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令和5年度「群馬県環境基本計画2021-2030」取組状況調査報告

更新日:2023年9月20日 印刷ページ表示

1 調査概要

(1)目的

 「群馬県環境基本計画2021-2030」に定める施策展開の方向ごとに、個別事業の実施状況、環境指標の状況、目標の達成状況を経年的に把握、点検するとともに、環境基本計画の各節ごとに掲げる指標の数値を経年で把握することにより、今後の施策事業の効果的な推進や環境基本計画の見直しに役立たせ、本件環境行政に対する県民の理解を促進することを目的とする。

(2)調査対象事業及び調査対象年度

 調査対象事業は、環境基本計画の体系に基づく、環境関連施策216事業(再掲・終了事業等除く)であり、2022(令和4)年度の実績に対する調査である。

(3)調査年月

 2023(令和5)年6~7月

(4)調査方法

 下記1から3について、各事業担当課が進捗点検調査票を作成することにより実施。

  1. 各事業に関して、現状認識、事業のねらい、事業概要、今後の方針、課題
  2. 成果(結果)を示す指標の推移
  3. 事業評価

2 事業評価の集計結果

事業評価
事業評価/施策の柱 A:概ね妥当と考える B:部分的見直しが必要 C:大幅な見直しが必要 D:廃止、休止の方向
1 地球温暖化対策の推進 事業数 38 5   1
構成比(%) 86.4 11.3   2.3
2 持続可能な循環型社会づくり 事業数 56 7   1
構成比(%) 87.5 10.9   1.6
3 自然との共生と森林(もり)づくり 事業数 48 3    
構成比(%) 94.1 5.9    
4 安全・安心で快適な生活環境づくり 事業数 50 4 1 2
構成比(%) 87.7 7.0 1.8 3.5
計(216事業) 事業数 192 19 1 4
構成比(%) 88.9 8.8 0.5 1.8

▶廃止・休止方向の事業

  • 排出ガス規制適合車等の導入推進
  • 革新的な技術・ビジネスモデルの導入促進
  • 流通食品の放射性物質検査の実施
  • 農地土壌等の放射性物質の調査

3 施策展開の概要

(1)地球温暖化対策の推進

地球温暖化対策の推進関連事業一覧
項目 施策展開 2022(令和4)年度の主な取組状況 今後の方針、課題

1)脱炭素社会の実現に向けて

温室効果ガスの計画的排出削減

  • 約400事業者(延べ数)から「温室効果ガス排出削減計画」等の提出があり、内容の
    審査と公表を行った。
  • 出前講座等を実施し、地球温暖化の現状や対策についての普及啓発を実施した​。
  • 2023(令和5)年4月1日に特定建築物への再生可能エネルギー設備導入を含めた全ての規定が施行されるため、着実に運用していく。
  • 「地球温暖化対策の推進に関する法律」の改正や、国の「地球温暖化対策計画」の改
    定を受け、令和5年に計画を改定する。太陽光発電設備に対する促進区域に係る県基準の設定も検討する​。

省エネルギー対策の促進

  • Ea21(エコアクション21)地域事務局と共同で、Ea21認証・登録を目指すGS認定事業者を支援する「集合コンサルティング」を無料で実施し、Ea21へのステップアップを支援した。
  • (公財)群馬県産業支援機構の経営総合相談窓口においてマネージャーによる相談対応のほか、専門家派遣による支援を実施しており、環境マネジメントシステムの導入等に向けた支援を充実させている。
  • 「改正建築物省エネルギー法」及び住宅省エネルギー施工技術に関する講習会を国土
    交通省と連携して、対面により開催した(参加者数 104名)。
  • 引き続きEa21認証登録への意識啓発、支援を行うとともに、自治体イニシアティブへの参加率向上のため、事業のPR方法等を工夫する。
  • (公財)群馬県産業支援機構のビジネスサポートBaseぐんま“ココカラ”において、マネージャーによる相談対応や専門家派遣事業(中小企業119)等により、企業規模に見合った環境マネジメントシステムの導入を支援していく。
  • 引き続き、消費者向けの講習会の開催やチラシの配布による情報発信及び、住宅関連事業者向けの施工技術向上のための講習会等を開催し、住宅に関する省エネルギー対策の普及啓発を図る​。

自動車交通対策の推進

  • 新たな移動手段を導入するために必要な検討手法や知識等をまとめた手引き書に関する市町村担当者あての説明会の開催や、バス事業者や中小私鉄事業者への運行支援、鉄道駅のバリアフリー化、駅及び駅周辺の交通関連施設整備等の支援(ステーション整備)、交通系ICカード導入支援、バス情報オープンデータ活用イベント・研修会などを行った。
  • 1つのアプリで各交通サービスの経路検索や予約、料金の支払いが一括してできる群馬版MaaS「Gunmaas(グンマース)」を、前橋市域を対象に2023(令和5)年3月15日にリリースした​。
  • 公共交通は、県民の暮らしの足として必要不可欠であるとともに、自動車からの利用転換を図ることで二酸化炭素排出量の削減につながることから、引き続き、公共交通網の整備や維持に向けた取組を行っていく。
  • 「ニューノーマル」「DX」「2050年に向けた『ぐんま5つのゼロ宣言』」や移動手段の技術革新などの公共交通を取り巻く環境の変
    化を踏まえて、各事業の見直しを行う。
県民や民間団体の環境活動の促進
  • 県ホームページ、広報資料等を活用しセンターの活動を周知した。
    ・県内各地域で推進員活動の基礎的知識・技術の習得を目的とした研修を6回開催し、70名が参加した。
  • 地球温暖化の現状、温暖化防止に向けた対策・施策、推進員の活動報告等、推進員の今後の活動の参考になる情報を掲載した情報誌「推進員ニュース」を3回作成し、提供した。​
  • 地球温暖化防止活動推進センターは、地球温暖化の現状及び温暖化対策の重要性について啓発・広報活動を行うとともに、地球温暖化防止活動推進員及び温暖化防止活動を行う民間団体の支援も行う温暖化防止活動の重要な拠点であることから、引き続き、機会を捉えてセンター及びセンターの活動を広報し、活動を支援する。
  • 推進員は、地域における温暖化対策活動(自治会、町内会でのパンフレット配布・出前講座講師、所属団体での研修講師など)を行っており、家庭部門の温暖化対策の強化が求められる中、今後、その役割はます
    ます重要となってくることから、引き続き支援を継続していく​。
2)気候変動適応策の推進 気候変動の影響に対する適応策の推進
  • 気候変動影響やそれに対する適応策を紹介するため、適応レターを発行した。
  • 事業者向けに、気候変動適応の必要性を紹介する気候変動適応ビジネス講演を実施した。
  • 県のホームページシステムの改修に合わせ、適応センターのポータルサイトを県公式ホームページ内に作成した​。
  • 庁内の研究機関と連携し、気候変動影響の情報を収集し、それに合致した適応策の普及啓発を目指す。
  • 気候変動適応センターホームページの内容を拡充する。
3)再生可能エネルギーの導入促進・地産地消

地域における自立分散型電源の普及推進

  • 住宅用太陽光発電設備等導入資金融資制度を継続し、26件、総額52,870千円の融資を認定した。
  • 住宅用太陽光発電設備等共同購入事業を2022(令和4)年度も実施し、1,594件の申し込み、151件の成約に至った。
  • 住宅用太陽光発電設備等初期費用0円事業を継続し、6事業者の13プランが登録され、事業通算13件の成約に至った。
  • 電力価格高騰対策・再エネ導入支援事業費補助金を実施し、個人向け343件、総額69,274千円の補助金額を確定した。
  • 地域マイクログリッド事業「上野村モデル」のうち「グリッドA」の設備導入に向けた工事を実施した​。
  • 引き続き、制度融資・共同購入事業・初期費用0円事業を着実に実施する。
  • 電力価格高騰対策・再エネ導入支援事業費補助金の予算を繰り越し、追加募集を実施する。
  • 上野村及び関連事業者と連携し、引き続き地域マイクログリッドの構築を進める。
太陽光発電の導入促進

