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令和6年度第1回群馬県障害者差別解消推進協議会の概要
1 日時
令和6年10月22日(火曜日) 午後2時00分から午後3時30分まで
2 場所
群馬県庁昭和庁舎3階 35会議室
3 出席者
(1)群馬県障害者差別解消推進協議会委員
江村 恵子 (一社)群馬県手をつなぐ育成会
吉田 英子 群馬県重症心身障害児(者)を守る会
高橋 典子 群馬県精神障害者家族会連合会
山田 智子 群馬県自閉症協会
田名部 功 (公社)群馬県視覚障害者福祉協会
早川 健一 (一社)群馬県聴覚障害者連盟
細野 直久 群馬県せきずい損傷者協会
瀧本 理絵子 群馬県難病団体連絡協議会
川原 武男 (福)群馬県社会福祉協議会
眞下 宗司 群馬県身体障害者施設協議会
片山 和也 群馬県精神障害者社会復帰協議会
渡邊 秀臣 群馬県医師会
山本 聡 群馬弁護士会
浅見 昭二 群馬県人権擁護委員連合会
霜田 浩信 群馬大学共同教育学部
根上屋 智之 日本労働組合総連合会・群馬県連合会
小林 みつ江 群馬県商工会女性部連合会
大澤 伸一郎 群馬県中小企業団体中央会
吉田 道宏 群馬県市長会
小池 さつき 群馬県町村会
町田 道昭 前橋地方法務局人権擁護課
小林 弘樹 厚生労働省群馬労働局職業対策課
久保田 なぎさ 公募委員
(2) オブザーバー
高澤 延之 (公社)群馬県身体障害者福祉団体連合会
(3)事務局
中島 高志 健康福祉部長
島田 和之 健康福祉部福祉局長
齊藤 猛 障害政策課長
手嶋 純雄 障害政策課自立支援専門官
相馬 義昭 障害政策課社会参加推進係長
田宮 妙子 障害政策課社会参加推進係主幹
塩谷 朋弘 障害政策課社会参加推進係副主幹
北川 敦基 障害政策課社会参加推進係主事
(欠席)
杉田 安啓((公社)群馬県身体障害者福祉団体連合会)、滝沢 操(群馬県民生委員児童委員協議会)、荻野 美恵子((公社)群馬県知的障害者福祉協会)、坂庭 秀((一社)群馬県商工会議所連合会)、五十嵐 亮二((一社)群馬県経営者協会)、吉田 武(群馬県警察本部生活安全部生活安全企画課)
4 議事の概要
(1)開会
- 午後2時00分、開会
- 県の情報公開制度に基づき、協議会を公開とすることを説明
- 審議内容の概要を県のホームページ等で公開することを説明
- 議事録作成のため、会議の内容を録音することを説明
(2)あいさつ
- 群馬県健康福祉部長 中島 高志
- 会長 川原 武男 委員
(3)議事(議事進行は川原会長)
- 群馬県における障害者差別解消の取組について
- 各当事者団体等に障害者差別解消に向けた取組状況等について
- 合理的配慮の提供事例等について
「群馬県における障害者差別解消の取組」及び「各当事者団体等の障害者差別解消に向けた取組状況等」、「合理的配慮の提供事例等」について、事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答を行った。
(早川健一委員・群馬県聴覚障害者連盟)
群馬県における障害者差別解消の取組における事業者向けPR活動については、大きな会社については周知できると思うが、中小の店舗等にはなかなか周知が難しいのではないかと思う。
電話リレーサービスを活用して、お店にパーティーの予約をしたけれども、そのお店の対応としては、耳が聞こえないという理由ですぐに受話器を切られてしまった事例があり、まだまだ障害に対する理解が足りないと感じている。
そういった小さな店舗にももっと周知していただければと思う。
(大澤伸一郎委員・群馬県中小企業団体中央会)
周知がなかなか進んでいないという御意見については、個別の個店の方々の対応については、十分には把握しきれていない状況だが、当団体としても周知活動を行っている状況である。ただ、当団体は事業協同組合の皆様の集まりの団体となっており、周知については、各事業協同組合を通じて情報提供を行っているような状況でワンクッション置いてしまうというところもあり、各事業者に対してなかなか完璧な周知まではできていない状況かもしれない。
