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令和6年度発生予察注意報 第1号(果樹カメムシ・チャバネアオカメムシ)
更新日:2024年5月23日
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令和6年病害虫発生予察注意報第1号(果樹カメムシ類(チャバネアオカメムシ))(PDF:437KB)
1 注意報の内容
- 発生地域 県内全域
- 発生量 多い
2 注意報発表の根拠
- 本県の主要な果樹カメムシ類であるチャバネアオカメムシ(図6)について、今年1月に県内8か所で実施した落葉中の越冬量調査の結果、平年より多くの越冬成虫が確認されました(表1)。
- 県内に7地点設置したフェロモントラップについて、平年より早い4月下旬から誘殺数が増加し、その後減少しましたが5月中旬から再び増加し、5月第4半旬の誘殺数は5地点において平年を上回っています(図1~5)。
- 以上から、本年は越冬した個体が多く、気温の上昇とともに活動がさらに活発になり、多くの成虫が果樹園に飛来する可能性が高いです。今後1ヶ月の気象予報では、気温が高い確率40%です(5月23日 気象庁発表)。
3 防除対策
- 収穫期直前のウメ、オウトウや、果実肥大期をむかえるモモ、スモモなどへの飛来し加害が予想されるため、特に注意が必要です。ナシやリンゴへの飛来は6月下旬頃までは散発的ですが注意してください。
- チャバネアオカメムシの飛来状況は果樹園によって大きく異なりますので、発生状況に応じて農薬散布等の防除を行ってください。園内外を見まわり、早期発見・早期防除など適切な対応に努めてください。
- ナシ園等では多目的防災網(4ミリメートル目合以下)を速やかに完全展張し、園全体をすき間無く被覆しましょう。有袋栽培では、袋掛けを早めに行いましょう。
- 有袋栽培では、袋掛けを早めに行いましょう。
4 防除上留意すべき事項
- チャバネアオカメムシは夜行性のため、農薬の散布は夕方または活動の鈍い早朝などに行ってください。
- 過度な農薬散布は、ハダニ類やカイガラムシ類の天敵を減少させ、害虫の多発生を招くため、必ずカメムシ類の飛来を確認してから防除をしてください。特にピレスロイド系薬剤は、天敵への影響が大きいため多用を避けてください。
- 農薬の散布にあたっては使用基準を遵守し、他の作物等への飛散に十分注意するとともに、周囲の生産者や住民等への事前周知を徹底してください。
表1 チャバネアオカメムシ越冬量調査結果 (1月 県内8地点平均 頭/平方メートル)
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和5年 |
令和6年 |
平年 |
---|---|---|---|---|---|
1.29 |
0.04 |
1.67 |
0.08 |
2.50 |
0.79 |
図1 フェロモントラップへの調査結果 高崎市高浜町
図2 フェロモントラップへの調査結果 高崎市箕郷町
図3 フェロモントラップへの調査結果 渋川市渋川御影
図4 フェロモントラップへの調査結果 沼田市井土上町
図5 フェロモントラップへの調査結果 中之条町折田
図6 チャバネアオカメムシの成虫(体長10~12ミリメートル)