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平成22年度水質汚濁事故の発生状況について
1.水質汚濁事故とは
水質汚濁事故とは、工場などでの機械の故障や操作ミス、交通事故や不法投棄などにより、河川へ化学物質や油が流れ込み、異常な水質が発生することをいいます。具体的には、川で大量の魚が死んでいる、油が浮いている、川が変色している、異臭がするなどです。
2.発生件数
平成22年度に県内で発生した水質汚濁事故総数は77件で、平成21年度と比較すると約18%の増加である。
年度別発生状況(平成13年~平成22年)
3.発生原因
原因不明が37件(48%)、人的ミスが25件(32%)、交通事故が5件(7%)、自然現象が3件(4%)、不法投棄が4件(5%)、その他が3件(4%)である。人的ミスは、工場・事業場での機械の故障や操作ミス等による油・化学物質等の流出事故が該当する。
原因別発生状況
4.種類別発生状況
油の流出が44件(57%)と最も多く、魚の死亡が11件(14%)、河川の白濁が6件(8%)、汚泥の流出が2件(3%)、化学物質の流出が8件(10%)、その他6件(8%)である。なお、「魚の死亡」は、魚病による魚のへい死や原因不明の魚のへい死についての分類であり、他に分類可能な魚のへい死事案(化学物質の流出、河川の白濁等)は含んでいない。
種類別発生状況
5.月別発生件数
発生件数が多かった時期は、4月~5月(合計24件)でした。特に4月、5月が10件を越えており、比較的多く発生しました。
4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 計 | |
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件数 | 10件 | 14件 | 7件 | 3件 | 7件 | 5件 | 7件 | 6件 | 4件 | 5件 | 5件 | 4件 | 77件 |
6.管内別事故件数
平成22年度については、東部環境事務所において発生件数が多く、県全体の約36%を占めた。
なお、各環境森林事務所・環境事務所において、事故による被害の拡大及び事故の再発を防ぐため、事故の状況や原因を調べ、その内容を水道事業者等の関係機関に通報するともに原因者が判明した場合は、原因者の指導を実施した。
平成21年度以降 | 中部 | 西部 | 吾妻 | 利根 沼田 |
東部 | 政令市 | 合計 | ||||||||||
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平成20年度以前 | 前橋 | 伊勢崎 | 渋川 | 高崎 | 藤岡 | 富岡 | 太田 | 桐生 | 館林 | 前橋 | 高崎 | 伊勢崎 | 太田 | ||||
平成22年度 | 11件 | 10件 | 1件 | 6件 | 28件 | 6件 | 7件 | 6件 | 2件 | 77件 | |||||||
平成21年度 | 6件 | 9件 | 0件 | 8件 | 23件 | 2件 | 5件 | 4件 | 8件 | 65件 | |||||||
平成20年度 | 0件 | 0件 | 1件 | 3件 | 1件 | 6件 | 1件 | 7件 | なし | 5件 | 13件 | 9件 | 4件 | 5件 | 12件 | 67件 |
7.水質汚濁事故防止のお願い
河川水は、水道水源、農業用水及び水産用水と私たちの生活に密接したつながりを持つものであり、河川に油や化学物質などが流れると、利水上の重大な被害をもたらします。
群馬県は、利根川の最上流部にあることから、下流都県にまで大きな影響を及ぼすおそれがあります。
事故の原因者には、対策及び処理に要した費用の負担が求められ、また、社会的な信用の低下も招くことになります。
水質汚濁事故は、機械の破損や操作ミスなどの人的ミスに起因するものが多く、日頃点検整備をしっかりすることで防げます。また、万一そのような事故が起こってしまったら、素早い対応により被害を最小限に食い止めることができます。水質汚濁事故は早期発見と、迅速な通報が大切ですので、日頃からの点検や通報先の確認等をお願いします。
水質汚濁事故を発見したらすぐに関係機関に通報してください。
もし川で魚が大量に死んでいる、油が浮いている等の異常を見つけたら、直ちにお近くの環境森林事務所(環境事務所)、土木事務所、市役所、町村役場、消防署等に通報してください。発見した場所や時刻、現場の状況等についてお知らせいただくよう御協力をお願いします。