 太陽光発電事業者に県内の保守点検事業者の一覧を提供する仕組みを構築するため、継続して保守点検事業者を募集し、県ホームページに保守点検事業者の情報を公開している。

  • 引き続き、これらの取組を着実に実施する。
  • 2023(令和5)年3月に改正された保安規制について、周知を行う。
水力発電の導入促進
  • 事業者からの問合せなどに応じて、技術的な助言、活用できる国の補助金や県の融資制度についての情報提供、関係機関の案内等の支援に努めた。
  • 霧積発電所の建設に向け関係機関との調整を図るとともに実施設計を進め、現場作業に着手した。
  • 川場薄根発電所(仮称)建設事業に着手し、設計施工一括型により、工事業者との契約を完了した​。
  • 小水力発電の事業化に向けては、事業採算性の問題、利害関係者との調整や河川法などの法手続に時間を要するなどの課題もあることから、引き続き、技術的な助言、活用できる国の補助金や県の融資制度についての情報提供、関係機関の案内等の支援に努める。
  • 霧積発電所、川場薄根発電所(仮称)の建設を推進するとともに、新規発電所の可能性調査を継続して行っていく​。
木質バイオマス等の利用推進
  • 林業・木材成長産業化促進対策交付金を活用し、木質バイオマス施設等の整備支援を行う。
  • 排出事業者及び処理業者への立入検査等により、産業廃棄物の適正処理及びリサイクルの促進を指導した​。
  • 木質バイオマスエネルギーを利用促進する取組に対して引き続き支援を行う。
  • 産業廃棄物焼却施設の設置計画の動向を見ながら、発電施設等の導入による事前協議手続の一部緩和を検討する​。
再生可能エネルギー導入促進のための技術支援

 NPO法人に対し水力発電事業に関する情報提供を行ったほか、発電計画についての支援相談を受けた。

 依頼があった市町村等へは適切な技術支援を行っていく。

4)水素利用の普及促進

水素の利用促進

  • 製造業企業、金融機関、エネルギーインフラ企業、大学及び県の17団体から成るコンソーシアムを12月に設立し、意見交換会を3回開催した。
  • 「板倉ニュータウンにおける地域マイクログリッド事業及び水素利活用事業」としてプロポーザル方式による優先交渉者を選定した。
  • 関東経済産業局主催の「水素・燃料電池に係る情報共有会(1都10県参加、年2回開催)」に参加し、国や他都県での取組の把握を行った。
  • 関東経済産業局や民間企業と連携し、脱炭素ライフスタイルフェアにおいて水素利活用に係る取組やFCV(燃料電池自動車)の展示を行った。
  • 個別課題について議論する分科会を設け、意見交換会と分科会の議論を通じて各メンバーの取組を加速させるとともに、新たなビジネスモデルの構築を支援する。
  • グリーン水素の製造、貯蔵、利活用事業について、2024(令和6)年度の運用を目指し、設計、工事を進める。
  • 引き続き普及啓発に努める。​
5)二酸化炭素吸収源対策 森林等の整備・保全
  • 森林が有する多面にわたる公益的機能を持続的に発揮させるため、森林所有者等が実施する再造林や間伐等に対して支援し、再造林や間伐等の森林整備を実施した。
  • 治山事業やぐんま緑の県民基金事業等により公益的機能が高度に発揮できる森林の維持造成を行った。
  • ​森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、今後も皆伐再造林や間伐等の森林整備を推進する必要がある。
  • 本事業は、森林の公益的機能の発揮が図られることから今後も計画的に実施していく。
6)フロン類排出抑制対策 フロン類排出抑制対策の推進
  • 不用品回収業者について、県広報番組、ホームページ等による注意喚起を行ったほか、「不用品回収業者に気をつけて」をテーマに、
    出前なんでも講座を実施し、家電4品目の適正な回収方法や無許可業者への引渡し防止について啓発を行った。
  • フロン類回収業者に対し、「自動車リサイクル法」の作業を遵守しているか、施設が基準に適合しているかを確認するため立入検査を実施するとともに、無登録、無許可の疑いがある業者への監視指導を行った​。
  • 家電4品目の適正な回収方法と無許可の不用品回収業者への引渡し防止の住民啓発などを、市町村に対し依頼する。
  • フロン類回収業者に対し、立入検査を実施し、法令遵守の徹底を指導する。
  • 自動車リサイクル法の無登録の疑いがある業者、雑品スクラップを扱う業者への監視指導を実施する​。
地球温暖化対策の推進に関連する主な指標
指標名 計画策定時のデータ 最新のデータ 目標
年度 データ 年度 データ 年度 データ
温室効果ガス排出量
(排出削減量管理)
平成29 17,174千トン-Co2 令和元 16,752千トン-Co2 令和12 10,166千トン-Co2
環境GS認定等事業者数
(環境GS、Each21、ISO)
平成30 3,123事業者 令和4 2,850事業者 令和12 4,700事業者
再生可能エネルギー導入量 令和元 56億Kwh/年 令和3 63億Kwh/年 令和12 77億Kwh/年
燃料用木質チップ・木質ペレット生産量 令和元 119千立方メートル/年 令和3 157千立方メートル/年 令和12 163千立方メートル/年
間伐等森林整備面積 令和元 1,990ヘクタール/年 令和3 2,113ヘクタール/年 令和12 3,100ヘクタール/年

(2)持続可能な循環型社会づくり

持続可能な循環型社会づくり関連事業一覧
項目 施策展開 2022(令和4)年度の主な取組状況 今後の方針、課題

1)5Rの推進

5R(3R+Refuse+Respect)の普及啓発、県民運動等の推進

  • 群馬県環境情報ホームページ「Ecoぐんま」の3R宣言のページから、県民に継続して取り組むことのできる3Rの行動を宣言でき、日頃から3Rの活動を意識してもらえるように、名前入りの宣言書を印刷できる仕組みを設け、2012(平成24)年度から運営している。
  • まちの先生見本市(2022[令和4]年11月13日)で
    は3R宣言のブースを出展し、登録を呼びかけた。
  • 「第三次群馬県循環型社会づくり推進計画」に基づき、本県におけるごみの状況や減量化に向けた取組について、広報活動を行った。
  • 3Rにリフューズ(断る)、リスペクト(敬意を表す)の2つを加えた5Rとして県民への推進を図る必要がある。
  • 「第三次群馬県循環型社会づくり推進計画」に基づき、本県におけるごみの状況や減量化に向けた取組について、広報活動など更なる普及・啓発を進めていく。

廃棄物の発生抑制、資源循環の推進に向けた市町村都の連携

  • 「容器包装リサイクル法」に基づき、市町村分別収集計画を取りまとめ、「第10期群馬県容器包装廃棄物分別収集促進計画(2023[令和5]年度~2027[令和9]年度)」を策定した。
  • 容器包装廃棄物や使用済小型家電その他資源ごみについて、県民が利用しやすい回収方法(宅配回収など)、回収ルートの開拓、新たな回収拠点の整備及び既存の回収品目の拡大について、市町村に対し助言を行った。
  • 容器包装廃棄物や使用済小型家電その他資源ごみについて、県民が利用しやすい回収体制の構築や既存の回収品目の拡大に関しては、市町村の一般廃棄物処理計画立案時からの助言を行い、全県的な取組を図る必
    要がある。​

生ごみ、紙・布類のごみ等の減量・リサイクル

 県内市町村に対し、環境省からの通知を送付し、ごみ減量、リサイクルの推進に向けたより一層の取組を依頼した。

 市町村によって取組に差が大きいことから、先進的な事例等の情報提供を引き続き行う。それぞれの実情に合わせたごみの減量化の取組を推進するため、ごみが多い原因の追求を行い、施策の提案を行う。

