本文
群馬県農業農村振興計画2021-2025 年度別計画(令和6年度)
「群馬県農業農村振興計画2021-2025」における具体的な取組内容を明示し、成果及び進捗状況を検証するための年度別計画です。
本県の農業と農村が持つ可能性を最大限引き出し、持続的に発展させるとともに、未来に向けて農業者が元気に躍動し、県民誰もが豊かさを享受できるよう、総合的な施策を展開します。
令和6年度農政重点施策
環境負荷低減・資源循環型農業への転換・推進
持続的な農業に取り組む担い手の確保・育成、省力かつ低コストな技術開発、肥料・飼料の国産化、付加価値向上に向けた消費者理解促進や新たな販路開拓など、生産拡大から販売促進・消費拡大までの一貫した取組を通じて、農業関係者や消費者の行動変容と相互連携を促進します。
【持続的な農業に取り組む担い手の確保・育成、省力かつ低コストな技術開発】
1 環境負荷低減の取組と高付加価値化を目指す「新たな経営感覚を持った担い手」の確保・育成
- 県立農林大学校「ぐんま農業実践学校 有機農業コース」に加え、社会人コース「有機農業専攻(1年制)」を設置し、有機農業人材の確保・育成を推進
- 普及指導員等の環境負荷低減・資源循環型農業に関する高度な専門技術・知識による営農指導
- 有機農業等の就農相談、就農サポート体制の充実
- 環境負荷低減・資源循環型農業に必要な機械導入及び施設整備に係る費用補助
2 生産性と環境負荷低減を両立する生産体系への転換に向けた技術開発
- 環境への負荷が低く、低コストな無化学肥料栽培技術の開発・普及
- 減化学肥料栽培に向けた衛星データの活用による土壌の実態把握
- 省力かつ低コストな栽培管理に向けたスマート農業技術の実証・導入
【肥料・飼料の国産化による資源循環型農業の促進】
3 耕畜連携による堆肥・飼料の生産拡大及び利用促進
- 良質な堆肥の製造、耕畜間でのマッチングによる堆肥の広域流通の推進
- 生産組織等による県産飼料の広域流通促進、飼料の成分分析による品質向上
【リトリートとしての付加価値向上に向けた消費者理解促進・新たな販路開拓】
4 環境に配慮して生産された農産物に対する消費者理解促進
- オーガニックマルシェ(群馬県内)の開催
- 群馬県産有機農産物テスト販売(東京都内専門店)の実施
- 東京都内消費者向け農業体験ツアーの実施
- 有機農産物の学校給食利用による食育・地域内流通の促進
- 産直ECサイトやSNSでの情報発信による有機農産物等のPR
5 環境に配慮して生産された農産物の新たな販路開拓・消費拡大
- 都内量販店での有機農産物購入者向け消費者実態調査の実施
- 有機農産物の生産者をまとめてつなぐ集荷配送システムの実証・導入
- 生産者と小売店との意見交換会を実施
- 「ぐんま有機JAS農産物デジタルマップ」の活用による消費拡大
【基本施策】
未来につながる担い手確保と経営基盤の強化【人・農地】
■新たな担い手の確保・育成
- 長期農業体験や技術習得研修等、就農支援の実施による担い手確保
- 地域への定着に向けたサポート体制の強化
■地域農業を支える力強い経営体の育成
・地域農業の課題解決に向けて、新たな発想・技術を持つスタートアップ企業等との協業
■農地利用の最適化と生産基盤の整備
- 生産基盤整備事業を契機とした担い手への農地集積・集約化の推進
- 担い手の多様なニーズに応じた農地の区画拡大等の基盤整備
- 地域農業の在り⽅や農地利用の姿を明確化した「地域計画」の策定推進
次世代につなぐ収益性の高い農業の展開 【収益性向上】
■園芸産地等の競争力強化
- 県産いちごの生産拡大に向け、県立農林大学校のぐんま農業実践学校いちごコース新設による担い手確保、試験研究機関のスマート農業化施設整備、成分分析結果を活用した販売促進・PRや輸出促進等の一体的な推進
- 観光果樹園のPRやりんご新品種を核とした果樹振興
■強靱な畜産経営の確立
- 豚熱・鳥インフルエンザ等の特定家畜伝染病対策の強化
- ゲノミック評価を活用した優良繁殖雌牛の増頭・改良促進
■持続的な水田農業の展開
・優良種子確保、売れる米づくり、ぐんま型「水田フル活用」の推進
■スマート農業の普及促進
・アグリテック企業との連携による農業DXの推進
豊富で多彩な県産農畜産物の需要拡大 【需要拡大】
■県産農畜産物のブランディング・販路開拓推進
- G-アナライズ&PRチームによる「強み」や「特長」の明確化、消費者に対する的確な情報発信
- 首都圏における県産食材を利用した料理教室の開催
■農畜産物等の輸出促進による販路拡大
・「群馬県農畜産物等輸出促進戦略」に基づき、生産から輸出に至る各プロセスでの支援体制の構築
■食の地産地消の推進
・多様な地域資源を活用した農山村発イノベーションの推進
魅力あふれる農村の持続的な発展 【魅力度向上】
■多彩な地域特産物の生産振興
・養蚕の担い手育成・県産シルクの需要拡大、県産ブランドニジマスの生産拡大・養殖業者の育成
■防災・減災対策の強化
- 防災重点ため池の豪雨・地震に対する詳細調査の支援、改修・補強の実施
- 湛水被害を防止・軽減する排水施設整備の実施
■鳥獣被害防止対策の強化
・被害が甚大な地区(嬬恋村)で長野県との広域連携によるニホンジカ捕獲の実施
ニューノーマルがもたらす農村の新たな価値の創出【価値創出】
■「快疎」な空間としての農村地域を求める関係人口の拡大・深化
- 農泊事業者や観光団体等との情報交換、プロモーション活動の実施
- 地域資源を生かした新たな農泊モデルの創出
■農村協働力の深化による多面的機能の維持・発揮
・農業者や地域住民等による組織が実施する多面的機能の維持や地域資源の質的向上を図る協働活動への後押し