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令和6年度 病害虫情報 第4号(イネカメムシ)

更新日:2024年7月19日 印刷ページ表示

令和6年度 病害虫情報 第4号(イネカメムシ) (PDF:740KB)

イネカメムシ 注意 

県東部地域で、「イネカメムシ」が水田に侵入している事例が多く見つかっています。水田への侵入を確認したら、「イネカメムシ」の防除適期(図1)を踏まえた薬剤防除の徹底をお願いします。※今後、生息域が東部地域以外にも拡大する可能性が大きいので注意が必要です。

1 イネカメムシとは

  1. 成虫の体長12~13ミリメートルの大型の斑点米カメムシです。
  2. 加害時期は、他の斑点米カメムシ類より早く、イネの出穂始めから加害します。
  3. 出穂始めに加害されると不稔が発生しやすくなります。
  4. 穂揃期~入熟初期に加害されると斑点米を発生しやすくなります。そのため、イネカメムシが水田に侵入し、加害されたイネは「不稔による大きな減収」や「斑点米による品質低下」が発生します。
  5. またイネへの嗜好性が強く、イネ科雑草に寄生する個体は少ないため、水田周辺の畦畔雑草管理では発生密度を低減できません。そのため、防除適期にあわせた本田防除が必要となります。

2 イネカメムシの侵入が確認された水田の防除適期(図1)

  1. 1回目の防除:出穂始め~出穂期の薬剤防除が重要になります。(不稔による大きな減収の防止)
  2. 2回目の防除:出穂8日後に再度、薬剤防除を行います。(斑点米による品質低下の防止)

【注意】イネのカメムシ類に適用のある農薬のうち、豆つぶ剤、粒剤は防除適期の2日前を目安に散布します。なお、粉剤、液剤は防除適期に散布します。

イネカメムシ(写真1)

写真1 イネカメムシ

イネカメムシの防除適期(図1)の画像

図1 イネカメムシの防除適期

【参考】イネカメムシ以外の斑点米カメムシ類の防除適期は、次のとおりです。

1回目の防除:穂揃い期(侵入が多い時期)

2回目の防除:1回目防除の1週間~10日後

3 県内の発生状況(7月15日現在)

  • 県東部地域の状況
    ​水田への侵入 :調査した12点のうち7地点で確認しました。
    雑草地での生息:調査した12地点のうち8地点で確認しました。
    越冬地 :調査した8地点のうち8地点の越冬地を確認しました。
  • その他の地域
    トラップ調査 :前橋市の予察灯(注1)で、6月24日に1頭の捕獲がありました。

(注1) 予察灯:白熱電球を点灯し、その光に集まる虫を捕獲する装置

4 防除上の注意点

  • 周辺水田より出穂期がとても早い、またはとても遅い水田では被害が集中することがあるので注意が必要です。被害が集中しないように、周辺よりも極端に早い、あるいは遅い水田はイネカメムシの飛来にが集中しないように注意してください。
  • 防除後、産卵された卵からふ化した幼虫の発生や、成虫が再飛来することがあるので、幼虫や成虫の発生を認めたら追加防除をしてください。
  • ふ化直後の幼虫は小さく、発生に気づかない場合があるため水田内をよく観察してください。
  • 防除を行う際は、イネカメムシが侵入している水田を広域的に防除すると効果が高くなります。
  • 今後1か月の気象予報(7月18日気象庁発表)によると、平年に比べ気温が高い確率80%であり、斑点米カメムシ類が発生しやすい気象条件が予報されています。
  • 付近に養蜂業を行っている地域は、農薬散布時に養蜂業者と調整をとり、蜜蜂への影響を軽減させるために、蜜蜂の活動が最も盛んな時間帯(午前8時~12時まで)を避け、可能な限り早朝または夕刻に行うなど対策を取る。

水田内のイネカメムシ(写真2)

写真2 水田内のイネカメムシ(令和6年撮影)

ふねんのため、穂がたれずに立ったままの状態(写真3)

写真3 不稔のため、穂がたれずに立ったままの状態(令和5年撮影)

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