リサイクル関連産業の振興
  • 再資源化に寄与するとともに周辺地域の生活環境への配慮がなされている再生利用施設への手続の簡素化を定めた「廃棄物処理施設設置事前協議制度」を適切に運用した。
  • 「産業廃棄物処理施設設備資金制度」等の事業者支援策を周知した。
  • 「2022(令和4)年度群馬県グリーン購入品目別購入ガイドライン」を制定し、全庁に周知した​。
  • 制度を適正に運用・周知することで、再生利用施設設置促進に向けて、事業者を支援する。
  • ガイドラインを作成、周知し、グリーン購入の推進に努める​。
バイオマスの活用推進
  • 県庁各部局で構成される「群馬県バイオマス利活用推進連絡会議」と協力・連携し、2021(令和3)年度のバイオマスの種類ごとの賦存量及び利用量の進捗状況調査等を実施した。
  • 本県に豊富に存在するバイオマスを有効活用した地域循環型システムの構築に向けて、国(農林水産省)の「みどりの食料システム戦略推進交付金」を活用し、地域内のバイオマス(事業系生ごみ)を活用したメタ
    ン発酵による発電施設の新設整備に向けた基本設計等を支援した​。
  • 県庁各部局で構成される「群馬県バイオマス利活用推進連絡会議」と協力・連携し、「第三次群馬県循環型社会づくり推進計画」(群馬県バイオマス活用推進計画)を総合的かつ計画的に推進する。
  • 引き続き、国(農林水産省)の「みどりの食料システム戦略推進交付金」を活用し、地域内のバイオマス(事業系生ごみ)を活用したメタン発酵による発電施設の新設整備を支援する。​
プラスチックごみの削減
  • プラスチックごみ発生抑制の啓発を目的として、3地点で河川水中のマイクロプラスチック調査を実施し、その結果を公表した。
  • 生分解性マルチフィルムを使用した実証ほ
    の視察による情報収集を行った。
  • 「脱炭素ライフスタイルフェアwithぐんま環境フェスティバル」に出展し、県内で製造されたプラスチック代替製品を紹介した。
  • 「容器包装リサイクル法」に基づき、市町村分別収集計画を取りまとめ、「第10期群馬県容器包装廃棄物分別収集促進計画(2023[令和5]年度~2027[令和9]年度)」を策定した。
  • 「プラスチック資源循環促進法」に基づくプラスチック使用製品廃棄物の分別収集等について、市町村の責務が十分果たされるよう必要な技術的援助を行った(国の先進的モデル形成支援事業への公募支援、特別交付税措置の情報提供等)​。
  • 「群馬県海岸漂着物対策推進地域計画」に基づき、県民が当事者意識を持ってプラスチックごみの発生抑制対策に取り組むよう、沿岸県と連携した啓発事業を行う。
  • 生分解性マルチフィルムを使用した実証ほのデータを活用し、普及啓発資材を作成する。
  • プラスチック代替製品を紹介し、プラスチック以外の素材への代替、再生プラスチックやバイオプラスチックの利用の促進を図る。
  • プラスチックごみの削減に積極的に取り組む県内事業者について、取組の状況把握と拡大支援を行っていく。
  • 「容器包装リサイクル法」及び「プラスチック資源循環促進法」に基づく市町村による
    プラスチック資源回収量を増加させるため、市町村の分別収集等に要する経費負担増に
    対する支援方法等の検討を進める必要がある。​
食品ロスの削減
  • 飲食店等を対象に、ドギーバッグの活用に取り組む店舗を募集し、食べ残しの持ち帰りの定着に向けた事業に取り組んだ。また、2021(令和3)年度のモデル事業で得ら
    れたモデル店の成果や導入ノウハウ等をまとめた事例集及び動画を作成・公開し、取組のPRを図った。
  • 食べきり協力店、「3きり運動」や「30・10運動」の実践を、広報媒体を活用して県民へ呼びかけた。
  • フードバンク同士の運営ノウハウや課題の共有を図るための意見交換会を実施(2023[令和5]年3月10日)した。
  • フードバンクと食品関連事業者とのマッチング支援の未利用食品マッチングシステムを運用した。
  • 県庁・ぐんま環境フェスティバルでフードドライブを実施(2023[令和5]年2月15~19日)した​。
  • 2022(令和4)年に作成した事例集や動画を活用し、食べ残しの持ち帰りの定着に向けた普及啓発を推進する。
  • 「食べきり協力店」登録店舗の拡充、「3きり運動」や「30・10運動」の実践について、市町村や環境アドバイザー、関係機関・団体等と幅広く連携し、各地域や事業者への浸透と取組の促進を図る。
  • 動画等を活用した情報発信によるフードバンク活動の認知度向上、2021(令和3)年に構築した未利用食品マッチングシステムの運用、フードバンク同士のネットワーク強化、活動空白地域におけるフードバンク新設支援に取り組む。
  • 県内全域にフードドライブの取組を拡大し、家庭等における未利用食品の更なる有効活
    用を図る​。
2)廃棄物等の適正処理の推進 一般廃棄物の適正処理の推進と処理施設の広域化
  • 一般廃棄物処理施設等の立ち入り検査を行い、市町村が実施する一般廃棄物処理に対する指導及び助言を行った。
  • 広域化による施設整備のための市町村の協議において助言を行った​。
  • 市町村担当者への研修及び情報交換により施設の効率的な維持管理の促進を支援する。
  • 立入調査等による施設の適正な維持管理のための監督指導を行う。
  • 交付金制度を活用した一般廃棄物処理施設整備を支援する。
  • 「群馬県一般廃棄物処理広域化マスタープラン」に基づき、一般廃棄物処理の広域化を推進する​。
産業廃棄物の適正処理の推進と処理施設の確保
  • 排出事業者及び処理業者への立入検査等により、産業廃棄物の適正処理及びリサイクルの促進を指導した。
  • 廃棄物処理施設の設置等に関し、事前協議規程を適切に運用し、地域理解の促進等を図った​。
  • 引き続き排出事業者及び処理業者への指導を行い、適正処理を推進させるとともに、優良処理業者の育成を図る。
  • 構築した廃プラスチック類のリサイクル処理業者のマッチングシステムを運用し、廃
    棄物の再生利用を促進させる。
有害物質を含む廃棄物の確実な処理の推進
  • 過去のアンケート調査で、PCB使用安定器の保管等を不明と回答した管理者とPCB使用安定器踏査業務の調査未了建物の管理者を対象に、PCB適正処理推進員による立入
    調査を実施した(高濃度PCB廃棄物等の掘り起こし調査は、2022[令和4]年度で終了)。
  • 高濃度PCB廃棄物等のうち、2022(令和4)年度末が計画的処理完了期限である変圧器・コンデンサー等は、新規発見されたものについて、期限内の処分委託完了に向けて、保管事業者に対し必要な指導等を行った​。
  • 低濃度PCB廃棄物等の掘り起こし調査として、低圧コンデンサーを所有する可能性が高い事業者を対象に、PCB適正処理推進員による訪問調査を実施する。
  • 新規発見された高濃度PCB廃棄物等について、中間貯蔵・環境安全事業(株)(Jesco)での処理体制が確保されている間に処分を完了させる。
  • 低濃度PCB廃棄物等について、処分期間内の適正処理を指導する​。
不適正処理対策の強化
  • 産廃110番による情報入手:54件
  • 産廃Gメンによる巡視:延べ1,440人・日、7,101か所
  • 民間警備会社委託の休日等監視:104日、延べ743か所
  • 啓発広報:ぐんま広報1回、群馬テレビ2回、エフエム群馬2回
  • 市町村職員の県職員併任発令:中核市を除く33市町村113人(2022[令和4]年度末)
  • 廃棄物不法投棄の情報提供に関する協定締結機関:12機関・団体(2022[令和4]年度末)
  • 県警ヘリコプター「あかぎ」によるスカイパトロール23回
  • ドローン運用状況:使用回数22回(内訳:廃棄物2回、土砂20回))

 関係機関との連携により効率的に監視指導や啓発活動等を実施し、廃棄物の不適正処理事案の未然防止・早期発見・早期解決に取り組む。特に新規事案は迅速な初期対応で、特定した行為者等に対して重点的な指導を行う。

