セスジユスリカ | 2回 | 1.0% | |
5 チョウバエ | 0 | 0.0 |
(注)出現率とは、指標生物全体の出現回数(計192回)の中で、その指標生物がどれだけの割合を占めているかを表すものです。例えば、ヒラタカゲロウは18/192=約9.4%となります。
(4)調査河川・調査地点別水質階級
地点図番号 |
河川名 |
地点名 |
水質階級 |
調査団体名 |
---|---|---|---|---|
1 |
赤城白川 |
赤城白川水辺の広場 |
1 |
前橋市児童文化センター 環境冒険隊 |
1 |
赤城白川 |
赤城白川水辺の広場 |
1 |
なんきつ子どもエコクラブ |
2 |
赤城白川 |
細井新橋下 |
2 |
なんきつ子どもエコクラブ |
3 |
荒砥川 |
根古屋歩道橋上流 |
2 |
河中クラブ |
4 |
石田川 |
太田市新田大根町210番地付近 |
1 |
新田環境みらいの会 |
5 |
井野川 |
浜川運動公園東 |
2 |
環境アドバイザー 高崎地区会 |
5 |
井野川 |
浜川運動公園東 |
2 |
金古エコクラブ |
6 |
牛池川 |
元総社北小学校裏 水辺の楽校 |
4 |
元総社エコクラブわんぱく探検隊 |
7 |
牛池川 |
明神東公園 |
3 |
元総社エコクラブわんぱく探検隊 |
8 |
碓氷川 |
弁天岩付近 |
1 |
安中市立臼井小学校 |
9 |
烏川 |
烏川公園下 |
1 |
高崎市立下室田小学校 |
10 |
烏川 |
和田橋 |
3 |
高崎北小学校エコクラブ地球防衛隊 |
11 |
雁行川 |
雁行川千人かくれ |
1 |
特定非営利活動法人 観音山丘陵調査 |
12 |
神流川 |
浄法寺スポーツ公園脇 |
1 |
鮎川調査観察協会 |
13 |
三波川 |
小平河川公園の上流 |
1 |
コープぐんま こどもエコクラブ |
14 |
白沢川 |
水神様 |
1 |
しらさわエコキッズクラブ |
15 |
白沢川 |
水神様下 |
1 |
しらさわエコキッズクラブ |
16 |
利根川 |
敷島公園 |
1 |
前橋市児童文化センター 環境冒険隊 |
17 |
鳴沢川 |
箱島 |
1 |
箱島こどもホタレンジャーの会 |
18 |
南牧川 |
南牧中学校 |
1 |
八幡エコ調べ隊 |
19 |
藤木川 |
藤木公会堂付近 |
2 |
まめきっずクラブ |
(5)調査地点図
(6)調査の様子
【しらさわエコキッズクラブ】
白沢川での調査風景です。
川の水が冷たくきれいだったそうです。サワガニやイワナなどが見つかりました。
【安中市立臼井小学校】
碓氷川での調査風景です。
きれいな水の指標生物が多く見つかり、きれいな川であることが分かりました。
【前橋市児童文化センター環境冒険隊】
赤城白川での調査風景です。
見つかった生物のほとんどが、きれいな水の指標生物でした。
※調査結果の詳細についてはこちらをご覧ください。