そういった中で、まずこの障害者差別解消に向けた取組が必要と思われる旅館業やホテル業の方々にお声がけをして、障害者差別解消の研修会に参加いただきながら周知活動を行っている。
また、個店のお店については、大企業や中小企業においては人的資源の差等もあり、どこまで対応が可能かといったこともあるが、引き続き周知活動を進めていければと思う。
(小林みつ江委員・群馬県商工会女性部連合会)
ある事例を紹介すると、八ッ場ダム近くにあるキャンプ場ノアという会社では障害のある方への理解があり、障害のある子やその御家族がキャンプができるようサービスを行っており、その御家族たちにも大変喜ばれているといった事例があるので、そういった事例を随時情報提供できればと思う。
(田名部功委員・群馬県視覚障害者福祉協会)
合理的配慮に関する事例で、自衛隊における盲導犬等の身体障害者補助犬への対応で、感染症の恐れがあるため食堂に入ることに対して拒否されたケースがあり、こうした事例もあることも踏まえ、障害者差別解消推進に向けた周知活動についてお聞きしたい。
(川原武男委員・群馬県社会福祉協議会)
まず、感染症という部分で専門的な見地から県医師会の渡邊委員から御意見をいただければと思う。
(渡邊秀臣委員・群馬県医師会)
各診療所において、動物感染症についてはかなり温度差があるようで、動物感染症で影響が大きいものとして鳥インフルエンザがあるが、そういったものと盲導犬は別だということの周知は必要だと思う。県医師会としても、今回の御意見は会議で共有させていただきたい。
また、動物感染症に関することについては、獣医師会にも情報を聞いてみるとよいかと思う。
(事務局)
まず、身体障害者補助犬に関する周知については、今回の障害者差別解消法改正もあり、SNS等で周知活動を行い、まずは皆さんに補助犬の役割をはじめ、色々な施設に入れるよう衛生管理もしっかり行っている事等を知っていただけるよう取組を進めている。
また関連部署では、今年度は「もっと知って!盲導犬」といったイベントをイオン高崎で行い、盲導犬の役割等について理解を深めてもらう取組も行っているが、まだまだ周知活動に取り組んでいく必要があると感じている。
早川委員からの御意見については、各事業所への出前講座を行ったり、今年度は全国ろうあ者体育大会が群馬県で開催され、その開催地の一つであった前橋市では、飲食店での対応で、コミュニケーションボードを使って注文を行えたり等、色々な工夫のある取組もしており、費用をかけなくても、少し工夫をすることによって、障害のある方への対応ができることも含めて周知活動を行っていければと思う。
(江村恵子委員・群馬県手をつなぐ育成会)
学校におけるある相談事例で、オンライン授業やテストの個別対策など、本人の希望の申し入れを行ったが、学校側との連携が上手くいかないとの相談があり、地域の手をつなぐ育成会や権利擁護センター等にも話をつなぎながら、少しずつ学校側との連携がとれるようになった事例があり、学びたいという心、気持ちに寄り添った学校側の支援体制の配慮も必要なのではないかと感じた。
また、障害者の選挙投票における投票所の支援体制については、以前と違って障害のある方に対しても大分配慮が進んできているが、ある事例では投票所の方が2人で対応してくれたが、障害のある方のその方にとっては負担に感じてしまったということがあり、障害の状況によっては、その人に合わせた対応が必要であることも各投票所において理解が進んでほしいと思う。
選挙は皆さんに平等に与えられた権利であり、投票所で投票するということは社会参加することでもあり、個別の対応で投票するということになっても、その障害を理解してもらえる絶好のチャンスでもあるので、何でも支援でなく、状況によって個別の配慮をいただけるような支援体制をお願いしたい。
(霜田浩信委員・群馬大学共同教育学部)
国立大学の場合は、先行して障害のある学生に対する支援体制の整備が進んでいる状況ではある。一方、私立大学ではこれまでも国立大学の取組を参考に取り組んでいくことが奨励されていたが、「改正障害者差別解消法」を契機に正式に取組を進め始めているところがあると思う。