土砂埋立ての適正化推進
  • 土砂条例特定事業許可件数:許可3件、変更許可0件・土砂条例制定市町村数:29市町村(2022[令和4]年度末)​
  • ​申請前の事前相談等に適切に対応し、申請の円滑化や審査の迅速化に努める。
  • 不適切な施工に対する監視指導や、土砂条例違反が疑われる事案に係る立入検査に重点を置き、土砂埋立ての適正化を図る。
  • 市町村土砂条例の制定支援による隙間のない監視指導体制の構築を推進する。
3)災害廃棄物処理体制の強化

広域的な災害廃棄物処理体制の強化

  • 市町村災害廃棄物処理計画策定支援研修会を実施して、市町村への計画策定支援を行った。
  • 関東地方の都県市が構成員である「大規模災害時廃棄物対策関東地域ブロック協議会」に参加し、国及び他の都県市と幅広く意見交換、情報交換を行った。
  • 災害廃棄物処理計画が未策定の市町村に対し、研修を実施する。
  • 災害対応力向上のため市町村、一部事務組合及び協定締結団体を対象に研修を実施する。
  • 未だ相互支援協定を締結していない群馬県災害廃棄物処理対策協議会の構成員と協定を締結する。
  • 広域的な支援体制を維持するため、継続して「大規模災害時廃棄物対策関東地域ブロック協議会」に参加する​。
廃棄物処理施設の強靱化の促進
  • 循環型社会形成推進交付金制度等の事務を通じ、環境基本計画期間中に施設整備を計画している市町村に対し、耐震化や災害拠点化のために必要な情報提供を行った。
  • 「群馬県一般廃棄物処理広域化マスタープラン」に基づき広域化の協議中の市町村に対し、情報提供を行った。

 市町村等の廃棄物処理施設整備が円滑に進むよう、引き続き、循環型社会形成推進交付金制度等の事務及び各ブロックの広域化協議会等の場における情報提供により、支援を行う。

4)持続可能な社会を支える人づくり 環境学習の推進
  • 移動環境学習車「エコムーブ号」の利用を活用し、児童生徒等に対して体験型の環境学習の機会を提供する。
  • 「動く環境教室」は学校等71件、行政2件であり、環境学習サポーター数274名を派遣し、学校を中心に県内で広く利用されている。2022(令和4)年度は新型コロナウイルス感染症の影響がある中で、昨年度よりも28件増加した。
  • 対面及びオンライン開催にて「わたしたちにできるごみ減量」と「みんなで考える群馬県の脱炭素まちづくり」の2テーマを、SDGsの理解に向けた「環境フォーラム」として2日間開催した。
  • 「緑のインタープリター養成講座」を開講し、新たに10名の養成をするとともに、「緑のインタープリター活動登録制度」を運用し、127人を活動登録して活用を図った。これまで養成した「緑のインタープリター」の資質向上のため、フォローアップ研修を年13回実施した​。
  • 移動環境学習車「エコムーブ号」を活用した「動く環境教室」事業は、教育委員会との連携により、多く活用されているため、今後も教育委員会との連携を強化することで、利用件数増を図りたい。また、教育現場の実態に即した学習プログラムへの更新や、環境学習サポーターの高齢化により、新たなサポーターの確保が課題となってい
    る。
  • ぐんま環境学校(エコカレッジ)の修了生や、県内で開催される環境イベント等で本制度をPRし、人材確保に努めている。また、現在登録しているアドバイザーに研修等を行い、県が進める各施策との連携強化を積極的に行うなど、各アドバイザーが各地域で自主的に活動しやすい土台作りを行う。
  • 講座メニューの多様化や、各種森林環境教育事業の拡大に対して、高齢化等による指導者不足が心配される。「緑のインタープリター」を計画的に養成し、事業ニーズにあった指導者を派遣する。なお、ぐんま緑の県民基金事業「市町村提案型事業」へも講師派遣をするなど多面的な活動を推進していく​。
  環境情報の提供と共有化
  • 環境学習・環境活動の総合窓口として、動く環境教室の実施、環境学習資料の作成、環境活動団体の情報収集及び提供、環境アドバイザー連絡協議会事務局、こどもエコクラブ群馬県事務局等の役割を果たした。利用者数は昨年度よりもやや増加した。
  • 群馬県の環境に関する情報を発信するためのホームページを運用し、県民の環境に対する理解及び関心を深める​。
  • 環境学習・環境活動の総合窓口として、動く環境教室の実施、環境学習資料の作成、環境活動団体の情報収集及び提供、環境アドバイザー連絡協議会事務局、こどもエコクラブ群馬県事務局等の役割を果たした。しかし環境学習、環境活動の県の総合窓口であることが、一般に周知されていないことから、サポートセンターからの情報発信(ホームページなど)を強化することが求められる。
  • 関係各課との連携を一層深め、内容の充実を図る。環境に関する県の施策に加え、環境美化など県民の取組も積極的に発信していく。閲覧者が、最新の情報を利用しやすくするために、検索機能の付加や見栄え等の工夫をして、利用しやすいホームページの運用をする​。
5)多様な主体との連携・パートナーシップの強化、自主的取組の拡大 県民・民間団体の取組への支援
  • 農業者と地域住民などが行う、農地、農業用水などの地域資源を保全管理する活動や、景観形成などの農村環境を維持する活動及び農業用施設の長寿命化を図るための活動を支援した。
  • 2022(令和4)年度の自治会除草等について、河川においては319団体、砂防においては34団体の協力が得られた。また、河川の美化活動等を行った優良河川愛護団体12団体、道路の美化活動等を行った道路愛護団体16団体の表彰を行った。
  • 引き続き農業・農村が有する多面的機能を維持・発揮するため、地域が取り組む地域資源等の保全管理活動及び農業用施設の長寿命化を図る活動を支援する。また、これらの活動が継続して行えるよう、研修や講習会を通じ活動組織を支援していく。
  • 引き続き、道路や河川等の愛護思想の普及啓発及び地域活動の活性化のため、自治会や学校など、地域の道路や河川等の愛護活動を実施している県民の活動を支援していく。​
  事業者の取組の促進
  • 地元小学校に対して、株式会社チノー藤岡事業所にあるビオトープや株式会社チノーと高崎経済大学が共同開発したネイチャーゲームを通じて環境教育を実施した。
  • 2022(令和4)年度は、「ぐんまDX技術革新補助金」において14社、「ぐんま技術革新チャレンジ補助金(※)」において26社、計40社を支援した。(※「ぐんま技術
    革新チャレンジ補助金」は、「ぐんまDX技術革新補助金(市町村・県連携タイプ)」をリニューアルしたもの)​
  • 産学官連携により開発した学習プログラムを活用し、新たに「体験の機会の場」となり得る企業等の情報収集や訪問を重ね、産学官連携による協働事業が可能な企業及び学校の発掘を行う。
  • 環境・新エネルギー産業をはじめとした、県内中小企業の新技術・新製品開発を引き続き積極的に支援する。
  • 採択件数の増加に向け、次年度からは経営革新計画やBCPを策定している企業には事業継続性を評価し加点評価する一方、前年度採択企業については減点することで、本補助金を幅広い事業者に活用してもらうことをねらっていく。
  行政が行う自主的取組
  • 各所属・施設ごとにエネルギー使用量等削減の目標・計画を定め、県の事務事業に伴う温室効果ガス排出削減を図った。
  • 県有施設省エネ改修(4施設)を実施した。

 引き続き省エネ改修等、県有施設の脱炭素化を推進する。

持続可能な循環型社会づくりに関連する主な指標
指標名 計画策定時のデータ 最新のデータ 目標
年度 データ 年度 データ 年度 データ
県民一人一日当たりのごみの排出量 平成30 986グラム/人・日 令和3 968グラム/人・日 令和12 805グラム/人・日
以下
県民一人一日当たりの家庭系ごみの排出量 平成30 640グラム/人・日 令和3 647グラム/人・日 令和12 404グラム/人・日
以下
一般廃棄物の再生利用率 平成30 15.2% 令和3 14.5% 令和12 27%以下
一般廃棄物の最終処分量 平成30 70千トン 令和3 67千トン 令和12 56千トン以下
レジ袋辞退率 令和2 83.5% 令和4 75.1% 令和12 100%
フードバンクの人口カバー率 令和2 82.2% 令和4 93.0% 令和7 95.0%
バイオマス利用率 平成30 78% 令和3 78% 令和3 78%
不法投棄早期解決率 令和元 70% 令和4 100% 令和12 70%
市町村土砂条例の制定数 令和元 27市町村 令和4 29市町村 令和12 33市町村
動く環境教室受講者数 令和元 7,411人/年 令和4 3,425人/年 令和7 7,500人/年
環境アドバイザー登録者数 令和元 280人 令和4 360人 令和7 300人
ぐんま環境学校(エコカレッジ)修了者数 令和元 22人/年 令和4 8人/年 令和7 30人/年
環境教育研修講座受講者数 令和元 17人/年 令和4 8人/年 令和11 20人/年

