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ぐんまの寺社魅力発掘・発信事業について
1 ぐんまの寺社魅力発掘・発信事業とは
ぐんまの寺社魅力発掘・発信事業は、県内に所在する近世を中心とした寺院・神社の本質的価値を調査により把握した上で、次の2点を目的として、令和元年度からはじまりました。
- その成果を生涯学習・郷土学習に活かし、県民に県内の寺社の魅力を理解していただき、県民の誇りを醸成する。
- そのすばらしさを情報発信することによって、観光県ぐんまの推進につなげる。
事業の主な内容は、寺社に関する調査、アプリ・パンフレットの作成、普及イベントの開催です。
寺社は宗教施設であると同時に、地域における歴史と伝統を担ってきた側面もあります。
建造物や仏像などの美術工芸品は、当時の技術や様式を伝えてくれるものであり、神楽や獅子舞といった民俗芸能は地域の伝統を示すのみならず、地域社会の核ともいえる存在です。
あまりにも身近で、何気なく通り過ぎてしまうこともあるかもしれませんが、寺院・神社は歴史遺産の宝庫であり、見方を変えるだけで非常に興味深いものです。
ぜひ、近くにある寺社の文化財に御注目ください。
2 ぐんまの近世寺社の魅力
県内の寺院・神社の何が魅力的なのかといいますと、近世初期から末期に至るまで、近世全体を通して装飾建築の発展過程が見られることです。近世寺社建築の装飾は東日本に特徴的でありますが、県内においても多く見られます。そして、多くの歴史的寺社がある京都や奈良では古代や中世の建築様式が注目されますが、県内には近世の建築様式を残す寺社が数多く残っているという特徴があります。
県内には、近世よりも古い寺社建築は、数棟を残すのみですが、逆に近世では、前期から後期に至るまでの様々な年代に建てられた寺社建築が各地に見られます。そして、時代が下るにつれて、建物を彩る装飾技法が進化していく様子を鮮明に見ることができます。
3 近世寺社総合調査の実施
調査は、寺社の歴史的価値を明らかにするには必要不可欠なことです。近世寺社の装飾を含む歴史的建造物を中心に調査を行うと共に、その寺院・神社に所在する民俗芸能や美術工芸品なども含めて幅広く把握しました。
写真1 産泰神社(前橋市)での調査
歴史的建造物の調査は、誰にでもできるものではなく、歴史的建造物に関する知識をもち、修理等に従事した実績のある人員により調査を行っています。
県内には2千数百を超える寺社が存在しますが、その中から国・県・市町村指定などで文化財的重要性の高い寺社や専門家・市町村等からの推薦を得た寺社を選び出し、調査を行いました。
写真2 本妙寺(伊勢崎市)での調査
4 群馬県公式アプリ「ぐんま寺社巡り」の作成
歴史的建造物等がある寺社を知り、周遊するための多言語(英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語)対応のスマートフォン用アプリを作成しました。随時内容を充実させていく予定ですのでお楽しみに。
詳しくはこちら→(群馬県公式アプリ「ぐんま寺社巡り」ページへ)
画像1「ぐんま寺社巡り」アプリアイコン
5 パンフレットの作成
国・県指定重要文化財の建築がある寺社を対象に多言語(英語・中国語簡体字・中国語繁体字・韓国語)パンフレット「ぐんま寺社巡り」を作成しました。スマートフォン用アプリよりお手軽な内容となっています。スマートフォンを使われない方にお勧めです。
「ぐんま寺社巡り」パンフレット表紙
6 近世寺社総合調査の報告書
令和元年度から実施した調査の成果を取りまとめた報告書を刊行し、県内各所の図書館に配布しました。
報告書は、以下の外部リンクからダウンロードできます。
- 群馬県近世寺社総合調査報告書-歴史的建造物を中心に-本編<外部リンク>
- 群馬県近世寺社総合調査報告書-歴史的建造物を中心に-寺院編<外部リンク>
- 群馬県近世寺社総合調査報告書-歴史的建造物を中心に-神社編<外部リンク>
7 調査完了記念講演会
令和4年12月18日に、群馬県内の寺社建築の歴史的特徴を明らかにし、寺社にまつわる文化遺産の継承を目的として、調査に関わった建築史や歴史学の研究者による「ぐんまの寺社魅力発掘・発信事業 調査完了記念講演会」を開催しました。
講演会の様子は以下のリンクからYouTubeにアクセスしてご覧ください。
「ぐんまの寺社魅力発掘・発信事業 調査完了記念講演会」<外部リンク>
講演会資料は以下の外部リンクからダウンロードできます。
講演会資料 (PDF:2.58MB)