その中で一つ希望が持てるのは、国立大学における支援体制がきちんと進んでいるということであり、私立大学においても、その国立大学の例を参考にしながら、支援体制を整えていくことが可能になっている状況である。今後、私立大学においても障害のある学生たちが学びやすい環境が整っていってほしいと思う。
(事務局)
選挙の関係については、県の選挙管理委員会の方で取組を行っており、例として特別支援学校における選挙の出前授業を行っており、模擬投票を行っている。
令和5年度では、特別支援学校13校に出前授業を行っており、今年度は9校で実施をする予定である。また、今年に入り、1福祉施設で試行的に模擬投票を行った。
(吉田道宏委員・群馬県市長会)
選挙関係については、相手側からの支援が必要という申し出があった場合にお声がけいただき、個別の対応を行っている状況である。
(山田智子委員・群馬県自閉症協会)
学校教育における障害のある方への理解や学び、また教員養成等においてどのような取組を行っているのか教えていただきたい。
(事務局)
学校現場や教育委員会に対して出前講座を行ったり、県で行っている障害平等研修に学校の先生にも参加いただきながら、障害のある方への理解促進に取り組んでいる。
(霜田浩信委員・群馬大学共同教育学部)
現場で働いている先生たちの研修内容は自治体ごとで企画・実施されており、障害のある方に関する研修については、年間計画の中に含まれていると考えられる。ただ、すべての先生たちを対象としているものもあれば、任意参加としているところもあり様々である。
ここ数年は特別支援教育や障害のある方との共生社会を目指していくという研修がとても盛んに行われている。先生方の指導技術に直結することが今後の課題かと思う。
また、教員養成段階については、すでに教育学部の教員養成の中で特別支援教育に関わる科目は必修として位置付けられている。教育現場でも少しずつ取組が広がることを願いたい。
(片山和也委員・群馬県精神障害者社会復帰協議会)
学校で子供が障害当事者の方からの話を聞いて学んできたことを聞いて、親も一緒に勉強する機会にもなっており、地域差もあるかと思うが、もっとこうした取組が広がっていくとよいと思う。
(眞下宗司委員・群馬県身体障害者施設協議会)
当施設で障害者雇用で相談支援専門員として働いている方がいるが、研修など出向いた先での配慮や対応を聞くと、なかなか合理的配慮の申し出を言いづらい状況もあるようで、障害者の方が働きやすい環境ということを考えていくのも大切かなと思う。
(細野直久委員・群馬県せきずい損傷者協会)
障害平等研修については、県内でも多くの方が受講しており、小学校、中学校、高校、大学など多くの場所で行い、約2万人が受講している。
また、本研修会は東京パラリンピックのボランティアの方々も受けていることや、2025年デフリンピック聴覚障害者の世界大会が日本でもあるという流れの中で、障害平等研修については、引き続き多くの方に受けてもらえるよう取組を進めていただければと思う。
(久保田なぎさ委員・公募委員)
本日の意見交換の中で話のあった選挙については、障害のある方が行きたいと思っても、投票所で階段があってエレベーターがない等、環境面での制限で何かをしたいという気持ちが実現されないという状況に危機感を感じている。
また、特別支援教育の観点からは、実習に行った際に特別支援学級に障害のない子たちが遊びにきたり、交流をしたりしている様子を見て感じたこととして、お店で白状を持っている方や車椅子の方、盲導犬を連れている方たちが同じ場所で楽しく一緒に食事をしている光景を目にすることがあたりまえになれば、障害の分け隔てない共生社会の実現にもつながるのではと感じ、教員を目指す身としても皆さんの御意見を聞いて身が引き締まる思いになった。
(根上屋智之委員・日本労働組合総連合会群馬県連合会)
県での取組での説明の中で、県民に対する広報・啓発活動における平成30年度に作成された「心をつなぐハンドブック」を更新して、新しく配布する予定があるか。
(事務局)
「心をつなぐハンドブック」については、今回法改正により合理的配慮が義務化されたことに伴い、昨年度の3月に更新をしているが、冊子としては配布しておらず、県ホームページに更新したものがあるので参考にしていただければと思う。
(4)閉会
午後3時30分、閉会