(3)自然との共生と森林(もり)づくり

自然との共生と森林(もり)づくり関連事業一覧
項目 施策展開 2022(令和4)年度の主な取組状況 今後の方針、課題

1)生物多様性の保全

生物多様性の保全

  • 自然保護指導員兼監視員から報告された情報を蓄積し、自然保護行政の基礎資料として活用した。また、情報は必要に応じて自然保護指導員にフィードバックするとともに、市町村にも提供した。
  • 自然保護指導員兼監視員の知識向上のため、研修会の開催や情報提供紙の発行を行った。
  • 地形地質、植生及び野生動植物の現状把握のための学術調査を委託により実施した​。
  • 引き続き報告された情報を蓄積し、自然保護行政の基礎資料として活用するとともに、自然保護指導員兼監視員の知識向上のため、研修会の開催及び情報提供紙の発行を行う。
  • 学術調査によるデータの蓄積は、各種施策の策定に必要な基礎情報として重要であり、今後も継続して調査活動を行う必要がある​。
2)生態系に応じた自然環境の保全と再生 多様な生態系の保全
  • 自然保護指導員兼監視員から報告された情報を蓄積し、自然保護行政の基礎資料として活用した。
  • 県が公共工事を実施する際に必要な希少野生動植物の保護対策に係る照会292件に対し、情報を提供した。
  • 県レッドデータブックの改訂を受け、条例指定種及び公共工事の際に配慮すべき種の見直しを行った。
  • 2017(平成29)年度から、学術調査地域をみなかみ町及び周辺地域に設定し、2021(令和3)年度に引き続き、延長して学術調査を実施している。2022(令和4)年度は、動植物、菌類、古生物及び岩石・鉱物の分布を明らかにし、当館収蔵標本と所有データの充実化を図るために分野ごとに調査を進めた​。
  • 引き続き、指導員兼監視員から報告された情報を蓄積し、自然保護行政の基礎資
    料として活用する。
  • 公共工事実施時の照会ルールを徹底し、希少野生動植物種の保護対策に努める。
  • 条例指定種の追加指定を行い、希少野生動植物の保護対策を進める。
  • 2023(令和5)年度からは、学術調査地域をみなかみ町南部及び周辺地域に設定し、3か年計画で学術調査を実施する​。
水辺空間の保全・再生
  • 魚道整備工事を1件実施した。魚道の整備により、河川の連続性が図られ、魚類の遡上が可能となる。
  • 2022(令和4)年度は、山田川等で環境に配慮した河川改修の実施及び周囲と調和した明度・彩度・テクスチャーを有する素材の護岸の選定をすることで景観にも配慮
    した。​
  • 魚道整備により遡上障害の解消が図られてきたが、県内河川には、堰堤等により
    魚類の遡上ができない場所が残っているため、今後も引き続き魚道を整備し、魚
    類の生息環境を確保していく。
  • 引き続き、河川の瀬や淵などのみお筋を考慮するなど、河川が有している自然の復元力を活用できるように配慮し事業を行っていく。
尾瀬の保全
  • 尾瀬の貴重な動植物や原生的な景観の保全を図るため、動植物の生態や河川の水質等の調査研究を行い、その調査報告を尾瀬の自然保護45号にまとめ、公表した。入山
    者による環境負荷を軽減するため、県設置の公衆トイレの適正な維持管理を行った。
  • 尾瀬内でビジターセンター運営をしたほか、学校や企業等に出向いて移動尾瀬自然教室や出前講座を開催した。これらにより、児童生徒や県民に対して尾瀬を通じた環境学習の場を提供した。また、移動尾瀬自然教室では新型コロナウイルス感染症対策のため中止となっていた毛皮や実寸大の動物のぬいぐるみへの触れ合い体験を再開させた​。
  • 調査研究及びその公表については、尾瀬の貴重な動植物の保全対策の方向性を決
    定する上で欠かせない。また、公衆トイレの適正な維持管理については、入山者
    による環境への負荷を軽減するために必要である。これらにより、引き続き事業
    実施に努める。
  • 尾瀬内での環境学習により、日頃から自然に親しむ機会の少ない人に対して自然の紹介やふれあいのきっかけづくりを行う。尾瀬を体験できない人や今後尾瀬への入山を考えている人を対象に、尾瀬の自然や保護
    活動について普及啓発を図る機会として有効であるため、引き続き事業実施に努める​。
3)野生鳥獣害対策と外来生物対策への取組 野生鳥獣対策の推進
  • 狩猟免許試験の休日開催や地域開催及びわな免許取得者に対する講習会の実施、狩猟フェスティバルの開催など狩猟者の確保対策を実施した。
  • 適正管理計画を策定しているイノシシ、カモシカ、ツキノワグマ、ニホンザル、ニホンジカ、カワウについては、現状の把握や対策の検討を行うため、調査研究や関係者による会議等を開催し、被害軽減に係る対策を推進した。
  • クマやシカによる食害から造林木を守るため、忌避剤や帯巻き、侵入防止柵等の設置に対して、経費を助成するとともに、造林木に加害している野生獣を誘引捕獲するための経費を助成している。
  • 新規参入者の確保のため普及・啓発を強化する。
  • 市町村や関係機関等と連携して、「捕る」対策を強化するとともに、「守る」対策、「知る」対策を一体的に推進する。対策に取り組んだ地域では効果が現れているものの、野生鳥獣による農林業被害や生態系被害、生活環境被害は依然として深刻な状況にあり、引き続き取組が必要である。
  • 森林の多面的機能を継続的に発揮させるため、引き続き森林獣害対策を支援する​。
外来生物対策の推進
  • クビアカツヤカミキリ対策として、予防対策補助事業を新たに開始するとともに、防除対策技能向上事業、県有施設防除対策事業、市町村との行政連絡会議における情報共有などの対策を講じた。
  • アカカミアリの発見事例(1件)について、報道提供等による周知啓発を行った。
  • 群馬県漁業協同組合連合会に委託し、奥利根湖や烏川等で953尾のコクチバスを駆除した​。
  • 新たに指定される特定外来生物に留意し、引き続き周知啓発を図るとともに、改正外来
    生物法の趣旨を踏まえ、外来種リストの作成など、必要な体制整備等の検討を進める。
  • 特にクビアカツヤカミキリについては、農政部及び市町村と連携した各種対策に総合的に取り組むことで、被害の拡大防止を図りながら県民への周知啓発に努める。
  • 特定外来生物に指定されているコクチバスによる生態系への影響を軽減するため、今後も引き続き駆除作業を実施していく必要がある​。
4)自然とのふれあいの拡大 ふれあいの「場」の確保
  • 国立・国定公園及び長距離自然歩道の登山道などの補修や維持管理を、地元と協力しながら実施した。
  • 指定管理者による公園の管理・運営を効率的に実施した。新型コロナウイルス感染症の状況を見極めながら、感染拡大防止対策を行った上で開園し、イベントを開催した。また、老朽化した施設の改修(階段補修、給水配管漏水修繕(以上、伊香保)、キャンプ場多目的トイレ補修、松枯れ防止対策、歩道整備(以上、ふれあいの森)、管理棟ブロワー修繕(以上、21世紀の森)や園内の下草刈・除伐を行い利用者の利便性を向上させた。
  • 幼児から高齢者まで、様々な世代を対象とした事業(ファミリー自然観察会、サイエンス・サタデー、ミュージアムスクール、高校
    生学芸員、大人の自然史倶楽部等)を幅広く実施するとともに、参加者が「できた」「わかった」と実感できる内容を実践した。また、事業を行うにあたり、その都度、感染状況を鑑みながら、県のガイドラインを踏まえ、人数制限等を行うなど感染症対策について
    万全を期し、県民が安全・安心して事業に参加できる環境を整え、事業を実施した​。
  • 自然公園は魅力的な自然環境を有し、地域の観光資源の中心となっているため、その豊かな自然景観を保全しながら利用者の利便性の向上や安全を確保するため、計画的・継続的な管理・整備を実施して
    いく。
  • 各森林公園の特徴を活かして、快適な森林空間を県民に提供するために老朽化した施設の改修や園内の森林整備を引き続き行うとともに、森林公園の新たな活用方法について検討する。
  • 県民が安全・安心して自然について学べる環境を整えるとともに、事業内容の改善、参加者が「できた」「わかった」と実感できる内容を実践する​。
ふれあいの「機会」の提供
  • 森林体験活動などに14,873人が参加し、森林環境に対する意識の向上が図られた。
  • 関係人口の拡大・深化を図るために、農泊やグリーン・ツーリズムの事業者等の「『快疎』な空間からの声」を取材・インタビューし、4件のWebコンテンツとして積極的に広く情報発信した。
  • また、「グリーン・ツーリズムインストラクター育成スクール」により人材育成を行い、受入れ体制の整備を行った。さらに、農泊の推進として「農泊モデル地区(農泊×養蚕)」のモニターツアーを2回行った​。
  • 森林環境教育・普及啓発により、森林の持つ機能などの理解を深めてもらうため、引き続き支援する。また、今後も事業を活用してもらうよう普及啓発を図る。
  • 農泊やグリーン・ツーリズムの事業者等のインタビュー記事を8件配信し、県内各地の魅力を発信する。また、「農泊モデル地区(農泊×養蚕)」をPRするとともに横展開を図り、次期「農泊モデル地区」の掘り起こしを行っていく​。
ふれあいを深めるための「人材」の育成
  • 愛鳥モデル校の巡回指導等を通じて、鳥獣保護の普及啓発を行った。また、傷病鳥獣救護施設において、保護された鳥獣の野生復帰を図った。
  • 青少年及びその保護者を主たる対象として、様々な自然体験活動を提供することにより、青少年の主体性や協調性、社会性、問題解決能力等「生きる力」を育成する。


