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群馬県環境基本計画2021-2030
計画策定の趣旨と考え方
群馬県では、1996(平成8)年10月に制定した「群馬県環境基本条例」に基づいて、1997(平成9)年2月に、本県における環境行政の指針となる最初の「群馬県環境基本計画」を策定しました。
県では、1996(平成8)年から2005(平成17)年までを計画期間とするこの基本計画に沿って、大量生産、大量消費、大量廃棄社会を見直し、環境との調和、持続的に発展する社会を目指して各種の環境施策を進めてきました。
2006(平成18)年3月には、実践・実行を念頭に置いた「群馬県環境基本計画2006-2015」を策定し、「群馬の豊かな自然を守り、育む」「環境への負荷が少ない循環型社会をつくる」「自主的取組と各主体間の連携を進める」の基本目標のもと、環境に関する取組を推進しました。
その後、中間年にあたる2010(平成22)年度に、計画の理念や基本的な考え方は継承しつつ、今日的な視点から必要な見直しを行い、「群馬県環境基本計画2011-2015」として改定しました。
2016(平成28)年3月には、現行計画の「群馬県環境基本計画2016-2019」を策定し、「豊かで持続的に発展する環境県群馬を目指して」をメインテーマとして、県民生活の水準を維持増進させつつ、温室効果ガスやごみ等の環境に負荷を与えるものの排出が抑制された、質が高く持続可能な環境県づくりを目指してきました。
また、この間に新型コロナウイルスの感染拡大や、これに伴うデジタル化をはじめとするニューノーマル(新常態)への転換、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組など、社会経済情勢が大きく変化している中で、これらに対応した新たな環境行政の展開が必要になってきています。
そこで、このような社会経済情勢の変化等に対応し、これまでの環境行政の取組の成果や県民意識の変化などを踏まえて、新たな基本計画を策定するものです。
- 長期的視点に立ち、ぐんまの環境のあるべき姿や目標を示す。
- あるべき姿や目標の達成に向け、計画期間内に取り組む施策を明らかにする。
- 環境・経済・社会の課題を統合的に解決することを目指すSDGs(持続可能な開発目標)の考え方も活用し、施策を推進する。
- 「ぐんま5つのゼロ宣言」実現のための取組は、重点取組に位置付け、強力に推進する。
計画の概要
計画の期間
令和3年度から令和12年度までの10年間
計画の構成
第1章 計画の基本的事項
- 計画策定の趣旨と考え方
- 計画の性格と役割
- 計画の期間
- 計画の構成
第2章 計画の基本方向
- 群馬県の環境行政を振り返って(2016-2019)
- 群馬県の環境の現状
- 群馬県の特色
- 時代潮流
- 県民の意識
第3章 群馬県が目指す将来像と計画の基本的目標
- 2040年に向けた群馬県の環境の将来像
- 目指すべき群馬県の環境の姿
- 計画の基本指針
- SDGsの考え方の活用
第4章 施策体系と重点取組
- 施策の柱(4本柱)と重点取組
第5章 施策・事業の展開
第1節 地球温暖化対策の推進
- 脱炭素社会の実現に向けて
- 気候変動適応策の推進
- 再生可能エネルギーの導入促進・地産地消
- 水素利用の普及促進
- 二酸化炭素吸収源対策
- フロン類排出抑制対策
第2節 持続可能な循環型社会づくり
- 5Rの推進
- 廃棄物等の適正処理の推進
- 災害廃棄物処理体制の強化
- 持続可能な社会を支える人づくり
- 多様な主体との連携・パートナーシップの強化、自主的取組の拡大
第3節 自然との共生と森林(もり)づくり
- 生物多様性の保全
- 生態系に応じた自然環境の保全と再生
- 野生鳥獣対策と外来生物対策への取組
- 自然とのふれあいの拡大
- 森林環境の保全
- 里山・平地林・里の水辺の再生
第4節 安全・安心で快適な生活環境づくり
- 水環境・地盤環境の保全、土壌汚染対策の推進
- 大気環境の保全、騒音・振動・悪臭の防止
- 有害化学物質による環境リスクの低減
- 放射性物質への対応
- 快適な生活環境の創造
第6章 進行管理
2040年に向けた群馬県の環境の将来像
「豊かで持続的に発展する環境県ぐんま」
「豊かで持続的に発展する環境県ぐんま」とは、県民生活の水準や利便性、豊かな自然環境がもたらす潤い等は向上させながら、本県の風土や地域に根ざした環境がもたらす人の交流や相互の支え合い、資源・エネルギー等の循環等を基盤とし、地域で生まれ、育ち、地域で安心して暮らし続けられる持続可能な社会づくりに取り組むことと定義します。本計画では、その実現を目指すこととします。
また、社会経済情勢が大きく変化している時代にあっても、将来像の実現に向かう施策展開により、環境・経済・社会の課題を統合的に解決するSDGsの考え方に基づき、環境と経済の好循環により脱炭素・循環型社会を実現する、持続可能な自立分散型のぐんまを目指すことを本計画の基本方向とします。
新計画の特徴
- 「ぐんま5つのゼロ宣言」実現のための取組は、重点取組に位置付け、強力に推進
- 新型コロナウイルス感染症対策やデジタル化の視点を追加
- SDGsの考え方(複数課題の統合的解決、バックキャスティング)を活用し、施策を推進