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令和6年度発生予察注意報 第2号(オオタバコガ)
更新日:2024年6月13日
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令和6年度 発生予察注意報 第2号(オオタバコガ)(PDF:530KB)
1 注意報の内容
- 発生地域 栽培地域全域
- 発生量 やや多い
2 注意報発表の根拠
- 県内6地点に設置したフェロモントラップ調査において、前橋市江木町、伊勢崎市西小保方町、藤岡市本郷、東吾妻町植栗、昭和村糸井の5地点では、平年より早い時期から誘殺数の増加が見られ、4月~5月の誘殺数も平年より多く推移しています(図1~5)。太田市前小屋町では、平年並の4月下旬から誘殺数が増加し、5月の誘殺数は平年並に推移しています(図6)。
- 4月~5月頃に誘殺される成虫は越冬世代成虫であり、その誘殺数は、平年より早く、かつ多く見られました。このことから、越冬世代の産卵時期が早く、産卵する卵の数が多くなると考えらえます。
- その結果、越冬世代の子世代である第一世代幼虫の発生時期(6月頃)が早くなり、数も多くなる可能性があり、今後の被害が予想されます。
- すでに露地ナス、雨よけトマト、レタスで幼虫による食害が確認されています。
- 向こう1か月の気象予報(6月6日発表)によると、平均気温は高い確率70%であり、本虫の成育に好適な条件が続く見込みです。
3 防除対策
- オオタバコガは、幼虫(写真1)が果実や花蕾、結球の内部に食入し(写真2)、被害となります。
- そのため、防除適期はふ化してから食入する前の短い期間となります(食入した後は農薬がかかりにくくなります)。こまめにほ場を見回り適期に防除を行ってください。
- 施設栽培では、開口部に防虫ネット等を張り、成虫の侵入を防いでください。
- ナスやトマト等果菜類の被害果、レタスや花き類等の被害株は、内部に幼虫が生息している場合があるので、必ずほ場外へ持ち出して適切に処分してください。
- 第一世代以降の幼虫の発生が平年より早く、かつ多くなると予想されるため、防除時期に注意しましょう。
4 防除上の留意点
- 薬剤抵抗性の発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続散布を避けてください。
- 農薬の散布にあたっては、必ず農薬のラベルに記載されている使用方法、注意事項を確認して適正に使用し、他の作物等への飛散に十分注意してください。
語句説明
「誘殺数」 :フェロモンによって引き寄せられ、粘着トラップに捕殺された数
「第一世代」:越冬世代成虫から産生される世代
写真1 オオタバコガ幼虫
写真2 ナス果実に食入するオオタバコガ幼虫
図1 前橋市江木町
図2 伊勢崎市西小保方町
図3 藤岡市本郷
図4 東吾妻町植栗
図5 昭和村糸井
図6 太田市前小屋町