(1)青少年自然体験推進(親子体験活動、自然体験活動、宿泊自然体験活動):1,254人
(2)青少年ボランティア養成・ボランティア体験(自然の家2所):271人 等​等

  • 引き続き正しい自然保護の考え方の普及啓発に努める。
  • 各施設の特色を生かした自然体験活動プログラムを提供し、県民に広く普及・啓発を図れるよう情報発信を行う。
  • 出前講座等、施設外での自然体験プログラムも積極的に提供する。
  • ボランティア体験は、中高生が参加しやすいように主催事業時や夏期休業中だけでなく、秋から冬にかけての土日にも募集を行う​。
5)森林環境の保全 持続経営可能な森林づくり
  • 森林が有する多面にわたる公益的機能を持続的に発揮させるため、森林所有者等が実施する間伐等に対して支援し、間伐等の森林整備を実施した。
  • 森林の整備及び保全、木材生産及び流通の効率化に必要な林道 16路線5キロメートル、作業道108路線129キロメートル、合計 124路線 134キロメートル
    の整備及び支援を行った。
  • 微地形図を基に既設路網の整備状況データを作成し、森林GISに搭載した。また、これまでに整備したデータについて、県、市町村、林業事業体による円滑な共有・利用を図るため、森林クラウドシステムの構築に着手した​。
  • 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、今後も間伐等の森林整備を推進する必要がある。
  • 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるとともに、林業・木材産業の自立を実現するためには基盤整備が不可欠なことから、引き続き、現地の地形状況や木材運搬車両の規格・性能に応じて、林道と作業道を適切に組み合わせた路網整備を推進する。
  • 森林クラウドシステムを活用して森林情報の共有・利用を図るため、利用者の拡大を図るとともに、各種手続を森林クラ
    ウドシステムに集約することで、森林情報の高度化を図る必要がある​。
森林を支える仕組みづくり
  • ​群馬県森林組合連合会が森林組合に対して実施する各種研修会や系統運動に対し助成することにより、系統組織の強化を図った。
  • 林業への就業希望者を対象とした就業前研修、既就業者の技能・技術向上を目的とした研修を実施するとともに、労働安全衛生対策や雇用環境の整備・改善を支援し、林業従事者の確保・育成、定着率の向上を図った。
  • 森林組合が地域の森林の経営管理及び県産材の安定供給の担い手としての役割を果たすため、技術者の育成を促進し、健全な経営を実現できる体制を整え、素材生産量の増大など組合活動の一層の活発化と利益の所有者還元を更に進める。
  • 新たな若手就業者の確保を目的とした就業前研修と、就業者に対する技能・技術向上を目的とした研修等の実施や雇用環
    境の整備・改善のための対策は、林業県ぐんまの林業労働を担う従事者の安定的確保と定着率向上を促進し、森林環境の保全を図るために必要不可欠であることから、今後も継続して実施していく。
公益的機能の高い森林づくり
  • 森林が有する多面にわたる公益的機能を持続的に発揮させるため、森林所有者等が実施する間伐等に対して支援し、間伐等の森林整備を実施した。
  • 豪雨等により荒廃した渓流や山腹崩壊において、治山ダム工等の治山施設を設置するとともに、手入れ不足で荒廃した森林の整備を行って、公益的機能の高い森林づくりを行った。
  • 森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、今後も間伐等の森林整備を推進する必要がある。
  • 本事業は、山腹崩壊地や荒廃渓流等の復旧整備や公益的機能の低下した保安林の整備によって、水源の涵かん養や山地災害防止を図るものであり、今後も県民の安全・安心を確保するため積極的に実施していきたい​。
6)里山・平地林・里の水辺の再生 里山・平地林・里の水辺の整備
  • 野生獣の出没抑制など、地域の安心・安全な生活環境の改善を図るため、森林16ha、竹林19haの整備に支援した。
  • 多々良沼公園における自然再生・保全に向け、植物・魚類・水質等のモニタリング調査や外来種駆除を実施した。
  • 里山・平地林等の森林環境を改善し、安全・安心な生活環境を創造するため、引き続き支援する。また、今後も事業を活用してもらうよう普及啓発を図る。
  • 自然再生・保全の取組は、継続的に実施することが重要であるため、今後も自然再生協議会の構成団体と連携を図りながら事業を推進する。
自然との共生と森林(もり)づくりに関連する主な指標
指標名 計画策定時のデータ 最新のデータ 目標
年度 データ 年度 データ 年度 データ
良好な自然環境を有する地域学術調査区域数 令和元 9地域 令和4 8地域 令和12 8地域
野生鳥獣による林業被害額 令和元 221,659千円 令和3 227,965千円 令和12 177,327千円
野生鳥獣による農作物被害額 令和元 337,746千円 令和3 345,150千円 令和7 176,000千円
クビアカツヤカミキリによる新たな樹木被害の発生本数 令和元 2,051本 令和4 687本 令和12 0本
県立森林公園利用者数 令和元 431千人 令和4 431千人 令和12 540千人
森林ボランティア団体会員数 令和元 4,647人 令和4 5,560人 令和12 6,100人
森林経営計画区域内の林道・作業道の新設延長(2011【平成23】年度からの累計) 令和元 975キロメートル 令和4 1,407キロメートル 令和12 2,900キロメートル

