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環境学習推進基本指針(第2章)
平成17年度に実施した「環境問題に関するアンケート調査」の結果によると、県民の関心が高い社会問題として、「地球規模の環境問題」が、「福祉」、「経済」についで第3位に位置しています。その他にも、ごみ問題や河川の汚濁等、身近な環境問題に対する関心も高い水準にあります。
こうした状況を反映した形で、近年、県内においてはさまざまな主体によって環境学習等が活発に実施されるようになってきています。
例えば、ボランティア団体やNPO等によって、自然観察会や体験学習会が企画されたり、地域の環境美化や河川の調査・清掃活動なども行われています。群馬県の「地域環境学習事業」は、県に登録した環境アドバイザー等が中心になって地域に根ざした環境学習を企画・実施するものですが、平成11年度から平成16年度までの6年間で、この事業への参加者は、延べ35,000人を越えました。
学校では、従来から環境学習が実施されてきていますが、とくに平成14年度から本格的に導入された「総合的な学習の時間」においては、児童生徒が主体的に考え、体験を通した環境学習が行われるなど、内容も充実してきています。
また、企業等においても、環境をテーマにした社員教育を積極的に行う例が増えており、職員を学校や地域に派遣して行う出前環境講座の実施等の取組も見られます。
その他に、博物館などの教育施設や清掃工場、自然のフィールドなど特定の場所を活用した環境学習会も企画・実施され、一定の成果をあげてきています。
しかし一方で、前記の「環境問題に関するアンケート調査」によると、県民の環境問題に関する情報源としては、新聞やテレビ、県・市町村の広報紙、書籍類等が圧倒的に多いという結果も出ており、体験や行動を主体とした環境学習の機会はまだ十分とは言えません。また、環境学習を実施する各主体間の連携についても、なお一層の強化が課題となっています。
このように、近年、県内における環境学習は活発化してきていますが、今後更に実効ある学習を推進するためには、次の6つの点が課題として考えられます。
- 成長段階に応じた体系的な環境学習の推進
- 生活の場や地域、職場等にあるさまざまな素材を十分に生かした環境学習の推進
- 人と環境のかかわりについて、総合的かつ科学的な理解を深めるための情報や場の提供
- 地球規模の環境問題に対する主体的な理解の促進
- 行動につながる環境学習の推進
- 環境学習を実施する各主体間の連携、情報の共有化