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夏秋キャベツ産地でのスマート農業導入の取り組み
要約
施肥マップをスマートフォンに表示して、これを参照しながら可変施肥を行う実証を行いました。
1.ねらいと背景
普及指導課では、グリーンな栽培体系への転換サポート事業(以下、グリサポ事業)を通じて、キャベツ生産における環境負荷軽減とスマート農機による省力化を進めるため、表土流亡のため生産が不安定なほ場で、スマートフォンとGPSソワーを用いた可変施肥の実証を行いました。
2.取り組み成果
昨年度のグリサポ事業で、三兼ライムソワ(畝立て同時施肥機)にGPS制御のソワーを搭載することにより、車速連動した可変施肥機能を追加しました。また、今年度は、この装置で農研機構と農業技術センターが作成した施肥マップをスマートフォン上に表示し、これを参照しながら施肥量を増減する実証を行いました。
処理は6月8日と18日に行いましたが、使い慣れたスマートフォンで、カーナビ同様の感覚で操作できることから、実証した生産者には好評でした。
また、この取り組みは、5月に開催された嬬恋村環境保全型農業推進協議会の総会においても、農業技術センターと普及指導課から生産者と関係機関へ、環境負荷軽減と安価に導入できるスマート農機の一例として紹介しています。
3.今後の方向
現在、嬬恋村のキャベツ栽培では、ドローンの利用やトラクターの自動操舵などのスマート農機導入への機運が高まりつつありますが、肝心の通信インフラ整備が十分でないため、利用できる技術は限られている状態です。今後は、それらの技術を整理しながらスマート農業の導入に向けた指導を行います。
処理の様子
スマートフォンに表示した施肥マップ