(4)安全・安心で快適な生活環境づくり

安全・安心で快適な生活環境づくり関連事業一覧
項目 施策展開 2022(令和4)年度の主な取組状況 今後の方針、課題

1)水環境、地盤環境の保全、土壌汚染対策の推進

水質汚濁・地下水汚染の防止

  • ​計212地点(うち県実施分は30地点)の河川・湖沼で水質を測定し、水質汚濁の状況及び水質環境基準の達成状況を把握した。また、地下水については、概況調査を151井戸(うち県実施分99井戸)、継続監視調査を57井戸(うち県実施分30井戸)で実
    施した。
  • 延べ217事業場に対し立入検査を実施した。うち34事業場について排水を分析した結果、7事業場が基準不適合であった。構造基準適合率は90.6%であった。それぞれ、文書等で改善を指導した結果、水質改善策や施設の改修・更新等が進められた。
  • 下水道等と合併処理浄化槽のベストミックスの更なる推進等を図るため、「群馬県汚水処理計画」を見直した。
  • 市町村が実施する公共下水道事業や合併処理浄化槽に関する補助制度への支援のほか、県が実施する流域下水道について整備を推進した。
  • 河川の環境基準(Bod75%値)達成率は82.5%で、ここ数年の傾向と変わらない。長期的には改善傾向にあるが、全国平均(2021[令和3]年:93.1%)と比較すると依然として低い。引き続き、国・市等の関係機関と連携し、河川・湖沼の水質測定を実施する。
  • 地下水の環境基準達成率(概況調査)は86.1%で、長期的には改善傾向であり、全国平均(2021[令和3]年:94.9%)に近づきつつある。「硝酸性窒素」の汚染は、面的な広がりをもつため、全県を対象として代表地点を定めた継続監視を行い、その他概況調査等で地下水汚染が発見された場合には、汚染源を確定する追加調査を実施するとともに、必要な事業者指導を行う。
  • 管理状況監視調査及び排水基準遵守状況監視調査を効率的に実施し、排水基準不適合の事業所への適切な指導を行い、県内対象事業所の排水基準遵守の向上につなげる。
  • 汚水処理人口普及率は、近年、市町村財政の緊縮化により、下水道事業費が抑制されている中でもコスト縮減等の努力を図り、全国平均並の伸び率を確保している。今後も最小限の経費で最大の効果が得られるよう、下水道等と合併処理浄化槽のベストミックスによる効率的・効果的な整備を推進し、汚水処理人口普及率の向上を図る​。

地盤沈下の防止

  • 地盤変動量を把握するため一級水準測量を行った。成果は、環境白書及び県ホームページで公表する。
  • 揚水特定施設(851施設)の設置者に対し、年間地下水採取量の報告を求め、これを取りまとめて公表した​。
  • 県全体の地盤沈下は沈静化の傾向を示していると考えられるが、いったん地盤沈下が起こると元に戻ることはないため、監視の継続が必要である。
  • 関東平野北部地盤沈下防止等対策要綱対象地域を中心に今後も一級水準測量を実施し、地盤沈下の状況の把握に努める。
  • 地下水採取量報告による地下水の利用状況を確認しつつ、一級水準測量による地盤沈下の状況を把握していく。
  • 採取量報告が未提出の揚水特定施設設置者に対し、条例に基づく報告を提出するよう個別指導する​。

地下水・土壌汚染対策

  • 有害物質使用特定事業場に対する立入調査を行い、法制度の周知及び有害物質の適切な取扱い等について指導を行った。
  • 「土壌汚染対策法」第4条に基づく届出は121件あり、当該届出に係る土壌汚染状況調査結果報告を10件受け付けた。
  • 土壌汚染が確認された事案について、必要な調査を実施するとともに、土地所有者等に対して適切な対応を指導した。
  • 碓氷川流域の岩井畑地区における農用地土壌汚染対策事業において、対象地域のうち0.49haの排土・客土工事が完了したことで、2020(令和2)年度から開始した岩井畑地区における農用地土壌汚染対策事業が完了となる。また、同流域の野殿畑及び野殿北浦地区における農用地土壌汚染対策
    の事業化に向け、地元との協議を実施した​。
  • 地下水汚染を未然に防止するため、有害物質使用特定事業場等の立入調査において、構造基準等を遵守するよう事業者指導を行う。
  • 土壌汚染の報告があった場合には、周辺の地下水利用状況の把握等を行い、健康被害の生ずるおそれが無いよう、土地所有者等に必要な指導を行う。
  • 碓氷川流域の岩井畑地区における農用地土壌汚染対策事業を実施した地域において、効果確認のために解除前試験を実施する。同流域の野殿畑及び野殿北浦地区での事業化に向けて地権者との調整を行う。また、渡良瀬川流域においては、農用地以外へ転用された地域があるか確認し、汚染対策地域の指定を解除する​。
2)大気環境の保全、騒音・振動・悪臭の防止 大気汚染の防止
  • 一般環境大気測定局及び自動車排出ガス測定局において、大気汚染の常時監視等を実施した。
  • 光化学オキシダントは、全ての測定地点において環境基準を達成できなかった。他の環境基準設定項目は、全ての測定地点で長期的基準を達成した。
  • 新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮しながら、ばい煙発生施設等を設置している264事業場(県実施分。小規模な施設等を対象とした調査票送付による検査97事業所を含む。)について立入検査を行った​。
  • 光化学オキシダント及びPm2.5については広域的な大気汚染問題であることから、自治体の枠組みを超えた広域的な対策・研
    究を進めていく。
  • 光化学オキシダント及びPm2.5の測定体制を維持し、高濃度値が確認された際には適切に注意報を発令して、県民の健康被害
    の防止を図る。
  • ばい煙発生施設等の設置事業所は約1,500あり(県管轄の施設に限る)、毎年全施設を検査することは困難であるが、引き続き良好な大気環境を維持するため、計画的に立入検査等を実施していく​。
騒音、振動の防止
  • 各市町村が2022(令和4)年度中に実施した各種測定結果を集計した。
  • 自動車騒音常時監視を実施(玉村町における1路線)した。
  • 新幹線騒音測定を実施した。
  • 東日本旅客鉄道(株)高崎支社への要望活動を行った。
  • 市町村職員を対象とした研修を開催した​。
  • 環境基準達成状況は概ね良好であることから、現状の取組を継続する。
  • 新幹線騒音については環境基準の達成率が低いことから、沿線市町と協力して要望活動を粘り強く実施し、達成率の向上に努める​。
悪臭の防止
  • 市町村職員を対象に臭気測定法研修会等を開催し、臭気測定方法の習得を図るとともに、においセンサーの貸出し等による市
    町村支援を行った。
  • 畜産試験場で開発したネット式脱臭装置について研修を実施した。「悪臭防止法」や「水質汚濁防止法」に対応するため、資料をまとめた冊子を作成し、ホームページで周知を行った。また、堆肥施用展示圃の設置やホームページによる堆肥生産者情報の発信を行い、tsulunos」による「堆肥のお話」を継続して公開し、堆肥の利用拡大を推進した。​
  • 市町村職員の実務知識習得のための研修会の開催、においセンサーの貸出し等による市町村支援を継続して行う。
  • 県内全市町村、全区域への臭気指数規制導入を目指し、調整を行う。
  • 畜産公害の発生を防止し畜産環境の保全を図るため、研修会の開催、啓発資料の配布等を実施する。また、苦情対応は関係機関との連携のもとに速やかに実施し、問題の早期解決を図るとともに、県単事業により防臭シートや脱臭装置(ネット式、ろ材充填式)の導入に必要な費用の一部を補助する​。
3)有害化学物質による環境リスクの低減

