本文
ぐんま学生会議 ロールモデルインタビュー【6】町田 恵美さん(町田酒造 杜氏)
明治16年創業、130年以上の歴史を持つ町田酒造で、子育てをされながら、女性杜氏として活躍される
町田 恵美さんにお話を伺いました。
取材者:共愛学園前橋国際大学 国際社会学部 3年 木村美咲、佐藤美里、須田美唯奈、根本詩織
1 杜氏となる際の、周囲の反応はいかがでしたか。
お客さんの反応がやっぱり少し、良くなかったこともありました。
「町田さんちのお酒は造る人が若い人になったから、違うところで買うよ」と、お店を変えられてしまったりとか、そういうこともありましたね。
一年に一回全国の品評会というものがあり、まずはこういったところから力を入れて、杜氏になって2年目の品評会で金賞を取ることができました。2年で取ることができたということは大きな喜びで、従業員みんなで喜んで、酒造りの方向は間違っていなかったのだなと思いました。
2 これまでのキャリア形成において、周りの方が力になってくれたというエピソードはありますか。
子育てでは、父と母のサポートがありました。
あとは、実は酒蔵の娘さんが酒蔵を継ぐというのは私の中では珍しいことではなくて、全国で20人くらいいると思いますが、ちょうど私と同じような年代の人が多いのです。
その集まりに毎年参加していますが、そこから元気をもらいます。女性は女性だけで集まると、かなりパワーが生まれていますね。
3 どうすれば女性が職場や社会で活躍しやすくなると思いますか。
女性には、キャリアを積むことと合わせて、結婚・子育てをしたいという気持ちもあると思いますので、うまく両立できたらいいと思います。
子どもを産む時期はキャリアは少しお休みして、その後は保育園等のサポートをうまく利用しながらやる気を持って働きキャリアを充実させる、という働き方も良いと思います。
4 町田さんが思う群馬の魅力は何だと思いますか。
群馬でお酒が売れるところは、草津等の温泉街のお土産屋さんがダントツでした。
群馬は温泉も何カ所もあり、人も物も多く動くので、良いところだと思います。
あとは、ぐんまちゃんがゆるキャラグランプリ1位になって、少し知名度が上がったのかなと、うれしかったですね。
5 女子学生へのアドバイス・応援メッセージ
私は家業を継ぎましたが、家業を継ぐのもいいなと思います。自分では『家業を継ぐ』というのは少しハードルが高かったんですけれども、地元に帰ってきて、自分の出身の学校に自分たちも通い、小さい頃から知っている方と一緒に子育てや生活をしていくのは、すごくいいなと思います。
一度県外で就職しても、地元に帰ってくるのもいいと思います。家業を継いで、大変なことは色々とありましたが、自分の飲みたいお酒を造るために、色々と自分たちで工夫して変えていくこともできるので、家業を継ぐのも良いと思います。
6 学生の声(感じたこと等)
町田さんは数少ない女性の杜氏さんであり、一般企業で働いている女性とは異なる視点からの貴重なお話をいただけて光栄でした。古くからの伝統を守りながらも、新しいものをつくり出していることが素晴らしいなと思いました。その成果は、お客様一人ひとりの声や地域・家族の支えがあったからこそのものであることを知ることができました。一人ではなくみんなで支え合うことこそが、女性がより社会進出をしていくための大きな一歩だと感じました。