有害化学物質対策

  • ダイオキシン類の環境監視について、大気3地点(各地点2回)、公共用水域(水質)3地点、公共用水域(底質)3地点の測定を実施したところ、全ての地点で環境基準値未満であった。
  • 「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づく特定施設のうち大気基準適用31施設、水質基準適用5施設に立入検査を行い、大
    気基準適用4施設に対して口頭で改善指導を行った。
  • 解体工事におけるアスベスト飛散防止対策として、特定粉じん排出等作業の届出のあった32件(県受付分)について、作業現
    場に立入検査を行い、養生等の飛散抑制対策の実施状況について監視・指導を行った。また、届出の不要な解体作業現場への立入検査を、470件実施した。
    ・一般環境2地点(夏期・冬期の2回)でアスベスト調査に係る総繊維数測定を実施したところ、全て特定粉じん発生施設を設置する工場事業場の敷地境界基準値(10本/リットル)未満であった。
  • 「ダイオキシン類対策特別措置法」に基づく自主測定が未実施又は未報告の事業者に対し立入検査を実施し、改善指導を行
    う。
  • ダイオキシン類の環境監視を効率的かつ計画的に実施する。
  • 2022(令和4)年度から事前調査結果の県知事への報告が開始され、建築物の解体等工事現場への立入検査を更に強化した。引き続き立入検査を実施し、大気汚染防止法」の周知及び事業者指導を行う。また、環境調査についても継続して実施する​。
有害化学物質の適正管理の推進

 塩化メチル、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等を調査対象とし、届出排出量の多い事業場周辺6地点において年2~3回大気環境調査を行った。発生源の影響を受けていることが示唆された地域もあったが、調査した全ての地点において、環境基準等を超過する値は検出されなかった。

 届出排出量の多い事業場について、周辺への環境調査を継続し、その影響の把握に努め、必要に応じて事業者指導を実施する。

4)放射性物質への対応 中長期的な視点での環境監視の実施
  • 環境放射能水準調査では、国から受託した調査項目を完全実施した。
  • 県内市町村と連携し、サーベイメータ等により生活圏443か所の空間放射線量率の測定を行った。なお、前年度に引き続き、効率的な調査方法を検討し、測定地点の見直しを行った(443か所→113か所)。当該測定地点見直しは、2023(令和5)年度から適用する。
  • 県有6下水処理場から発生する汚泥をセメントや肥料の原料として再利用しているが、再利用して生産された製品の放射性物質濃度がクリアランスレベルを満たすことを確認するため、下水汚泥に含まれる放射性物質検査を月に1度行い、その結果を速やかに群馬県ホームページで公表した​。
  • 引き続き、国から環境放射能水準調査を受託し、環境放射能の水準を把握するとともに、市町村と連携し、生活圏の空間放射線量率を監視する。
  • 継続して検査を実施し、下水汚泥に含まれる放射性物質濃度を確認する。
  • 安全性の確認できた下水汚泥は、再利用可能な事業者へ搬出する。
  • 放射性物質の検出頻度も少なくなっていることから、今後、検査体制を検討する必要がある​。
情報の総合化、広報の促進
  • 県内市町村と連携し、サーベイメータ等により生活圏443か所の空間放射線量率を測定し公表を行った。これまでの測定結果を踏まえ、2022(令和4)年度から年1回の実施とした。また、当該測定に関する調査を行い、結果を取りまとめ市町村に還元した。
  • 県内各分野での放射線対策の状況をまとめた「群馬県放射線対策現況」を作成し、公表した。

 引き続き、県・市町村の各放射線対策の実施主体間で、情報共有するとともに、県民にわかりやすく情報提供をする。

5)快適な生活環境の創造 快適な環境の確保
  • ​緑化運動推進期間中に公益社団法人群馬県緑化推進委員会などの主催により県内各地で苗木配布会や緑の募金活動を実施したほか、10月22日には350名の参加を得て南牧村にて県植樹祭を開催した。また、緑化運動推進ポスター原画募集に1,603点、標語募集に14,495点のそれぞれ応募があった。これらを通じて、緑化意識の普及や緑資源の保全が図られるとともに暮らしやすい生活環境づくりの推進が図られた。
  • 地域の特色に応じた景観づくりのため、市町村の景観行政団体移行や景観計画策定、景観条例制定に向けて人的支援(県職員による技術的助言・指導)を実施した。2022(令和4)年度は、安中市が景観条例を施行した。
  • 良好な景観づくりを進めるため、屋外広告物の設置場所、表示面積、高さ及び表示方法等の基準を定めた屋外広告物条例に基づく設置許可事務を行い、2022(令和4)年度は758件を許可した。
  • また、良質な業者の育成を進めるため、屋外広告業者の登録事務を行い、2022(令和4)年度末現在、712件の業者が登録されている。
  • 緑豊かで暮らしやすい環境づくりを推進するため、引き続き緑化技術の普及啓発や緑化運動の積極的な推進を図る必要がある。また、募金意識の多様化などから「緑の募金」が伸び悩んでいるが、2022(令和4)年度は前年度を上回った。森林や
    緑に対する関心は高く、県民や企業への啓発活動を粘り強く推進していく。
  • 景観行政団体に未移行の市町村へ移行に向けた取組状況や課題を確認し、引き続き市町村への人的支援(県職員による技術的助言・指導)を実施するほか、国の補助金の活用を進める等、景観行政団体への移行を推進していく。
  • 引き続き屋外広告物の規制・誘導や屋外広告業の登録業務等を行い、良好な景観形成を図る。
  • 2022(令和4)年度も県条例適用区域内では看板落下事故はおきておらず、引き続き安全面からも適正な管理をする必要
    がある​。
文化財の保存・活用
  • 世界遺産及びその周辺環境のモニタリング調査を継続し、概ね良好に保存されていることを確認した。
  • 「富岡製糸場と絹産業遺産群」構成4資産で保存整備を継続して実施した。
  • 国・県指定等文化財及び重要な埋蔵文化財包蔵地の維持管理に万全を期すため、県で委嘱した文化財保護指導委員31名が定期的に巡視し、保存状態を確認し各教育事務
    所が取りまとめ、県に報告している。指摘された文化財や包蔵地については、県文化財保護課が市町村に伝達し、適切な保護の措置が行われるように指導している​。
  • 世界遺産及びその周辺環境のモニタリング調査を継続することにより保存を図る。
  • 遺産影響評価の実施に向けて、マニュアルを作成する。
  • 「富岡製糸場と絹産業遺産群」構成4資産の保存整備事業を継続する。
  • 国・県指定等文化財及び重要な埋蔵文化財包蔵地の維持管理に万全を期すため、文化財保護指導委員による定期的な巡視が重要であり、事業を継続していく。文化財保護指導委員の人員確保が今後とも課題である​。
地産地消の促進
  • ホームページの公開、Facebook・Instagram等のSNS発信、県庁動画スタジオ「tsulunos」を活用した動画配信などを行ったり、観光資源(リトリート)と連携した食につながる体験を行ったりすることで、県産農畜産物の魅力を発信した。
  • 「ぐんま地産地消推進店」を巡るデジタルスタンプラリー事業を行い、「ぐんま地産地消推進店」の認定促進に努め、「同優良店」認定数が13件増加した。また、誰もが簡単に地産地消推進店の情報を取得できるよう、地産地消ホームページサイトを立ち上げ、情報発信を行った。
  • 引き続きSNS等を活用した県産農畜産物の魅力を情報発信するとともに、消費者が県産農畜産物を購入できるよう産直ECサイト等を活用した県内生産者の販路開拓を支援する。また、民間料理教室や群馬県産農畜産物販売協力店等との連携により、県産農畜産物の認知度向上、活用推進を図る。
  • 「ぐんま地産地消推進店」の認定促進に努め、特に「同優良店」認定数増加を図る。また、社会情勢に合わせた制度や申請方法等の見直しを行うとともに、情報発信やPRの方法、優良店認定によるメリット等の検討を行う​。
安全・安心で快適な生活環境づくりに関連する主な指標
指標名 計画策定時のデータ 最新のデータ 目標
年度 データ 年度 データ 年度 データ
公共用水域環境基準達成率(河川:Bod75%値) 令和元 85.0% 令和4 82.5% 令和12 90.0%
汚水処理人口普及率 令和元 81.8% 令和3 83.1% 令和9 91.7%
大気への化学物質の排出量(Prtr制度による届出値) 平成30 4,061トン/年 令和3 3,202トン/年 令和11
実績
4,000トン/年
公共用水域への化学物質の排出量(Prtr制度による届出値) 平成30 59トン/年 令和3 54トン/年 令和11
実績
50トン/年
モニタリングポストにおける空間放射線量率(0.23μSv/h未満) 令和元年 100% 令和4 100% 令和12 100%

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